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2009年11月 6日 (金)

ネットオークションの危ういさ!

2009110401000115___ci0002_2 売る者、買う者、そして管理する者も全て「自己責任」を承知で進めているネットオークションは、確かに危うい取り引きが日常茶飯事進められているのだろう!そこには嘘も、本当も半信半疑で疑心暗鬼なまま、人を信じ、また信じきれないのも事実だろう・・・おかしな商取引だ!
誰でもマニアックなものがある。ヒト・コト・モノに対する執着は、時として悲劇を生みだすこともある。とくに自身の眼力に頼ってばかりいると、とんだクワセモノを掴まえさせられることも往々にあるものだ。バーゲンで人混みをかき分け買ったものが、どんなにコーディネートしても浮いてしまうため、一回も袖を通さずに箪笥の奥にしまわれたままのモノや、一瞬の判断で高額な絵画を買ったものの部屋の雰囲気に馴染まず、また売るにしても買値からグーンと下げられた下取り価格に唖然とし、その瞬間で衝動買いを反省することになる。

本人はその買う瞬間までいたって自分の欲求と満足を得てはいるものの、その気持ち以上に、、「自分がこの商品を買わなければ誰かがきっと買うだろう」という損失(被害妄想的)への観念が高まり、今すぐに結論を急がなければと感じてしまいトンデモないモノをつかまされることになる。本人はいたってクワセモノを掴まされたことを知った時に落胆するが、その金額が大きければ大きいほどに他人事である本人以外はとても愉快で面白いものと言える。

テレビで長寿番組になりつつある『開運!なんでも鑑定団』で、高額をはたいて家族には内緒で買ったものや、お金の工面で差し出された担保と言える品物への目利きをした上で多額のお金を用立てたので是非ともその品物を鑑定してほしいという視聴者が番組に登場する。その依頼者の骨董に対する目利きや、また人の良さ(情)にほだされて受け取った行為そのものをあざ笑うように、“真っ赤な偽物”として、大きな電光掲示板が打ち出した金額が出費した金額とは天と地の低価格になった時、この番組の面白さがあると言える。確かに逆に予期せぬ高額で、本物と言った結果についても興味はそそるが大半は自慢げに品物をほめちぎり、いかに自分の眼力が正しいかを説いた後、奈落の底に突き落とす金額と偽物として証明された場合、テレビの向こうで見る視聴者の笑い声が聞こえるものである。

そんな馬鹿げた話が今回のネットオークションでの事件ではないだろうか。ネット犯罪とでも言える実物に触れることもなく、露出される写真や説明文だけで競り落とすネットオークションはまさに危うい商取引が日常茶飯事に行われている。確かにルールもあり、規制もあるが、相手の顔も人柄も見えない個人同士の商取引には、売る側、買う側の人となりが見えにくいのも事実である。

売る者は家電、書籍、ファッション、玩具、骨董美術など様々なものが揃い、最近に気づいたのだがプランナーが描く“企画書”“シナリオ(台本)”までもが取り引きされているようだ。確かに有名な番組やイベントのもとになった企画書は、関係者のみに配布された少数部数しか作らないので、その価値観は業界人にとってはコレクションとして欲しいものかもしれない。過去にある大学教授が企画書を集め、企画ミュージアム構想をしていた話があったが、その中に私の企画書の幾つかがあったと人づてに聞いたことがある。また私の身近には私の企画書のコレクターと称するイベント会社の社長もいて、書いた本人すら持ち合わせていない手書きの企画書、和文タイプライター作成企画書、ワープロ作成企画書のものまで持っている御仁もいるにはいる。現在は企画書というペーパーよりも、データ保存されるため、MOフロッピーやUSBスティックに保管されており、場所を取らずにデジタル保存できるのですごく便利だ。

話はいつも通りに脱線したが、そんな何でも出品されるネットオークションで、まったくの偽装品が高額で落札されたという事件が新聞で紹介された。記事は以下の通りである・・・

●奈良美智さん画風そっくり~絵2点、ネット競売70万円落札


インターネット競売サイトのヤフーオークションに人気画家、奈良美智さんの作品に酷似した画風の絵2点が出品され、「自分が描いた作品ではない」と奈良さん自身が指摘したことが入札者に伝わらないまま、計70万円で落札されたことが4日(11月)、分かった。
ネットオクーションは売買の気軽さで人気が高まる半面、商品の価値があいまいなまま取引されやすいことが指摘されている。画家本人が自作ではないと判断しても競売の場に反映させるのが難しいという問題点が、浮き彫りになったかたちだ。

2点は奈良作品に特徴的な厳しい目つきの子供を描いた作品で、サイズはいずれも縦約60㌢、横約50㌢。「水彩画?奈良美智?大型?大作?」などと題して出品され、10月23日に入札開始。出品者は入手経路について「死去した祖父の家の蔵から出てきた。真相や価値は素人のため分からない」としていた。

奈良さんは出品者に対し、自らの作品ではないと画家本人から連絡があった旨を表示するよう同サイトのシステムを通じて要望。だが回答はなく、「鑑定等はしておりませんので奈良美智の作品ではありません」などの説明が追加された。競売は同27、28日に締め切られ、2点は46万円と約21万円で落札。未鑑定であることが掘り出し物への期待感を持たせたと関係者はみる。出品者は取材に対し「申し入れが本人かどうか分からないので『奈良美智の作品ではない』とだけ記載した」と回答。

同サイトを運営するヤフージャパンは「奈良さんの作品だと断定していないので、オークションのガイドラインには違反していない。画家本人から(同社に)申し入れがあれば、出品者に連絡を取るようにしたい」としている。
・・・資料:産経新聞(2009年11月4日・夕刊)記事より引用。


確かに面白い話である。売る側もどこの誰だか顔を見せず、売られている作品も偽物、本物の証明もなく、ましてや「その絵が偽物だ」と証言している画家・奈良美智さんからの連絡も、“本当の奈良さんか分からない?”と出品者は言う。まさにゲーム感覚なバーチャル世界にある商取引のように、ネットオークションにおいて今回の当事者たちはお互いに信頼性を欠いており、疑心暗鬼なまでに当の本人を無視し、その似通った画風が買い手によって、より不可思議な魅力と本物に思える外野からの反響で値を吊り上げたと言わざるを得ない。このやり方がうまく行くのであれば、きっと二匹目のドジョウを狙おうと次々と有名なアーティストの画風を真似し、下手は下手なりに味のあるデビュー当時の作品と称し、また「亡くなった祖父の蔵から出て来たので、素人の私には判断しきれない」と書いて出品するだろう。

これは『開運!なんでも鑑定団』において持ち込まれる話にも似通っており、さらには美術骨董品等のネットオークションでもよく目にする説明文と言える。所在がはっきりしない、また誰の作品かも分からない、欲しい方があれば・・・と逃げ口上で説明する。買い手も、では自分の眼力でその真贋を言い当て、「良き作品を安く落札しよう!」と参加しているのだろう。だが、70万円もの大金をみすみす騙し盗られるのは如何なものか。その画風を盗まれた張本人の画家(アーティスト)は、騙されて買われる被害者への思いと共に、自らの画風を真似た意匠侵害の犯罪行為に対して取る策はないのだろうか。

お互いに顔を見せずネット上での取引は、出掛けて行き、その場で品を並べて売るフリーマーケットよりも合理的で、効率的な仕組みであり、主婦や学生たちにおいても小遣い稼ぎとして参加するものも多くいる。安く落札した品をまた別なるネットオークションで落札価格以上の金額で転売する輩も多く、プロ、アマに限らないネットビジネスの世界がそこには存在していることも確かである。

実際に、私もネットオークションで幾つかの品を落札し、問題なく商取引をしたことがある。また、不用なものを売りに出したこともあり、落札5日前から、落札日(当日)まで何人がそのサイトを覗きに来たか、また価格を付けて競り合っているかが、どことなく面白いと感じたのも事実である。しかし、中には「是非ともほしいから、他の人に売らぬよう個人的に裏取引をしてほしい」との誘惑を交えた変なメールが届き、ルール違反な輩や遊び半分で参加している者もいることに気を引き締めたのも事実である。

確かに、1/4世紀以上も広告・イベント業界にて仕事をしていると、様々な有名人との出会いも多く、彼ら、彼女らの縁の品等も存在する。中には馬鹿げたものも多く、確か18年ほど前に作家でコピーライターの中島らも氏と大阪・心斎橋のホテルで「カタカナ職業人マニュアル」なるコント集的なイベントをした際の品物が手元にある。3D(立体的に見える)芝居と称して、集まった客に青・赤のセロハンの貼られたメガネを用意し、そのメガネの前で小劇団の役者が青と赤のジャージ(体操着)でお芝居(コント)をするとなぜか立体に見えるというもの。もうお気づきだろうが、初めから芝居そのものを肉眼で見れば立体なものを、青・赤のジャージ姿の2人の役者が同じ動きするだけの馬鹿げたコントである。この時のホテルのイベントは私がプロデュースしていたのだが、写真雑誌「フライデー」にて取り上げられ、後日注目されている。その時の貴重な青と赤のジャージが残っているが、ネットオークションで売れるだろうか・・・はたまた『開運!なんでも鑑定団』ではどのような鑑定になるのだろう。そんなあほらしい妄想と共に、今日も明日もネットオークションは続くのだろう(笑)。

2009年11月 3日 (火)

一斉退職は業界の品格が問われる!

B18a038 さすがに有線放送業界の引き抜き、転職においても線上でしか移動できず、元の会社から元上司を伝って渡り歩くしかできないようだ。無線電波でインターネットの世の中なら、そんな有線は取っ払って、自由な発想で、自らがマリオネットのようにひも付きで踊らされないことだ!
総務省が10月30日に発表した9月の完全失業率(季節調整値)は前月より0.2ポイント低下の5.3%となり、2ヵ月連続で改善。また9月の有効求人率(季節調整値)も0.01ポイント上昇の0.43倍と2年4カ月ぶりに改善したが、まだまだ雇用環境は厳しいというのには変わりがない。今後、年末にかけて昨年のような大がかりなリストラや季節労働者の解雇があれば、また失業率も高まることだろう。「景気の回復」「完全出業者の持ち直し」の文字が最近は新聞の紙面を賑やかすが、実際にはかなり厳しい経済状況にあることには変わりがない。特に月給やボーナスが激減し、また労働時間を減らすために金曜日を休日にし、金土日の3連休とする企業や、ワークシェアリングを続ける企業も多い。政府からの補助金が出るという名目で、平日の1日を休ませる企業もあると聞く、だから完全失業率や有効求人率の数値などあまり参考にはならないと言えるだろう。

特に食品やジーンズなどの衣・食が激安になり、各量販店などは特価、特価で「安いもの」を売り出す。安いにこしたことはないと家庭を預かる主婦は、いつも行く最寄りのスーパーから離れた場所にあるスーパーまで、激安セールがあることで自転車や車で押し掛ける等、火の車の家庭を守ることに躍起である。しかし、この価格競争は逆に自分や夫が働く企業の首を絞めており、激安商品なら国産にこだわらないという考えから、国内企業を通り越しアジア諸国の商品に鞍替えをし、またどうしても国内企業が取り引きをしたい場合は、価格を下げても取りに行くので当然に労働者の賃金が下がる。さらにはリストラも生まれ、零細企業や中小企業の倒産へと進んで行くのは確実である。“風が吹けば桶屋が儲かる”のことわざがあるが、アジアからの風(低価格商品の輸入)が吹けば、まさに企業や労働者が命を失い、棺桶屋が儲かるというのが現代的な解釈になる。

まさに年末年始の商戦の中、物価下落が企業の収益を食いつぶし、雇用や賃金を圧迫して景気の悪循環を引き起こす「デフレ・スパイラル」が進む。まさに今はこの脅威が確実に現実味を帯び始めている。鳩山政権はマニフェスト(政権公約)に盛り込んだ政策に力を入れる一方、デフレ対策には自公政権同様、ほとんど関心が示されていない。ここ数日の国会中継を見ていても、この景気対策に対する真面目な議論がなされず、与野党の攻防も小学生のホームルームのような分かり切ったことを、それぞれの一方的な意見の応酬で終わっている感がある。特に民主党からの質問は“政権交代への賛辞と励まし”ばかりが目立ち、まるで台本があるかのような猿芝居が目につく。もっと具体策を打ち出さなければ、この「デフレ・スパイラル」を脱出することが出来ないだろう。特に外務大臣の身内が巨大量販店であり、PBなる商品群で低価格を進めているのだから、今すぐに良くなることなど望めないわけだ。

まさに政治、経済において品格が問われる時代ながら、人々は安い商品に群がり、また企業は無利子・無担保なる助成金や交付金を当てにし、いざとなればリストラや計画倒産も有りだとする考えがあり。そうなれば働く側(労働者)も「私らの好きなようにさせてもらう」とリストラされる前に一斉退職をする者もあるようだ。特に業界の品格がない未成熟な業界ほど、その引き抜き、節操のない競合他社への転職が目立ってきている。確かに企業にとっての実質の財産は資本金でも、不動産や動産などの固有財産ばかりでもなく、知識と技術を身につけた人材こそが財産と言える。新入社員時代から経験のない人材を育て上げ、一端の業界人として仕事を覚え込ませた段階で、ヘッドハンティングされたので“おさらばする”というのは、甚だ失礼な話である。そんなニュースが目に止まったので紹介する。下記は毎日新聞(2009年10月29日)配信記事からである・・・

●<一斉退職>「背信的行為」退職金請求棄却 東京地裁判決
有線放送業界2位の「キャンシステム」(東京都新宿区)を一斉退職し、業界最大手の「USEN」(港区)の業務提携を結ぶ会社に移った314人が、キャン社に退職金支給を求めた訴訟の判決で東京地裁は28日、25人を除く原告の請求を棄却した。白石哲裁判長は「一斉退職は著しく信義に反する背信的行為」と述べた。

判決によると、キャン社の役員が03年6月に退職し「日本ネットワークヴィジョン」を設立。USENと販売代理店の業務提携を結んだ後、原告らが翌7月にキャン社を退職した。

判決は原告のうち289人について「キャン社に重大な損害を与えることを意図しながら共謀して一斉退職した。懲戒解雇理由に当たり退職金を受け取る権利はない」と判断。退職時期が遅かった残り25人は「共謀しておらず引き継ぎもしている」と訴えを認めた。


・・・以上の記事から業界そのものの品格が読み取れず、また勝ち馬に乗ろうとの無節操な引き抜きや裏切りがあったことも事実である。キャン社への恩や愛社精神もなく、いつでも辞められる立場にあった者や、また企業の意思決定や取引上のノウハウや企業秘密を知る者もその中にいたのも確かだろう。なんら引き継ぎをせずに辞めるのは確かに背信的行為に見えてしまう。同じ業界、同じ業種を扱う競合他社と関わりのある企業へ289人と言う大所帯で移動するには、それ相応の理由やメリットがあったのは認めるが、まさに関ヶ原の戦いのように、突然西軍側にあった者が反旗を翻し、東軍に馳せ参じ、西軍の弱小(敗戦)に功を奏した者たちが、さらに褒賞金を負けた西軍から分捕ろうと言う姿に見えてしかたがない。負け戦でも最後の最後まで豊臣への律儀な恩を感じ戦った石田三成、宇喜多秀家、大谷吉継等は、やはり人としての道、もののふとしての品格が感じられ、生涯裏切り者と罵られた小早川秀秋とは格の違いを見せつけている。

業界そのものの品格が問われかねない一斉退職、その後ろ足で砂をかける背信行為の上で、さらに退職金を裁判にて分取ろう等は、どんな理由があったにせよ、その行為そのものが節操がない行為に思える。まさに業界までもが程度が低いと言わざるを得ない人材の寄せ集めとなる。確かに先のIT会社が「儲かりさえすれば何をしても構わない」と、様々な会社の株を買収や転売をして社会問題化されたが、その業界に含まれ、また隣接する有線放送業界だけに、十分な業界人としてもモラルや節度が学ばれていないことも今回の裁判で見てとれる。まさに「少しでも給料が上がれば、また良き待遇で迎え入れられれば、簡単に組織を鞍替えしてもいい」という、最低マナーと言える引き継ぎもないままに、突然に一斉退職したのはなんら理由にもならないだろう。

私の業界(広告企画制作・イベント業界)においても、その退職、そして引き抜きや独立時において時たまいざこざを見聞きしてきた。狭い業界であり、また少人数で営む企業が多く、たった一人が辞めても経営的に立ち行かなくなるところもある。特に経営者(オーナー)がワンマンで全てを把握していればいいが、それぞれのリーダー的なクリエーターが独自にスポンサーを管理し、またその者の技量で仕事が進んでいるケースも多く、その人材が辞めるということは会社にとって大きなマイナスであり、収入が減ると言うことを意味する。また独立や競合他社に引き抜かれる場合は、そのクリエーターの能力と共にスポンサーが持ち出されるため、必ずと言っていいほど円満退社などないのも事実である。

辞めた時点から、業界の各取引先におふれ(郵便物)が出回る。「当社におりました〇〇〇〇は、〇月〇日に退社(解雇)しましたが、問題のある人物であり、取り引きに関してはくれぐれもご注意願いたい。ただ弊社とは現状、一切の関わりのない人物です。」なる文面で、業界に注意を呼び掛けるハガキや封書が送られることも多々ある。

このように会社の辞め方、そして新たなる会社への再就職や独立において、きっちりと筋道を通すことが無ければ円満退社等はあり得ないのである。一種ののれん分けにように、一度入った会社への忠義を尽くし、また筋を通すことがなければ狭い業界において敵をつくることになるのも事実。まさに品格のある行動をしなければ渡れない業界と言えるだろう。

私は5社程の会社(同じ業界ながら職種、ジャンルが違う)を渡り歩き、どの会社においても引き継ぎや恩返しの奉公をさせていただき、全てにおいて円満退社となっている。当然辞めた後も付き合いは続き、依頼されること、また依頼することもあり、持ちつもたれずの関係を続けても来た。何よりも会社を渡る際、また独立する際に守ったことは、以前の会社のスポンサーを持ち出さず、自らが飛び込み営業で新たにスポンサーを開拓していったことと認識している。自分を白紙のままに見て頂けることもクリエーターとしては重要であり、過去の仕事や会社の名前が永遠と付きまとうようでは、その時々の新たな自分が創造できず、可能性を生み出せないと考えていたからである。特にプランナーは、その一瞬の閃きとアイディア勝負だけに、過去の実績や経歴よりも今の自分を見てほしいという人種だから、一から掘り起こし、また新たな道を切り拓くところに遣り甲斐があると言えるのである。
●その他参考資料:産経新聞(2009年11月2日)記事より抜粋。

2009年10月19日 (月)

「自作自演」の気球騒ぎは自業自得!

234582_c185 TV番組「アンビリバボー」で紹介されるはずが、「アンフェアビンボー」に墜落してしまった。まさに共犯者マユミさんによる米国からのビデオレターのみが涙を誘ってしまった形だ!
過去にも風船男が“夢の実現”なのか、はたまたテレビ局への話題づくりなのか・・・多くのヘリウムガス入りの風船に吊られて空中に飛び上がり、アメリカを目指すと言ったまま行方知れず。もちろん生きてはいないわけで、連絡するにもその当時の旧型携帯電話のみを持参して行ったと記憶するが、無謀な冒険旅行と言えた。借金があり、借金の取り立てから命がけで逃げる口実にこの冒険を思い付いたという話もあるし、成功でもすれば一獲千金の“時のひと”になるとの賭けでもあったという話もある。とにかく舵取りが出来ず、降りたい時に降りる方法すらもない風船の下に吊るされて空中散歩などは馬鹿でないとできない愚行と言えるだろう。

日本時間の10月16日(金)の午前中に第一報が報じられたのが下記の記事である・・・
234205_c185 ●男児不明のデンバー「空飛ぶ円盤」大騒動、意外な一件落着!
米西部コロラド州デンバー郊外で15日、アマチュア科学者製の気球が地上を離れ、空中を約2時間にわたり浮遊した。6歳の男児が乗り込んでいたとの情報もあったことから、州軍のヘリが出動するなどの騒ぎとなったが、軟着陸した気球からはだれも見つからなかった。

当局は男児が墜落した可能性もあるとみて捜索していたが、まもなく自宅で見つかった。CNNテレビによると、男児は自宅ガレージの箱の中にいたという。

気球を製作したのは、男児の父親で、竜巻の研究を行っているアマチュア科学者のリチャード・ヒーン氏。母親のマユミさんは名前、外見とも日本人の可能性があるが、デンバーの日本領事館によると在留届は出されていないという。

きのこのような形をした「空飛ぶ円盤」ふうの物体が高度3000メートル近い上空を高速で移動する模様は全米にテレビ中継され、地元警察には「不審な物体が飛んでいる」との通報が殺到した。ヒーン氏夫婦はこれまでにも、米ABCテレビの視聴者参加番組に出演するなど、地元では知られた存在だった。
(出展:2009年10月16日、08:28/産経新聞サイトより引用)


さてさてこの記事を読めば、お騒がせな子どもの悪戯で終わったのだが、車庫の屋根裏に隠れていた少年が「お父さんに怒られると思って隠れていた」と言って、まだ舌の乾かないうちにテレビのインタビューに「お父さんのショーだった」と口走ったことで、事故だった筈の今回の空飛ぶ円盤騒動が“ヒーン夫妻の自作自演”ではないか、との疑いが出て来た。あれほど、気球に乗っていると大騒ぎをし、また母親のマユミなる人物は日本の実家に対して「大変ご心配をおかけしましたが、孫は無事でした」と涙ながらに国際電波を私物化して話したはずながら、これも嘘の上塗りでの演技だったというのである。とんだクワセモノ、とんだ恥さらしな方向に事件は進みだしていた。

この事件の最新のニュースが19日(月)9時16分の産経新聞の配信にて届けられた・・・
●米の気球遭難騒ぎ「狂言」で両親を立件へ
米西部コロラド州で気球が空中に舞い上がり、男児が乗り込んでいるとの情報から大救出作戦が演じられた騒ぎで、同州ラリマー郡保安官事務所は18日、男児の両親がテレビ番組向けの売り込みを狙った狂言との見方を固め、2人を虚偽申告などの容疑で立件する方針を固めた。

米メディアによると、騒ぎの起きた当時、気球への乗り込み情報があった男児は、自宅近くの公園で遊んでいたことが判明。「実は車庫の屋根裏に隠れていた」という両親の事後説明が疑わしくなったことなどから、同事務所は調べを進めていた。母親は名前から日本出身とみられている。

騒ぎの後、自宅の庭から問題の気球が舞い上がり、両親が大騒ぎをするビデオ映像がテレビで流されたほか、CNNテレビのインタビューで、この男児が「テレビに出るためにやった」との趣旨を発言しるなど、疑わしい状況が強まっていた。

気球は約2時間にわたって同州上空を漂い、州軍のヘリ2機が出動するなど一時騒然となった。救出費用はヘリの飛行経費だけで約1万5000ドル(約137万円)。立件容疑には共謀罪等も含まれており、最高で禁固6年、罰金50万ドル(約4550万円)の量刑が見込まれる。
(出展:2009年10月19日、9:16/産経新聞サイトより引用)


日頃から金稼ぎのために様々な企画を地元テレビ局に持ち込んでいた夫婦であり、そのネタ切れからか、また目先の金が欲しいからだろうか・・・ついに自作自演を思い付いたというのである。そんな大人の嘘に自分の子どもを巻き込むなどは言語道断である。また子どもほど口が軽く、大きな騒ぎの中でポツリと言ってしまう恐れがあったのに、何故に気球に子供が乗っていると言ったのだろう。日本から渡米し、科学者の奥さんになって幸せになっている筈のマユミさんも、とんだところで犯罪者となり、また全米、さらには日本、世界中に醜態をさらすことになるとは予期しなかったのだろうか。両親どころか、同級生や知人なども突然、テレビに現れた子どもを心配する母親の虚偽の姿を知った時、その驚きと呆れようは計り知れないと言えるだろう。とんだ錦を飾るどころか、恥の上塗りを繰り返したことになる。

おまけに救出にて派遣されたヘリの飛行経費1万5000ドル(約137万円)、さらには罰金の50万ドル(約4550万円)で、合計4687万円也が今回の自作自演にかかる経費として請求され、さらに禁固6年の副賞がついて来る。まさにテレビ(メディア)等の視聴者参加番組に出演するためのネタづくりの筈が、これほども全米、世界を騒がせるメディア露出を図れば、その広告料換算は数1千億になったが、自らにも約5000万円の請求と共に、家族がバラバラになる6年の禁固刑と言う哀れな結末が待っていたというのである。

私も新聞社等のマスコミでの企画依頼を受ける身ではあるが、自分に課っしたことがある。それは自らが“新聞に載ること(新聞沙汰)だけは決してしない”との誓いであった。当然、犯罪に手を染めず、事故や事件に巻き込まれないように注意していれば、何も起こらないし、起こりようがないのである。企画は持ち込むのではなく、依頼されて書くものであり、また自作自演等とまどろこしいやり方をせず、気球でひと儲けする方法もある。

Junp 確か今から約17年前に、大阪・弁天町の屋内型プールのイベント事業を請け負っていた際、プールという設備にばかり目が行くアイディアを、空間を使ってと発想を広げ、その空間(天井までの30メートル)を気球で空中散歩することを思い付いた。そこで当時、真新しいイベントツールの「ジャンピングバルーン」を導入。これは直径7メートル(浮力約70㎏程度)の大きな風船にヘリウムガスとエア(空気)を入れ、その風船の下に体を固定させて空中20~30メートル急上昇させるイベントである。安全を確保する上で、15m四方にロープで係留し、安全は十分に確保されていた。まさに子どもが簡単に乗り込めるものではなく、ましてや係留のロープを誰が解くのかなどを考えれば、確かに今回の事件は当初から不可解な点が多かったと言えるだろう。直径約6メートル、高さ約1.5メートルのアメリカで飛行したきのこ型の気球では、万一子どもが乗っていれば、その速度と高度で飛ぶことは無理だということも付け加えておく。

先程、夕方のテレビニュースで、6歳の息子が乗って飛んで行ったという気球を、父親が自ら係留のロープをほどき、空に放つところの動画が流されていた。当然、マユミという母親も一緒に映像に取られており、何喰わぬ顔で気球を飛ばした途端に、人が変わったように「息子が・・・、息子が乗っている」等とわめきたて、そのあたりにあるものを蹴飛ばし、投げ飛ばす自作自演がしっかり映っている。なんでもこの男性、リチャード・ヒーン氏はもともと俳優を志していた人物で、演技をするのはお手のもののようだ。さらには地元の警察等へも血相を変えた声で電話をしている。まさにYou Tubeにでも流したかったのだろうが、おあいにく様である。

しかし上記の写真・・・事件解決と思えた騒動後に父親に抱かれた6歳の息子の含み笑いこそが、「まだ事件は終わっていない、ショーはこれからだ」と目で訴えているようで、不気味に感じるのは最近のホラー映画の見過ぎのためだろうか・・・どこか映画「オーメン」の男の子に似てはいないだろうか?(笑)
●写真:共同通信ほか

2009年9月22日 (火)

日本のロケット発射を非難する北朝鮮の愚かさ!

