出演、
 
”月姫”   ☆志貴  ☆シエル レン ☆アルクェイド 
”KANON”   ☆祐一  ☆栞  舞&まい  ☆佐祐理
  




いつものように、俺は栞とデートをしていた。
駅前で、待ち合わせをして、ゲーセンにいって栞の下手っぷりに笑って
『そんなこという人嫌いです』 っていわれたり。


それから、商店街をうろうろしてウインドウショッピングをしたり。
まあ、ここまでは普通どおりだったんだ。

 俺が 「昼飯はたまにはカレーにしよっか」 

この一言を言うまでは。



”カレー風雲記”

「そんなこという人、だいっきらいです!! 
 
人類の敵です!! 祐一さんなんてこというんですか!」

まったくひどいいわれようだ・・・・


「栞ー… なんでそんなにカレーが嫌いなんだ?」

「知りません。 生まれたときから嫌いだったんです
 だいたい、そういう祐一さんこそなんでそんなに私にカレーを食べさせようとするんですか?」

「え? っそそれは・・・」


まさか理由が”せっかくだから”なんていえんぞ・・・


「とにかく! カレーは人類の敵です。 いくら祐一さんの頼みでもこれだけはだめです」

「一回ぐらいいいじゃないか、昼にカレー食べるのくらいさあ、
 この間隣町に新しいカレー店ができてさあ。 北川のやつがすごくおいしかったっていうんだよ」

「それじゃあ一人でいってきたらいいじゃないですか!!」

どうやら栞はかなり不機嫌なようだ。 
学食のカレーが視界の端にはいっただけでもコメカミがピクピクするくらいなのに
カレーが集まっている、栞にいわせれば ”人類の敵”が集まっているところにつれていこうとしてるんだからな。 不機嫌になるのも当然といえば当然だ…しかし!
嫌がられれば嫌がるほどどうしても食べさせたくなるのが俺だ!!


「バニラアイスおごるぞ」

「それぐらいで釣られる私じゃありませんよ!!」

いつも釣られてるくせに…心の中でそう思ったが口には出さないことにしよう。


「いいじゃないか カレーを食べるくらい! 
 だいたいこの世の中にカレーが嫌いっていう人のほうが少ないんだぞ!」

「こんな世の中私がきっと粛清してあげますよ!」

どうやってもいうことを聞かないつもりだな…しかたない今日はあきらめるか。
俺がそう思った瞬間


「あら? どうしたんですか なんかカレーのことでもめてらっしゃるようですが」
眼鏡をかけた綺麗な女性が俺たちに声をかけてきた。 
その横には同じく眼鏡をかけた少年が「やれやれ」という顔でたっていた。

「え? あの別にたいしたことじゃないんですが」

いつの間にか声が大きくなっていたようだ、あたりを見回すと通行人がこちらをちらちらと見ている。

「たいしたことです! なんたってカレーなんて人類の敵を食べに行こうなんていうんですから!!」

この言葉に眼鏡の女性のコメカミがピクピクと動いた。

「も…もう一回いってくださりますか?」

「何度でもいってあげます!! カレーなんてえ! 人類の敵です!!!!」

栞がそういった瞬間。 眼鏡をかけた少年が大声で叫んだ!

シエル先輩!! おちついてくださいっ!!!」

遠野くん…これが落ち着いてられますか… カレーが嫌いなあなたこそ人類の敵です。
 あなたにはどうやら神の罰をあたえなければいけませんねっ!!!」

「なっ!?」
「きゃっ」

そういってシエルと呼ばれた彼女は、いつのまにか 黒く長い剣のようなものを何本ももっていた。

「逃げるんだ!! 早くっ!!」
遠野とよばれた少年が俺たちにそう叫ぶ。 
いかん… ここは本気で逃げたほうがよさそうだ…

「栞っ! 逃げるぞっ!!」
「あっ!!」

俺は驚いて固まったまま栞の手を引いて逃げ出した。

「逃がしませんっ!!」

ガシンッ ガシンッ 

後ろから声がしたかと思うと、俺たちの前に、黒い剣が二本突き刺さった。

「きゃああっ・・・・!!」
「大丈夫か? 栞っ!!」

ちっ…これは逃げられそうにない。
ある意味魔物より恐ろしい敵だ。 あたりを見回すと、通行人の姿はなかった。
全員ここからにげたんだろう。

神の怒りを思い知りなさいっ!!」
彼女の手から、一本の黒い剣がこちらに向かって投げられる。
どうでもいいが、彼女のいう神というのはカレーの神なのだろうか? 
まあ、そんなことはどうでもいい!

