おしえて、センパイ!歌手・タレント/元モーニング娘。 保田圭センパイ

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3売れる、と全メンバーが確信してた「LOVEマシーン」

女子プロ モーニング娘。が社会現象になった「LOVEマシーン」をリリースした時期って、どうだったんでしょうか。充実していたのか、それとも忙し過ぎて、とんでもないお祭りに巻き込まれてしまったような感じだったんでしょうか。
保田 「LOVEマシーン」はですね、モーニング娘。全員が「この曲は絶対に売れる」って確信してましたね。
女子プロ 曲を聴いて、ですか。
保田 そうですね。フリがついたらさらに、これは皆に愛される曲になる、って思いました。だからテレビの音楽番組でパフォーマンスするのが、楽しみだったんですよ。初めての時はテレビ朝日さんの「ミュージック・ステーション」だったと思うんですけど、他の出演者さんが盛り上がってくれて、みんな笑顔で。
女子プロ おおおおお。
保田 いざ発売されてから、思っていた以上に、すごく聴いてもらえるようになって。自分たちがもう把握できないくらい、みなさんモーニング娘。を愛してくださって。
シングルCD「LOVEマシーン」¥1,050(税込)ZETIMA。当時のメンバーは、今、それぞれの方向性で活躍中なのは、ご存じの通り。

シングルCD「LOVEマシーン」¥1,050(税込)ZETIMA。
当時のメンバーは、今、それぞれの方向性で活躍中なのは、ご存じの通り。

女子プロ 売れた! っていう実感はどんな瞬間にありましたか。
保田 コンビニに行くと、自分たちの曲が流れてるとか、街を歩いてて気づかれるようになったりとか、そういうものでしか分からなかったですけど。忘年会でフリツケを覚えてやりました、という手紙が来た時は、嬉しかったですね。
「LOVEマシーン」まで、売れてなかった訳ではないんですけど、「抱いてHOLD ON ME!」で初めてオリコン1位をもらって以降、頑張らないといけない期間があったので。「LOVEマシーン」の前までは、喧嘩しまくりでした
女子プロ 喧嘩、ですか。
保田 ふんばりどころだから、って。なっち(安倍なつみさん)が歌えなければ「何で歌えないの」って言うし、いい意味でたくさん言い合いもしました。先輩後輩なく、「仕事だから、思ってること言おうよ」って。ダンスが出来てなければ、ミーティングしたり。
女子プロ そこで「LOVEマシーン」が爆発したんですね。曲もフリツケも、インパクトがあって。
保田 あのフリは、最初は恥ずかしさもあったんですけど、踊ってる自分たちも楽しくなってきたんですよね(笑)。フリは慣れてきちゃうので、もともと付けてもらったフリと、変わってきちゃうことがあるんです。「そのフリ、違わない?」とか言い合うんですけど、誰が正しいのを踊ってるのか、分からなくなっちゃったりして(笑)。
女子プロ メガヒットを出して、超多忙になって、これが何年続くのか、身体もつのだろうかとか、不安じゃなかったですか?
保田 忙しいのは分かってたんですけど、他を知らなかったので、それが普通になっちゃってて、「こういうものなんだろう」って思ってたんです。
私、一度だけ泣き叫んだことがあるんです。覚えなきゃいけないことが一杯あって、キャパがオーバーして、パニックになって。もう無理!って。体力の限界というよりは「もう覚えられない!」という状態になったんです。モーニング娘。のダンスレッスンが終わって、プッチモニのレッスンをやってる時だったんですけど、モーニング娘。でやったこともちゃんと消化出来てないのに、新しいフリも覚えなきゃいけなくて。その時はスタッフさんが休憩しよう、って言ってくれて。でもその間も他のメンバーは待っているわけで...、覚えないと終わらないので、やるしかない、って。
女子プロ うわあ...。そういう時「私、何でこれやってるんだっけ?」とか、なりませんでしたか?
保田 朦朧としてましたね(笑)。最近、当時のモーニング娘。の特集番組を組んでもらったりすると、「こんなことやってたんだ」って驚くこともありますね。 あれだけのものを、よくこなしていたなあって。今やってみてって言われても、もう出来ないですね。