Topics_20090918_3今ごろロケット発射を非難されても・・・我が国の宇宙開発は1950年代からスタートし、衛星も119個以上打上げ、おまけに東大阪の☆「まいど1号」も飛ばす実力ですが、なにか!
今月(2009年9月)の11日に打ち上げられた無人宇宙補給機「HTV」の1号機が日本時間18日午前、国際宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士のロボットアーム操作によってステーションに接続され、飛行計画は成功した。今後、日本は平成27年まで年1機、7機のHTVを打ち上げる計画で、実験棟「きぼう」の完成や日本宇宙飛行士の長期滞在に続き、物資輸送の面でもステーションの運用に貢献していく第一歩となるそうだ。機密性を保ったままに自動航行で接近し、接続する技術を実証したことは、将来の有人宇宙開発への足がかりになると言える。

1号機は食品、衣類などの生活必需品と、日本実験棟「きぼう」に設置する成層圏大気観測装置「スマイルズ」など計約4.5トンを搭載。今後、荷物を降ろして空いたスペースにステーションの廃棄物を積んで約1ヵ月後に離脱、大気圏に突入し、大部分が燃え尽きる。この物資を運ぶ無人補給機「HTV」の成功に、飛行管制にあたった宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター(茨城県つくば市)の管制室では管制員ら約50人から拍手がわき起こり、握手したり抱き合ったりして喜びを表したニュースが紹介された。

このニュースにいちゃもんをつける国が現れた。北朝鮮の朝鮮中央通信が9月22日(火)、日本が無人貨物船の宇宙ステーション補給機(HTV)を搭載したH2Bロケットを11日に打ち上げたことについて、「宇宙空間での軍事的優位で軍事大国化を実現しようとする日本の犯罪的策動」と非難した。

さらに同通信は「日本の宇宙兵器システムの開発策動が大型化段階で、さらに本格的に推進されていることを示す極めて危険な事態」と主張。その上で、国連安保理は「われわれの合法的なロケット発射だけを問題視している」と決め付け、日本の宇宙開発に関しても「阻止させるための強い措置」を取るように要求した。

まったくの盗人たけたけしいとは北朝鮮の言い分である。自国ではミサイル開発や核開発を進め、ロケットと称して日本海側に実験発射していることを棚に上げ、自らの行為は宇宙開発でロケットや衛星を打ち上げているとうそぶく。まったく宇宙空間にたどり着いた北朝鮮のロケットや衛星すら確認されていないのに、1950年代からすでに進める日本の宇宙開発、ロケットの発射実験の歴史を捉えず、今になって自国の軍事的脅威を逆手に取りながら日本の優れたロケット工学にいちゃもんをつけているのである。新幹線やリニアモーターカー、ハイブリッドカー、EVカー、最先端ロボット等をはじめ、日本の技術は国家事業にあらず、民間レベルでも高い技術力を有するもので、ただ軍事的にその技術を使っていないだけであり、まだ鎖国状態のような国が見たこともない進んだ科学を有しているのも事実である。

北朝鮮は「宇宙空間での軍事的優位で軍事大国化を実現しようとする日本の犯罪的策動」と非難するが、宇宙ステーションは日本をはじめ米国、ロシア、欧州他の数カ国が参加した共同開発であり、また国・地域・多国籍企業が衛星を打ち上げる個数は2006年12月末のデータでは、旧ソ連(CIS)が3228個、米国1815個、日本119個、中国99個、インテルサット70個、ESRO/ESA64個、フランス54個、ドイツ38個、インド38個、英国35個、カナダ27個、イタリア20個となっている。これから考えても何で今ごろ言いがかりをつけるのか、6ヶ国協議に戻ろうとした矢先のこの発言。

悔しかったらテポドン等のミサイル兵器や核武装をやめて、本格的にロケットを打ち上げ、我が国を偵察する衛星を宇宙空間に飛ばしてみたらどうだ。こちらは、そちらの核実験棟やミサイルの発射台などの映像をアメリカの偵察衛星でバッチリ見ているのだから、それをやりたければ宇宙開発に打ち込むことだ。そうそう東大阪の中小企業のおやじらで数年かけて造った小型人工衛星「まいど1号」も、平成21年1月23日にJAXA種子島宇宙センターからH-ⅡA15号機で打ち上げられ、14時36分から約8分間電波を受信し、軌道投入に成功を確認し「まいど1号」と命名された。

200909057159341n_3東大阪宇宙開発協同組合の雷観測衛星「まいど1号」の運用は、資金難から約9ヵ月と短命に“引退”することになったが、確かに地球の軌道の上で存在は確認され、軍事的活用などまったく関係のない役目を担っており、不況下の中、中小企業の誇りとして大宇宙に大きな一歩を記したと言える。人の命を奪うための兵器を開発・実験する、またその兵器(核保有)で外交的に優位に立とうなど、どうも北朝鮮の戦略には夢が無さすぎる。「そんなアホな!」と思えることを、真剣に取り組むことで周りに元気を与え、またモチベーションを高めさせる「まいど1号」にこそ、国や外交や将軍様など、何一つ意味のないことであり、何人かの職人たちが生きてきた証(ものづくりの技と心意気)を結集したものが「まいど1号」を生み出したと言えるもので、大きな大輪の花火を打ち上げたように人々を感動させたに違いない。
●出典:時事通信(2009年9月22日17時20分)配信記事/読売新聞(2009年9月5日15時27分)配信記事/産経新聞(2009年9月18日)夕刊記事・・・以上より抜粋

2009年9月15日 (火)

誰をセメンヤ、この驚嘆の結果判定!

Cnn200909110015 世界陸上800メートルの金メダルよりも、今回はもっと大事(金玉)なものが判明したことの方が、大きな収穫だったと本人は思えるだろう!
今や時の人となっているキャスター・セメンヤ(陸上選手)は、8月にベルリンで行われた世界選手権・女子800メートルで優勝し、母国の南アフリカ共和国でも凱旋帰国した矢先、性別疑惑が持ち上がり、自国からは「人種差別」などの声が上がり、その精密検査に対する関心がより高まったと言える。そんな精密検査の結果が予測した通り、いやそれ以上の結果が得られることとなった。判定は「男性の生殖器を併せ持つ両性具有」との結果。国際陸上連盟(IAAF)はまだ公式的な発表を控えているが、9月11日にオーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルド(電子版)などが先行的に報じ、大きな反響が世界に広がっている。

この報道に関して、ディーリースポーツ(2009年9月12日)の記事から紹介すると以下の通りである・・・

●女子800メートル・世界圧勝セメンヤ両性具有

同紙によると、18歳のセメンヤ選手には卵巣がなく、代わりに体内に男性ホルモンを大量に分泌する精巣があることが医学的に報告で示された。

男性疑惑が浮上したのは7月末の「アフリカ・ジュニア選手権」。昨季まで2分も切れなかったセメンヤが1分56秒72の今季世界最高をマーク。彗星のごとく現れた新鋭の急成長もさることながら、体形や顔立ちが少年のようであり、「男性ではないか」という疑惑が持ち上がっていた。

そして世界陸上女子800メートルで、セメンヤは1分55秒45という今季世界最高タイムで初優勝。世界中が注目する大舞台で「男性疑惑」はさらに深まった。一方で、母国の南アフリカでは「人種差別だ」という騒動にも発展していた。

金メダルを獲得後、国際陸連は、性別を医学的に調査。セメンヤは血液や染色体のほか婦人科の検査を受けていた。その結果、男性と女性の生殖器を持つ両生具有であることが分かったと報じている。

国際陸連はこれらの報道を「IAAFの公式見解ではない」と強調する声明を発表。検査結果を医療の専門家グループに精査させるため、最終判断は11月20、21日の理事会以降となる見通しを示した。

同紙はまた、セメンヤは同大会での金メダルをはく奪されることはないものの、2位だったケニアのジェネス・ジェブコスゲイに別に金メダルが与えられる可能性があると伝えている。AP通信によると、IAAFのデービス広報部長は「男性ホルモンのおかげで有利であることが証明されれば、不正ではなく、そのように生まれたわけだから、メダルをはく奪することは極めて難しくなるだろう」と語った。


・・・以上の記事にあるように、セメンヤが両性具有であることはまぎれもない事実のようで、その結果を受けてメダルのはく奪を議論する時間が得られていないことから国際陸連(IAAF)が、さらなる調査と時間稼ぎをしているのが見てとれる。まず問題なのは、どうしてセメンヤが今回の性別疑惑が発覚するまで身体的・医学的に両性具有が発覚してこなかったということである。本人や両親、またかかり付けの医師、さらには南アフリカの陸連等でもその疑問が持たれなかったかが不思議だと言わざるを得ない。

「人種差別だ」と今になっていうのであれば、この人種とは、男性、女性の容姿や身体的特徴、声帯、性格的特色に差異がなく、「おとこらしさ」「おんならしさ」と言うものすらなく、同等に扱っているというのだろうか。男性には男性の文化や習慣があり、女性には女性の文化や習慣があるはずで、そんな分かり切ったこともメダル1個のために目をつぶるというのだろうか。

確かに出ているところが出ておらず、外見的には女性という容姿ながら、体内では卵巣を持たず精巣が男性ホルモンを分泌しているのであれば、まずは髭が生え、逆に頭髪が薄くなるなどの特徴を持つ。そして万一、結婚をすることがあれば当然、子宮や卵巣を持たずに精巣を持っており、「結婚後の性交渉に喜びを得られず」と言った事例もあるだけにとても不幸を生み出すことになる。その意味で、今回初めてセメンヤが両性具有と分かったのであれば、本人にとっては不幸中の幸いと言えるだろう。

さて、IAAFの正式見解は待たれるが、両性具有でメダルのはく奪は逃れるものの、男性ホルモンのおかげで他の女子選手より早く走れたことを考えれば、記録的には除外されることは疑えないところである。今後の競技は女子選手としての参加ではなく、と言って男子選手の競技に参加するのかは悩むところだ。この性別疑惑が出た後の9月発売の地元誌のカバーガール??として、ドレス姿でメークして表紙を飾っている(添付写真)が、まさに女装しているとしか見えないのは本人も納得していない証拠のように見えてしまう。このような両性具有の選手(アスリート)が多いのであれば、障害者のアスリートを扱うパラリンピックがあるように、「中性五輪(ニューハーフピック)」なるものを創るべきだと思う。

最後にネット上で、このキャスター・セメンヤの今回の性別疑惑を取り扱う情報の中、面白い書き込みがあったので紹介する・・・
「CASTER SEMENYA」を並び替えると⇒「YES A SECRET MAN(はい、ひそかに男性)」になると言うのである。それって、名づけ親(両親)がすでに知っていたということじゃないのか!とにかく、今後の国際陸連(IAAF)の判断が待たれるところである。

2009年9月12日 (土)

外国では日本人も外国人です・・・ご注意!

05phao21 イタリア観光のあらたな名物「ボッタクリーノ」にはご注意。騙す者も、騙される者も両方悪いと言えるのが海外旅行の落とし穴だから・・・
そこは日本ではありません。そこでは日本人は外国人だ。何かを忘れ、旅行からの解放感で日頃やらないことをやっていたり、なんでも許されるなどと思うのは間違い。以前に、大学生(男子・女子)がイタリアの観光地にある文化遺産と言える建造物に落書きをして、国際的に悪評を買った話があったが、その後、謝罪文の送付や実際に落書きを消しに出かけると共に謝罪をする等の行為で、現地では好意的に見られるようになったが、まだまだマナーの悪い旅行客や危機管理のない旅行客が、とんでもなく多く存在し、そこにつけ込むように犯罪に出合うケースもあるようだ。

今回、またまた悪評の高いイタリアでの旅行客を相手とした“ぼったくり”が犯罪がニュースとして再浮上した。よりにもよってミラノに出張した日本人男性が、ナイトクラブで7265ユーロ(約97万円)もの法外な料金を支払わされるといった犯罪に巻き込まれたという。日本でも知らない店に初めて訪れたなら、酔っているのを幸いに法外なる請求を出して、まんまとその金額をせしめる輩がいると言うのに、なんたる危機感の無さ、何たる平和ボケな態度。そんな自業自得と言えるような事件をMSN産経ニュース(共同)から紹介する・・・

●イタリアでまたぼったくり、邦人客3人、97万円支払い
東京からイタリアに出張した日本人男性3人が北部ミラノのナイトクラブで計7265ユーロ(約97万円)を支払い、帰国後に1人が「ぼったくりだ」と訴えていることが分かった。10日のコリエレ・デラ・セラ紙などが伝えた。イタリアでは日本人客に法外な値段を請求したローマのレストランが閉店させられ、観光相が謝罪したばかり。

3人は昨年12月11日夜、ナイトクラブ「プッシー・キャット」を訪れ、翌未明まで滞在し、代金をカードで払った。うち1人が帰国後、日本にあるイタリア政府観光局に対し、酔っていたことから8万円程度の支払いだと勘違いしていたと説明、苦情を訴えた。連絡を受けたイタリアの消費者団体が調査を行い、同国での訴訟を男性に勧めたという。ナイトクラブ側は高級シャンパンを次々と注文し、従業員らにもおごったことから高額な請求になったとしている。(共同)


・・・以上が事件の全容であるが、この記事を読んで気づくのは、こんな事件はもっと沢山あり、泣きねい入りをしている人々がいるということ。そうでなければこの店も、こんな法外な請求を酔った相手から取ろうとしない筈である。もうひとつはイタリア語をよく理解していない客が、クレジットカードで支払いをしたということ。現金払いであったなら、その場で約97万円もの請求があれば、即座に酔いが覚め、何と何を注文してその高額な金額か、を相手に尋ねることもできたはずで、帰国後に発覚しても後の祭りだと、店側が踏んでいたに違いないからである。このカードでの支払いで、帰国後に請求が来た段階でその金額が違っていたなどは往々にあるもので、クレジットカードこそがその落とし穴だと言える。

よくテレビのドキュメンタリー番組でホストが一晩に数千万円を稼ぎ出すといった“ホスト対決”なるものが取り上げられたことがあり、映画「千と千尋の神隠し」ではないが、“おねだり♪、おねだり♪”にほだされたセレブな女性たちが貢ぐ姿と、裏でスタッフが分厚い札束を勘定するのを見るに、今回のイタリアのナイトクラブで97万円の請求額を見れば、なんとちっぽけな金額だと思えて来る。確かにナイトクラブ側の言い分である“高級シャンパンを次々と注文し、従業員らにもおごった”ことが事実なら、本当は97万円なら安いものだ。ドンぺリをはじめ高額なお酒も多く、ワンカップ大関や発泡酒を飲んでいたんじゃあるまし、ましてや「プッシー・キャット」なる店舗名など、いかがわしいと思えないのがそもそも騙されるべくして騙されたと言えるだろう。

この上、裁判を勧められ、その裁判に勝訴したところで裁判費用が請求されるだろうし、またまたぼったくられるのが関の山である。しかし、今後のイタリアへの旅行客のことを考えれば泣き寝入りもしゃくに障るだろうから、今回はとことん戦うといいだろう。また6月にもあったぼったくりのローマの有名レストランで、日本観光客が約700ユーロー(約9万3000円)の昼食代金を請求された事もあるだけに、過去の三国同盟としての親日イタリアではないことを改めて確証する意味で、「なめるなよ!日本人観光客」として訴訟を行うがいい。まだまだ日本人は、国内の顧客第一主義のサービスがあたりまえで、どこの国でもその理論が通ってしまうと勘違いしている向きがあるだけに、ここんとこは見せしめとして、その成り行きをニュースで紹介すべきだと思える。

ここで海外旅行中の注意点を列挙しようと思うが、もともと自分自身がそれほど海外旅行を頻繁にしているわけでもなく、海外旅行よりも国内の鄙びた温泉地の宿で温泉につかり、旬の食材に舌鼓をしていたいものだけに、あまり説得力はないだろうが、下記の要点を挙げさせていただく・・・

●安全に関する注意
・持ち物はしっかりと身につける。背負ったり肩に下げるのは危険。
・うかつにサインをしない。
・記念写真のシャッターは、日本人かツアーガイドに頼む。
・人目の少ない時間に出歩かない。
・治安の悪い場所(裏通りなど)へは行かない。
・交通事故では、謝った方が加害者になるので注意!
・強盗にあったら、速やかに現金などを渡す。
・言葉がわからないからやたら笑顔を振り向かない。
・税関を通る場合みお、貴重品はスーツケースでなく、手荷物に。

●健康に関する注意
・常備薬を持っていく。
・生水を飲んだり、生物を食べたりしない。
・ペットなどの動物を触らない。
・虫から感染することも多いため、肌を露出せず、虫刺されを予防。
・素足で歩く、河川で泳ぐなどの行為は避ける。
・東南アジアなど、必要な地域に渡航するときは予防接種を受ける。

●マナーに関する注意
・海外旅行先の文化やマナーをよく把握し、従う。
・喫煙・ポイ捨ては、多くの国ではマナー違反。罰金を取られる場合も。
・チップ習慣のある国では、必ずチップを用意する。
・水が貴重な国で、トイレの水を何度も流さない。
・レストランに持ち込みをする。食事の場でやたら写真を取るのはご法度。

●ホテルや買い物に関する注意
・ホテルに着いたら、備品・ベッド・冷蔵庫の中身をチェックしておく。
・不要なものやサービスは、毅然な態度で断る。
・呼び込みについて行かない。
・コンセントプラブが違うため、日本の家電は使えないことも。
・レシートや価格表示はっかりチェック。また値切ることも常識。

●その他の注意
・パスポートは肌身離さず持ち歩く。またコピー等も用意しておく。
・万一に備え、電話のかけ方、日本大使館や領事館、クレジット会社の連絡先を調べておく。
・現地の言葉をあいさつ程度でも覚えていく。
・飛行機や電車等の交通機関は時間にゆとりをもって対応。
・ドレスコードが必要なレストランもあり、正装を1セット持っていく。

・・・以上の海外旅行時の注意点を挙げたが、これ以外にもアクシデントが多く発生するので、その場合は旅行会社(例えば、JTBなど)に問い合わせ、より詳細な注意点を聞き出して快適な海外旅行をして下さい。時たま旅行会社の企画もしているので、こんなぼったくりニュースは本当に気になる。何よりも、日本人が海外旅行に出かけるようになったのは本当にここ数十年であり、ロート製薬提供のTV番組『アップダウンクイズ』で上りつめたらハワイ旅行ご招待で喜んでいた時代を思い出しても、今は世界のどこの国までも行ける時代だけに幸せなことである。

2009年9月10日 (木)

竜の子プロ「ヤッターマン」がグランドフィナーレ!

Doronjo 『バカ! ドジ! マヌケ!』と言いつつ、殴ったり、蹴ったりするわりに、ドロンジョ様は可憐な乙女だったのだ!
名刺をもらうとひとまず名刺ファイルに入れ込む。何月何日、何処で、どのような機会で貰ったのか、と名刺に書き込む人もいるようだが、私の場合は事務所に戻り次第、名刺ファイルに入れ込んでしまう。だから、ずっと昔にもらった名刺がファイルと共に資料の下から発見され、こんな人やあんな人、テレビでお馴染みのあの人、また最近政治や経済で賑わすあの人も名刺交換していたんだと驚かされることがある。その中に㈱竜の子プロダクションの代表取締役社長の吉田健二氏の名刺を発見。あの「マッハ・ゴー・ゴー・ゴー」や「みなしごハッチ」「ハクション大魔王」、そして最近では映画やテレビでお馴染みの「新世紀エヴァンゲリオン」や「ヤッターマン」など、テレビアニメの源流と言えるアニメプロダクションであり、元来、京都府出身の吉田三兄弟が創った会社で、長男の吉田竜夫氏と三男の九里一平氏は漫画家として活躍し、名刺をいただいた健二氏は次男で、マネージメントを専門にし、竜の子プロの屋台骨を支えた人物である。

そんな当時の吉田社長の名刺を頂いたのは、今から十数年前と記憶する。幾度となく国分寺の本社ビルにお邪魔し、竜の子のキャラクターが並ぶ応接室で、知人のプロデューサーと新作アニメ等の件で打ち合わせをさせていただいたことを思い出す。また、その本社ビルの地下室に案内され、竜の子作品の初期の原画やセル画、さらには原盤となるマザーテープが保管されている場所にも通され、特に感動したのはまだコピー機がなかった時代の青写真での複写で残された初期アニメの原画の貴重さには、ほとほと感嘆するしかなかった。また、そんな倉庫代わりの部屋の片隅にめったに見ることのない「みなしごハッチ」の着ぐるみを見つけ大興奮したことが思い出される。とにかく竜の子は20世紀少年であった私の原点でもあり、「新世紀エヴァンゲリオン」も好きだが、やはり手塚治虫の日本初のテレビアニメ「鉄腕アトム」に遅れを取ったが、1965年5月8日~1966年4月28日の間で、フジテレビ系で放映された「宇宙エース」にどちらかというと影響された口である。

そんな竜の子(タツノコ)の長寿アニメと言える、1977年のテレビアニメ「タイムボカンシリーズ・ヤッターマン」から今日の放映である「ヤッターマン」まで32年続いたシリーズがグランドフィナーレを迎えるという。9月3日(8時31分配信)のシネマトゥデイの記事から読むと以下の通りである・・・

N0019282 ●ドロンジョ様が号泣の素顔公開!32年続いた「ヤッターマン」がついにグランドフィナーレ!!
記念すべき9月27日の最終話放送に向け、テレビアニメシリーズでは見どころが目白押しだ。中でもお宝なのは、常にマスクで顔を覆っていた謎の美女、ドロンジョ様の素顔がついに公開されること。ひと足先に公開された素顔のドロンジョさま画像によると、パッチリしたセクシーな目元に、金髪をなびかせ、想像通りの美女だ。解禁された画像では、唇を噛み締め、その美しいひとみから大粒の涙を流している。なぜ泣いているのかは、9月13日から27日の間に放送される、第58話、59話、最終話で明かされる。

C12607fa474440eeb7d7504df80bb77b_3 アニメ版は通常、一話完結型だったが、最終話までのラスト3話は異例の“続きスタイル”で放映され、ファンには必見の内容が目白押しだ。
また、映画『劇場版ヤッターマン 新ヤッターメカ大集合!オモチャの国で大対決だコロン!』で初登場した最強メカ・ヤッターキングが、テレビアニメ版でも登場し、映画とテレビが見事にリンクされている。映画版を見てからテレビ版を見ることで、真のフィナーレとなる仕上がりだ。32年もの間、愛され続けた、人気シリーズのグランドフィナーレで何が起きるのか見逃せない。


Tnr0901141055005p1 ・・・と言った内容である。とにかく、その覆面でしか顔を拝見できなかったドロンジョ様の均整のとれたプロポーションに合致した美しい素顔で安心した。実写版映画『ヤッターマン』(三池崇史監督)に登場したドロンジョ様は女優・深田恭子が演じ、その衣裳の豪華さとなりきりの演技に注目されることになったが、このままアニメでも素顔を見せなければ、深田恭子=ドロンジョ様の素顔となり、覆面の下には深田恭子の顔があると思い込んでしまったに違いない。やはりアニメはアニメのドロンジョ様の顔が必要であり、その意味で理想的な顔が描かれていると思える。

元来、竜の子プロのアニメに登場する女性キャラの顔や容姿は、とても魅力的であり、「マッハGo Go Go」の三船剛のガールフレンドの志村ミチをはじめ、「ハクション大魔王」の娘のアクビちゃん、「科学忍者隊ガッチャマン」の白鳥のジュン、「新造人間キャシャーン」の上月ルナ等は、「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイ、惣流アスカラングレーへと美人ヒロインの流れを生み出している。まさに現代のAKIBA族の“萌え!”に通じる日本のアニメの可愛く、キュートで、繊細ながら芯の強いヒロインの多くが、竜の子プロに源流を見るのである。とにかくアニメ以外にも、アニメソングや声優の多くを育てた竜の子の存在は大きく、いまなお、「ヤッターマン」で活況を見せつけてくれていることは嬉しい限りである・・・(笑)。
◎現在、タツノコプロは玩具メーカのタカラにより買収され、タカラグループとなっている!

2009年8月29日 (土)

惨い誘拐・監禁は拉致にも通じる!

Pn2009082801000263___ci0003 卑劣な犯罪には実刑で臨むべきと思う。犯罪は時間や人生そのものをもう元に戻せない過失であり、その加害者の欲望や思惑が被害者を一生心に傷を与えることとなる・・・。
惨い事件が飛び込んできた。自分の欲望のためにまだ年端もいかない子供を誘拐し、監禁しつづけていた事件がアメリカのカルフォルニアで発覚した。だんだんと近所付き合いが少なくなり、マンションの隣りの住人すらどんな人が住んでいるかすらも知らないこともあるようだ。昔の日本であれば、近所、また町内にどんな人が住んでいて、どんな職業についており、何人家族で暮らしているかなども把握していたものだが、そんなプライベートな事柄は個人情報とやらで知る権利すらも許されなようになっている。何食わぬ顔で過ごす善人面の者であっても、その裏で何をしでかしているかは分からないものである。今回の酒井法子も、誰もが耳を疑った事件であり、なによりも裁判員制度PR映画『審理』のヒロインを演じていたものが、その表の顔とは裏腹に、裏では麻薬漬けの日々を送っていたのだから、その点では誰も信じられない世の中である。

今回の事件は、下記の通り震撼させられる不可思議な内容である・・・
米加州で女性誘拐18年監禁 印刷会社経営の夫婦逮捕
【ロサンゼルス共同】

米カリフォルニア州北部エルドラド郡の保安官事務所は27日、1991年当時11歳だった女性を誘拐後、約18年間にわたり自宅裏に監禁していたとしてフィリップ・ガリドー容疑者(58)と妻ナンシー容疑者(54)を誘拐容疑などで26日に逮捕したと発表。

女性はガリドー容疑者との間に15歳と11歳になる少女をもうけており、3人とも保護された。
発表によると、ガリドー容疑者は女性と少女2人を州北部アンティオクにある自宅裏の小屋などに監禁。小屋は外部から見えず、防音が施されていた。少女らは学校に通っていなかった。捜査当局はガリドー容疑者の自宅を捜索、誘拐や監禁の実態などを調べている。米メディアによると、同容疑者は印刷会社の経営者という。

保安官事務所は、過去の性犯罪で服役し、仮釈放中のガリドー容疑者が26日、州当局の呼び出しで警察を訪れた際、同行した女性が誘拐の被害者と分かったとしているが、詳しい経緯は明らかにしていない。女性は健康で、解放後に母親と再会した。

女性は91年6月、州北部の自宅近くで通学途中に2人組に車で誘拐された。
・・・以上、共同通信 2009/08/28 13:16配信分より

過去に性犯罪で服役した者の犯行を、18年もの間、野放しにしていた警察の怠慢も否めないが、そんな者が改心するということで社会に戻すこともどうかと思う。特に犯罪の中でも性犯罪は一種の病気であり、その快楽を一度味わった者は何度も同じ過ちを繰り返していることが多いとされる。何度も言うが年端もいかない子供を誘拐・監禁し、その上、子供を2人も生ませ、そして親子ともども学校にも行かせない行為は到底人間の行いではないと言える。最初に誘拐・監禁した11歳の少女の人生を無茶苦茶にしただけでなく、その無理からにはらませられた子供たちも15歳、11歳になるまで自宅裏の小屋に匿われるなど異常の何者でもないと言える。

2000年1月28日、新潟県柏崎市四谷の自宅2階で9年2ヵ月にわたる少女監禁事件が発覚したことを思い出した。1990年11月13日に新潟県三条市で行方不明になった当時小学校4年生(9歳)がこの日、柏崎市保健所職員により発見、保護された。少女は19歳になっていた。一緒にいたS(当時37歳/犯行当時28歳)は精神的に不安定で病院に入院した。この事件の犯人Sも、この事件を起こす前に性犯罪で逮捕されていた事実があり、絶対的に性犯罪で捕まったものはまた必ず犯行を行うということを物語っている。結局、新潟地裁では懲役14年判決、その後、東京高裁でも審理が確定し、懲役14年が確定した。

14年の懲役・・・それが9年2ヵ月もの時間と自由を奪い、家族や友人たちとの素敵な思い出も打ち消し、その得体の知れない狂気じみた犯罪者にもてあそばれたことを考えれば、即座に死刑にしても罪は消えないであろう。それか、終身刑で二度とシャバに出られないようにすることも世に中にためになると言える。そのことを考えればアメリカの今回の犯罪は、決して軽い量刑ではいけないと言える。18年もの監禁に加え、自由を束縛し、尚且つ子供2人を生ませ行為は、尋常ではないことが伺い知れる。私が陪審員(裁判員)なら文句なしの実刑は免れないと言えるだろう。

この惨い二つの事件を感じてもらったら、如何に北朝鮮がおこなった日本人拉致は非人道的で、許し難い犯罪であるかが分かるだろう。そんな犯罪の前に、この国は何一つ対策も取れず、特にその拉致被害者の家族が高齢化する今なお、なんら効果的な策を取らないのは何なんだろう。確かに核兵器やミサイル等の軍事的緊張感はよくわかるが、また外交的に近隣国への配慮もあるだろうが、誘拐・監禁をつづけ、その被害者の人生そのものを勝手に変える権利等、国であろうが、軍隊であろうが、将軍であろうが、あるはずがないのである。私も青いリボンのバッヂを持っているが、そのバッヂをつけているにも関わらず政治家として何ら解決できない者たちは即刻、バッヂを外すべきだと思う。もっと外務省や政治家は、自国の国民を守るべきと言えるだろう。国民も人ごとのようにするのではなく、声を大にして北朝鮮という国に抗議すべきと考える。

プランナーは時代が時代であれば軍師と言える。いかに戦を勝利に導くか、また拉致された人々を奪回するかを考える立場にあったと思う。この国のリーダーは何処にいるのか、そして拉致という犯罪行為をした国に立ち向かい、被害者を奪回する方法を考える策略家は外務省にはいないのか・・・ただただ、嘆かわしい!

