本試験、お疲れ様でした。
自分の実力を十二分に出し切ることができた方もいれば、思うように実力を出し切
れなかった方もいると思います。
いずれにせよ、まずは、心身ともに今までの疲れを癒やしてみてください。
自己採点を行ってしまった方は、合否は、記述式の採点次第で決まるという方が
多いのではないでしょうか。
しかし、もう試験は終わってしまったわけですから、あれこれと思い悩んでみても、
結果を変えることはできません。
あとは、人事を尽くして天命を待つだけです。
合格発表日(1月25日)までの約2か月半を有意義に過ごしてほしいと思います。
今年度の本試験分析の詳細は、
①「速報!行政書士試験を斬る!」
11月14日実施(御茶ノ水校)
11月21日実施(名古屋校)
11月22日実施(京都校)
11月23日実施(大阪梅田校)
②「2010年度合格戦略」
~本試験で不足していたものを補強するには?~
11月21日実施(名古屋校)
11月22日実施(京都校)
11月23日実施(大阪梅田校)
にて、お話するとして、ブログでもざっくりとふり返っておこうと思います。
上記、説明会終了後、今後の学習法などについての学習相談や受講相談も行い
ますので、お気軽にお越しください。
1 総論
今年の本試験は、実際に受験された方の感想、問題分析の印象としては、昨年度
と比較して、全体的には、やや易化していると思われます。
プログレゼミのゼミ生の中にも、記述式を除いて180点を既に超えている方もいま
すので、イメージ的には、平成19年度に近いタイプの本試験ではないかと思います。
法令択一式 易化
多肢選択式 同レベル
記述式 難化
一般知識等 易化
法令択一式は、昨年度に比べて、憲法・行政法が易化、商法がやや易化、民法が
難化しており、各科目の出題レベルには隔年化現象が見られます。
記述式は、問題44は、あまり学習しないテーマからの出題であり、やや難ですが、
問題45・46は、基本的なレベルの出題と言えます。
特に、問題45は、問題文の中に「解答」が書いてありますから、事案を分析して、図
解していけば、部分点は確実に貰える問題です。
しかし、基本的なレベルの問題であるのと、受験生が得点出来ているかは別問題
であって、意外と書けていないのが現実のようです。
合格レベルにいる受験生でも、記述式は、60点中10~20点台と思われる方が多い
ので、全体的としては、相当出来が悪いのではないでしょうか。
多くの受験生は、問題45といい、問題46といい、例年とは異なる出題形式(問われ
方)に動揺してしまった方が多いと思います。
やはり、民法は、一問一答形式で知識を単に「記憶」するのではなく、基本事項を
「理解」した上で、常に事例ベースで「思考」する学習が必要なのでしょう。
このように、今年度は、記述式で高得点(40点以上)を取るのは難しいため、記述
式を除いて160~170点程度は、確保しておく必要があります。
記述式を除いて160~170点程度を得点するためには、今年の本試験では、次の
ような得点モデルが理想的と思われます。
①法令択一式
基礎法学 1問/2問
憲法 3~4問/5問
行政法 15問/19問
民法 4~5問/9問
商法 2~3問/5問
②多肢選択式
9~10個/12個
③一般知識
9~10問/14問
日頃から、お話しているように、行政書士試験は、行政法の配点が全体の約40%
(112点/300点)を占めます。
したがって、今年度のように、行政法が簡単な年は、行政法(択一式・多肢選択式)
で高得点(75~80%以上)を得点する必要があると思います。
最後に、一般知識です。
一般知識は、政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解ともに、例年
に比べて簡単でしたので、合格基準をクリアー出来なかった方は少ないと思います。
他資格試験組(新旧司法試験・司法書士試験)は、例年、一般知識で合格基準を
クリアー出来ない方が多くいますが、今年は、かなり少ないはずです。
平成18年度の出願時のアンケートによれば、出願時の職業は次のようになってい
ます。
大学生 15.5%
大学院生 0.6%
その他 24.7%
※ 平成18年度の受験者数は、 人
平成21年度の出願時のアンケート結果で、この数字がどのくらい変わるのかは
わかりませんが、他資格試験組の割合が増えていれば、合格率も昨年度に比
べて上がるのではないかと思います。
まあ、合格率が上がろうと下がろうとは、絶対評価である行政書士試験では、 あ
まり意味はありませんが・・・・
今年の行政書士試験は、他資格試験組には有利であっても、行政書士専業受験
生、特に、社会人(独学)の方にとっては、厳しい試験となっています。
合格コーチの眼から見ても、今年の民法は、択一式・記述式を通じて、行政書士
試験専業受験生には少し酷なレベルだと思います。
また、行政法(択一式・多肢選択式)では、記述式の穴を埋めるために、ミスが許
されないような高得点を取っていかなくてはなりません。
来年度の合格に向けて動き出す方は、こういう厳しい現実を踏まえて、戦略的な
試験対策を行ってほしいと思います。