これはよけられそうにない・・・ もうだめかっ!! と思い俺はかばうように栞を抱きしめる。
しかし、

サクッ、シャキッ、ザクン 

という音がして、いつまでたっても俺に剣が突き刺さることはなかった。
なんだ? と思って俺が眼をそちらをみると、
眼鏡をはずした少年が、ナイフをもってたっていた。 
気のせいだろうか瞳が淡く青色に光っているように見える。
その足元にはバラバラに切り裂かれた黒い剣の残骸が転がっている



「邪魔をしましたね…遠野くん 」

「先輩やめてくださいっ!! いくらカレーが好きだからって、それで人を殺していいと思ってるんですか!! 相手は死徒じゃない! 人間なんですよっ!!」

「甘いですね。 遠野くん。 カレーを侮辱するやつは、死徒よりも! 
 そう、あのアーパー吸血鬼と同じ位の悪なんですよっ!!」

死徒や、アーパー吸血鬼というのが誰のことかわからないが、ヤバイことに変わりはないらしい。


〜そのころ〜

アーパー吸血鬼「くしゅんっ!!」
レン「大丈夫ですか?」
アーパー吸血鬼「くしゅん…大丈夫よ レン。 くしゅっ・・・だれか私の噂でもしてるのかなあ?」


「本気なんですね…先輩…」
そういうと遠野はナイフを逆手に構えて、深く腰を下ろす。

「遠野くんこそ…眼鏡をはずして、私の死の線を斬るつもりですか。 
  でも貴方に私を…人を殺すことができるのですか?」

「くそっ…」

「できるはずありませんよね。 できていたら、あなたも私もいまここにいるはずがありませんから

「二人とも早く逃げてっ! ここは俺がなんとかするからっ!!」

遠野はシエルから目をそらさずに俺たちにそう叫ぶ。

「わかった…いくぞ 栞っ!!」
俺は栞の手を引いて・・・走った。


























「はあ・・・はあ・・ ここまで逃げれば大丈夫だな…大丈夫か 栞・・・?」
「はあ・・・はあ・・・はあっ・・・ はい・・・なんとか」
俺たちは、走って噴水のあるあの公園までやってきていた。
「しかし、あんなことになるあんてな…」
「はい…私もびっくりしました」
俺たちがもう立てない…って地面にひざをついていると

「祐一さんじゃありませんか〜 あはは〜 こんなとこでどうしたんですか?」

「佐祐理さん?」

「はい、佐祐理ですよ〜 舞もいますよ」

「……よう」

「よう! 舞」

公園にいたらしい舞と佐祐理さんに声をかけられた。

「栞ちゃんもいっしょに…ということはデートですかぁ?」

「はいぃ…」
「ええ・・・まあそうだったんですけどね」
栞は膝をついて俺にもたれて肩で息をしていた。

「祐一…なにかあったの?」
舞が心配そうにたずねてくる。

「ちょっとな…たいしたことじゃないよ」
実際はコレ以上ないくらいたいしたことなんだけど、舞に余計な心配をかけたくはなかった。
いったら、舞は命がけで俺たちを助けてくれるだろう。 だからこそだ。