2009年8月26日 (水)

白血病が感染する恐怖・・・都市部で増加!

0689_2 身の周りには絶えず危険な細菌やウイルスがうじゃうじゃいる。こまめな予防と定期的な検査をするのも大切なことと心得よ!
新型インフルエンザの感染だけでも怖いのに、な、なんと白血病まで都市部で増加しているそうだ。厚生労働省研究班が行った約20年ぶりの調査で、関東の感染者は1.4倍、中部は1.5倍に増加しているそうだ。従来多かった九州や沖縄では減少傾向らしいが、局地的な感染が多く、全国的な対策がとれていなかったのが災いしているようだ。交通手段の発達で感染地域が拡大したとみられ、研究班はガイドラインの作成に乗り出している。

白血球にウイルスが感染し、異常を起こした細胞の増殖が進み、抵抗力も落ちるため死に至るケースも多いとされる白血病。新型インフルエアンザが蔓延しているため、もし万一にも白血病に感染し、さらに新型インフルエンザにも感染したら、一気に生命が危ぶまれるだろう。とにかく血液のガンと呼ばれる白血病は、臓器のガンと比べて体全体にながれているだけに、発達するのも早いし、様々な臓器に悪影響を及ぼすことにもなりかねないのである。

では、今回の厚生省労働省研究班が調査した内容の記事を、産経新聞の8月21日19時09分配信から読んでみよう・・・

●感染性白血病が都市部で増加・・・予防策徹底せず
ウイルスは「成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-1)と呼ばれ、感染すると50年前後の潜伏期間を経て、3~5%の人が白血病を発症するとされる。毎年約1千人が発症しているとみられ、発症すると半分近い人が1年以内に命を落とす。前宮城県知事の浅野史郎さん(61)が6月に発症を発表し、関心を集めた。

研究班は、18~19年の献血者約120万人の血液から各地の感染者数の割合を推計し、昭和63年から平成2年の前回調査と比較。国内の感染者を108万人と推計した。前回調査では120万人だった。

全体における地域別の割合は、関東が前回に比べ6.5ポイント増の17.3%、中部が3.4ポイント増の8.2%、近畿が3.3ポイント増の20.3%。半分を占めた九州・沖縄は9.5ポイント減の41.4%だった。

計算してみると、関東は18万7千人と前回から5万7千人増、中部は8万9千人(同3万11千人増)、近畿は22万人(同1万5千人増)で、九州・沖縄は44万7千人(同16万2千人減)になる。

研究代表者の山口一成・国立感染症研究所客員研究員は、感染地域が拡大した理由を「交通の発達などによる人口の流動がある」と説明。「これまで感染者が九州などの一部地域に集中していて、全国的な対策が遅れた」と話す。

感染経路は母子感染が多く、感染者の母親から母乳などで子供に感染する割合は20%とされる。このため、抗体検査で感染が判明した妊婦は母乳を中止する予防措置が必要になる。

しかし、抗体検査の実施は一部自治体に限られ、全国的に広がっていない。厚生省は「前回調査の際、学識者から『各地方で対策を取るべき』とする見解が示されたため全国的な対応が遅れたようだ。今後は感染症認知の徹底など態勢を整えたい」と説明している。

患者団体は公的なバックアップを求めており、闘病中の浅野さんも自身のホームページで「一般の関心も知識も低い病気ですが、紹介されることで病気の要望策が進めば」と書いている。

研究班は今後、全国的な発症者の把握を行うとともに、感染予防ガイドラインを作成。検査の普及等を国に提案する方針という。
・・・出典:産経新聞(2009年8月21日・19時9分配信)より引用。


以上のように20年間、政府がまともな調査をしていなかったがために感染者が都市部に広がり、増えていたというらしい。とにかくメタボリックシンドローム等の診察を強化し、予防医学を重視するのは分かるが、確実に感染性のある疾病については把握をしておくことが国の務めであり、またその研究機関の役割と言える。

しかし、白血病の感染が広がっているというのは恐ろしいことだ。特にこの白血病は“成人T細胞白血病”と称され、同名のウイルスが原因で発症する白血病であり、ウイルスが血液内の白血球(リンパ球)に感染すると、異常を起こした細胞の増殖が止まらなくなり、抵抗力が落ちてさまざまな合併症を併発する。治療は無菌室などで慎重に進められ、抗がん剤治療や骨髄移植などが行われるが、薬への耐性が強いため再発しやすいとされる。現在、白血病で死亡する人は国内で年間6千人以上とされるが、うち2割近くをこの病気が占めている。

たしかにやっかいな病気っであり、骨髄の中でつくられる血液細胞がガン化する病気でもあり、芽球(がきゅう)という若い血液細胞がガン化してどんどん増えていくため、正常な血液が不足して様々な症状を引き起こす。例えば、赤血球、血小板、白血球、リンパ球、全てが足りなくなって、健康を守るためのさまざまな働きが損なわれてしまうのである。赤血球が減ると全身に酸素がを運ぶ働きが正しくおこなわれなくなって、貧血がおこる。また血小板が減ると、血液を固める働きが弱くなって、出血しやすくなる。そして白血球が減ると、体を細菌やウイルスから守る免疫の働きが弱くなって、感染症を起こしやすくなる・・・と言ったように、血液の病気はとても怖い。

今回は真面目にブログを書いてしまったが、今回の感染性白血病と共に新型インフルエンザが併発でもすれば最悪な結果になることは確かで、用心に用心を重ね、気になる症状が出た場合には早期に病院での血液検査を受けることをお勧めする。とにかくクラっとしたら要注意、健康こそが日々の幸福であると実感する毎日である。特にフリーのプランナーは体が資本であり、健康でいてこそ無理な依頼にも対応でき、納期等の約束を守れるからである。

2009年8月 7日 (金)

女優・大原麗子の死に思うところ・・・

Crm0908062220029n1 かわいい女を演じた女優・大原麗子は、まるであのサントリーのCMのように誰(何)かを待ち続けたままに、プイッと旅立ったような気がしてならない!!
自分が目指した広告の中で、その広告という15秒、またはポスターやPOP類、新聞雑誌等の意匠広告において、言葉の力、さらにはシズル感、空気感を持ったアクター(キャラクター)の存在が必要不可欠とされる。単にアイドルとして売れているタレントを使う尻軽な広告ではなく、きっちりと商品が持つ訴求点を一つの物語の中で表現できる演技力、そして存在感が大原麗子にはあったと言わざるを得ない。そんなCMの全盛期を駆け抜けた女優が亡くなった。

その訃報は突然舞い込んだ。すでにテレビやネットニュースで情報が出回り、また多くのブログにて同じような訃報の情報を読むことができるが、私なりに大原麗子の死を考えられればと思い。ここにその思いを寄せる。まずは下記に、訃報における記事を紹介する・・・

●ドラマ、映画で活躍 自宅で死去の大原麗子さん 死後2週間以上経過
6日午後7時ごろ、東京都世田谷区の女優、大原麗子さん(62)方で、大原さんが死亡しているのを警視庁成城署員が発見した。警視庁は事件の可能性は低いとみている。

大原さんは東京都出身。昭和39年、NHKのオーデションに合格してデビュー。40年「孤独の賭け」で映画の世界へ。「網走番外地」「男はつらいよ」シリーズや「獄門島」「おはん」など多くの作品に出演。独特の低い声と落ち着いた演技で存在感を発揮した。

テレビでもNHK大河ドラマ「春日局」(平成元年)に主演したほか、「獅子の時代」「山河燃ゆ」などで活躍。テレビ局の好感度調査でも幅広い支持を集めた。

ウイスキーのCMでも知られ「すこし愛して、ながーく愛して」は流行語になった。
・・・MSN産経ニュース(2009年8月6日/22:17)より引用。

2 昨年、亡くなった私の母も「若い頃は大原麗子に似ていた」などと自称大原麗子を断言していたが、昨年の夏に独り住まいの中、自宅で死亡し、また2日後に孫(甥、姪)が訪ねて発見されたのである。母と同じような死(死後2週間以上経過)に接して、言いようもなく寂しさを感じる。私は母の弟(叔父=広告関係)の影響で、5歳にしてCM出演を果たし、その時点から広告業界との縁を結んだと言える。きっとその時期に大原麗子もデビューしているので、まさに同期という変な縁(えにし)も感じられる。

ところでうちの母だけが大原麗子似ではなく、中高大学時代の相棒(漫才の相方)の母、姉を紹介する時も大原麗子が登場したことを思い出す。彼以外はすべて女性の女系家族であり、「母は山本富士子、長女は大原麗子、次女は天地真理、三女は南沙織、四女は麻丘めぐみ」といつも言って憚らず、まさに芸能一家のように自分の家族を持ちあげていた。そんな時にも必ず大原麗子は登場し、美人の代表のように憧れをもって描いていたのだろう。

2_4 様々な主演、出演の映画やドラマも思い出されるが、やはり大原麗子はサントリーのCMというのが一番ピタッと来る。キャッチフレーズの「すこし愛して ながーく愛して」(サントリー)は、昭和55年のヒット作で、大原麗子の表情や仕草さえもがキャッチコピーと共に頭に浮かぶ。この年の、その他のキャッチフレーズを挙げると次のようになる。

好きだから、あげる(丸井)/じぶん、新発見(西武百貨店)/女の記録は、やがて、男を抜くかもしれない(伊勢丹)/それなりに写ります(富士写真フィルム)/裸一貫、マックロネシア人(全日空)/ピッカピカの1年生(小学館)/時代が僕を生んだ(キリンライトビール)/食べるタイムスリップ(カゴメ)/それにつけても おやつはカール(明治製菓)/いまのキミはピカピカに光って(ミノルタ)・・・。結構な秀作ぞろいである。この頃は、私も就職活動をすると共にコピーライターを目指していた頃で、確かに「すこし愛して ながーく愛して」は影響を受けたコピーの1つと記憶する。

Photo 大原麗子、そして80年に登場し、83年までシリーズ化したウイスキーのコマーシャル(サントリーレッド)を思い出す時、いつも松山千春の『恋』という曲が頭の中に流れ出す。業界に入った年、先輩に連れていかれた北新地のスナック、そのカウンターで、カラオケにて歌い出す先輩の十八番はどういうわけかいつも『恋』だった。その歌詞の中でもサビと言える一節が特に何度もリピートし続ける。♪男はいつも待たせるだけで 女はいつも待ちくたびれて それでもいいとなぐさめていた それでも恋は恋♪・・・そんな歌(歌詞)と共に大原麗子のサントリーのCMが頭の中にいつも流れる。

なぜならシリーズ化されたCMの大原麗子は、いつも誰かを待っている役どころ。奥まった路地のちょっとこじゃれた仕舞(しもた)屋敷風の家。みるからに隠れ家めいたそこで、和服にキリッと髪を結いあげ、「小股の切れあがった」という形容詞がいかにも似合いそうな彼女は、どう見ても人妻には見えない。男はと言えば、どうもたまにやってくるだけだ。そこここに置かれた道具や身の回りのものにあきらかに男の匂いが濃密に漂う洋風の部屋があるが、そこに男の姿があったためしがない。が、彼女は文句ひとつ言うこともなくむしろ嬉々として男に従っている。内心は知らない。が、少なくとも、男の来訪が、彼女にとって最大の喜びであることは間違いない。

ときおり、背中や声を見せるだけで、決して顔を見せない男と、その男の影をいつも待っている女。待つことに馴らされて、男もまた待たすことに慣れてしまった、甘い“共犯関係”が、そこにはあらかじめ成立している。ときおり女は修羅と化し、悲鳴をあげるが、その悲鳴さえ、二人の生活の欠くべからざる“小道具”になっている。それゆえに保たれている男と女の関係の中で、大原麗子は限りなくかわいい女である
・・・資料『広告のヒロインたち』(島森路子著/岩波新書)より引用。

まさにこの中にあるCMの時空間が、松山千春の『恋』の歌詞に合致するのだろう。そこにはあまりにも男の願望がありすぎ、現代の女性から見れば「ありえないでしょう!」と一喝されるかもしれない。ずうっと待つなんてありえない。と言うだろうし、また携帯電話やメールで催促もするだろうし、仕舞いには家までやってくるかも知れない。しかし、大原麗子は一人で待ち続けるイメージがあったと言えるだろう。そんな古風にしてモダンな女優は、何を待って終焉を一人で過ごしたのだろう。動かなくなった体で、天井を見つめ、壁を見つめ、死ぬというその瞬間、彼女は人生で待ち続けたものに別れを告げ、自ら歩き出したと言える。永遠などはありはしないが、確実に言えることは大原麗子という女優が「今後はながーく愛して」やまない真の女優として多くの人々の心に刻んだということ。最後に、大原麗子さんの冥福をお祈りしましょう・・・。

2009年8月 3日 (月)

佐藤秀峰の漫画オンラインは成功するだろうか?

2009072900000008oricentthum000 漫画家は漫画雑誌と共にあると言うことから離脱し、新たにインターネット(オンライン)と漫画の新規ビジネスモデルを始める佐藤秀峰に注目したい。どんな時代でも、その新たな発展への突破口を開くものには冷たいところがあるが、挑戦する姿勢は今の閉塞社会にこそ必要な行為である!
漫画家が漫画雑誌を作る出版社と決別し、独自に公式ホームページで漫画をオンライン公開するというビジネスモデルは成立するかが注目されている。7月29日15時23分配信のオリコン(YAHOO!ニュース)から・・・

●『新ブラックジャックによろしく』作者が漫画オンライン公開スタート/500ページ無料公開
漫画雑誌『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)連載の『新ブラックジャックによろしく』の作家・佐藤秀峰氏が28日、公式ホームページでオンラインコミックの公開をスタートさせた。出版社との関係性に疑問を抱き、4月に作品のオンライン公開を宣言。新たな方向性を模索してきた佐藤氏の新システムがついに完成した。自身の作品など合計500ページを無料公開。8月中旬には、有料サービスでさらに多くのコンテンツが配信される予定で、漫画の新たなビジネスモデルとして出版界に新風を吹き込むことになりそうだ。

公式ホームページで、『海猿』や『ブラックジャックによろしく』制作時の編集部との軋轢や、『ブラックジャックによろしく』の『週刊モーニング』(講談社)から『週刊ビッグコミックスピリッツ』への電撃移籍の経緯などを赤裸々に語ってきた佐藤氏。4月13日付の公式ホームページの日記では「僕は『新ブラックジャックによろしく』をオンラインで連載することにしました。雑誌に掲載されてから1ヶ月後に、こちらのホームページでも読めるようにするつもりです。いわば、雑誌とホームページの同時(に近い)連載です」と大手出版社の雑誌に連載中の人気作品の自身の公式ホームページで掲載するという前代未聞の掲載方法を宣言。その後、彼の意見に賛同した漫画家たちにもオンラインコミックへの参加を呼びかけ、多額の資金を投入し、漫画公開システムの環境作りを行ってきた。

今回は『ブラックジャックによろしく』、『新・ブラックジャックによろしく』、『特攻の島』、読み切りデビュー作『おめでとォ!』のほか、佐藤氏の妻で、漫画家の佐藤智美氏の『ムショ医』1巻1話を無料公開。佐藤氏は、「ぜひ、無料コンテンツをお読みいただき、ビューアーの性能についてご意見をお聞かせいただけないでしょうか?」とシステムへの意見を呼びかけ、「有料サービス開始時までに、調整できる点を調整し、より快適な閲覧環境を提供できるように努力してまいります」と漫画の新たなビジネスモデルを作る意気込みを明らかにしている。


・・・以上が、佐藤秀峰の漫画オンラインという新たなビジネスモデルをスタートするという全容である。確かに漫画は漫画家によって描かれるが、それが市場に出回り、読者という消費者の目にする迄には様々な企業や専門職の人々が関わり、その漫画の売り出しに多大なる演出や宣伝、そして目にすることができる機会を創り出す。例えば1軒だけポツンとある飲食店よりも、様々なジャンルと味が楽しめるお店が集まった飲食街にあることの方が、消費者は選べる楽しみと味比べ出来る満足を生み出し、その飲食街の各店やシェフとの切磋琢磨により、自身の腕も磨かれるというものだが、漫画オンラインとしての情報氾濫のその中で、ポツンと一軒だけがプロの漫画家が描く最新連載の漫画をオンライン公開するということにどれだけの効果と利用があるのかである。

確かに佐藤秀峰という漫画家のファン層がおり、それを有料サービスを受けても読みたいという者もいるだろうが、従来の漫画雑誌そのものを愛読する漫画ファンたちは、佐藤秀峰の作品を読むだけではなく、他の漫画家の作品や新人漫画家の新たな作品との出会いに期待もしているもので、同じタッチの漫画をそんなに会員登録してまで読むだろうか・・・と思える。例えば、漫画喫茶やマンガミュージアムには、様々なジャンルの漫画や多くの漫画家の作品が置かれており、その時々の気分でコメディタッチの漫画やSFタッチの漫画、さらにはヒューマンタッチの漫画を、そのキャラクターの描き方さえもが違っていること、つまり多種多様な漫画家の個性を選び、読むことができる利点がある。その選択肢が佐藤秀峰という漫画家の傾向とタッチのみでしか選ばれない場合、それはいずれ飽きられることにもなりかねない。

確かにこの記事によると佐藤氏の妻の作品や、また彼の意見に賛同する漫画家もオンラインコミックに参加するとはいうものの、では何をブランドとして読者は見ればいいのだろうか。
小学館、講談社、集英社等々の出版社のブランドイメージをはじめ、『週刊ビッグコミックスピルッツ』『週刊モーニング』等の漫画雑誌のコンセプトに応じた作品の集合体から得られるイメージすらも持ちあわされない佐藤秀峰とその仲間たちのオンラインでは、ブランド=佐藤秀峰・・・にならざるを得ない。ややもすれば同人出版オンラインのような素人がすでに始めているコミケやオンラインコミケ的なものとして埋没しかねないだろう。

元来、漫画とプロセスが類似する江戸期の浮世絵は、絵師がそのまま販売することはなく、描いた絵を彫師が木版にて忠実に彫り込み、さらに版画の要領で色を着色し、刷り上げて完成する。それを幾つもの取り扱う店頭にて販売するなど、ここに版元が存在してビジネスが成立していた。我々、フリーのプランナーも同じである企画書を書くと言っても、その仕事の大半は個人に直接取り引きをする企業や行政は少なく、一般的には広告代理店や媒体社、さらには旅行会社、企画制作会社(コンサルティング会社)を経て依頼されることになっている。もし、個人で行おうと考えれば、例えば新聞や雑誌に「企画書を書きます!」などの広告を出稿し、また人気サイトを通じてWeb広告を露出する必要が発生する。確かに自身の足で歩き、営業することも重要ながら、どこにタイミングよく仕事があると言えるだろう。このようにまずは自ら企画を書く仕事を募ると言った広告を出費することから始まる。万一、それにより仕事が舞い込んだ場合は、その規模の大小、また依頼主の経済的現状、支払条件等においても千差万別と言える。広告代理店や媒体社、旅行会社からの依頼にあっては、私の前に一旦防壁が出来、支払いに関してもそれらの会社が責任を負うことになり、また何よりも私の力量やタッチそのものを知った上でマネージメントしてくれるので、無駄な交渉事を省く利点が大きいと言える。やはり昔からの気心が知れた広告代理店や媒体社、旅行会社との仕事は受ける側としても安心できるし、ラクなのである。

確かにネット社会としてはBtoC(企業と個人)もあれば、CtoC(個人と個人)での取り引きを進める上でのシステムを作り出しやすいが、それにはかなりの投資やブランド力、そして時間を要するものである。漫画家は、平面となる紙にペンを走らせ線画で様々なキャラクターや背景を描き、ベタを乗せて色を描く作業を行うが、オンライン配信ならば別段、これもCGで描いても構わないように思える。仕舞には動画(アニメーション)としての方が見る側、読み手側もラクである。しかし、漫画家としての形態は時代と共に移り変わるというものの知名度の維持や経済的基盤としては、絶対的に書店で単行本や連載の漫画雑誌が置かれていなければならないだろう。それは①宣伝してもらえる利点 ②販路を確保できる ③人気のバロメーターとしての人気雑誌の連載・・・などが挙げられるだろう。

私は佐藤秀峰がはじめようとしているオンラインコミックに対して批判したり、さらには否定するものではなく、かなり難しい選択ながら、どのように多くの課題や障害を越えられるかを興味深く見ているのである。漫画は元来、紙芝居によって生み出されたという説がある。紙芝居の「語り」や動きを「絵」に書き込んだものと見るからである。またアニメは絵とセリフが主体であり紙芝居にかなり近いが、観客は「受身」に終始すると言われる。このことからオンラインコミックを考えると、漫画とアニメの中間を指すもの、つまりは“電脳紙芝居”と考えるべきではないだろうか。

Kmsbi 台本に沿って描かれた数枚から十数枚の絵をその筋書きに沿ってそろえて重ね合わせ、演じ手は、1枚目から順に観客に見せながら、筋書きとセリフを語っていく。見せ終わった絵は、横に引き抜いて裏に回し、物語を展開していく。また紙芝居は、演じ手(一人)と観客(複数)とが向き合い、実演を通じて直接交流することにより盛り上がる。演じ手は観客の反応を見ながら、絵の引き抜き方、声色、台詞回しあんど演じ方を自在に変える事もできる。この双方向性と一体感は、TVなどの一方通行のメディアでは得られない紙芝居の特徴である。長々と書いたが、要するにオンラインコミックはこの紙芝居の双方向性をうまく活用し、単に漫画原稿を載せるだけのものにはせずに、演じ手(佐藤秀峰)と観客(複数)が成立すれば新たな展開に発展するだろう。

では収益はどうするかであるが、有料サービスなどの面倒くさいシステムは全て止め、紙芝居のように読む(観る)のは無料にて、漫画の横に駄菓子(水あめ、ミルクせんべい等)を売ると良い。それをネット通販にて購入し、食べながらオンラインコミックを読むという習慣を植え付けることである。これならオンラインコミックではなく新たなスタイルの紙芝居ビジネスになるんだろうか・・・。とにかく、すべての業種、業界において新規ビジネスが求められる時代、一切の既成概念を打ち破り、挑戦することには応援したい!ただ難しいというのは誰もが気付いているだろう(笑)。

2009年6月 9日 (火)

変哲もない日々に怪奇な事件はご馳走である!