4戦友・元メンバーと、今は月イチで飲んでます

「とにかく当時は、睡眠時間が無かったですね...」

「とにかく当時は、睡眠時間が無かったですね...」

女子プロ 初めて紅白に出る時とかって、どんな感じがするんですか?
保田 夢のひとつだったので、す〜ごく嬉しかったですね。でも緊張しましたね、テレビで見たことのある人が、いっぱいいるじゃないですか。他のテレビ番組にもたくさん出させて頂きましたけど、紅白とレコード大賞は別格でしたね。簡単に出られるものではないので。私、1998年5月にモーニング娘。に加入して、その年末には「抱いてHOLD ON ME!」で紅白に出てるんです。
女子プロ うわ、ありえないくらいのスピード出世ですね。
保田 あっというまに、いろんなことがあって、忙しくなって。家に帰って、洗濯機回してお風呂入ってる間に、朝の出かける時間になっちゃうんです。
女子プロ 想像つかないんですけど、スケジュールって、どんなふうだったんですか。やっぱり眠れないんですか?
保田 そうですね、寝れなかったですね。みんな移動中に寝てました。移動時間は睡眠時間だったので、移動が長いほうが嬉しかったですね。いまだに車に乗ると眠くなっちゃいます(笑)。
女子プロ なぜ、アイドルの方って、寝てないのに肌がキレイなんですか? クマとか無くて、キラッキラしてて...。
保田 いや、みんなその時は、結構大変でした。メイクさんがなんとかしてくれるんです、メイクさんの技術です(笑)。
女子プロ 保田さんがモーニング娘。を卒業する時は、ほっとして安心しましたか、それとも寂しかったですか?
保田 決まった時は、卒業したらグループでの責任感から解放されるな、とは思いました。デビュー時からマネージャーさんに言われてきたんですけど、私が何かで皆に迷惑をかけたら、モーニング娘。ファンの皆さん全体を、傷付けてしまうことになる、って。
でも卒業が近づいてきたら、やっぱり寂しいなと思いました。何をする時も、メンバーとの時間が、これが最後だ、これも最後だ、と思ってしまって。メンバー全員が可愛く見えて。
女子プロ 面倒見のいい、良い先輩だったそうですね。
保田 先輩っていうか...、最年少の子たちには「おばちゃーん」と呼ばれてましたけど(笑)、「保田さん」って呼ばれるより、嬉しかったですね。
女子プロ これから、いちばんやりたいことって何ですか。
保田 デビューした時に、マネージャーさんから「3年ちゃんと仕事が出来たら、いいと思ってください」って言われたんです。モーニング娘。をこんなに皆さんに愛してもらえるとは、誰も想像していなかったし。芸能界って基本的に早いので、3年間やったらよくやった、という所から始まったので...。
今はデビューして12年なんですけど、こんなにこの仕事が出来て、良かったと思います。この12年間で仕事のスタンスは変わってきていますが、応援してくれている人がいる限り、歌を歌いたいです。もちろん他のこともやってみたいですけど、私の歌を好きでいてくれる人が、たくさんいるので。
女子プロ この12年で、いちばん幸福な瞬間っていつでしたか?
保田 いちばん大きいのは、卒業する時ですね。2万8千人の皆さんの前で卒業式をやらせてもらったんですけど、そんな大勢の前に出ることってないし、私のために来てくださるなんて、芸能人でもあんな体験って、なかなか出来ることじゃないですから。これはやっぱり一生忘れないです。困ったり迷ったりした時には、その時のDVDを見返しますね。
見送るメンバー全員が泣きじゃくった、保田さんラストコンサートは、「モーニング娘。CONCERT TOUR 2003春 "NON STOP!"」に収録されています。

見送るメンバー全員が泣きじゃくった、保田さんラストコンサートは、「モーニング娘。CONCERT TOUR 2003春 "NON STOP!"」に収録されています。

女子プロ それだけ人が集ったのは、保田さんだからですよ。
保田 いろんなタイミングが重なったせいなのかもしれませんが、幸福でしたね。
逆に、小さい幸福もありましたよ。お弁当で冷たいごはんが多かったので、温かいごはんとお味噌汁が食べられた時は嬉しかったり(笑)。ごはんは大事ですよ!
女子プロ 大事ですよね! でも、お味噌汁で幸福だったんですか、モーニング娘。さんは...。せつないです。
保田 あと、同世代の子の、普通の幸福は羨ましかったです、もちろん恋愛も出来なかったし。
女子プロ ストレス発散法って、ありましたか?
保田 食べるのは多かったですね。モーニング娘。の時は、お菓子をめちゃくちゃ食べてましたね。皆が食べてたから、安心して食べちゃうんですよ(笑)。
最近は犬を飼っているので、飼いはじめてから、精神的に安定しましたね。犬はやっぱり癒してくれますね。
あとは......、モーニング娘。にいた頃、メンバーはライバルだったので、メンバーに弱音を吐いたりしなかったんです。他のメンバー同士は分からないですけど、私はプライベートでは遊ばなかったんですね、嫌だったんです。でも今は月1くらいで集まって、飲んだりしてます。かつては24時間ずっと一緒にいて、同じ体験をしてきたわけだし、こんな良き理解者はいないので。
今回の取材は、保田さんの所属事務所内にあるカフェで行われました。とってもお洒落な場所ですが、社員食堂として使われているそう(!)。

今回の取材は、保田さんの所属事務所内にあるカフェで行われました。とってもお洒落な場所ですが、社員食堂として使われているそう(!)。

女子プロ その飲み会、こっそり覗いてみたいです〜!!
保田 うるさいですよ、ワーワーギャーギャーと(笑)。
女子プロ お酒はお強いんですか?
保田 みんな飲みますねえ。私も大好きです。昔はビールが苦手だったんですけど、いつのまにか飲めるようになって(笑)。基本的にシャンパンとか、シュワシュワ、発泡してるものが好きですね。私、いま手術後で、お酒が飲めなくて、それが一番辛いんですけど...。
女子プロ うわ、そんな時にそんな話をさせて、すみません。
保田 いえいえ(笑)。
女子プロ 飲めるようになったら、最初の一杯は何ですか?
保田 やっぱりビールですね!
女子プロ そういえば...、モーニング娘。時代に、保田さんが新宿2丁目で遊んでらっしゃった、という伝説があるんですが、それは本当なんですか?
保田 はい、20、21歳くらいの頃、お友達のゲイのヘアメイクさんと行ったら、噂になってしまいまして(笑)。男性なのに気持ちが女性だから、楽しく会話出来るんですよね。普通の女の子よりファッションに敏感で、いろいろ教えてくださったり。2丁目ってすごい最新の情報があったり、トレンドにすごく敏感なので、勉強になります。ステキで楽しい場所だと思います。最近はなかなか行けてないんですけど。
女子プロ 2丁目、いいですよねえ。ゲイタウンですけど、女性を救ってくれますよね!
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インタビュー受けてもいいよ!というセンパイからの奇跡のご連絡をお待ちしております。

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新月生まれの牡羊座。中目黒在住。美容関連のライターを経て、広告会社に転職。現在修行中。ニット帽を愛用していたらドングリと呼ばれ、転じて「イベリコ」と…

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