「たいしたことじゃないとは余裕ですねえ!!」

しかし、そんなことは無駄に終わったようだ。

どこからともなくシエルの声が聞こえてきたかと思うと、いつのまにか俺たちの前に立っていた。

「さあ? 覚悟はいいですか?」
そういって、シエルはまた何もないところから黒い剣をいくつも手にする。

くそっ…ここで終わりかよ・・・そういえば…

「シエルっ! あの遠野とかいうやつはどうしたんだ!!」

「遠野くんですか? 直視の魔眼使いすぎで気を失ってますよ。
 遠野くんもお人よしがすぎるんですよねえ…まあそこがイイトコなんですけど♪」

「そっか…生きているんだな よかった…」

「おかしなことをいいますねえ 私が遠野くんをころすわけないじゃないですか。 
 とまあ、そんなことはどうでもいいです。 さっさとその小娘をさしだしなさい」

「祐一さん…」
そういって、栞は俺にしがみついてくる。

「栞は俺の
大事な恋人だ!! おまえなんかに殺させてたまるものか!! 絶対に守って見せる」

「ならばいっしょに死んでくださいっ!!」

シエルの手から数本の剣が投げられ、すごいスピードで俺たちに向かってくる。
よけようにもさっきまで走りっぱなしだったせいで、足は動かない。

「くそっ!!!」
俺は、栞を抱きしめながらそう叫んだ。

そのとき、そこに颯爽と飛び込んでくる黒い影

キン キン カキン カン チャキン

そして、その影は銀色の煌きで、すべての黒い剣を叩き落した。
こんなことができるのは…

「舞っ!!」

「祐一を傷つけるやつは絶対に許さない」
そこにはいつもの剣を手にした舞がたっていた。
剣はいつも持ち歩いているんだろうか? まあ、そんなことはどうでもいい。

シエルは、自分の剣を全部はじき落とした舞に少し感心して、こんなことを尋ねた。
「なかなかやりますね。 あなたはカレーが好きですか?

「・・・?」
唐突な質問に舞は驚いている。 そりゃそうだ、いきなりカレーが大好きですか? 
なんて宗教の勧誘と同じような口調で尋ねてきたんだから。

カレーは好きですか?
シエルはもう一度たずねる

「嫌いじゃない…」

「あなたは?」
そして、近くにいる佐祐理さんにも尋ねる。

「あはは〜佐祐理も嫌いじゃありませんよ〜」

「それならさがってください。 カレーが嫌いじゃない人に悪人はいませんから」
二人の答えを聞いて、シエルはそういった。
ああ・・・この人の世界はカレーを中心に回ってるんだな。


ぽんぽこたぬきさん

しかし、舞はそういって俺の前から動かなかった。

「どうしてもやるつもりですか?」

「こくっ…」

「しかたありません!! あなたにも神の罰を与えてあげますっ!!」

「…私は負けない」

カキン チャキ ガシインッ!!

目の前で激しい攻防戦が繰り広げられている。

シエルという女が、黒い剣を生み出しは投げて、生み出しはなげてくる。

それを舞はすごい反射神経と運動能力ですべて叩き落す。

「なかなかやりますね」

「あなたも…」

「しかし!! これで終わりですっ!!」

シエルは、攻撃を空中に飛び去って交わした、舞の着地点を狙って剣をなげてくる。

「あぶないっ! 舞っ!!」

「…… ”まい”」

バシュンッ!!

そのとき、いきなり舞の体が光り輝いたかと思うと、ちいさな女の子が現れた。

「舞は傷つけさせないんだからっ♪」

そういって、”まい”は、シエルの剣を不思議な力ではじき返す

「舞っ!! それは!!」

「祐一のおかげで…私は自分の力を受け入れられた…」

「えへへ〜 祐一くんは私が守ってあげるからね♪」

「なっ!?」

そして舞は驚いているシエルの懐に飛び込み

「ざっ…せいっ!!」

横一文字に剣をふりぬいた。

「くっ…」
シエルはそれにたまらず膝をつく。

「舞っ!!!」

「大丈夫みねうちだから…」

みねうちじゃくても…生きていたら私が治してあげるから半殺しまでならオッケーだよ」

ビシッ!

「いたいよ〜 なんでぶつの〜」

「…うるさい」

「祐一くん〜 舞がぶったよ〜」

まったく緊張感がない… 
と思ったところでシエルはむくりと立ち上がった。

「えっ? なんで?」
「・・・しばらくは動けないはず…」
マイマイコンビがびっくりしている。

自己保存の魔ってやつですよ。 ある程度の傷は一瞬で治っちゃいます。
 まあ…”あのころ”に比べたらぜんぜんですけどね」

「なにっ〜それ? 卑怯だよっ!!」
「・・・・はちみつくまさん」

「あなただって 不思議な魔術を使ってるじゃありませんか! おあいこですっ!」
まあ…私を倒したければ、直死の魔眼で完璧に殺すんですね

そういってシエルは不敵に微笑んだ

ヤバイ…シエルに勝つには殺すしかない。
しかし、やさしい舞にそんなことができるはずはない。
ということは・・・舞は絶対にシエルには勝てないってことだ。


「さあ…どうしたんですか? 私を殺してくださいよ」
 じゃないとあの二人が死ぬことになりますよ」

「舞〜…この人怖いよ〜…」
「ぐしゅ・・・ぐしゅ・・・そんなことできない・・・でも祐一は守る・・・絶対に・・・・」

「舞っ…」
さゆりさんは泣いてしまった舞を抱きしめる。

「さゆり〜 私っ・・・私っ・・・」
いつのまにか、”まい”は消えてしまっている。

「舞っ! もういいっ! やめろっ!!」

「あらあら…ないてしまったのですか。
  そのままじっとしててくれたら今回は許してあげますよ」

「でも・・・私は・・・ぐすっ・・・ 祐一を・・・ひっく・・・」
「舞っ・・・もういいから・・・ 舞っ・・・
 祐一さん・・ ごめんなさい・・逃げてくださいっ!!」