Otama11_4 ついに企画疲れで刺激が御馳走になった。天からオタマジャクシが降ってくるのも悪くないが・・・知り合いの芸術家によるモノを喰うモノたちの巻物にはおそれいった!
不謹慎ながら、昔からテレビのニュース速報がたまらなく気になり、それも予期せぬ大事件なら好奇心旺盛にその後のニュース速報をどこかで期待してしまう。確かに事件に遭われた被害者は必ずいるのだが、それよりも事件そのものの現象や規模なり、原因そのものが気になるのである。確かにニュース速報は、痛ましい大事件に限らず、ある自治体の知事選で誰が当選したとか、また地震が発生して震度3や2、1の地域は何処だったかなどと出るたびに、別なる大事件を期待している自分に気付くのである。ツンツツーツンツツーと、あのニュース速報の音が聞こえるだけで条件反射的に期待してしまうのは不謹慎とも言えるが、プランナーという仕事柄、ニュースには敏感な一種の職業病と言える。
まったくニュース速報にもならないが、いたってこれらのニュースの方が面白く、また興味がある領域にて、最近目にとまったニュースを紹介しよう・・・

●怪奇・・・空からオタマジャクシ降ってきた!?
空から降ってくるのは雨やひょうばかりとはかぎらない。石川県が今月に入ってオタマジャクシが空から降ってくるという“怪事件”に揺れていることが6月7日、明らかになった。一般に魚などが空から降ってくる現象は「竜巻」が原因とされることが多いが、当時周辺で竜巻は観測されておらず、発生しやすい気象状況でもなかった。天変地異の前触れか・・・そのナゾは深まるばかりだ。

この「超常現象」が発生したのは今月4日と6日。4日は午後4時半ごろ、石川県七尾市中島町の「中島市民センター」周辺の約300平方メートルにわたって体長2-3センチのオタマジャクシ約100匹が突然降ってきた(オタマ確率100%!?)。
6日は同県白山市徳丸町で午前7時すぎ、駐車場のボンネットや路上でつぶれているのを住民らが見つけた。「近所の人に言われて外に出てみると、自宅の車のボンネットに5-6匹がつぶれてくっついていた」と同町の住民が証言。

さらに周辺の民家や駐車場などでも計約30匹が確認され、大きさは七尾市と同様2-3センチ。5日の午後8時ごろ、石川さんの家族が帰宅した際には変わった様子はなかった。つぶれた形状からいたずらに投げつけられたとは考えられないという。2件とも付近に田んぼが点在するが、オタマジャクシがどこから来たのかは不明だ。

実は世界各地で魚やカエル、クラゲ等が降ってきたという記録が残っているが、一般的に竜巻が原因とされる。竜巻が水上を移動するときにルートにある物を巻き上げ、その後雨と一緒に落ちてくるのだ。

ところが金沢地方気象台に確認すると、石川県内は4日夕も、5日夜から6日朝にかけても「大気の状態は安定していて竜巻が発生する状況ではなかった」。先出の住民が「夜中にドカンという音がしたと家族はいっていたが、雨や風などはなかった」と話していることなどから、気象台が観測できない小規模な竜巻が発生した可能性も低い。

同気象台職員も「過去に同様な例は聞いたことがない。原因も分からないですね」と首をかしげるばかり。この時期、石川県の話題と言えばご当地出身の米大リーグ、ヤンキース・松井秀樹外野手(34歳)の話題一色だが、巨大ゴジラも、いまは小さなオタマジャクシの前には歯が立たない!?ゴジラの里がまさにオタマジャックだ。

・・・以上は、産経新聞(6月8日13時28分のYAHOO!ニュースでの配信分から引用)

という怪奇な事件であり、なぜこの事件がニュース速報で流れないかが疑問でもあるが、天気予報で「明日は晴れのち、ところにより激しいオタマジャクシが降りますので、傘をかならずお持ち下さい」と言うほどにオタマジャクシが空から降ってくるわけでもないので、絶対に私の感覚では臨時ニュースとすべきところだろう。摩訶不思議な今回の事件の解明は、考えれば考えるほど馬鹿げた発想が頭に浮かび楽しい限りである。FBI警察による難事件を解決した超能力者や、テレビでお馴染みの霊能力者達の声も聞きたいところだが、勝手な推理をさせていただくと次のような答えが生まれてくる。

(1)雲の上の雷様が食べようと下界から集めた食料の中、オタマジャクシにはへそがなかったために、怒って下界に投げつけたのが今回の事件。
(2)にわか雨が降ったのだが、その水滴が落ちてくる間に陽気な神様の悪戯にてオタマジャクシになったのでは・・・確かにオタマジャクシの形状は雨粒に似ている。
(3)活躍する大リーガーの松井秀喜のようになりたいと、悪ガキがボールの中にオタマジャクシを入れてバットで打ったら、その勢いでボールが壊れて中身が飛び出した。オタマジャクシは自分たちで、いずれ手が出て足が出て一人前の野球選手への願いからである。
(4)結構、本気で思うのが妖怪の仕業である。石川には妖怪「かわうそ」というのが伝承されており、そのかわうそが妖怪の住処を荒らすために人間たちを懲らしめようと、妖術で川や田畑で集めたオタマジャクシを空から降らせた。

これでも真剣に考えていますが、何か?・・・。ではもっと現実的に考えてみましょう。ズバリ!(5)渡り鳥の仕業ではないか。コウノトリや、丹頂つる、鴨などが、長旅の弁当がわりに自分の口や喉あたりに貯め込んだ獲物のオタマジャクシを、飛んでいる時に突風にあおられてギャーと叫ぶと同時に口から飛び出し、落下したからではないだろうか。石川県のこのあたりは結構、渡り鳥の通り道と思えるがいかがだろうか。宮崎駿のジブリ映画『魔女の宅急便』でも空を飛ぶ鴨が急な突風で煽られ、魔女の卵「キキ」もお預かり物の黒猫のぬいぐるみを落としたのをお忘れか?・・・どちらにしろメルヘンチックな回答で申し訳ない。企画三昧な日々の忙殺された中で、どうも頭にオタマジャクシが落ちたようなへんな感じをしながら、ブログを書いていたらろくな発想にならないのである。

052_2 ところで、そんな企画立案に明け暮れ、まさに忍者の如く様々な諸国(自治体)の地域活性化がらみの諜報・戦略を繰り返していたら、お世話になる京都造形芸術大学の関本先生から1本の巻物が郵便で届いた。これをもってもっと忍術修行に励めとのことか、はたまた摩訶不思議なる世直し事業に取り組めと言うのか、とうてい凡人では考えも及ばない得体の知れない巻物である。恐る恐る、その巻物の正体を紐解くと『関本徹生・八十八体のモノ喰うモノたち』とあり、達筆なる筆遣いで巻物の謂われや心に響く言葉の羅列、なによりも絵巻物として描かれたモノを喰うモノたちが天から降るオタマジャクシどころでもない衝撃である。では、巻物の巻頭に描かれた文面をここで少しだけ紹介しよう(あまり紹介すると虎の巻そのもののパワーが萎えるだろうから)。

人間が作り出した土に還らないモノたちに対する
反逆者として、疎外されている現世のモノたち、
理不尽な境遇に置かれた幾百千万のモノたち、
さらには作り捨てられたアート作品の救済のために、
平成の「モノノケ」たちの姿を製作。
森羅万象、全てのモノに神が宿るという考えが
命を大事にし、モノを大事にする。
そしてそれが環境問題を考慮した
循環型社会の構築も可能となるはず。
「いただきます」は命をいただくのを感謝せよであり、
「モノを大事にせよ」はつくも神を、命を大事にせよである。
先人たちが持っていた考え方が忘れさられている。
日本人が元気持っていた生命感覚の根源性こそが、重要である。
日本人の源流(感性)を思い起こせ!

●巻物『関本徹生 八十八体のモノ喰うモノたち』より

053_2 どうだ、この御伽草紙を超越し、また神代の時代を呼び起こす日本人の心に響く言葉、そして「観たままに全てを感じろと!」と絵巻物そのものが曼荼羅を思わせる関本徹生ワールドがどんどんと、使用時の長さを限定された我が家のトイレットペーパーよりもはるかに長く、また役立ち、運が付きそうな虎の巻である。本当に、ほんとうにこの場を借りて御礼申し上げます・・・関本先生へ。これで少し活力が湧いてきました。ニンニンと口にくわえて九字法を描きますれば、オタマジャクシもウーパールーパーに変わる勢いが生まれます。では拙者はこれにて…ドロン!?

2009年3月14日 (土)

奈良漬けに濡れ衣を着せるとは鹿のフン以下だ!

Photo 奈良1300年の昔から『かす漬け』『奈良漬け』として愛されてきた奈良のブランドを、酔っ払いの言い訳に使うのは御免こうむりたい!
今年に入り一気に仕事が押し寄せ、不況になればなるほど出番が多くなり、酒も飲んでいないのに酒気帯び状態にて少々フラフラながら、まことにありがたいことと、感謝しつつ企画作業を粛々(政治家の意味不明な弁明に登場する言葉)とこなしている。だから、このブログも間隔が空いてしまい、3月に入ってすでに中旬を迎え、ようやく最新のブログを今日書くことになった。奈良に住んでいる、また平城宮跡に隣接する近鉄「大和西大寺」の駅前あたりにおり、天気のいい時は西大寺の境内や自転車や徒歩で平城宮跡にも出かけているのである。桜が咲くこの時期は、どことも心地よい風と柔らかなる春の光が優しく包み、その中でノートパソコンやノートを広げて企画作業をする。会社にも縛られず、自由気ままにフリープランナーとしてやってきたが、但し納期(締切日)だけは守らなければならず、この点ではかなり縛られているわけだ。ただ縛られるものがないというのもさびしいもので、スケジュールが決められるからその日に向かっての目標も出来るし、責任も負えるところがある。ただ自由きままに過ごすのであれば、本当の意味での自由人(ホームレス、仙人)になるしかないだろう。

その唯一の縛り(納期・締切)に対して若い頃は、それを延期させようとの様々な理由や屁理屈を付けたことも確かにあった。「祖父が亡くなった」「祖母が亡くなった」「叔父が亡くなった」「叔母が亡くなった」等と嘘をついたことも事実で、本当に祖母がなくなった時は、その口実も使えずに、お通夜のみで葬儀にも出席できなかったこともあった。今では両親まで亡くなり、納期を延期するための口実もなく、あとは自分が入院するかぐらいしか見当たらない。とにかく人は困った時に、火事場の馬鹿力ではないがとんだ嘘や理由づけを考えだすものである。それがまかり通るうちはいいが、まことしやかに嘘をつき通すと、嘘の上にも嘘をついてゆくこととなり、その間で関わった人々などにも多大なる迷惑をかけることもあるから気をつけよう。

奈良県民(私は大阪府出身だが)にはあまりいい気がしないのが最近多い“酒気帯び運転”の言い訳に「奈良漬を食べた」というのが相次いでいる。いくら奈良漬のメッカである奈良でも酒気帯び運転と間違われるほどにアルコールをプンプンさせる量の奈良漬は食べないものだ。これらの事件は、昨年11月末千葉県柏市、接触事故を起こした際に道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕された会社員の男が「奈良漬を食べたから」と供述し、その罪を逃れようとしたことや、また今年1月7日、埼玉県春日部市で、保育士の女が道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕された時も、呼気1リットルからは基準値(0.15ミリグラム)を大幅に超える0.55ミリグラムのアルコール量が検出され、女は「奈良漬を食べただけで飲酒はしていない」との供述を繰り返したという。

本日の毎日新聞(3月14日11時32分配信)から、これらの「奈良漬による酒気帯び運転」疑惑に対する確固たる判決が出たとの記事が載っていたので紹介する・・・
Dst0901241305004n1 ●<酒気帯び運転>「なら漬け食べて」認めず 甲府地裁
酒気帯び運転をしたとして道交違反に問われ「なら漬けを食べた」と無罪を主張していた東京都練馬区、家庭教師・大里順比古被告(60)に対し、甲府地裁は13日、罰金25万円(求刑・罰金30万円)を言い渡した。検察側は、甲府署員5人がなら漬けを食べて呼気検査をし、5人ともアルコールが検出されなかった実験結果などを証拠にとして提出。渡辺康裁判官は「被告の弁解は信用できない」と述べた。
判決によると大里被告は06年2月2日午後10時45分ごろ、甲府市緑が丘の市道で乗用車を酒気帯びの状態で運転した。甲府地検によると、交通検問で基準値を超える呼気1リットルあたり0.22ミリグラムのアルコールが検知されたが、大里被告は「スーパーで買った拳大のなら漬けを食べた」と主張した。甲府署員は拳より少し大きいなら漬けを食べて呼気検査をした。このほか、財団法人・交通事故総合分析センターによる同様の研究結果などが証拠として提出された。同地検によると、「なら漬けを食べた」と主張して無罪になったケースはないという。

…以上のように「奈良漬け」を食べたところで酒気帯びとはならないのが普通のようだ。しかし、上記の記事は奈良に気を使って「なら漬け」と記載していたが、ならであっても、奈良であっても奈良県の特産である奈良漬けには変わりないのである。
奈良漬けは、元々1300年以上も前より『かす漬け』という名で存在しており平城京の跡地で発掘された長屋王木簡にも「粕漬瓜」と記された納品伝票らしきものが見つかっている。なお当時の酒はどぶろくであったため、粕とは搾り粕ではなく酒の底に溜まる沈殿物であったようだ。また当時は上流階級の保存食・香の物として珍重されていたようで、高級食として扱われていたという記憶がある。そんな昔に『かす漬け』をたらふく食べて、牛馬の酒気帯び運転で捕まった上流階級に現在の30万円の罰金はそれ相応のことと考えると、「奈良漬けを食べた…だからアルコールが検出された」となり、当然に30万円の罰則は払うのが当たり前である。酒やビールを飲んでいないからというのであれば、奈良漬けも発泡酒や新たなリキュール酒と変わりがなく、「奈良漬けを食べただけ」は無罪放免などあり得ないのである。甲府署はご丁寧に、5人もの署員が呼気検査をしてアルコールが検出されないことで、「奈良漬けを食べた」という嘘を見抜いたが、どちらにしろアルコール分が含まれるものをたらふく食べて自動車を運転しようというのが間違った考えである。

落語にも「酒の粕」というのがあり、ある酒に弱い男のもとに田舎の里から酒の粕が送られて来て、それを食べたところがベロンベロンに酔っぱらってしまった。これ幸いと日頃から酒が飲めないやつとバカにされていることを思い出し、それらの友人たちの家を巡り、赤い顔を見せて「酒飲んでるねん」と言ってまわる算段を立てた。
しかし、日頃から酒などに疎いこの男は、最初の友人宅で「どれぐらい飲んだ」と尋ねられ、「そうよ、このぐらいの大きなヤツを2枚程」と言ってしまい笑われる。そこで友人は親切にも「このぐらいのムサシノで一杯飲んだ」と言えという。次に訪ねた友人宅では、「どんだけ飲んだ」までは良かったが、「何を肴に飲んだ」と聞かれ、「そうよな、黒砂糖で・・・」と言い、ここでも酒の粕と見破られる。「鯉の洗いで一杯飲んだ」と教えられ、最後の友人宅を訪ねると、飲んだ量や酒の肴までは順調に行ったが、最後に「冷か、熱燗か」と聞かれたこの男は、「こんがり焼いていただきました」とオチとなるもので、まさに滑稽な奈良漬け裁判は、ニュースで名前が出るなど、あまり賢い嘘ではないようだ。次回はウイスキーボンボンを食い、また酒まんじゅうを10個以上食ったところで、酒風呂に入っただけと開き直るしかあるまい(笑)。とにかく奈良の地域ブランドである奈良漬けを言いわけに使うなどもってのほか、奈良漬けは鰻の蒲焼きとの組み合わせが定番であり、単なる酔っ払いとは組み合わせがうまくいかないことが今回の事件でよく分かっただろう。

2009年2月15日 (日)

アテーションプリーズの世界に制服廃止!

200pxskymark_air_lines_b767300er_ja 憧れの空の旅を演出する客室乗務員の制服がポロシャツになると聞き、職場は人のリストラにとどまらず、ついには制服までも廃止したかと、効率化・コスト削減に走るあまりに職業文化を失わしめていることを知る。一層のこと制服は佐川急便とのユニフォームシェアリングでも始めたらどうだろう!
制服を着ているからどんな職業で、どんな仕事やサービスをする人かと理解できるが、その制服が廃止されたり、またイメージと違ったものになれば“ただの人”のようになってしまうだろう。制服そのものがいいわけでもないが、制服が似合うこと、また制服に見合う技術と知識等が備わっていることが大事で、よく「制服が早く似合うプロフェッショナルに育つように」との励ましの声も聞かれるが、そんな制服を廃止してしまうと何処を見ればプロフェッショナルだと、一目で見分けることができるのだろうか。
2009年2月14日付の産経新聞・夕刊に掲載された記事(社会面)によると航空会社において客室乗務員や地上職員の制服が廃止され、代わりにポロシャツやウインドブレーカーを4月にも支給することになるそうだ。詳細な記事は下記の内容・・・。

●スカイマーク ポロシャツ乗務へ
国内では例がなく、同社は「コスト削減分をお客様に還元したい」としているが、制服にあこがれて客室乗務員を目指す女性は多く、ある女子大学生(21)は「制服がないなら受験しない」と否定的。別の航空会社は「制服があるから低賃金でも辞めないでくれる」と明かし、スカイマーク社内からも「さみしい」との声が上がっている。
「格安航空会社の選びかた」の著者、航空写真家のチャーリィ古庄さんによると、米サウスウエスト航空やスイスの航空会社など、海外では客室乗務員がポロシャツを着用している会社も多いという。航空法に乗務員の服装に関する規定はないが、国土交通省は「緊急脱出時などに乗客と区別がつくよう、分かりやすい衣服を着ることが必要」としている。
チャーリィさんは「スカイマークのおかげで日本の航空運賃は安くなってきた。さらなる引き下げにつながるなら歓迎だ」と評価しながら「(テロ防止など)保安上の理由からパイロットは制服の方がいい」と注文をつけた。
デザインは未定さだ、同社のシンボルカラーである黄色が取り入れられる見通し。文化女子大の伊賀憲子教授(服装心理学)は「黄色は楽しさと同時に不安定な印象を与える。日本人の持っているイメージでは、青や紺を基調にした方がいいのではないか」と話す。


・・・以上のように客室乗務員の制服を廃止し、コスト削減分を利用客に還元するとは言うものの、機内の通路をポロシャツ姿の女性が行き来するのもどうだろうか。まるでその場所が機内という感じではなくスポーツジムのインストラクターや、はたまた佐川急便のスタッフが荷物を運んで来そうな錯覚すら覚えてしまうだろう。逆に観光バスに乗務するバスガイドの方がビシッと制服を決め、狭い車内を歩き回り、名所の案内や駐車場でのバック誘導などもおこなっており、飛行機という乗り物自体が安っぽく見られてしまうだろう。確かに飛行機は安いに越したことはないが、あの大層な空港の設備から多少の愉悦感を持って、今からバスでもなく列車でもない、空を飛ぶ飛行機に乗るんだと意気がるもので、機内に入った際の気分の高揚はきっと客室乗務員、いやスチュワーデスの制服と笑顔を見た際に頂点に達すると言えるのである。しかし、そこにポロシャツ姿が待っているのはどこか清覚めしてしまうだろう。

Pn2009021401000132___ci0002 確かに国土交通省が指摘する緊急時において乗客との区別がつかず、同じように椅子に腰掛けてしまうと乗客に同化してしまい、「客室乗務員はどこへ行ったんだろう」と不安になるだろう。また、様々なデザインや色合い、そしてプリントが簡単に作れるポロシャツやウインドーブレーカーは、偽装のものも登場し、知らないうちに犯罪者が機内に入り込んでいたなんてことにでもなれば、チャーリィさんが言うところのテロにもつながり、事態は最悪なことにもなりかねないだろう。とにかくチケット(座席)のめぐりあわせで、客室乗務員と向い合せになる、あの気恥かしくも嬉しい席になった際も、そこにはポロシャツ姿の客室乗務員が座っており、まるでゴルフかテニスの帰りにファミレスでお茶をする主婦たちを連想してしまう。

我々のようなイベント業界にあっても、何か大がかりなイベントがあるとスタッフジャンバーまでは予算がない場合、Tシャツ、トレーナー、ポロシャツ、ウインドーブレーカー等をお揃いにて製作し、イベント名称やロゴマークを左胸、または背中、さらいは肩あたりににプリントする。時たま、イベント現場において過去のイベントの際に製作したTシャツやポロシャツを着ているスタッフに会うことも少なくなく、何度も洗濯を繰り返し、ヨレヨレになっているものや首回りがだらりと伸びたもの、そして色落ちが激しいものを着ている人を見かける(笑)。とにかくイベントは一過性のものが多く、それほど生地がいいTシャツやトレーナーでない場合が多く、だいたい1、2度の洗濯で色落ちが激しく、伸びきってしまうものが大半である。しかし、制服は比較的多くの人々を誘導したり、キャストやスタッフを統率する上で欠かせないアイテムなのである。

おかしな話だが、日頃から私服でスーパーや家電量販店などのお店に出かけると、見ず知らずの人によく話しかけられることが多いのである。「兄ちゃん、この型の電球はどこで売ってる」とか、「この商品が欲しんやけど、別な色のものはないやろか」「この子、親とはぐれたみたいやねんけど、館内放送で親を呼び出してやって!」など等、まるでそこの店員のように勘違いされることが半端じゃなく多いのである(笑)。とにかく職業病のようにあたりを見渡し、様々な客を観察しつつ、下手な店員の接客・誘導を見ていると代わって仕切りたくなってしまうのが体からにじみ出ているのか、どうも訪れた店のスタッフに間違われるケースが多いのである。きっとポロシャツ姿でスカイマークの飛行機に乗れば、別なる乗客から客室乗務員(男性だ!)と見間違われ、いつの間にか機内サービスにて避難用救命具の説明でもしてしまわないかと心配でもある(笑)。

とにかくTPOがコスト削減という理由だけで無くすのは、その職業とイメージにより再検討が必要だろう。もともと制服の目的は、組織内部の人間と組織外部の人間、組織内の序列・職能・所属などを明確に区別できるようにすることである。また、同じ制服を着ている者同士の連帯感を強めたり、自尊心や規律あるいは忠誠心を高める効果が期待される場合もある。格好良い制服やかわいい制服は、あこがれを抱かせ、その制服を着たい(転じて、その職種に就きたい・その組織に入りたい)という願望を持たせ、人材確保に一役買うこともあるそうだ。航空会社の客室乗務員はまさにその象徴でもあり、子供の頃にテレビ番組でやっていた『アテーションプリーズ』(主演:紀比呂子)を見た同級生の女の子たちは、そのJALのスチュワーデスの制服に憧れて、卒業文集に誰もが「将来の夢はスチュワーデス」と書いていたことを思い出すが、ポロシャツ姿の紀比呂子なら誰も憧れることもなく、それなら同じポロシャツ姿の番組『美しきチャレンジャー』(主演:新藤恵美)のボウリングのプロボウラーに憧れるだろう。本当に職業と制服・作業服のイメージは重要であり、そのことも考慮にいれるべきだと言える。
しかし、今の人は『アテーションプリーズ』と言えば“上戸彩”が頭に浮かぶのであって、紀比呂子は誰も知らないだろう。おっと年齢が分かりそうなので、今日はこのぐらいにしといたる(吉本新喜劇の池乃めだかのギャグか!)
●参考資料:産経新聞2009年2月14日夕刊・記事より引用。

2009年1月23日 (金)

小室哲哉の5億円搾取初公判が始まる!

2009012200000012ykfentthum000_2 小室の初公判で見えてきた借金だらけでもセレブ気取りの豪遊、チヤホヤされ続ける中で「小室マネー」に群がった輩がいたことを知ることとなる。自業自得ながら、今もお金で何でも解決できると思うところは、もはや音楽づくりの心根すらも疑うところである!
連日のマスコミ報道は、不況の中にある弱者の叫びを取り上げたものばかり、派遣切り、内定の取り消し、中小企業の生産停止、倒産(自己破産)、さらには追い打ちをかけるように大手企業のリストラ(希望退職)等も始まっている。ひと昔前のバブルの頃が遠い記憶になり、本日に打ち上がる中小企業の星でもある「まいど1号」の宇宙衛星ですら、ささやかながら少しの元気を庶民に与えることだろう。

昨日は仕事の打ち合わせで大阪市内にいたが、地下鉄の車内で「ホームレスの就職斡旋支援」なる書面を大事そうに読む中年男性がおり、確かに拡大する生活者の不安と不況が見て取れた。ご多分に洩れず、私自身も業界にて独立以後はアウトソーシングにて仕事を受けるもので、当然に非正規社員となんら変わらない立場であり、いくら取引先からパートナー扱いはされていても、経費削減の折は企画料も希望額を下回ることも増えつつある。もともと関西では、企画書そのものに対してお金を出すという考えが乏しく、当然にして企画書を書くに当たっては下調べやデータ収集・調査・検討、その上でアイディアを発想し、書式にまとめるという手順にて生産性を上げる業務である。それは魚屋が魚を売って生計を立てる、八百屋が野菜を売って生計を立てることと何ら変わりはなく企画屋は企画を売って生計を立てているのである。

当然に入ってくるお金以上の出費をすればすぐに火の車になるのは当然で、見栄を張ればこの業界もすぐに浪費、借金まみれになることは目に見えている。今までもそれが原因でこの業界を去った者も数知れず、特に芸能界との接点を持つイベント業界はマユツバな話があとを立たないのである。仕事にて儲かっていれば、天狗にもなり、また気も大きくなって周りに見栄を切りたくなるもの。単純な脳細胞も多く、その儲かっている勝ち馬に乗ろうと様々な輩が近づき、さらには太鼓持ちのように付きまとい、おこぼれを頂戴しようと腹黒い与太話を持ち込む連中も後を絶たない。一度有頂天になった者は、チヤホヤされ、また頼られることで大判振る舞いに転じるのである。まさに裸の王様になってしまい、その裏で笑われ、呆れられていることも見えなくなっている。そんな輩は甘い汁が吸える花園を見つけたと群がり、蜜と言う蜜を吸いつくせば、とっとと別なる花園を見つけて飛び回るミツバチのように薄情な輩である。そして、最後に訪れるのが優しく言葉巧みな誘惑と共に、怪しげな話を持ちかけて骨抜きにしてしまうハイエナやハゲタカどもである。さっさと飛び立たミツバチどもの姿に、自分の愚かさを知れば、そこで救われもするだろうが、まだまだ優しく言い寄られるハイエナやハゲタカの本性も知りえず、その仲間になり、自らの名前や実績までも活用し始め、その後は犯罪(詐欺まがいな取引)へと加速する。まさにバブル期の申し子と言える小室哲哉は、最後の最後に後戻りもできない自己の名前と実績を悪魔に売り渡したと言わざるを得ないのである。

そんな詐欺罪に問われた音楽プロデューサー、小室哲哉被告(50)の初公判が、2009年1月21日(水)に大阪地裁で開かれ、起訴事実を大筋で認めた。事件は音楽著作権の譲渡を個人投資家の男性に持ちかけて5億円をだまし取ったという詐欺行為である。この事件でも共犯のイベント企画会社監査役、木村隆被告(57)らがおり、すでに借金まみれの小室哲哉に近づき、その名前と地位を利用しての仕事にありつこうと考え、小室に言われるままに幾らかのお金を用立てたことで、今度はその借金分を取り返す必要から個人投資家を小室に紹介し、今回の事件に発展したというのが本当のところだろう。

冒頭陳述で、犯行前の謀議で共犯の木村から「被害者はすごく慎重な人。すでに著作権を譲渡していると正直に話せば、絶対にお金を出さないはず。内緒にしよう」と提案された小室被告が、「とりあえず目先のことが大事。言われなくてもいい」と譲渡隠しを了承していたことを明らかにした。人は苦しくなれば、その苦しみからもがき、また溺れる者は藁をもつかむように、目の前に詐欺だと分かっていても欲しいお金がぶら下がっていれば悪にも手を染めることはありうるのである。先に書いたブログにて芥川龍之介の短編小説『羅生門』にあるように、羅生門の楼内にて放置された死体の着物を剥ぎ取り、また鬘づくりに必要な髪の毛までも盗み取る老婆の悪を憎むものの、自らが失業し、また今日明日を食う金に困るために今度はその男が老婆の着物を剥ぎ取り盗人になるというように、小室自身も誘惑に負けて詐欺行為に移ったと言える。

ただ初公判で見えてきた小室は、彼が作る楽曲の爽快さとは程遠い、偽装と見栄の腹黒さを知ることとなり、今回の保釈金(約5000万円)を積んでも刑務所から抜け出し、さらには騙し取った5億円を、耳を揃えて返せれば和解に持ち込めるという、この期に及んでもお金が全てというところは何か物悲しさを感じるものである。たしかに借金まみれの状況で、最後に集まったハイエナやハゲタカどもも許しがたい犯罪の共謀者ながら、その前に勝ち逃げ状態にあるミツバチどものその後の行動にも、納得できないものが不況の今だからこそ考えさせられるところもある。永遠と勝ち馬に乗る連中は、その類まれなる臭覚と感覚を駆使し、コバンザメの如く業界を渡り歩く連中であり、そこには関ヶ原の戦いで西軍から東軍に鞍替えした小早川秀秋のように不評も買うものである。但し、世渡り上手こそ、この波乱に満ちたご時世ならば致し方のない生き方と言えるもので、一度もらったお金はそれがもらった相手が借金で用立てたことや最後には詐欺行為で捕まったとしても返す筋合いのないものと、感謝をしつつ嘘ぶく。

Photo 小室の見栄っ張りな性分が引き起こしたことと言えるものの、サッカーJリーグの「大分トリニータ」のユニフォームのスポンサー契約を結んだり、また母校の早稲田実業学校(東京¥・国分寺市)に建設費の一部を寄付して建てられた「小室哲哉記念ホール」では、今回の逮捕後にも関わらず小室の金の手形や直筆サインも展示されており、静観するばかりで何らメッセージもない。もともとは小室が調子いい時期にお金の支援を頼んだはずで、このように実態が借金まみれ、さらには犯罪に手を染めて行く原因の一部となっていたことも事実と言える。また、これ以外にも勝ち馬に乗って旨味を味わった連中はかなり多く、小室が落ち目になれば過去に助けてもらい、また支援もしてもらった連中の多くはシカト状態で、だれもが静観しているのは華やかな業界の裏にある陰湿な憎悪を感じずにはいられない。当然そこには小室の才能に嫉妬をした者や、自己の才能の無さを知りつつも迎合さえすれば世渡りできるというハイエナ、ハゲタカ連中がいるのも事実だ。私が10年以上も前に、2年間ほど東京で体験した音楽スタジオでの類似する事件に巻き込まれたことを思い起こしても、それらの連中がいたことを今回の小室の事件の中で再確認している。

今後、この詐欺事件は、弁護側によると実刑回避に向けて、公判中に被害弁償を進め、情状酌量を求めて行き、早ければ5月に結審、今夏までに判決が言い渡される予定である。まだ本心で反省がされていないと言うのは、金さえ返せば許されるという実刑回避を求めているところであり、一般の人々が小室の立場ならそんな大金を用立てることも適わないだろうし、ましてや罪を償うのはお金だと認識しないはずである。
さらに現在、小室被告の胸中を占めているのは音楽活動の再開であり、「僕はプラモデルの好きな子供と同じ。音楽を作っていると夢中になって飽きない。早く音楽作りに専念できる環境に戻りたい」と関係者に意欲を語っているそうだ。この小室のセリフこそが、まだ自分が愛してやまない音楽そのものを詐欺の手段に使ったことや、プラモデルを作る無邪気な子供と同じように音楽を綺麗事に語っていること自体が、まったくの反省の言葉として受けとめられないだろう。

本当に反省をしているのであれば、「私は何よりも愛し、誇りに思う音楽づくりの仕事を冒涜し、業界そのものに前例のない汚点を残したもので、きっぱりと業界から足を洗う」と言うか、または「罪を償った後、もし皆様のお許しが出るのであれば音楽づくりに立ち戻り、人のぬくもりや痛みが分かる演歌の曲作りに没頭し、日々反省の中で過ごしたい」等と言えば、それなりに理解も得られるものの、その日、その日を大変な不況の中で過ごす人々がいる中で、お金さえ返せば情状酌量となり、またまた明るいスポットライトの下で活躍できると思うのが浅はかである。きっと再度音楽づくりをするのであれば、作曲家・作詞家としての名前を改名し、「日々反省(ひびはんせい)」か「罪 償緯(つみつぐない)」などにして刑務所から楽曲を提供する方が“千の風”のような心に響く名曲を生み出すかもしれない。まさに楽曲(音楽)もまた企画書も、事と次第では犯罪(詐欺罪)の凶器になるということを知らなければならないだろう。私自身も、そのことを肝に銘じて日々プランニングをしているのだが・・・。
●参考資料:産経新聞(2009年1月21日・夕刊)より抜粋。

2009年1月13日 (火)

NASAがゴム製アヒル発見者に100万ドル!

2009011300000003gizentthum000_2 最先端科学のNASAにしては、やけに単純な実験方法だと思わないか。まるで『ザ!鉄腕!DASH!』(日テレ系)の“アヒル隊長”のパクリのような話には笑いも疑問もつきまとう!
ゴム製のアヒルちゃんを発見したら、NASAから100万ドル(1億円)が貰えるという驚きのニュースが飛び込んで来た。それもだだっ広い海の話であり、偶然にもそんなところでプカプカ浮いているアヒルなど、広大な砂漠の中に一粒の小豆を落とすほどに見つかりにくい話だと言える。几帳面な妖怪「あずきとぎ」なら、その小豆も探し出すだろうが、ことアヒルのおもちゃは畑違いもいいとこだ。
そもそもNASAが何故に、こんなゴム製のアヒルを気遣い、また懸賞金を出してまで探しているかと言えば、地球温暖化の影響で氷河が溶けていることを研究しており、その溶けた氷の流れを調査する上で、アヒルのおもちゃ90匹を3ケ月前にグリーンランドより溶けた氷と共に放たれたというのである。ところが、まだ一匹も戻ってきていない状況にNASAも困っており、今は水兵さん、漁師さん、クルーザーの乗客が気にして探してくれることを期待しているという。万一、最初のアヒルちゃんを見つけた人には100万ドルを支払うそうで、第一の村人、いやアヒルちゃん発見者は、100万ドルはともかく、あのNASAに感謝されるのである。

しかし、宇宙ステーションを地球上空に飛ばし、また月や火星、さらには太陽系以外の遠距離なところまで探査機を飛ばす程の最先端科学を有する機関NASAが、よりにもよって放ったアヒルに信号発信器を付けていなかったとは呆れて声も出ない。そんなに重要な実験ならば、肉眼で探すなどあり得ないし、また拾った人物が「子どものみやげにもって帰ろう!」と岸に打ち上がったアヒルちゃんを海から陸に上げて、どこかに運んでしまったら何の意味もなくなるだろう。それなら、FBIがいつも犯人探し等で依頼する超能力者に頼むとか、またテレビ番組で「NASAのアヒルちゃん大捜査」なる番組で、超能力者が紙に地図を書き、「そうね、アヒルちゃんはだだっ広い海にまだ浮かんでいる。そう近くに三角の形をした島、そう島らしきものが見えるわ。きっとこのあたりに潜伏していそうね」等と、うそぶきながら捜査が進むが、2時間番組の放送中には当然見つからず、“捜査はこのあとも続けます”とかのナレーションで締めくくればいい。とにかく、写真にあるようなゴム製のアヒルはあまりにも小さく、誰も見向きもしないおもちゃであり、きっとジブリ映画「崖の上のポニョ」に出てきた“ポニョ”なら、誰もが知っており、日本アニメの人気キャラクターとして発見も早まるだろう。

Otagai_901114 そう言えば、同じような実験を番組『ザ!鉄腕!DASH!」の人気コーナーにておこなっていた記憶がある。TOKIOのメンバーが“アヒル隊長”なるゴム製のアヒルを川に流すというもので、かなり今回のNASAの実験に似通っている。というかパクられている感じすらするものである。番組では、「万年雪がある標高2,210mの仙人谷から黒部川を通って日本海まで雪どけ水は流れているのだろうか?」との疑問に答えようと、山口くんと松岡くんが立ち上がり、「アヒル隊長」を雪どけ水と共に流して全長50㎞の旅をさせるというもの。これが受けて、今でもおもちゃ屋には“アヒル隊長”なるセルロイド、またはゴム製のおもちゃが売られ、子供の入浴時のおもちゃとして風呂タブに浮かべて遊ばれるそうだ。

さてさて、話は捜索が難航するNASAのアヒルちゃんに戻すが、どうやって探し出せばいいのだろう。よくよく考えれば奈良県在住の私にとって海は縁遠く、というか海がないし(笑)、盆地や山ばっかりやし、100万ドルもまほろばの地では夢物語となる。それでも100万ドルには魅力を感じる・・・そうそう、確か現在、太平洋の上には間寛平さんがいるはず、元旦の日に“アースマラソン”なる地球一周の旅に出ており、もしかして冒険と言いつつも、このNASAのアヒルちゃん捜索に出たのだろうか。日頃はコメディアンとしての間寛平さんの裏の顔は、FBIの捜査官だったりして・・・。まずそれはあり得ないだろうが、奇跡的にも太平洋の洋上でNASAのアヒルちゃんを見つけたら、冒険による休暇中の売り上げとしては悪い金額ではないだろう。きっとガメツイ吉本興業さんなら、すでに“NASAのアヒルを探せ!”の指令を出していたりするのだろう。仕舞いには、そっと同じようなゴム製アヒルを用意し、ヘリコプターで上空から海上に投げ入れ、それを寛平さんに見つけさせ、話題づくりにしてしまうだろう。

とにかく100万ドルは大きい金額なだけに、「派遣切り」された失業者を何艘かの船に乗船させ、このNASAのアヒルちゃん捜索に出た方が、クジラ漁船に乗るよりもグリーンピースなどの攻撃を受けずに、逆に喜ばれはしないかと思える。アメリカの国内も失業者が増大する今は、アヒルちゃん発見者に100万ドルを渡すのであれば、失業者に役立つために資金を使うべきだと考える。もし、私がそのアヒルちゃんを見つけたなら、そっくり全額を社会のために役立ててくれと寄付するだろう。・・・と、言いはしたが、奈良は海がないし、ありえねぇ(笑)。

138350e8e70e9bce_2 とにかくアヒルを探すのなら、阪急三番街の水のサーカス「アクアマジック」(噴水)のところにいたアヒルたちも気になる。この近くに勤めていたプロデュース会社があった頃、よくその近くを通っていた。するとある日に、一羽のアヒル(造りもの)が円を描くようにこの噴水の池を泳ぎだし、また時間が経過したら二羽のつがいになっており、仕舞いにはヒナが生まれたのか二匹の子どものアヒルが2羽、大きな親の後を追うように円を描いて泳いでいたことを思い出す。結構、ユーモアのセンスがある出来事にて、かなり気に入っていたが、いつの間にかそんなアヒルたちも姿を消していた。NASAのアヒルちゃん探しもいいが、大阪・梅田の阪急三番街にいたアヒル親子(造作物)の行くへ探しも必要かと思える。大阪の景気づけに、ここはひとつアヒルどころか、ダチョウを解き放つといいんだが・・・。
●参考資料/ギズモード・ジャパン(2009年1月13日12時15分配信)より引用。

2008年12月26日 (金)

マクドに早咲きサクラが満開の疑惑?

Nascar_shuttle 誇大広告とも取れる長蛇の列、そして日本一の最高販売記録すらも、“サクラ”を介していたというのであれば、まさしく偽装の記録であり、マクドナルド側も新商品への自信の無さを露呈したことになる!
ここ数年、日本の食品業界が産地偽装や消費切れ、使い回しなどにより、消費者の信用を失ったことは確かである。それに追い打ちをかけるように世界的な不況にて、派遣社員の解雇や中小企業の倒産増加、また大手メーカーによる売上数値の下方修正など、今後どこまで消費が低下するかわからない事態が続いている。しかし、そんな中でもファーストフードは健在であり、また利用頻度も高まると思っていたが、そんな期待と信頼を裏切るニュースが飛び込んできた。あのマクドナルドが新作ハンバーガーを出し、近畿先行販売を御堂筋周防町店(大阪市中央区)で12月23日に売り出す際、前日から長蛇の列を作り、そのハンバーガーを買い求めるお客が並んだとテレビのニュース等で紹介されていたが、その並んだ消費者の中の1000人程が「モニター役」と称するアルバイトだったというのである。つまりは“サクラ”を用意しての偽装の行列を作ったもので、確かに実際に並んだ人もいるが、バイト料と購入するハンバーガー代金を会社側に出してもらっていた人がいたわけで、その意味では“偽装”だと言わざるを得ないだろう。また、そんな偽装の1000人が並んでいなければ、もっとラクに、早く買えたと、本当のお客にとっては怒りの声も上がっている。この事実が25日に分かるまでは、日本マクドナルド㈱側も下記のようなニュースリリースを自社のサイトにアップしている。

●一日の店舗売上げ、「クォーターパウンダー」セット販売のみで最高記録更新!
12月23日(火)大阪・御堂筋周防町(すおうまち)店が1002万円を記録
日本マクドナルド株式会社〔本社:東京都新宿区、代表取締役会長兼社長兼CEO:原田泳幸〕は、大阪・御堂筋周防町店(大阪市中央区)にて、12月23日(火)一日あたりの店舗売上高1,002万円(速報値)を記録しました。また同日ご来店いただいたお客様の数は約1万5千人となりました。この売り上げは、1985年1月1日(火)に記録した鎌倉店の一日店舗売上7,425,040円(確定値)を約24年ぶりに上回り、通常店舗において最高記録となります。
また、今回の最高記録は、「クォーターパウンダー」セットという単一メニューのみの販売で達成されており、その意味においても前例のない記録となります。

【御堂筋周防町店記録更新の主な理由】
当社では2004年以降、グローバリゼーションの一環として、全世界の成功事例を日本へと積極的に展開してきました。その中で、米国で「ビッグマック」に並ぶ絶大な人気を誇る戦略商品「クォーターパウンダー」を11月28日より関東圏で先行販売を開始しました。「クォーターパウンダー」の、1/4パウンド(通常のビーフパティの約2.5倍)使用したビーフパティのジューシーな味わいが人気を博し、関東圏の多くのお客様から好評を頂いています。
その「クォーターパウンダー」はこの度12月23日から3日間、期間限定で大阪・御堂筋周防町店を「クォーターパウンダー」セットのみを販売するPR店舗「クォーターパウンダーショップ」として展開しています。販売開始初日の23日には、オープン前から行列ができ、大きな話題となりました。また、日本女子プロゴルファー・上田桃子氏をクォーターパウンダー・アンバサダーとして迎え、当社代表取締役会長兼社長である原田とともにオープニングセレモニーを開催し、サイン入りTシャツプレゼントキャンペーンなどを実施しました。
「クォーターパウンダー」の持つジューシーな味わいと商品の魅力、独自性のあるキャンペーンが功を奏し、同店舗へ多くのお客様にご来店いただきました結果、今回「クォーターパウンダー」セットという単一メニューの販売で一日あたりの店舗売上高記録更新を実現しました。

・・・以上、日本マクドナルド㈱が出したニュースリリースを記載。

ご丁寧に記録更新とその理由までも書いたニュースリリースは、まるで事前に用意されていたような文面であり、「商品の魅力、独自性のあるキャンペーンが功を奏し」という点がまさにどんな独自性??と突っ込みたくなるところでもある。これほども記録破りな売り上げ、また1万5千人もの動員があったことなど、そのうちの1000 人が“サクラ”というバイトを自ら依頼し、そして偽装したことで最高記録更新は成立せず、偽りの記録としてノースコアとすべきである。それもニュースリリースで発信するほどのことかと疑うのである。プロゴルファーの上田桃子氏が来る、また会長兼社長の原田氏が来店するということで、近畿管轄の責任者が裏工作をし、事前に手を回し、こんな分かりやすい仕掛けを誰にそそのかされて実施したのだろう。当然、それを企てた人物がおるわけで、その呆れた子供だましのような手口を認めた者も同罪であると言える。

この12月23日の先行販売に1000人もの“サクラ”を並ばせた、その仕組みについて産経新聞の12月26日(金)朝刊からの社会面記事を抜粋すると以下の通りである・・・
2008122500000511sansocithum000 ●マクドナルド 長蛇の列にバイト/大阪で新商品・1000人「モニター役」
同社の説明ではアルバイトは同店のサービス内容や新商品に対する客側の反応を調査する目的でマーケティング会社に依頼。この会社が大手派遣会社「フルキャスト」に、キャンペーンスタッフの名目でモニター募集を要請したとしている。
フルキャストが行ったアルバイト募集は「楽チン!新商品を並んで買って、食べるだけのお仕事!」とし、新商品販売に伴い、支給されたプリペイドカードで、飲食店で商品購入を行う内容。アルバイトは約1000人で、このうち約300人がハンバーガーの味や接客などに関して5段階で評価するアンケートに答えていた。時給は1000円だったという。
日本マクドナルド・コミュニケーション部は「モニタリングは“サクラ”ではなく、故意に来店者数を操作する意図はなかった。1000人分の売り上げは50万円ぐらいなので、それを差し引いても過去最高の記録は覆らない」と説明している。
フルキャストは「あくまで新商品を購入してアンケートに答えるモニタリング調査だった」としている。

・・・以上、産経新聞2008年12月26日朝刊より抜粋。

実際に単なるモニターなら、このフルキャストの登録制アルバイト情報サイト「短期バイト.com」に出された募集広告の文面は確かにおかしいだろう。「楽チン!新商品を並んで買って、食べるだけの仕事!」というリードコピーには“調査する”というセンテンスが見受けられない。また、「どんなお仕事?」という項目には、(1)お店に並んで頂いて商品を購入、(2)購入した商品をその場で食べても、持ち帰ってもOK、とある。勤務地が「心斎橋駅近く」、給与が「時給1000円」、もちろん「商品購入のプリペイドカードも支給」とある。これはどう見てもモニター調査を行うための求人募集ではなく、いわゆる“サクラ(並び屋)”の募集であることは明白と言わざるを得ない。
テレビのニュース、そして大阪日日新聞の24日配信記事に登場する、「早く食べたかったので昨日の夜11時半から並んだ」という先頭の女性にも疑惑の目が向けられているそうだ。それはイベントやセールスプロモーションの人材派遣を行う業者のホームページに、そのコンパニオンとして登録される同姓同名の女性がいるというのである。

確かに時間が経過すれば、時給1000円で雇われた人の中には、当然内部告発も行われるだろうし、また実際に2チャンネルの「マクドナルド総合スレ120」というスレッドに、自らフルキャストのバイトで並んだという者も現れ出している。その一つを紹介すると下記の通りである・・・
●160:やめられない名無しさん
俺もフルキャストのバイトで行ってきた
3セット買えって言われたから買って2セット捨ててしまった
あれはどういうシステムだったんだ?マクドの店員はサクラについては聞かされていないって言われたが2回並んだ人もいるから一番少ない時でも500人はサクラだったはず
フルキャストだけで入り時間は違えど400人は来ていたから


このバイト君の話を鵜呑みにすると1人で2回も並んでいた人や、一度に3セットを買い、食べきれない2セットはそのまま捨てていたという連中もいたわけで、上記の産経新聞の記事に登場する日本マクドナルドのコミュニケーション部の「例え1000人程の売り上げなら50万円」というのは大ウソとなる。どんどんと口止めしないバイト君たちは、並んだことをあちらこちらで言い出すだろうし、日本マクドナルド側がきっちりとした見解を示さない限り、今回は大きな汚点になることは確かである。表向きは1日の店舗売上高をこの御堂筋周防町店でクリアすることが上層部からの至上命令だったに違いない。その上にゲストの上田桃子氏、さらには会長兼社長の原田泳幸氏が来店することもプレッシャーとなり、今回のキャンペーンの責任者が間抜けなマーケティング会社に丸投げし、さらに下請けの「フルキャスト」に依頼したことで、みすみす証拠をWeb上に残し、また募集した1000名のバイト君たちの口封じも考えない単純なる企ては、露呈するなど誰が考えても分かるのである。この件で、危機管理やリスクヘッジを見落としていたとすれば、新聞には社名が無かったマーケティング会社の責任は大きいのである。

これほどに食の信頼が失墜し、偽装・疑惑を払拭している時期に、ファーストフードのリーディングカンパニーでもある日本マクドナルドがこのような愚かな過ちを犯すとは本当に呆れる限りである。もし、今回のことで、万一私がキャンペーンを仕切るように依頼されれば(あり得ない話だが)、不況の中、解雇された派遣社員たち1000人をモニターとして雇い入れ、また、この巨大な「クォーターパウンダー」セットをその他の失業者たちに無料支給し、明日に生きる元気と満腹の活力を与え、その声を集めての“不況突破!明日を夢見る新作ハンバーガー”としてのニュースリリースを国内・海外の各メディアに発信した方がはるかに意義があると言える。みすみす食べもせずに捨てられるハンバーガーの無意味さと記録ばかりを競わせる社内システムにもどこかアメリカ生まれのファーストフードを感じさせ、この度のアメリカ発の経済危機における根っこの要因すらも知り得たような馬鹿げた出来事だったと言える・・・。

2008年12月17日 (水)

外国人観光客を入れるには環境整備を急げ!

2008121599135445_2 「ベリー・エキサイティング」とマグロをぺたぺたと叩き、また抱きつく外国人観光客が築地市場に押し寄せ、ついに見学者の受け入れを年末年始に関して中止とした。それでも国の目標は外国人観光客1000万人突破であり、その前にルールづくりや環境整備を再考すべきと言えるだろう!
外貨を稼ぎ、また地域の活性化を行う上で有益なる経済効果を生むとされているのが、外国人観光客を迎え入れる“インバウンド”に力を入れることだ。国は2003年4月から訪日促進活動「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を展開しており、その効果は年々良好に働いている。もともと日本人が海外旅行に出掛ける人数は年間2000万人近くに増えているにも関わらず、訪日外国人旅行者が伸び悩みを示し、スタート時には年間524万人でしかなかったが、海外各国でのプロモーションにより確実にその人数も増加となり、2007年度には年間835万に膨れ上がった。当初の目標とされる2010年には大台の1000万人を突破しようと、国や自治体、旅行・観光関係の企業団体等が様々な取り組みを行っている。

最近では街の至る所で外国人観光客を見る機会も多くなり、特に京都・奈良・大阪にあってはアジアからの団体客の姿をよく見るようになっている。2007年度の国・地域別訪日外国人旅行者の割合を日本政府観光局(JNTO)の調べから見ると、韓国が260万人(31.2%)、台湾が139万人(16.6%)、中国が94万人(11.3%)、香港が43万人(5.2%)で、これらアジアからの訪日旅行者は全体の73.4%にもなり、まさにアジアからの隣人が欧米の観光客を上回っていることが分かる。その国内での訪問先は、東京・京都・奈良・広島などの定番となる観光地に限らず、地方都市においてもその団体の姿を見受けられるようになってきている。冬は北海道のスキー場に押しかけ、また山里離れた秘湯の温泉街にもそんな外国人旅行者の姿を見ることもあるという。あの手この手で、今までの観光地での観光に飽き足らず、少しでもインパクトのある観光コースを旅行会社も開発しており、その環境も整っていない状況にて無理からに押し寄せ、ハレーションを起こしているところもあるようだ。

いくら外国人観光客が来てくれて経済効果があるというものの、日本文化を理解せずに自国の論理で靴のまま座敷にあがったり、大浴場や露天風呂の中で石鹸を使って体を洗う者がいるなど、まだまだ異文化理解をしていない困った外国人旅行者もいるようだ。大阪ミナミの有名なうどん屋さんにアジアの観光客が押し寄せ、その名物の関西風だしを使ったうどんに、どこから持ち込んだかしらないがキムチを入れて食べる客が現れて、店側も困っているとのことである。“郷に入れば郷に従え”とよく言ったもので、その国の人々の暮らしを垣間見る旅行のはずが、“旅の恥はかき捨てて”じゃないが、もう二度と来ることも、会うこともないのだからと羽目をはずして利己的に捉える外国人観光客も、訪日する人数が増えれば増えるほどに増してきているようにも思えるのである。事前に異文化理解を深め、また日本の法律や道徳感さえも現地の旅行会社にて事前学習しておかなければ、いずれ大きな弊害もあり得るだろう。

すでに始まっている弊害の一つが、水産物の取引高で日本一を誇る東京・中央区の築地市場であり、誰が認めたでもなく、知らないうちに早朝のマグロの競り市を見ようと押しかけてきて、そのうちに大挙、外国人観光客が押し掛けるようになり、今頃になって市場関係者が事態を重く受け止め、外国人観光客を締め出すように行動に移ったとある。
産経新聞(2008年12月15日15時9分)配信の記事によると・・・・

●築地の競り、年末年始見学禁止。外国人客のマナー違反横行で!
東京都・中央卸売市場(築地市場)によると、マグロの競りは午前5時半から開始。卸売業者の威勢のいい声が飛び交うなか、次々と全国各地から集まったマグロが競り落とされる風景は、外国人観光客にも人気で、見学する観光客のうち約9割が外国人で占めるほどだ。
ただ、見学に訪れる外国人観光客は、競りの最中にフラッシュ撮影したり、マグロに抱きついて記念撮影したり、マグロを棒で突いたりなど、マナー違反が続出。市場関係者が注意しても従わない外国人観光客もいて、業務に支障をきたしてきた。

これを受けて都中央卸売市場は4月から、卸売場への立ち入りを原則禁止。冷凍マグロの競り場にロープで仕切った見学エリアを設置して、午前5時から午前6時15分に限って見学を可能にした。また注意事項を5ヶ国語で書いたパンフレットも用意。多少、改善の兆しをみせたかに思われたが、その後も外国人観光客がベビーカーを押して規制区域内に入場するなどマナー違反は絶えなかった。

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年末年始は、マグロの入荷量が通常より1.7倍(昨年)に跳ね上がるうえ、市場関係者らで混雑する繁忙期。最近は円高の影響で外国人観光客は減少傾向にあるものの、市場関係者らは業務に支障をきたすなどの理由で、年末年始は、マグロを含む水産物や青果の競りを行う区域の見学を禁止することで一致した。仲卸業者の売り場や、飲食店などが並ぶ「うおがし横丁」はこれまで通り開放するという。

築地の競りは、マナー違反の少ない日本人観光客にも人気の観光名所。見学再開の見通しについては森本博行・築地市場場長は「年明けに会合を開いて決める予定だが、今のところ未定」と話した。

以上のような築地市場における訪日外国人旅行者の中に一部がマナー違反をしたがために、せっかくの観光スポットに立ち入り出来なくなったのである。今朝のワイドショーなどでもその模様は取り上げられ、商品であるマグロに抱きついたり、キスをするとんでもない外国人旅行客の姿も捉えられており、大声を出しながら競りを行うプロの業者たちと対比すればするほど腹立たしい光景となっていた。なぜに多くの外国人観光客が押し寄せているかと言えば、観光ガイドブックに載っているお勧めコースだからという。また入場料もいらなくて、その威勢のいい日本文化に触れられる点が人気の理由と言う。ただ、食べ物を扱う“日本の台所”と呼べる築地市場だけに、いくら観光促進を掲げるとはいうものの誰でもノーチェックにて受け入れていれば、衛生面をはじめ、テロまでもが起こるとも限らないと言えるのだが、これは奈良公園の早朝にホルンで鹿を集めて、餌を与える光景を見せるのとはワケが違う。観光が本職ではなく、あくまでも日本の食文化を継承し、そして豊な食材を間違いない正当なる時価で取引をする必要があるプロフェッショナルな職人たちの聖域のはずである。

大相撲もそうなのだが、国技であり、日本文化の伝統を守る筈の領域に外国人力士を入れることを許した段階から、相撲は国技を離れ、単なる見世物となり、外国人力士は我がもの顔で“アスリート”だと、ただ強ければマナーや日本の心すらもなくてもいい、母国の英雄として日本の相撲の頂点に立ったとうそぶくのである。「築地魚河岸三代目」なるマンガを、仕事に関係して読む機会があったが、そこには厳しい世界が描かれ、その食材(魚等)に関する目利きや取り扱いの技と知識の鍛練そのものがプロを意識づけていたが、そんな結界を破って、観光の築地に変わりつつあるのは甚ださびしいことと言える。

あまりに人気があり、どうしても築地の競りを見たければ、築地で働く人々の第二の人生として、定年後に別なる場所に築地テーマパークを設け、入場料を取る形で、京都のギオンコーナーの日舞、能・狂言、歌舞伎などの伝統芸能をダイジェストで見せるように、築地の競り文化をショーとして見せることも考えればいい。ただ本物としての部分ではかなり見劣りはするが、まだ外国人観光客が日本の食文化の心臓部に土足で入り込むよりはマシである。
しかし、今年の正月明けの築地市場の初競りで、一番のマグロを高額にて競り落としたのは確かアジアの外国の業者だったように聞いているが、こんなところにも確実に国際化が始まっていることも事実である・・・。
●添付写真/上:中日新聞、下:産経新聞より引用。

2008年12月 9日 (火)

妖怪バスターとしての凶悪事件のなぞ解明!