「わかったさゆりさん!! いくぞ栞っ!!」
「はいっ」

そういてって俺は栞を連れて公園を飛び出した。


「どこまで逃げるつもりですか…そろそろ観念したほうがいいですよ」

シエルは俺たちのあとを一定の間をあけて追いかけてくる。
くそっ いつでも追いつけるくせに俺たちにプレッシャーをかけてきやがる。

「祐一さんっ・・・私もう走れませんっ!!」
「栞っ!! 俺の後ろにのれっ!」
「でも・・・ いいからっ! 俺がおぶってやる」
「すいません」

ギュッ

「あらあら、お熱いですね」

しかし、どこへ逃げればイイ どうすればいい。 このままじゃあいつかあいつにやられてしまう。

そうだ!

「栞…いちかばちかの賭けだ」
「なんですか?」

そういって俺は栞の耳にそっとつぶやく。

「えっ? それは!!」

「もうこれしか方法がないんだ! たえてくれ・・・」

「・・・・はい・・・わかりました。 元はといえば私のせいですし・・・」

俺はその言葉をきいた瞬間、歩みをとめてシエルのほうを振り向いた。

「シエルっ!!」

「もうおしまいですか」

「違うっ! こいつは今まで本当においしいカレーを食べたことがなかったに違いない!
 それならカレーが嫌いでもしょうがないだろう!!」

「まあ・・・そうですねえ」

「だからチャンスをくれっ! 今から栞が”このまえ新しくできたおいしくて評判のカレー店”に
 いって、カレーを食べる! おまえもカレー嫌いがただいなくなるよりもカレー好きが一人でも増えるほうがいいだろう!!

「それはそうですね わかりました。 だいたい私もその店のカレーを食べにわざわざこんな雪の街までやってきたわけですし」

まじか? たかがカレーを食うためだけにこんな田舎までやってきたというのか?
ありえる・・・ この人ならばありえる・・・・

「それでは行きましょうか」

「祐一さん…」
「大丈夫だ・・・甘口ならなんとか栞も食べられるはずさ」
「はい・・・」

「なんだかうかない顔をしてますねえ? あなたもカレーを一口たべてみたらわかりますよ。
 カレーというものがどんなすばらしいものかってね」

といって穏やかに微笑むシエル。
しかし、それとは対照的にカレー店に近づくとともに栞の表情は暗くなっていった。

そして、店についた。

「いらっしゃいませ〜」
元気な親父の声が聞こえてくる。


「さあってと、やっぱりカレーにはソースだよね」

「もちろんだよ!! さあってかけるぜ!!」

ドバドバ〜〜〜

「おまえら俺の魂になにやってやがんだあああ!! 帰りやがれええ!!!」

「ちっ・・・なんだよこりゃあ」

「ボンカレーでも買ってかえろうぜえ」
そういって二人の若者は帰っていった。
いったいなんだったんだ?


「ああいうのは邪道です。 ソースなんかかけた場合一瞬で神のさばきをあげます」
シエルはそれをみてゾっとするような冷たい声でそういった。

「「はいっ!!」」

そのとき遠くのほうで、誰かの悲鳴が聞こえたとかそうじゃないとか。

「ということで何にしますか? 私はこのオヤジのおすすめカレーってのにしますけど」

「えと、俺は普通のビーフカレーで」

「わ・・・私は甘口でおねがいしますっ!!」

「おっとお姉ちゃんうちでは甘口なんかねえぜっ! ここは激辛専門店だからな」

なんだと!! ま・・まさかっ!! そう思い、俺はメニューをよく見てみる。

ないっ! どこをみても あからさまにヤバそうな激辛メニューしかない!!