081209_120001 人間が混迷する現代に魂を失ったのか、または魔物が魂を買い取り人間に変化したのか、どうも最近の事件はおぞましく、怪しげである。さて来年からの裁判員制度で、人々は人間の心を取り戻すことができるのだろうか・・・。
妖怪年表を見ると上代には、森羅万象という草や木たちがあらゆる魔力を持ち、人間と話ができたとされる。また「日本書記」には、はじめて鬼のことが記載されており、とてつもなく超人的で魔力を操る輩が存在し、人々に恐れられていたとある。平安期には京都に百鬼が現れ、一年のうち二、三日間は“百鬼夜行”の群れをなして街中を闊歩していたと言う。これら妖怪には、人間の妖怪、動物の妖怪、人獣の妖怪をはじめ、それらの妖怪にわけることができないすべての妖怪たちがいたそうだ。この科学が発達した現代、その進化する暮らしの便利さを運ぶものたちとは裏腹に、心(精神)の隙間に入り込んで魔界へと引きづり込む得体のしれない新たな妖怪たちがこの世界を、またこの国にはびこり出していることが分かった。
動物、人獣、さらには単にそこかしこに存在する“もの”に怪しげな命が宿り、そして人間の欲望や煩悩に働きかけて、恐怖や悲哀、さらには絶望の淵へと落とし込み、そのあげくに命(魂)までも喰らう妖怪たちは、近代国家を目指して欧米文明を次々と取り込み、富国強兵を唱えた明治維新、そしてそれ以後の150年間に、今まで日本には存在しなかった異国の妖怪やサタン等が大挙押し寄せ、それらは日本の一部の妖怪をも操りながら、人間に化けて財界や政界、さらには教育や福祉、国防、医療等の世界に入り込み、格差社会を生み出し、秩序の乱れた犯罪を様々なところで引き起こしている。年金問題における改竄や役人の汚職、ファンドを隠れ蓑に私欲を肥やし、さらにはニートやフリーター達の若い世代の精気を吸い取り、弱肉強食の獣たちの道理を幼児誘拐、老人虐待などに変化させてきていることで理解できるだろう。そうでも考えなければむごたらしい連日のニュースの説明はつかないからである。

今回なぜこのようなことを言い出したかと言うと、12月6日(土)の新聞(夕刊)を賑やかした2件の事件である。一件は「千葉県・幼児事件」であり、もう一件は「友梨さん不明詐欺事件」において一連の弱者を狙う犯罪、そして共に無職ながら自己の欲求を満たすために言葉巧みに犯罪をする手口は“振り込め詐欺”を行う輩とも共通するものがあり、まさに人間の姿はしているものの新種の妖怪へと変化したものたちだと言える。どうも犯人の顔写真をまじまじと見ると、その人間の姿から本当の姿が浮き上がり、実際の妖怪の姿が見て取れるのである。例えば、千葉県東金市の道路脇で9月、保育園児の成田幸満ちゃん(5)が遺体で見つかった事件に関与した容疑者の男(21)は、どこか妖怪の「かわうそ」にも似ており、もともと子どもへの興味と言葉巧みに嘘をついて、衣服を脱がせて川底に誘い込む手口が似ていると言えるからだ。この手の事件はだいたいが精神鑑定を行い、その事件への関与において判断しきれない精神状況と診断するだろうが、そもそも妖怪のしわざならばそんな精神状態も変化することは可能であり、どこまでが本当で、どこまでが嘘かは到底見分けがつかないのである。

さて、もう一件の事件は、ここ数年、頻繁に起きている「振り込め詐欺」(オレオレ詐欺、なりすまし詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺」)の手口を真似ており、人の“優しい心情”という弱みにつけこんだ犯罪であり、それでせしめたお金を豪遊にて使い切る姿そのものが人間の行いとして考えも及ばないからである。もともと妖怪とは人間の恐怖心やあこがれや恨みから生まれてきたものであり、想像上のものたちとされてきたが、確実に自己中心的なものの考え方を植え付けた近代化の中で、これは大きな“負の遺産”になってきていることが言えるだろう。日本人が持っていた人々への敬愛や思いやり、または助け合いの精神が薄れてきており、会津藩の藩校「日新館」が説いた“ならぬものはならぬ”という我慢をすべきことも人の道と教えずに来た親や教育現場での戦後60年は罪つくりだったと言える。

事件の概要は産経新聞(2008年12月6日夕刊)から抜粋すると・・・
家族だまし7000万円詐取・男女逮捕「救出に費用」
大阪府熊取町で平成15年5月、下校途中に行方不明になった当時小学4年生の吉川友梨さん(14)の家族に、「友梨さんを助けた。犯人から奪回した際に費用がかかった」などと持ちかけ、現金を騙し取ったとして、府警捜査1課と泉佐野署は6日、詐欺の疑いで、堺市内のいずれも無職で自称、中谷浩氣容疑者(39)と川上加代容疑者(38)を逮捕した。
中谷容疑者らは4年間で友梨さんの家族(父親)から総額7000万円を詐取したとみられ、捜査1課は、娘を救い出したいという家族のわらにもすがる心情につけこんだ悪質な犯行とみて追及している。

容疑者男女7000万円ギャンブルに
中谷容疑者らは詐欺を始めた直後から大阪市内の高級ホテルなどで1年半生活し、500万円以上を散財。平成18年4月からは堺市堺区の家賃6万5000円のマンションの一室(1DK)に移り住んだが、今年6月からは家賃も払えなくなり、滞納額は計約50万円に上っていた。最近は自転車や徒歩で外出する姿が目立ち、水道料金も滞納するようになったという。
2人がギャンブルにのめり込むようになったのはホテルで豪遊生活するようになってからといい、馬券や舟券をタクシーを呼んで運転手に買いに行かせていた。川上容疑者はパチンコに連日出かけ、ホテル関係者によると、「『今日は何万円負けた』とかよく話していた」という。

・・・産経新聞(2008年12月8日夕刊)より抜粋。

081209_090701 以上の記事を読んで何かを感じないだろうか。TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の物語の中で、怪奇大学卒と自称する人間と妖怪の間に生まれた“ねずみ男”の欲深さと裏切り、そして豪遊、ギャンブル好きなところが思い当たる。あるストーリーで地面に大きな無限の穴を見つけたねずみ男が産廃業者と結託し、どんどんとそこに不要となった産廃ゴミを捨てて行き、それで儲けたお金にて豪遊し、どんどんと欲深く、底なしの穴のような欲望を満たすのと同じで、この男女の容疑者も可能な限りのお金を次々(4年間で470回程)と友梨さんの家族から搾り取っていったと言えるだろう。
犯人がテレビのニュースで顔を見せた時、はっきりとその姿が妖怪にも見て取れたのである。男の方は「やまじじい」、女の方は「テッチ」である。共に山に住む妖怪で、「やまじじい」は七十歳くらいの老人のような姿をしていて、全身はねずみ色の短い毛でおおわれ、蓑のようなものを着ており、ひどく大きな光った目がひとつ、足も一本。猿の頭を、まるで大根をかじるように食べてしまうほどの強い歯を持ち、狼にさえ怖がられたという。
081209_090601 また「テッチ」は、乳は長く垂れているので両肩にかけられ、体はかさぶただらけ、「テンジ」ともいうこの妖怪は八丈島に住んでいるとも言う。人を蒸発させたり、夜じゅう、暗い山道を迷わせたりして意地悪もするが、親しくなった人の家の戸口まで、まぐさを持ってきてくれたり、山の中で行方不明になった子どもを、養って助けてあげるような優しいところもあるらしい。まさに蒸発・行方不明という部分では「やまじじい」「テッチ」の仕業にも似ているが、もっと許されないのが吉川友梨ちゃんを事件に巻き込んだ真犯人であり、その生死すらも確認できない状況が続くことで、このような卑劣な犯行が起こったことも忘れてはならない。

この「友梨さん不明詐欺事件」を誘発した大きな要因がもうひとつあることを忘れてはならない。それはテレビと言うマスメディアを使って、FBI捜査等で活躍する超能力者が、行方不明になっている被害者や加害者の消息を探し出すという番組である。実際に今回の「吉川友梨さん不明事件」においても某放送局の某番組「超能力捜査官が行方不明者を探す」にて取り上げられたが、それは事件捜査を混乱させるばかりで、さらに事件が長引いた感も否めない。「彼女はこのような鉄塔と倉庫、また近くに大きな公園があり、巨大なアパートが無数にある地域、人口が26万人ほどの都市に住んでいる」などと、まず日本全国のどの地域にも当てはまる話を切り出し、それをレポーターやスタッフが裏付け捜査しながら進む番組である。
実際にこれらの番組で発見されたのは「ホームレス中学生」を書いた麒麟の田村くんの父親ぐらいで、本気で探せば見つかるほどのことを鬼の首を取ったように評価する人々もいる。しかし、凶悪犯罪の犯人や、また事件に巻き込まれ蒸発状態になっている人は大抵が発見されることはなく、はじめはそれとなく期待もするが最後は「近くまで来ているんだが・・・」と超能力者が言って終わるもので、余計にストレスが高まるのである。単に視聴者が観るだけでストレスが貯まるのであれば、この事件の被害者の家族はいたたまれないだろう。この友梨ちゃんの事件は、そんな家族の切実な気持ちと謝礼金を出しても探し出したいというものを、これらの番組で知りえたことが事件の切っ掛けになったことは確かであり、テレビの犯罪捜査なる番組に一石を投じた結果になったと言える。

現在の凶悪犯罪とその犯人像は決して人間の行いではなく、得体のしれない世の中に対する憎悪や恨みが噴出している結果であり、時空間・次元の歪みから入り込んだ新種の妖怪が人間になりすまして様々なところで悪事を働いていると言えるからだ。来年5月21日に施行される裁判員制度にて、万一にもこの私が裁判員に選任でもされれば、まさに妖怪バスターならぬ犯罪の裏で蠢く得体のしれない魔力を直視し、それを裁くことになるだろう。さしずめ人の弱みにつけこんだ上記の2件の卑劣な犯罪は、絶対に許さない重い刑を与えるにちがいない。元来、私が参加する学会の中にある「摩訶不思議アートツーリズム分科会」では、今までに“楽しい世直し”を唱えてきたが、このままでは“厳しい世直し”へと真正面から得体の知れないものたちと向き合うことになるだろう。
●参考文献:「水木しげる妖怪大百科」(小学館)より文、イラストを一部引用。

2008年11月26日 (水)

映画ばりの空港生活を続けることに何の意味がある!

240pxmexico_city_airport_vehicle_4 アメリカから始まった世界不況の視線を日本に向けさせるため、メキシコ空港でホームレス生活をする日本人男性をあえて米国メディアが取り上げたのだろう!
今、メキシコ市のベニート・ファレス国際空港に行けば日本人男性のノハラ・ヒロシさん(40)が、3ヶ月近くもそこに居座り、ホームレス生活を送っていることがテレビのワイドショーやニュース等で紹介された。それはAP通信が打電し、複数の米国メディアが報じたことで、注目度が高まり、一気にわが国にもその情報が入ったのである。報道によると、ノハラさんは清掃員だったといい、9月2日に観光ビザでメキシコに入国し、その後、空港にとどまり続け、生活を始めたそうだ。ターミナル1を定宿とし、椅子で寝て、食事はターミナル内のファーストフード店で食べている。当初は自分で買っていたようだが最近では、お店のあまりものをもらったり、観光客らに小銭をもらい、食費に充てているそうだ。

空港に住んでいる理由についてノハラさんは「なぜ自分がここに居るか分からない。(空港に住んでいる)理由はない」と語っている。現地のメディアによると、もともとはブラジルで結婚相手を探そうと東京を出発したが、途中で立ち寄ったメキシコでパスポートを紛失し、再発行を待っているとの報道もある。同地の日本大使館は「観光ビザが切れていない以上、不法滞在ではない」と静観しているという。

確かに観光ビザが切れていなければ不法滞在ではないが、こんなに地元やアメリカのメディアを通じて報道されていることは異常であり、無精ひげを伸ばし、椅子に横になって睡眠し、また多くの人々の善意をもらいながら“ほどこし”を受けることに対していささか合点がいかないものである。まったくの国籍不明の男性であり、記憶喪失などの精神的疾病にあるものが突如として空港に住み着いたことを取り上げているならいいが、日本人男性が空港内にてホームレスになっていることが話題になっているのである。近年、誰でもがパスポートを請求でき、好きなとき好きなところに海外旅行ができる時代であり、年間1,600万人以上が海外に出かけているが、そこには何らかの目的がある筈である。物見遊山や好奇心を満たす、夢を叶える、ただただ外の空気を吸ってみたかったと単純な動機もいいが、意味もなく出かけた揚句に空港に住み着いたわけで、それが世界中に紹介され、当然、日本にいる彼の親族へもこの映像が知れているはずながら、平然とそこで、その暮らしを続けるには何がそうさせているのかである。

はじめは確かにパスポートを紛失し、またブラジルに向かうことの不安や目的の不明瞭さを認識した時に空港に居座り、そのまま撤去も排除されることもない空港の居心地がよかったことで、そこに居着くことになった。そして空港において顔見知りが出来たり、また親切にされたりし、より自分の注目度が高まっていることを彼は感じ始めたのだろう。そうこうしているうちに地元メディア、米国メディアが彼を取り上げニュースを打電しはじめたことで、いっきに“時の人”になったという認識がふつふつと湧いてきて、このまま観光ビザが切れるまでここにいようと決め込んだに違いない。日本にいた時は、なんら刺激や変化のない生活にて、注目されることなど適わなかったのに、このヒーローになったような人々の対応と注目に大きく勘違いを始めたのだろう。それは40才という年齢ならば知っているはずの「猿岩石」や「なすび」という貧乏生活によって一躍注目されたタレントがいたことを、どこか自分に置き換えているのかもしれない。

その証拠に彼はインタビューされたとき、「私の生活は『ターミナル2』だね」とジョークを飛ばしたという。その映画『ターミナル』は、04年にアメリカで製作され、スティーヴン・スピルバーグ監督とトム・ハンクスの主演にて、空港ターミナルに閉じ込められてしまった男と、ターミナル内の従業員との交流と恋模様を描いた作品で、ロマンス及びコメディの要素を持つ作品にてヒットした。ストーリーとしては以下の通りである・・・

●アメリカ、ジョン・F・ケネディ国際空港の国際線ロビー、入国手続ゲートでクラコージア人のビクター・ナボルスキーは足止めされていた。母国のクラコージアで、彼が乗った飛行機が出発した直後にクーデターが起こり政権崩壊状態に陥った。そのため、彼のパスポートは無効状態となり、入国ビザは取り消されていたのだった。母国に引き返すこともできない中、ビクターはある約束を果たすために空港で生活をはじめる。

この物語には、モデルとなる人物がおり、身分証明書の紛失により1988年からシャルル・ド・ゴール国際空港(フランス)で生活しているイラン人難民マーハン・カリミ・ナセリの物語が基になっており、オフィシャルでは無いようだが、スピルバーグのドリームワークスがマーハンへ映画化する為の代価にと30万ドルを払っているという。この話をノハラさんは知っているとは思えないが、“藁しべ長者”のように投げ出しのお金でメキシコに来て、そのままホームレス生活を始めたら、誰もが優しく接してくれ、いつの間にか地元や米国のマスコミも取り上げるようになり、まさしく“時のひと”として顔と名前を売り出すことになったわけだ。

しかしホームレスとは一般に住居を持たない貧困者という意味で、やむをえない事情、あるいは本人の意志により、他人にものや金銭の施しを受けて生活する者(物乞い、ものもらい)であり、この映画に登場するトム・ハンクスの役どころや、マーハンさんのような理由のある状況で空港生活に入ったわけでもなく、ただただ無気力からだと言えるのである。本来、乞食(こつじき)は仏教用語である。比丘(僧侶)が自己の色身(物質的な身体)を維持するために人に乞うこと。行乞(ぎょうこつ)。また托鉢。十二頭陀行(じゅうにずだぎょう)の一つで、これを清浄の正命と定める。もし自ら種々の生業(なりわい)を作(な)して自活することは邪命であると定める。この事項が転じて、僧侶でない者が路上などで物乞いをすることを乞食(こじき)と呼ぶようになった。

不況の今、失業や倒産にて職や住居を失い、また気力さえも失ったなら、誰もがホームレスになる可能性もあるが、その場合は第二、第三の国際空港での生活を始める人が出ないとも言い切れない。また海外の主要なる駅やバス停、観光名所にも日本人が押しかけ「なぜ自分がここに居るか分からない。理由はない」と語って、憐みを受けるやもしれない。羞恥心の無さを逆に個性や利点としてとらえる現代の風潮、また自尊心すら持たず、大人になっても甘え続け、親の脛をかじり続ける連中がいることも確かで、その輩の一人が日本を飛び出し、海外で本領発揮をしたに過ぎないのである。世の中が憐み、情を注げば注ぐだけに甘え返す、これは新種の「オレオレ詐欺」のように、人の情けばかりにすがっているに過ぎず、自我というものが欠落し、自身の御霊みがきの簡素で清貧な修行によって煩悩を損減させるものではないことは確かである。

現在、年間1600万人もの海外旅行へ出かける人がいる中、突如にして訪れたこともない空港に住み着こうなど常識人では考えも及ばないことである。最後に大きなどんでん返しのようなドラマチックな美談があれば、TV番組「奇跡体験!アンビリバボー」(CX系)や映画にもなるだろうが、ただ無精ひげを生やし、恥じることもなく、スター気どりにて当たり前と言うように観光客と記念写真に納まり、サイン攻めにあったりしていれば、あの“風船おじさん”のようにいずれすぐにどこかへ飛んで行き、忘れ去られるだろう。それに比べて、渋谷駅前の忠犬ハチ公は立派である。今も語り継がれる飼い主への思いと、待ち合わせ場所となる銅像には敵わないだろう。どうせ来年3月にはビザが切れるのだから、もっと意味のあることで空港生活を送っていただきたいものだ・・・。しかし本音は、「しょうむないことせんと、はよう帰ってこんかい!」である。
●出典:国際ニュース(2008年11月26日6時53分発信)、百科事典Wikipediaより引用

2008年11月22日 (土)

またまたミナミがやばい状況!

Doutonbori1_2道頓堀にて商売する者や居住する者、さらにはそこを訪れる者たちならば、もっと“道頓堀というまちの愛し方”を考えるべきだろう!
学生時代から映画を見たり、ライブを楽しんだり、さらにはショッピングに出かけるのはもっぱらミナミ界隈。南大阪に住んでいたこともあり、ナンバ、千日前、道頓堀、心斎橋が遊びの拠点。それは社会人になっても変わらず、会社がキタにあったものの休日に出歩くのはやはりミナミが中心だったように思う。そんなミナミ、特に道頓堀界隈がかなりやばい感じだ。先の「大阪名物くいだおれ」の店じまいに続き、来春の「道頓堀極楽商店街」の閉館と、それでなくてもまともな映画館や劇場が閉館しつづけ、東京や他府県から進出するファミリーレストランや飲食店が軒を並べ、道頓堀の風情がなくなりつつあるというのに、本日の産経新聞の夕刊でまたまたショッキングな記事を見ることになった。

それは道頓堀の量販店「ドン・キホーテ道頓堀店」の観覧車「えびすタワー」(大阪市中央区)が機械のトラブルのため、5ヶ月以上にわたり営業を中止しているとのこと。6月のトラブル発生後から修理も行われず、再開の目処が立たないままと言う。また、ミナミでは同じ会社が設計した同様の都市型アトラクション「フリーフォール・ヤバフォ」(同区)も同時期にトラブルが起き、無期限で運休となっている。ミナミの活性化を目指して、大注目の中で登場したというのに、逆に“負の遺産”のように馬鹿でっかい図体をさらし、なんら動くこともなく放置されていることは、気の短い“いらちな大阪人”には許しがたい光景に写っているに違いない。

このミナミの元気印となるはずの2つのアトラクションは、共に6月から運休し、その原因が両方とも機械トラブルであり、また同じ設計・建設を担当したのが東京の会社という類似点があり、どうもそのあたりで初期段階での企画・設計にミスがあったと勘ぐってしまう。詳細なところは、以下の産経新聞(2008年11月22日・夕刊)の記事を抜粋する・・・

●機械トラブル
中央部に商売繁盛の神様「えべっさん」の巨大な模型があしらわれたえびすタワーは、平成17年3月のドン・キホーテ道頓堀店オープンと同時に開業。ゴンドラ32台が高さ77・4㍍の縦長の楕円形の軌道を、約15分間かけて1周する。晴天なら40㌔以上離れた明石海峡大橋まで見渡せることができ、道頓堀川沿いという抜群の立地条件もあって、初年度には90万人近くが訪れたという。
設計・建設を担当したのは、「インタミン・ジャパン」(東京都武蔵野市)で、管理・運営も開業から1年間は同社の子会社が担当していたが、18年3月以降はドン・キホーテ側に移譲していた。ところが、今年6月18日に機械のトラブルが起き、営業を中止。ドンキ側は設計段階から不備があった可能性を指摘した上で、イ社に改修を依頼したという。これに対し、イ社は「現在のところ正式な修理依頼を受けていないため、手のつけようがない」と反論しており、両社の主張は食い違いをみせている。

●一部破損落下事故
一方、えびすタワーの南西約300㍍の御堂筋沿いにあるヤバフォは、レジャー施設「ナンバ・ヒップス」のビル壁面に設置。6人乗りのゴンドラが地上74㍍から最大秒速22㍍で落下する。ところがオープン翌日の昨年12月14日にベアリングに不具合が起き、いったん運休。再開後の今年6月15日にも、客の手荷物落下防止のためのアクリル製カバーが破損して一部が落下する事故が発生し、同日以降営業を中止している。
ヤバフォの設計・建設もイ社が担当。管理・運営を請け負っている同社子会社は事故後、カバーを網に変更するなどの改修を行い、国土交通省に運行再開の許可を申請したが、まだ許可が下りていないという。


このようにミナミの活性化を歌って建設・運行された2つのアトラクションが、同時に6月から運休にあり、またそれを設計・建設した会社も、それを管理・運営していたその会社の子会社も同じところであり、鳴り物入りでスタートしたもののまったく拍子抜けといったところだろう。この先、なんとか2つのアトラクションが動き出したとしても鮮度を失い、大阪人の新しいもの好き、話題性に飛びつく府民性からしてもトーンダウンは免れないだろう。すでに私は「ドン・キホーテ道頓堀店」にある観覧車「えびすタワー」は体験済みで、真正面に向かって楕円形にて昇りつめ、また降りてゆく変形観覧車は、それはそれなりに面白かったと思うが、確か入場料も観覧車の高さ以上に高かったように記憶する。商売繁盛の神様として大阪(関西)では絶大なる人気の「えべっさん」をモチーフにしたこの観覧車と共に、来春で閉館する「道頓堀極楽商店街」の大きな看板も“えべっさん”を描いており、どうも道頓堀では商売繁盛の神に見放されているようで先行き不安を感じずにはいられない。

アーティストで京都造形芸術大学教授の関本徹生氏が、オブジェを製作していた道頓堀のメインストリートから裏側に1本はいった法善寺横丁への抜け道「浮世小路」は、完成間近にあったが心無い輩が、そのオブジェの一部を無断で持ち去ったというのだ。道頓堀の活性化に一役を買い、また和みの空間をつくり出す小路は、ネオン街に突如出現した懐かしく、また愛おしい道頓堀の良き時代にタイムスリップできるタイムカプセルのはずながら、そんな想いを粉砕する暴挙はただただ悲しいだけである。
こんな輩は、関本先生が指導する教え子の学生たちが、京都市東山区での地域活性化事業で編纂した「あなたのまちの愛し方」(まか通=近代産業遺産アート再生プロジェクト)を一度読んでみれば、ただ通り過ぎている街ながら見る角度、想う気持ち、そして五感で感じれば、また違った意味で道頓堀が輝くのだが・・・。きっと関本氏はこの道頓堀の愛し方についてをオブジェの中に表現しているはずであり、その製作者の思いや御魂に触れるとき、そこには道頓堀という時空間に一体化した鎮守が描かれているはずである。まさに落書きや破壊から守る美の結界を張っていた筈ながら、どうも最近の邪悪な輩はそれまでも壊すほどに心が荒んでいる。このオブジェの一件も含め、「えびすタワー」「ヤバフォ」を考えるとき、本当にミナミは大丈夫かと心配してしまう。すでに大阪のキタ(北梅田・中之島)界隈における都市開発の巨大プロジェクトは動いており、今以上にキタに人が流れないか懸念されるからである。

2008年11月 2日 (日)

インターネット上のストリートビューが問題になっている!

F413f7fb 地図検索サービス「グーグルマップ」のストリートビュー(SV)のプライバシー侵害に関する問題が起こっている。すでに空撮マップのサービス開始から分かっていた筈だが・・・。
何で今ごろこれを言い出すのか分からない。すでに昨年にはインターネット上での地図から現地の写真を見ることができる米グーグル社の無料サービス「ストリートビュー(SV)」が始まっていたからだ。それ以前にも試験的に同じような空撮マップを使ったアーカイブが、限定地域にて作られており、その活用例なども多機能に展開されていた。今回、問題とされるのは特にSVのサービスが通行人や家並みなどが無断で撮影、公開され、プライバシーが侵害されるとの懸念が広がっているとのことである。

このSVは、ネット検索最大手、米グーグル社の地図検索サービス「グーグルマップ」の付加機能であり、昨年5月に米国でサービスを始め、日本では今年8月5日から東京や大阪、京都、神戸など12都市を対象に開始している。地図の道路をクリックすると、その道路を車で通行しながら撮影したとみられる高さ2.5㍍からの360度パノラマ写真などを無料で見ることができる。以前から官公庁など法人向けに同様のサービスを提供していた日本企業もある。
国内主要都市で始まったサービスだが、住民らからの苦情が相次ぎ、大阪府などは悪用の恐れがあるとして実態把握に乗り出したという。その一方でSVを新たなビジネスチャンスと見る企業もあり、サービスの妥当性について議論が続いているそうだ。

「一人暮らしの祖母の家が丸見えだ。犯罪に悪用されないか心配である」との声や、「自宅の表札が読み取れる」との声があるなど、大阪市消費センターや神戸市公聴課、京都市市民生活センター等にも似たような意見が寄せられているそうだ。
SVを使ってサービス対象地域の地図を見れば、車の上部に取り付けたカメラから連続撮影したと見られる写真が次々と現れ、警察官に職務質問されているように見える人、ケンカしているように見える男女の写真もあるという。しかしグーグルは通行人の顔や車のナンバーなどについては、自動画像認識装置でぼやかしを施しているとしているが、完全にそれが働いておらず抜け落ちた写真もあるそうだ。ネット上ではこうした写真ばかりを集めたサイトが多数作られる一方、ブログや掲示板ではプライバシーの侵害を懸念する声も上がっている。

問題について大阪府茨木市議会の一般質問でN市議がSV問題を取り上げ、「個人の家や通行人、車、店、登下校中の子ども達の写真が本人の許可なく世界中に配信されている」と批判し、「空き巣などの犯罪の下見に悪用される恐れもある」と指摘。東京都町田市議会でも問題視されており「地域安全に関する意見書」を採択し、実態調査や法整備などを国に求めてゆくことを取り決めた。確かに従来の地図であれば地名や建物の名称、業種などが記号化されているに過ぎなかったが、SVの導入でマウスをクリックすればどんどんと拡大してゆき、屋根瓦にとまった雀の姿までも確認できる場合がある。

ただ問題視し、規制をつくるばかりではなく、逆にSV機能をビジネスや地域振興に活用しようという動きも出てきている。飲食店の口コミサイト「食べログ」では、店舗の場所の表示にSVを利用。小樽商科大(北海道小樽市)の学生らが運営するグルメ・観光情報サイト「おたるクーマップ」でもSVを使い、市内の飲食店や宿泊施設を紹介している。不動産仲介業のヒューネル(東京)もマンションなどの分譲物件の紹介にSVを利用するなど、従来の地図では得られなかった臨場感があることで、今後は様々な活用も見込まれている。

最初に書いたように米グーグル以外にも国内の企業も、この空撮を取り込んだマップやアーカイブの実用化を研究、またコンテンツ販売しており、そこには国の機関(省庁)の助成金にて開発費をもらったものもあり、すでに一部の自治体においては地域活性化を目的とするアーカイブ映像を発信しているところもある。現在の空撮マップと過去の古地図を並行に映し出し、現在のこの場所は江戸時代にはどうだったのか、を見ることのできるコンテンツや、現状の空撮マップにマウスを合わせクリックすると、その下にあった遺跡発掘の地図が浮き上がり、実際に発掘された石器や土器、銅鐸などが紹介される仕組みとなっている。

また単なる空撮マップに留まらずデジタル処理されたものもあり、3D機能により標高や海抜などの土地の高低を表したり、河川や山谷などの部分から地震や災害時の氾濫、山崩れ、崖崩れなどの場所の特定を表すなどの緊急災害時に有益なものもある。また、リアルタイムに高速道路に取り付けられたカメラから、渋滞や事故等の情報をいち早く知らせるサービスなども考えられており、これなら先日、大阪・梅田の交差点にてひき逃げがあった場合にも、その車を特定でき、追跡をすることも可能だったと言える。もともと軍事的に開発された空撮マップであり、イラク戦争時にまさに米軍が攻撃目標の建物を映し出した映像はかなりの解像度を誇っていて、そのままミサイルが発射し、目標となった建物が破壊される映像を映し出していたことは記憶に新しいだろう。良くも悪くもこの便利なサービスのSVは、突如、侍ニッポンの国にやって来た黒船のように、突如、コンセンサスを得ずにサービスがはじまったところに問題もあると言えるだろう。

本当に悪用されないことを願うが、「オレオレ詐欺」や「振込め詐欺」に活用され、「そうやん。おばあちゃんの家の柿は今頃、鈴なりになっているころやな」とか、「そうそう、庭に置かれた車は二台で、一台は新車の赤色のワーゲンだったね」などと相手を信用させることもSVを使えば簡単になってしまう。電話番号から相手の住まいの地域を割り出し、その地域に住むものしか知りえない情報をSVで知ることも可能であり、悪く考えればどんどんと心配も膨らむだろう。ただ、現在のカーナビのCGマップが、この近いうちにSVやデジタル空撮による画像に変わるような情報もあったが、このSV問題で今後どうなるのだろう・・・。
●出典:産経新聞(2008年11月2日・朝刊)記事より抜粋。

2008年10月29日 (水)

リーマン破綻が東京の老舗ホテルを直撃!

Photo 不当な解雇と一部の従業員が徹底抗戦!明け渡し間近のホテルの店舗にて独自営業を続けているが、きっと解決できるなどと誰も信じてはいないだろう・・・。

すでにテレビ番組等で取り上げられ、混迷を極めているのが東京・品川駅前にある明治時代からの老舗「京品ホテル」(経営は京品実業)の廃業である。同ホテルは、1871年に旅館として開業、1930年、品川駅高輪口正面に現在のホテルを建築し、4階建てで総客室数は52室。宴会場、会議室、レストラン、居酒屋コーナーを完備しており、夏にはビアガーデンも行っていた。廃業は2年半前から検討されており、今年の5月に同社の小林誠社長が10月20日の廃業と全員の解雇を告げた。廃業の理由は建物が新しい耐震基準に耐えられないと、高輪の都市計画区画に入ったことだと言う。しかし、売却先は、この度の米国の金融危機にも関係する経営破綻した米国証券大手のリーマン・ブラザーズの日本法人子会社のサンライズファイナンス(2008年9月、民事再生法の適用を申請)であり、同ホテルの跡地利用についても未公表のままに今月末には建物を引き取ることになっている。
元来、これらのハゲタカファンドと称された米国系企業が、自分達の存在そのものが大変な状況に追いやられたことで、早めに債権である物件を取り上げ、即座に売りさばこうとしていることは想像がつく。もともとこの会社は債権の取立てと企業買収を専門に行う会社で、買収した会社を運営管理することなく、品物のように買収し、その差益で生業しているだけに、廃業にて切り捨てられたホテルの従業員などにはなんら無関心と言えるだろう。

突然の廃業と解雇を言い渡されたホテル従業員には寝耳に水の状況で、昔から務める従業員も、また再雇用にてここ1年ほどで務めるパートたちも納得がいかず、「解雇撤回」を求め、債権者に団体交渉を求めたが、拒否された。そこにはもはや舵取り不能で、経営意欲を失い自分の責任での巨額債務を整理(一本化)できる今回の話に乗った経営者が、自ら救命着を身にまとい、脱出用のボートを十分に用意して脱出を試みたもので、残された船(京品ホテル)の従業員達は、沈み行く船の中でまだそれぞれの仕事を全うしているに過ぎないのである。小林社長は「京品ホテルは、元々個人事業ではじめた旅館。後継者もおらず建て直しは困難と考え、今回の廃業を決意した。従業員には退職金を40%アップし、その90%以上は再就職が決まっている。品川の方々、利用者の方には長い間お世話になりました」と話しているが、その実態はすでに40、50歳以上の従業員も多く、再就職が適わないことを理由に労働組合(東京ユニオン)を通じて「不当な解雇」として訴訟を起こしたという。さらには、今月末には廃業したホテルをがらんどう状態にして売却することが貸し方相手との約束ながら、まだ納得のいかない従業員達がそこに居座り、居酒屋やレストラン等の営業を続けているそうだ。当然、営業が続けられると人情として来店し、応援したくなるもので、まったく無関係な野次馬もどきの客も足を運び、賑わっていると言う。しかし、法的手段にて追い出されることも確実であり、どっちみち元の鞘におさまることもなく、ゴネ得などありはしないのである。

このようなケースはまれではなく、今後もどうんどんと倒産、解雇、失業者が増えることは確実であり、国際労働機関(ILO)は20日、今回の金融危機の影響で世界の失業者が2千万人増える可能性があると発表した。「社会的な危機に発展するのを避けるため、各国政府が迅速かつ連携した行動をとる必要がある」と強調している。ILOによると、失業者が07年の1億9千万人から、09年終わりには2億1千万人に上り、過去最高に達するという。特に建設業、自動車産業、観光、金融、サービス産業、不動産業が今回の危機に影響を受けるといい、「米国の金融街だけでなく、世界中の街角が危機にさらされる」と警告している。
・・・以上は朝日新聞社・asahi.com(2008年10月21日、6:36)より引用。


とにかく待ったなしの状況は、京品ホテルの解雇になった従業員たちだけでなく、影響をもろに受ける様々な業界・企業で働く労働者やフリーターを直撃し、この正月さえも越せない人が激増すると言えるだろう。あの忠義と褒められる忠臣蔵の四十七士のように最後まで諦めずに頑張ったとしても、一度お家断絶となった以上は早く切り替えた者の方がよいのは確実で、武士道のような綺麗ごとは現代には通用しないと言えるだろう。また、自分達が居座る居酒屋やレストランの所有者は吉良でも幕府(経営者)でもなく、すでに黒船と言えるハゲタカたちのもので、ただ戦っても勝ち目はないと言えるだろう。

こんな格差社会と切捨て御免の会社経営が続く世は、いずれ大きな一揆に発展しかねないと心配されるのである。将来も見えない若者達は、いまはその境遇でじっとがんまんをし続けているが、全世界の失業者がさらに増え続ければ、どこかの国にて焼き討ちや強奪が始まり、秩序も乱れ、それが連鎖するに違いない。まだ一部の危険分子が「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」で憂さ晴らししているに留まっているが、どうも近未来は暴動や戦争すらも起こるような気がする。そこまで考えすぎるのはどうかと思うだろうが、これはわが国始まって以来の危機であり、戦後の異常なまでの平和ボケのつけがきているようにも感じられるのである。

2008年10月28日 (火)

道頓堀にくいだおれ太郎戻るも不法占用等の問題も多し。

080624_110901 “大阪らしい”とは何なのかを考えることが道頓堀の活性化になるはずである。不法占用や不法占拠、さらには消えたはずが数ヶ月で“復帰”だと、この土地にしがみつく古い体質と昔ながらのイメージが本当に求められていることだろうか?

ここ数年の道頓堀から心斎橋にかけては昼夜に関わらず、多くのアジア(主に韓国、中国、台湾等)系の観光客が押し寄せ、あちらこちらでたこ焼きを頬張ったり、巨大な立体看板をバックに記念撮影をしたりと賑わっていたが、今回の円高の影響は必ず訪れると言えるだろう。すでに今まで外国人客を積極的に誘致してきた観光地では、その影響が出始めている。日本有数の温泉地、大分県の別府温泉では、海外からの観光客誘致に力を入れてきたが、既にツアー客のキャンセルが相次いでいる。外国からの観光客の大半を占める韓国人観光客は、同国内の景気悪化もあり、昨年に比べ1~2割減となっており、関係者は「株価の最安値更新と並行して、円高もますます進むのではないか」と頭を抱えているそうだ。
もともと道頓堀には「五座」という劇場が置かれ、その周りにはその劇場に集まる客を目当てにした芝居茶屋や飲食店、土産物店などが軒を並べたと言えるが、現在の道頓堀には劇場と呼べるものは松竹座のみで、あとは飲食店をはじめ、パチンコ店、ゲームセンター、カラオケ店と言った全国どこの駅前にもありそうなお店が軒を並べている。さらには東京や地方から進出したファミレスやお好み焼き、ラーメン店などが出店し、儲からなければすぐに撤退するといった悪循環を繰り返してもいる。昔ながらの老舗は、客層の違いと街の雰囲気が変わったことで戸惑いも隠せないと言える。一番の元凶は、道頓堀の中心にあった「大阪名物くいだおれ」が今年7月の閉店で、今なおシャッターが下りたままのビルが存在していることだ。またその上、巨大なえべっさんの看板と呼び込みのノスタルジックな衣装のスタッフが目に留まる「道頓堀極楽商店街」が来春に閉店するもので、ますます道頓堀の迷走は続いている。
そんな道頓堀に久々の“朗報?”が昨日(10月27日)のニュースでもたらされ、来春にも旧中座跡の商業ビル「セラヴィスクエア中座」前に“復帰”すると言うのである。新しい飲食施設の開業を計画している東京都内の不動産会社のグループ企業側が6月頃に「くいだおれ」側に提携を提案。「くいだおれ」が数ある申し入れの中で、有力な提携先として検討を続けてきたそうだ。新しい商業施設は、大阪らしさをテーマに、飲食店を中心にしたビルに改装する予定で、ビルの名前に「くいだおれ」が使用される可能性もあるそうだ。現在、「くいだおれ」の屋号、「くいだおれ太郎」の商標権を「くいだおれ」が継続して保有しており、よっぽどの条件を出して来たと言えるだろう。もともとのセラヴィスクエア中座が平成16年に開業し、今年5月に運営会社が経営破綻したことで、テナントの撤退が相次いでいたそうだ。今回、またもや変わり行く道頓堀の客層や時代のニーズを読めなければ、「くいだおれ」と命名しても、また「くいだおれ太郎」が復帰したとしても、数年で同じ過ちを繰り返すことになるだろう・・・。

Dscf0007 そんな不安と期待が交差する道頓堀に今日(10月28日)も大きなニュースが飛び込んできた。それは、地元の道頓堀商店会が約2年にわたり、街路灯を不法占用し、広告看板を設置し広告収入を得ていたことが分かったと言うのである。収入は少なくとも年間で数百万円にものぼり、中には格安航空会社の広告で飛行機模型を取り付けた大看板もあるそうだ。(添付した道頓堀の写真は2006年2月頃のもので今とは違うが、すでに飛行機のモニュメントが存在している)
大阪市は「現場は市道で、違法広告は見過ごせない」と撤去を求めているが商店会側は、「駐輪対策の警備員を雇うための広告。撤去費用も出せない」と応じていないようで、市は強制撤去も検討しているという。確かに市の条例から逸脱し、違法広告を建てたのはまぎれもなく許されはしないが、その違法広告を2年に渡り見落としたというのはお役所の怠慢であり、あまり街を見ていないことが言えるだろう。めまぐるしく変わり行く道頓堀にあって、その街の死角にあるものならいざ知らず、通りのど真ん中に立つ街路灯なのだから、もっと早めに指摘すべきだったと思う。それを言い出せば、道頓堀の人気たこ焼き店「大たこ」が市有地を数十年に渡り不法占有していたことで、市が自主撤去を求め、大たこ側が「民法の規定で土地の時効取得が完成している」と逆に市を提訴しているのも、市側の怠慢な対応だと言えるだろう。とにかく不法占用、不法占拠など、やり得感は否めないし、また変な理屈をこねて居座るつもりだとは思うが、どこかに納得できない道頓堀に居座る古い体質とイメージが感じられる。せっかく橋も河川も、川岸も工事で改装されたのだから、180度転換するほどの刷新をはからなければ、その魅力は単に「五座」という祭りが過ぎ去った後の虚しさだけが川面に、赤や青のネオンと共に揺れているように思えるのである。
今尚、「くいだおれ太郎」の“復帰”を喜び、それが道頓堀のブランド・イメージだと言うことの方が過去に戻る感じで、アイディアが無さ過ぎるだろう。近松や西鶴の芝居に沸き、また松竹新喜劇の人情喜劇に酔い、角座でのインテリな漫才に笑い、そしてなんば1番の音楽に熱狂した、その時代、時代のハイセンスな流行を作り出した道頓堀は、もはや外国人観光客のみやげ物屋と化して、テーマパークのストリートよりも劣ると言えるだろう。大阪らしさをテーマにした飲食店の複合ビル・・・って、この大阪らしさとは何なのか。東京から見たものや、さらには韓国や中国から見たものなのか、新しくぶち壊す大阪の発想力、創造力が退化してしまったようで、どこまで行っても道頓堀は良くも悪くも代わり映えのしない街であり続けるのだろう!!

●参考資料:産経新聞(2008年10月27日、28日の夕刊)の記事より抜粋

2008年10月21日 (火)

奈良県が観光地画像の無料配信サイトを開設!

旅行会社・広告代理店などに朗報!奈良県の観光地画像、気軽に無料配信サイトで使用可能。どうぞ折り込みチラシ、パンフレットにお使いいただき、奈良をアピール下さい!
081021_122202 081021_122602 年に1度、この時期に必ず出かける場所がある。すでに数年前からの行事にて、車でいそいそと出掛ける。今、住んでいる奈良市内から京都へ24号線で北上し、途中の木津川に架かる泉大橋を超えると、すぐに右折し、伊賀街道(163号線)を東へと紅葉が進む景観を抜けて車を走らせること20分程で右手に見えてくるのがコンビニ、そしてドライブイン「リバーサイド大扇」である。地元の新鮮な野菜や果物が売られ、また菓子や漬物などの土産物まで売られている店舗と隣接してお食事処が並んでいる。今回は、この食事処に季節限定の「松茸うどん」と「松茸どんぶり」を食べに出かけた。平日の昼前に突然思い立ち、そのまま車を走らせたのである。写真にて添付したのが地元の松茸がどっさり入った「松茸うどん」(950円)、「松茸どんぶり」(1050円)で、店内にはこれらを目当てに多くのお客が来店していた。数年前にふらっと立ち寄って見つけたこのシーズン限定のメニューながら、うどんが隠れるほどの「松茸うどん」に惚れ込み、またたっぷりと松茸のエキスが出汁やうどんに染み込んでおり、この紅葉が始まる季節となるといてもたってもいられず、いそいそと出掛けるのである。「名物」と言えば「名物」だし、これを目的に集客につながるのだから、観光振興にも一役買っていると言っても過言じゃないだろう。とにかく笠置町は京都の南端であり、また奈良市内との境界線でありながら、まだまだ地域活性化が叫ばれているところで、単に季節限定の「松茸うどん」「松茸どんぶり」だけでは心もとないと言えるだろう。

旅行会社が旅行プランを立てたくなるほどの魅力ある資源の掘り起こしと、またそのイメージを画像(フォト)にてご覧いただくことが大事だと言える。先日に書いたblog記事の読売旅行が無断で写真ポジ貸出会社の画像を勝手に折り込みチラシやパンフレット、Webサイトに使用していたことが発覚し、その著作権について賠償請求が行われると書いたが、それほどに観光旅行における画像の役割は大きなものがあると言える。その画像を行政が無料で配信し、またそこにある487点の画像を自由に選択し、使用できるというサービスを奈良県(観光振興課)がはじめた。特に旅行会社や広告代理店などが対象とされるが、一般の人も閲覧も可能なサイトとなっている。
10年ほど前から撮影してきた県内の観光地や伝統行事などの写真を保管していたものを、従来は、これらの写真を旅行会社などがパンフレットなどに使いたい場合、社員が県庁まで出向いて県の許可を得て、写真を1枚1枚見ながら選ぶ必要があったが、こうした手間を省くため、同課が社団法人・県観光連盟(会長、荒井正吾知事)と協力し、両者が保管する画像をネットで一括して閲覧、配信サービスを行うサイト「大和路ストックフォトライブラリー」を開設したのである。過去のプリント写真などもデジタル化処理しており、10月14日のサイト開設時点で487点の画像が公開されている。また被写体には、奈良公園(奈良市)や葛城山(御所市)、大台ケ原(上北山村)などの画像が含まれている。

070907_152301 使用を希望する場合は、県観光連盟のホームページ内にある画像配信サイトにアクセスし、「鹿」などのキーワードを入力したり、「行催事」「庭園・公園」「世界遺産」などのカテゴリーを選択すれば、関係画像が一括表示される。そして、希望する画像を選択し、使用目的や社名・代表者名、住所などを入力して送信すると、県観光連盟が内容を確認した上で、パスワードを添付して返信してくれる。このパスワードを使えば希望の画像が入手できるそうだ。但し、寺院の画像については、このような手続き以外に、寺院側の使用許可も得ることが必要とされる。とにかく同課は「県内観光の振興につながる使用目的であれば、どんどん画像を活用して欲しい」と話している。

前記の読売旅行の写真無断使用が最近発覚しただけに、この時期を狙っての無料配信サイトの開設はどこか皮肉にも思えてならないが、私がいつも権利ばかりを主張しすぎて、せっかくの露出機会や文化向上の機会を失わしめることだけは遠慮願いたいとblogにて書いているが、やはり公共の機関にあってはこのように制約は設けながらも、フリーであるべきと言える。その意味で奈良県は、今回「せんとくん」以上に、分かりやすい観光振興の一石を投じたと言えるだろう・・・(笑)。
◎参考:産経新聞(2008年10月21日・朝刊奈良版)より引用。

2008年10月20日 (月)

道頓堀がますます寂しくなる極楽商店街の閉鎖!

Dscf0004 阪神タイガースが終戦を迎えた日に、道頓堀川に飛び込むファンの姿もないままに、「名所」の一つである「道頓堀極楽商店街」の閉鎖が発表された!大阪人はWで寂しい1日を実感した。

只今、クライマックスシリーズ(CS)で3位の中日に2対0で破れ、再び巨人との最終決戦に出場する権利を奪われました。後半戦はまったくええことなしの試合運びであり、とにかく悔しい限りである。セリーグ優勝は逃しても、日本一を取って道頓堀川へのダイビングの筈が、そこに行く最初の関門すらもクリアならず、道頓堀に繰り出すこともなく寂しい秋の夜を迎えてしまった。そんな寂しい気持ちの中で、またまた道頓堀の「名所」がまた一つ消えるというニュースが飛び込んで来た。あの道頓堀にドカーンと顔を出すえべっさんの看板もどぎつい「道頓堀極楽商店街」が鳴り物入りでオープンして、わずか4年余りで閉店の憂き目を見るというのである。ミナミのフードテーマパークとして、道頓堀の娯楽複合ビル「サミー戎プラザ」の5~7階に入居し、大正末から昭和初期の大阪の町並みを忠実に再現し、地元の有名お好み焼き店や串カツ店、立ち飲み屋など約40店舗が軒を連ねるもので、平成17年7月にオープンした。しかし運営会社の経営難を理由に来年3月末で閉鎖されることが20日、関係者の話で分かったという。実際に私の耳には、すでに8月頃にはミナミのドンと呼ばれる人物の知人を介して情報は届けられていたのである。
私もオープン以来、何度かは来店はしていたが、やはり客足がここ1年ほどで落ち込んでいることは否めなかった。実際に道頓堀極楽商店街に入居する飲食店主は「いつかダメになるだろうと思っていた」と言い、また別の飲食店従業員も「平日は1日の客が一ケタという日も珍しくなく、ゼロの日すらあった」と話す。実際には、ビルの正面(かに道楽の筋向え)に、館内でパフォーマンスを見せながら働くスタッフが客引きをしていたが、その賑やかな呼び込みとは逆に館内に入った時点で、寂れたノスタルジックな空間がより寂れたままにあることを感じてしまうのである。以前見た大林監督の映画「さびしんぼう」のような不思議な空間が広がり、その裏町のような階段や死角となる通路の外れに、化粧を施した道化師がたたずんでいるようで、突然パフォーマーと出くわしても楽しいという雰囲気ではなくなっていたように思える。まさに空元気な笑いの空間と言えたのじゃないだろうか。
産経新聞(2008年10月20日夕刊)の記事から読むと、集客のネックとなっていたのは、中学生以上は315円、小学生でも210円の入館料が必要で、同様の飲食店なら近くにいくらでもあり、関係者は「『飯食うのに何で入場料がいるんや』という声も根強かった」と内情を明かしている。「今の道頓堀は“シャッター通り”になりつつある。こんなことは道頓堀の歴史で初めてでは。大きなところが店をたたむと、町全体が寂しい印象になってしまう」と言って「道頓堀商店会」に加盟する「かに道楽中店」店長は肩を落としたそうだ。5月の演芸場「角座」の閉鎖、7月の「大阪名物くいだおれ」の閉店と暗いニュースが続き、そして今日、阪神タイガース2008年の終戦日を迎えたことは何倍にも道頓堀の灯が消えた気がして寂しさを痛感するのである。
少し横道にそれたが、今の『道頓堀』はブランド名だけであり、一昔前の芝居小屋『道頓堀五座』が居並ぶ上方芸能、上方文化の中心地ではなくなり、東京資本の飲食店が進出しはじめて以来、意外に儲からないことが分かれば撤退も早い現状で、大阪以外の企業の進出が空洞化を招いてしまったと分析している。ご存知のように最近、道頓堀に出かけて気づくのが、アジアからの観光客、特に韓国・中国からの団体客がこの一帯に午前、午後と関係なく押しかけており、あちらこちらで韓国語、中国語が飛び交っている。当然、それ目当ての店も登場し、免税店などは韓国語、中国語にて看板を表記している。映画「ブラックレイン」でも道頓堀は登場しているが、この頃はまだそれほどにもアジアからの観光客の姿は少なく、近年の国の施策「ビジット・ジャパン・キャンペーン」(観光立国として外国人旅行客を増やそう)の影響からか道頓堀は多く様変わりをしているように見受けられる。
大阪らしさを残しながらアジアの人々を迎え入れる町並みを作ればいいが、東京の歌舞伎町のような物騒な街にだけはして欲しくないのである。宗右衛門町からヨーロッパ村に北上する通りには多国籍なる飲食店が多数出店し、だんだんとミナミの街も訪れ難くなって来ていると言えるだろう。庶民的な街のミナミに対して、ハイセンスな街のキタが存在し、最近はどちらかと言うとキタの方が安心して飲食、ショッピングできるようなイメージが定着しつつある。

ただ学生時代から馴染み、親しんだミナミ・道頓堀の衰退だけは避けたいものである。くいだおれ太郎が消えても、残されたかにやふぐ、そしてたこに金龍、一粒300㍍のグリコやカールおじさん等の看板にて盛り上げていただきたいものである。

2008年10月19日 (日)

折り込みチラシ、パンフレットに写真無断使用!

080919_100801 ビジネスとして写真を貸し出す会社の写真をどうして長期に無断使用できたかが謎である。使用した側も使用された側も、そこにはどこか間抜けな管理体制があったと言わざるを得ないのである・・・。
旅行会社の資産は店頭の壁面狭しと並べられたパンフレットやチラシ類(リーフレット、フォルダー、ブックレット等)である。この中には分厚いページ数にて紙厚があり、紙質も高価なものを使っているものもあって、そんなパンフレット1冊を持ち帰れば、1冊千円ほどを頂いたことになる。つまり旅行における観光地やホテル・旅館、また料理イメージの写真や行程表、説明文に、各ページごとのデザイン処理の全てが、専門スタッフによりコストが支払われており、さらには印刷費を印刷部数に応じて掛かっているのである。部数が増えれば増えるほど1冊の単価は下がるものの、十数ページほどのパンフレットならば最低でも300円前後の費用が掛かっていると言えるだろう。最近は商品ブランドの人気度に応じてパンフレットのページ数が変わったり、また方面別でも人気のないところは折込チラシ風のペラペラなものになってはきているが、旅行会社にはこのパンフレットがなければ話にならないのである。
また最近はわざわざ旅行会社の店頭に足を運ばなくても、Webサイトから旅行を検討するに必要な情報が直接取れるようになってきた。中には旅行を計画する日付(何泊何日か)を入力し、行きたい方面と予算(金額)を指定したら検索エンジンが最適な旅行プランを出してくれるものもある。まさにまだ行きもしない旅行をイメージさせてくれるのである。それには旅行先の写真データは必要不可欠であり、どんな場所で、どんなものを食べ、そしてどんなホテル(又は旅館)に泊まり、どんなお風呂と設備を持っているのかも写真にて分かるのである。つまりWebサイトも旅行パンフレットも、写真がないなどとは到底考えられないもので、とにかくどの旅行会社のパンフレットやWebサイトを見ても写真(静止画)や動画までもがうまく活用されているのである。
そんな写真重視の旅行パンフレットや折り込みチラシに写真無断使用、それも長期に恒常化であったという記事が飛び込んできた。それも最も版権、著作権にうるさい新聞社の子会社が訴えられたとなれば、開いた口がふさがらないと言えるだろう。記事の内容はこうだ・・・。

読売新聞東京本社の子会社の「読売旅行」(東京都中央区)は10月11日、同社が作成した新聞折り込みチラシやパンフレットに、著作権の許諾を得ていない写真を無断使用していたことを明らかにした。弁護士による調査委員会を設けて調査した結果、「相当以前から恒常的に無断使用が行われていたと思われるが、点数については特定は不可能と判断した」としている。
同社によると、無断使用は今年6月、都内の写真貸出会社から講義を受けて発覚した。旅行雑誌や他社のパンフレットからの転用などの形で、無断使用が行われていた。調査結果は「無断使用は、関東や関西の販売推進部や、ほぼすべての営業所など全社的に行われていた」と結論。一方で「本社が組織的に無断使用を奨励したり、指示していたとは言えない」とした。
同社の巣瀬一社長は「著作権に関する認識が希薄だったことを深く反省し、お客様や関係する皆様に心からおわびを申し上げます」とコメントを出した。

・・・以上、毎日jp(毎日新聞)2008年10月11日11時22分から引用。

このような写真の無断使用は以前にも大手広告代理店でも発覚し、それ以後は業界の常識として、写真使用の扱いには厳しさを増してきたと言える。つい最近にも、某旅行会社から以前に依頼を受けた企画書の写真等の著作権の所在確認を受けると共に、使用許諾申請書を署名、捺印にて提出したところである。ますます厳しくなる著作権のため、私としては機会があれば旅行の際にデジカメで写真を撮ってストックし、企画書に貼り付ける写真についても注意を払うようになってきた。元来企画書は、提案する関係者の人数分のみの部数が用意され、クローズされた秘密裡に扱われるものが多く、扱うイメージ写真等についても割合フリーな感覚もあるが、以前からするとその辺りも制約が生まれてきている。但し、その制約に縛られていては自由な発想も生まれないし、またイメージを伝える上でかなり難しくなるのも事実である。何よりも企画書自体が知的財産ながら、まだまだその著作権が曖昧とされており、オープンにされた段階でアイディアが盗まれたなども多々あるわけだ。私としては権利ばかりを主張し、文化そのものが後退したり、新たな発想に実用新案的に広がらないことや独占になることだけは反対である。

ただ7月に閉店した大阪・道頓堀の食道「大阪名物くいだおれ」の看板人形「くいだおれ太郎」が“タレント”に転進し、商標権を所有する創業家が専属マネージャーとなり活動するというのは大いに賛成である。当初、太郎については「売却も含めて検討する」としていたが、10月20日にはタレント「くいだおれ太郎」として正式発表になるそうだ。
関係者によると「くいだおれ」はすでに、太郎の商標権を管理する別会社を設立し、今後はPR会社などと共にタレント活動のマネジメントやグッズ商品の開発などを行うという。すでに10月中の週末は、テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」のパレードに出演し、また22日には道頓堀で開かれるライブに参加すると言う。権利とは愛着のある人々のものであり、人々も認めるところのものを指すのが本当だろう。上記の写真無断使用は許されたものではないが、長期、恒常的に使われていても分からなかったよく似た写真(アングル)のある場合には、やはり管理的に難しいと言えるだろう。何よりも世界的にインターネットが普及する今は、いつ、どこで、知らない国の知らない人物によって写真が使われているかも分からないのである。だから著作権を重視すべきところだが、その規制としてはまだまだ難しいものがあると言えるだろう。
つかぬことながら、問題の旅行会社のWebサイトを見たが、やはりどこか写真を外した形跡があり、旅行プランを提案しているにも関わらず目的地のイメージ写真が一切載っていない不自然さが感じられた。とにかく、今後はこの旅行会社も全社挙げて意識改革に取り組むのだろう・・・。

今に始まったわけじゃないのに蒟蒻騒動!