「祐一さん〜・・・」

栞はなきそうな顔でこちらをみてくる。

すまん・・・栞・・・・俺の誤算だ・・・

「それでは、栞さんは私と同じ物でいいですね?」

「はっ・・・はい!!」
栞はシエルの言葉ににおもわず答えてしまう」

「それでは オヤジのおすすめカレー二つに、ビーフカレー一つお願いします」

「おお〜姉ちゃんも好きだねえ! それはこの店一番の激辛カレーだぜ! ちょっとまってくんな」

「あうっ…」
その言葉をきいて、栞は一瞬遠い目をした。
がんばれ・・・・・ 俺はそう願うことしかできなかった。

そうして、しばらくして出されたカレーはどれもスパイスがとっても聞いてて、
匂いだけで、辛いのがわかり、唾液がでてきてしまうほどだった。

「それではいただきます」

シエルはそれをみて、幸せそうにそれにスプーンを入れて口に運んだ。

「いただきます」
それに俺も続いてスプーンをのばす。

もぐもぐもぐ

「おいしいですっ!! こんなおいしいカレーはいままで食べたことありませんっ!!」
シエルは目を輝かせながらモグモグとカレーを食べている。


「そうかい! そういってくれるとこっちもうれしいよ!」

俺も一口食べてみる。

「・・・・・?!」

か・・・からい!!! 

俺は必死で近くにあった水を一気に飲み干す

「どうですか 祐一くん。 お味は?」

「か・・・辛いけどおいしいです」

「そうですか それはよかったです」
そういってシエルは満足そうに微笑んだ。
しかし、実際は辛いだけで味なんかひとつもわからなかったんだが。
俺がこうだったら、栞がヤバイ。
栞はお子様カレーでさえ、辛すぎるといって食べられなかったはずだ。

「あれ? 栞さん一口も食べてないじゃないですか?」

シエルの言ったとおり栞はカレーを横目でちらちら眺めているだけだった。
それをみてシエルは、冷たい声で

「栞さん・・・もしかしてカレーをみるのもいやだとか?」

「い・・いいえっ!! そんなことありませんっ!!」

「栞は照れてるんですよっ!!! こんな立派なカレーをみてっ!」

しまった!! フォローをしようとしたが、これは明らかに失敗だ!!!

「そうですか、それなら早く食べてくださいね、おいしいですよ」
しかし、シエルはそれにはなんのつっこみも入れずにただ栞にカレーを進める。
「はいっ・・・」

そういって、栞はスプーンにカレーを一口のせる。

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

そして、そのまま動きをとめた。
しばらくそうしていたが・・・

「はやくたべてくださいっ!! じゃないと神への冒涜とみなして滅殺しますよ!!」

「はいいぃぃ!!」

栞はシエルのすさまじい声に驚き、それを口にいれた。

瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「ほげえええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

栞は、獣のような声をあげると、体をビクっと一回大きく震わせて、そのまま、倒れこんだ。

バタンッ


「しおりいいい!!!!」

それから、ピクピクピクピクと体を小刻みに痙攣させる。

「しおり!! しおりっ!!!」

俺は肩をゆさぶって何度も栞に呼びかける。
そのときの拍子で、栞の顔がこちらをむいた。

「ひえっ!!?!?」

その顔は顔面蒼白で、白目をむいており、この世のものとは思えないものだった。


それをみてシエルは、

「神の罰があたったんです」

そういって、いつのまにかたいらげたカレーを残して、店をさっていった。


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エピローグ

「相沢君!! なにがあったの!!」

病室で香里は涙を浮かべた表情でおれにいった。

あの後、奇跡的になおった栞の病気は奇跡的に再発した。

原因は不明だそうだ。

もしかして、これが本当に神の罰というものなのだろうか?

俺はその問いに何も答えなかった。 そう・・・俺は何もしらない。 しらないんだから。

「カレーは人類の敵です・・・・・」

そのとき栞がそう呟いたとか呟かなかったとか。


終わるがいいっ!!!


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あとがき

栞ファンと、シエルファンのかた許してくださいっ!!!!!!

オチはジャムパターンと、カレーはやはり敵ですっていってカレー嫌いが深まるやつがあったのですが、

思い切って一番ブラックなやつにしました(するな!!!

 


プロットなし(毎度のこと、あったためしがないw) 
で、B’Zのアルバム聞きながら、サイトめぐりをしている傍らで
2時間程度で書き上げました。 出来は…きくな!!(涙

ちなみに志貴は眩暈がした瞬間に、シエルに気絶させられて、大通りの横のほうで寝かされてたり
それをみつけた、三つ編みが似合う人が、家に連れていったり、まあどうでもいいや。

それでは ばいばい。 

最後の最後に一言。 ジャンルはなんなんだろ?(ぉ

夜束新人さんのHPもどうぞごらんに〜