Photo 食べるのは本人であることを自覚し、食べれるか食べられないかは自己判断すべきである。食べる前に大きさ・固さ、そして噛める弾力かを判断し、本人並びに他人(幼児・老人)に与える時も気遣うべきだ・・・これは食の基本なんだが。それまでも現代人は人任せにしすぎているようだ!

突然の「製造中止についてのお知らせ」が㈱マンナンライフのホームページに登場した。それは下記の内容である・・・
●「蒟蒻畑ポーションタイプ」一時製造中止のお知らせ
平素は弊社商品をご愛顧いただき厚く御礼申し上げます。
さて、マンナンライフは。「蒟蒻畑ポーションタイプ」の製造を10月8日(水)をもって一時中止いたします。「蒟蒻畑」ポーションタイプを発売してから17年、これまで多くのお客様のご愛顧を頂きました。発売以来、お客様に安心して食べて頂けるよう、出来る限りの工夫と改善をしてまいりました。また、今回ののど詰まり事件を受け、更に可能な限りの努力を試みましたが、行政の要望に対し、時間的に早急な対応が困難であると同時に、流通各社様への大きな混乱とご迷惑をおかけする恐れがあると判断し、製造を一時中止することと致しました。
「蒟蒻畑ポートションタイプ」は、一時製造を中止いたしますが、私どもはこれからも伝統の食品である群馬県特産の蒟蒻を、手軽に美味しく、そして何よりも安全にお召し上がりいただける様、今後とも研究開発を重ねてまいる所存でございます。

・・・以上は、㈱マンナンライフのHPより抜粋。

とにかく「蒟蒻畑」は、何度かの事故(喉に詰まらせて亡くなる)を受けて、その被害者家族・弁護団からの販売停止をはじめ、仕舞には野田聖子消費者行政担当相からの再発防止策の徹底要請に屈する形で今回の販売停止に追いやられたと言える。本当にこの事件では、「蒟蒻畑」を製造・販売した側だけの責任と言えるのだろうか。それを言い出せば、過去に食べて喉を詰めた事故があった餅やご飯(米)、ういろうにだんご、うどん、そば、韓国冷麺、コロコロステーキ、パン・・・等と選び出せば切りがない。最近では節分の日に恵方に向かって無言で“巻き寿司”1本を丸かじりする習慣が生まれており、目を白黒させながら喉を詰まらせた経験はあるだろう。風邪をひき、喉がやけに細くなった感じの時に水をゴクリと飲むだけで喉を詰めることだってあるわけで、食べるという行為は人間にとって命がけの行為でもある。生きるために食べるという行為がさもあたりまえのようになってしまった現代、古代人たちは固いものやわらかいもの、大きなものや噛み切れないものを自ら選りわけて、自分が食べやすい大きさ、固さ、そして飲み込みやすいように調理して食べたのである。まだ幼い子どもには親鳥が自分の口で噛み砕き、子鳥に餌を口移しにて与えるように食べさせる光景は誰もがご覧になった経験があるだろう。昔から自分で食物を吟味し、食べやすい大きさ、飲み込みやすい固さなどを自己判断し、それに応じて調理や包丁を入れて食べてきた筈が、そのまま大人も子どもも、また身長2m近い大男も、90才を超えた老人も、同じ形状の同じ大きさで食するところに問題があるのである。では、その形状を2歳以下向き、成人で身長170cmの喉の広い男性向き、90歳以上の身長150cm程の食が細い老人向きなどと、食べる消費者個人別に作り分けることなど、コスト的にも製造過程でもあり得ないことである。
つまりは食べる人自らが自己判断、自己責任において食べるしかないのである。リンゴを皮をむき、食べやすい大きさに切り分けて食べるものを、まったく丸呑みする者はいないし、スーパーで売っているこんにゃく1丁をそのまま飲み込む者も皆無だろう。特に幼児や老人に与える際には、その親や保護者たちが細心の注意を払うべきもので、いくらパックにあるものを与え、それを丸呑みしたからと言って販売したメーカーの責任を追及するのは少々無理があると言えるだろう。先ほど列挙した餅や団子等の食べ物も、過去には多くの喉に詰まらせる事故を多発しているが、実際に販売停止になった餅メーカーや和菓子店などがあっただろうか。餅や団子、そして蒟蒻の歴史は古く、日本人の食文化の中で脈々と先祖を通じて食されて来たと言える。特に蒟蒻は、571年に朝鮮より医薬用として伝来されてきた。食用というよりも薬の一種と珍重され、その名残かもしれないが「蒟蒻畑」をはじめとする蒟蒻ゼリー商品は、ドラッグストアにてダイエット商品として販売されているわけだ。
私も「蒟蒻畑」にはダイエット時にお世話になり、半年間のジム通いとカロリー計算による食事療法から15kgの体重を落とすことに成功した。当初の「蒟蒻畑」のCMも低カロリーを訴求しつつ美味しいダイエット商品として演出されており、綺麗な外国人のフラガールがお腹の肉をつまみ、ダイエットに最適な食品として放映されていた筈である。このCMから幼児に与える食品というイメージは限りなく薄く、あくまでも成人以上の女性層にターゲットを絞った企画だと言えるだろう。親が食べるものを子どもに与え、さらにデザートの感覚で、冷凍庫で凍らせて食べさせるといった間違った食べ方が、幼き子を死なせる事件もあったが、その被害者たちの冥福をお祈りするが、離乳食を終えたばかりの子どもや幼児に何の疑問も工夫も無く、袋から出したそのままの商品を与え、一方的に「喉を詰まらせたから責任をとれ!」とはどこか間違っているように思えるのである。

J-CASTニュースでは、「こんにゃくゼリーで11人死亡、外国で禁止なのになぜ放置(2007/5/24)」とあり、2007年5月23日現在で、1995年以降、11人の死者を出しており、EU、韓国、米国ではゼリーへのこんにゃく使用をすでに禁止しているという。このように諸外国が禁止しているのに、なぜわが国だけが販売を禁止しないのか、というが、わが国の蒟蒻における文化と食習慣の違いがあることを認識しなければならない。すき焼きには糸こんにゃく、おでんや田楽には板こんにゃく、さらにはこんにゃく刺身や数々のこんにゃくダイエット食品(蒟蒻ラーメン、蒟蒻スパゲティー、蒟蒻ご飯)等があり、お正月のおせち料理には欠かせない食材にて日本食文化の中に蒟蒻は存在するのである。食べることをこよなく愛し、様々な製法・調理法・食べ方などから生み出された日本食の美学もまた、一つの食材である蒟蒻を失わしめることは日本食文化の損出にもなると言えるだろう。

どこかに権利ばかり主張し、自分の義務をはたすことなくクレームばかりを言う思想が根付いているようにも思えてならない。過去にも多くの人々が餅を喉に詰めて亡くなっては来たが、その責任を餅を作った側に求め番屋に駆け込み、お白砂(裁判)で白黒をつけるなどはなかっただろう。餅も蒟蒻も噛み切れなければ、程よい大きさに切ればいいのである。食べ物が悪いのではなく、食べる本人が判断して、気をつけながら食べることだ。それが間違っていると言うのなら、売られているロースハム1本を噛まずに飲み込み、また森永アイスの「ピノ」を1箱(6個入り)をそのまま一気に飲み込めば、誰だって喉を詰めてしまうだろう。急がずに、自分の喉を詰まらせないよう噛み砕くことが大事である。それをまずは子どもに教えることが先決であり、いまよく言われる「食育」を親が子に教えていないことが問題なのである。そして、あまりにもメーカーを信じしすぎている。何の疑問ももたずに、そのまま食べようとするところに問題があるのである。
賞味期限や製造年月日もなく、魚は魚屋、肉は肉屋で買っていた一昔前の時代には、明治生まれ以前の祖父母達は、食材に鼻を利かせて、「これはいける」「これは北向き(死んでいる・腐っている)」と言っては自己判断で食っていたことを記憶している。古代人ではないが、自分で食する食べ物は食べるその瞬間まで自分で食べれるものかを判断しなければならない。そのことを便利になりすぎた現代人は忘れてしまったと言える。消費者意識が強く、お金さえ出したのだから食べられてあたりまえ、ましてや喉に詰めて死ぬなどとはさらさら思っていないのである。では、餅はそのまま安心してサトウの「切り餅」を丸呑みするだろうか。「蒟蒻畑」のパッケージには、「のどを詰まらせる可能性があることを伝える注意表記」があるが、そのことをどのように理解して、幼い子どもに食べさせたかである。
たばこのパッケージには「煙草の吸いすぎに注意しましょう!」と書かれてはいるが、それでも愛煙家には例え肺がんになっても吸い続けたいという気持ちがあるようだ。自分自身はそれでもいいが、妊娠の女性が喫煙の末に障害を持った子どもを産んだ場合には、やはり自分だけのことではないと後悔するそうだ。煙草と病気との因果関係をとやかく言うのではなく、注意を促す表記があるのにも係らず、最悪の事態になってメーカーを相手取って訴訟を起こしても何にもならないと言うのである。ようするに自己責任がまずは問われる。

今回の「蒟蒻ゼリー」で高齢者や乳幼児の窒息死亡事故が相次いでいる問題で、メーカー側が製造を一時中止にしたことで、多くの激励の声がメーカーに集まり、またネットでは販売中止反対の署名活動が始まっていると言う。「餅」「米」も危険という声もあるという記事にも、多くの擁護コメントが寄せられているほか、ネット上で署名活動をおこなうサイト「署名TV」では、10月3日から、蒟蒻ゼリー販売中止への反対を呼びかける署名活動がはじまったとされる。署名は当初の目標が1000だったのに対して、10月17日午後には、1万1000を突破しているもので、今後もその数値は伸びると予測される。
私が言いたいのはメーカー側の責任も多分にしてあるだろうが、その商品(食品)を買って、自らが食べるにあたってはその大きさ、固さ、飲み込み可能かは、その本人、また幼児や老人の場合には家族(幼児の場合には親)が判断をするべきことであり、食べ方についても凍らせるとかの判断は最終的に食べる本人の自己責任になると言える。最近は、クレーマーという言葉や、教育現場にあってはモンスターペアレントという言葉があるように、事業者側や教育現場にばかり責任を押し付ける社会風潮が目立つが、食育や教育もその基本は各家庭(家族)にあると言える。事が起これば責任相手を探し、すぐに戦う姿勢をみせるのではなく、まずは冷静に自分の責任能力も考えるべきだと思うのだが・・・。今回は柔らかい蒟蒻の話ながら噛み砕けないほどの堅い話になってしまった。

2008年10月13日 (月)

鮒ずし窃盗は、もしやニオイフェチの犯行!

Photo 東の「くさや」に西の「鮒ずし」とニオイは横綱級ながら味も横綱級である。子持ちの高級鮒ずしばかりを盗み出すとは、かなりな通とお見受けしたが・・・。
この夏の旅行は滋賀県・びわ湖温泉にてゆっくりと湖畔を満喫して来たが、やはり気になったのが石山寺の土産物店やホテルの土産物売り場で売られていた「鮒ずし」である。寿司は寿司でもまったく違った食べ物のように、その強烈な臭いと酸味を帯びた味は、初めて食した人には摩訶不思議な食べ物として脳天に刻印されるだろう。しかし、一度この味を覚えるともう虜になってしまうようで、好きな人はたまらなく「鮒ずし」を食すのである。とは言っても高級食材であり、真空パックの400gの鮒ずしで販売価格が5,000円、特に子持ち鮒(ふな)を使ったものに人気があり、めし漬け鮒(10kg子持ち)を樽ごと買う人も多く、約6万円もするが結構愛好者がいるようである。

このように高級食材であり、また「鮒ずし」愛好者にとっては泥棒をしてまで手に入れたいという不届き者もいるようで、こんなニュースが飛び込んで来た・・・
●<ふなずし盗難>1300パック 滋賀・水産会社の冷蔵庫
10月12日午前9時半頃、滋賀県東近江市上平木町の水産加工会社「村井水産」の冷蔵庫から「ふなずし」の真空パック1300個(約300万円相当)が盗まれているのを社長(52)が発見した。県警東近江署は販売目的とみて、窃盗容疑で捜査している。ふなずしは塩漬けしたフナにご飯を詰め、発酵させた県の特産品。
調べでは、』冷蔵庫には1万パック以上の在庫を種類ごとにケースに分けていたが、特に値段の高い「子持ちふなずし」がなくなっていた。直売所兼事務所裏の窓の電動シャッターがこじ開けられるなどし、レジから現金5万円も盗まれていた。店を閉めた11日午後5時ごろから翌日12日朝までに盗まれたらしい。
・・・出典:毎日新聞(10月12日19時39分発信分)より


鮒ずしの歴史は古く奈良時代に、近江(滋賀県)から朝廷に特産品として献上した記録がある。また鳥が産卵のため巣づくりに好物でもある米粒や小魚を集め、それが発酵したのが鮒ずしの始まりと言う説もあり、日本でも大変古い食文化の逸品となっている。現在は穀物の発酵を利用した保存食品として全国にこの名が広がっている。
食べ方は鮒に付いているご飯は洗わないで3~5mm位の薄さに切り、そのまま、もしくはお好みで削り鰹、刻みねぎ等をかけて召し上がる。お酒の肴に最適であり、さらに雑炊やお茶漬けにしても美味とされる。本漬け(めし漬け)約1年弱で食べられますが納豆やチーズとよく似た独特の香りがするそうだ。

それを考えるに犯人はニオイフェチではないかと思う。日頃から果物の王様であるドリアンを食し、また西の「鮒ずし」に匹敵する東の「くさや」を好む人物が臭いと思うのだが。もちろん、この直売所兼事務所には過去に客として来たことのある人物であり、シャッターをこじ開けて、冷蔵庫の中から子持ちの鮒ずしという高級品ばかりを盗み、尚且つレジから5万円を窃盗するセコイ輩である。使われる鮒はニゴロフナといい、琵琶湖でも毎年ごとに漁獲量が減少しており、希少価値の高い子持ち鮒であり、それを調理し、また長期に渡って漬けおく等の手間隙も掛かっているだけに絶対に許せない行為だと言えるだろう。

保存が利くだけに、もし販売目的にて窃盗したなら、少しづつそれで食いつなぎ、正月用として12月中旬以降で売り出されるのだろう。路上で「高級鮒ずしの格安販売」などとプラカードを出して販売している輩がいたら、鼻を利かせてピンときてほしい。「臭いのは鮒ずしではなく、売っているお前だ!」と警察に突き出そう。また臭いものには蓋をするという言葉のように、その犯人を蓋付きの大型ゴミ箱に押し込め、ニオイにまみれたままポリBOX(警察)に届けよう。その後は本当の臭い飯を数年、刑務所で食うことになるだろう(笑)!

2008年10月 7日 (火)

阪神優勝と早合点した皇居のお堀の全裸男

2008100700000553sansocithum000 清水の舞台から飛び降りた気分で、皇居のお堀に飛び込むスペイン人の全裸男。これが阪神-巨人の直接対決に何かをもたらすのではないかと考えたが、実際にはなんてことのない事件と言えるだろう!
テレビのニュースから突如、川らしいところに飛び込む全裸男が見られ、「やったー!阪神が優勝を決めて、道頓堀に飛び込んだアホが現れた」と思って見たら、どうも道頓堀の賑わいと違っていた。よくよく目を凝らして見ると、どうもそこは皇居のお堀で石垣をよじ登る外国人らしい全裸男だと分かった。なんで裸なんや、何で皇居のお堀に飛び込んでいるんや・・・と矢継ぎ早に疑問が??????と出る始末。そうか、そそっかしい巨人ファンが優勝もしてへんのにお堀に飛び込んだんやろか。それにしてもお堀から出てきた外国人の全裸男を取り押さえようとする警察官に石を投げつけたりと暴れ、悪戦苦闘での捕り物がこの大江戸(東京)のど真ん中であったことは世界に配信するぐらいの珍事だと言えるだろう。

事件の全容をかいつまんで紹介するとこういうことらしい・・・
●皇居の堀で外国人男性が泳ぐ=観光客グループか?
10月7日午前11時20分ごろ、東京千代田区皇居外苑の堀に外国人男性が飛び込んだ。約1時間40分後、堀の石垣から上がった自称スペイン人男性(40)を警視庁丸の内署員らが確保した。同署が詳しい状況を調べている。
調べによると、男性が飛び込む直前、40-50代の男女計6人のスペイン人グループが近くの「和田倉門外交番」を訪れ、英語などで「バッグを堀に落とした。拾う道具を貸してほしい」などと相談。その間に、うち1人の男性が交番裏から飛び込んだ。
警察官や消防隊員らが駆け付ける騒ぎになった。男性は午後1時ごろ、生け垣をよじ登ったところを警察官に取り押さえられた。昼休み中の会社員らが驚いた様子で遠巻きに見つめた。

・・・以上、時事通信・毎日新聞の配信ニュースから引用。

まさに世界に配信されるだろうこの珍事は、取り押さえられた全裸男の母国スペインでもきっと話題になるだろう。旅は言い知れぬ開放感があり、旅の恥はかき捨てろとも言うけど、ほんまにえらいことしよる。英国のバッキンガム宮殿に裸のままゴルフの打ちっぱなしをしたうえ、ゴルフクラブを持って、衛兵が取り押さえるのも反抗し、暴れるようなもんである。それほどにも迷惑な話であり、天皇陛下のお住まいがある皇居は、いくら東京都内と言えども別世界の時空間が広がる地で、その結界こそがお堀なのである。
全裸で街を歩くだけでも軽犯罪として捕まるというのに、お堀に荷物を落としたということで裸になって飛び込むなどよっぽど大切なものが入っていたのだろう。しかし、国が変われば、きっと衛兵に狙撃されていてもおかしくないその後の暴挙である。警官もだらしなく水をかけられ、また石を投げつけられるごとに逃げ惑う映像がテレビのニュースで流れていたが、相手は全裸の男なんやからもっと毅然とした態度で臨むべきだったと思う。
しかし、いくら外国から来た観光客であっても、昼日向に、無謀にも全裸で皇居のお堀に飛び込みとはどないやねん。泳ぎたかったら東京湾にでもいけばいいのに、荷物は結局、みつかったんやろか。ほんまにお堀には先の水質汚染調査やどんな生き物が生息しているかを調べた時、いらなくなった家電や自転車、バイクなどのゴミが大量に捨てられてたそうや。残念ながら大阪の道頓堀で阪神優勝時に投げ込んだケンタッキーフライドチキンのカーネルサンダースの実物大の人形はここにもなかったそうや。(そらあるかいなー)また、生息する魚は外来魚のバス、ギルの魚が多く、中にはすっぽんや泥亀に混じってワニガメやピラニア、本物のワニまでがいると言う噂もあり、なによりも臭くって不潔な水でもあるのに、まったくの全裸とは恐れ入る。ここまで日本は安全な国だと見られているんやろか。
とにかくニューヨーク株が1万ドルを切り、いよいよ世界恐慌の足音がすぐそこに近づいているというのに、近代国家の幕開けとなった江戸城開城と、そして皇室が皇居としてはじまった近代日本の聖地に裸の異人が現れたことは不吉な予兆なのか、または吉兆なのか、なんとも言えないが確実におかしな時代になってきていると思うわけよ。とにかく今日の阪神-横浜戦が雨で流れ、明日8日は、泣いても笑っても同率首位の最後になる直接決戦であり、阪神と巨人のどちらが最後に川に飛び込むのか、今はその方が気になっているわけよ。(なぜか阪神の岡田監督の口調で締め括るの巻)
●添付写真は産経新聞(中川春佳撮影)。

2008年9月27日 (土)

高額な開発費で百面相に対応できぬたばこ自販機

Photo_2 顔認定証機能搭載のたばこ自販機があれば誰だって顔を写したがる・・・。特にご婦人方は10代の肌つやを認証してくれる魔法の鏡のように思っている!
面白いがまったく呆れた事件が起こっていたものだ。なんでも顔認証機能搭載のたばこ自販機をしかめっ面でまんまとたばこを買った未成年者がいたそうだ。高額な開発費用と共に、その機能を搭載したたばこ自動販売機を備え付けながら、顔をしかめっ面にしただけで成人識別装置が作動し、たばこを買うことができたというのであれば、そんな自動販売機は無意味であり、一層のこと自動販売機を撤廃し、店頭売りオンリーにすべきではないだろうか。

事件の全容は、産経新聞(2008年9月27日)の社会面から読むと以下の通りである・・・・
●しかめっ面で自販機をだます/たばこ購入の少年補導
福島県喜多方市で今月、10代後半の少年が成人識別カード「taspo(タスポ)」のいらない顔認証方式の自販機でたばこを購入し、喜多方署に補導されていたことが26日、分かった。
同署によると、少年は16~18歳で、自販機の前で顔をしかめるなどして認証をかいくぐったらしい。自販機を認可している財務省は、こうした不正行為を防ぐ新ソフトを7月に認可。全国の自販機で順次交換を実施しているところで、同省は「少年が購入した自販機はまだ古いソフトを使っていた可能性がある」と指摘する。
同省理財局によると、以前のソフトは雑誌やポスターの切り抜きなどで購入できたという報告もあったという。同局は「現在ソフト更新をメーカーに急がせており、更新状況の報告をさせるなどの対応をしたい」としている。
・・・以上が新聞記事から引用。


世界に類を見ない顔認証機能「こどもチェックシステム」を搭載したたばこ自販機は、未成年者のたばこ購入を未然に防ぎ、成人は2008年以降もたばこカードを持ち歩くことなく、今まで通りにたばこ自販機でたばこの購入が可能という代物ながら、それが何の意味があるのかが説明不足だと言える。たばこカード(taspo タスポ)を自主申請し、そのカードを使わず、今まで通り自販機でたばこを買ってもらうというのは、カードが無駄であり、そこに個人情報をもって申請した意味が薄れるというものだ。カードを申請しない成人が、顔認証機能付自販機でたばこが買えるなら、何もカードを作る必要もなく、ましてや顔認証機能が不十分であるならば、自販機を撤廃し、あくまでも小売店やコンビニでの販売を行うだけで十分だと思えるのだが・・・。何か、この裏に一部の業界・企業の利権やまたたばこを吸う者たちの個人情報を取るための仕組みづくりが隠されていると言える。

この顔認証機能搭載のたばこ自販機が市場に出回った際には、誰もが一度は自販機のインターホンのミラーに顔を映したいという願望があったようだ。特に20代、30代の女性たちは、万一顔を認証して未成年と判断されることを望み、万一たばこが買えなかったなら“若く見られた”と喜ぶもので、逆に10代の未成年者が顔を映し、成人と判断されてたばこが買えたなら、逆にふけ顔だとショックにもなるだろう。高校時代の友人に“がきデカ”“ゴンちゃん”といったあだ名のついたふけ顔の友人がいたが、彼らならしかめっ面しなくても成人と認証されるだろう。しかめっ面にて認証されるというのはやはり顔のしわを読んでの判断だろう。顔中にしわを“天才バカボンのパパ”のように描いててミラーに写せばどうなのだろうか。また肥え過ぎた人が後ろ向きに頭や首のしわを強調して写せば未成年者も成人に判別されるのだろうか。こんな自販機があれば、確かにたばこを買う気のない者でも遊びたくなって来る。しかし、写った顔はデータとして記録されるかが心配なところでもある。馬鹿面をひっさげてたばこを買う意思もないのに、自分が未成年に見えるといいなぁと、少し若さを強調したアホ面をさらしたものが記録されていたら気恥ずかしいと言える。

今回の未成年者がしかめっ面をしてたばこをゲットしたのであれば、それは百面相としての芸を継承した方が世の中のためになると言える。百面相は、手ぬぐいやつけひげなどの簡単な小道具を用い、様々な顔に変えてみせる寄席芸である。別名は「生人形」「変装術」等とも呼ばれる。昔の百面相は自分の歯を全部抜いてしまい、顔の形を自由にしたものであると言われた。本当に未成年ながらたばこを顔認証たばこ自販機で買いたければ、歯を全部抜いてしまい、その上にアゴもはずして“くっしゃおじさん”にしてミラーに写るといいだろう・・・ただきっと不気味に映ってしまい役にはたたないと思うのだが。

いつの時代にも子どもは大人の真似をして、不良っぽくたばこを吹かしたくなるようで、私の中学校時代にもたばこを吸って停学になった生徒がいた。お蔭様で私は生まれてこのかたたばこを吸った経験がない。親父がたばこを吸っていた為に、その煙が自然と自分の鼻に入り、気分を悪くした記憶があるからだ。また、人間の体が煙突のように口や鼻から煙が出ていることに、カッコいいとかではなく滑稽に見えてしまうもので、気取ってたばこを吸う美人ほど、間抜けに見えてしまうことがある。
大きな病気をして入院中に、同じ病室の人が手術を前に呼吸のチェックを受けるとやはりたばこを吸う人は吸わない人よりも力がないという声を聞いた。手術後の呼吸も弱く、かなり本人も苦しいようだ。私はたばこを吸う人をとやかく言わないが、健康においてはやはり吸うよりも吸わない方がいいに決まっていると言えるだろう。

2008年9月10日 (水)

事故米を利益優先にて売りさばくは食への冒瀆

Photo 汚染米の追跡調査は始まっているが、長期化の様相を呈している。またそのお米に含まれていた残留農薬とカビは体にどのように悪影響を及ぼすかは、現時点ではなんとも言えないそうだ!
これでは自給自足をするしかないような心境になる。誰を信じて食材を買えばいいのかすらも判らない世の中になってきた。牛肉、豚肉、鶏肉、うなぎ等の産地偽装、また加工食品の賞味期限の改竄や材料の使いまわしなど、体に摂取する食品を扱う企業(業者)にはあるまじき行為がここ数年目立ってきている。日本料理の一流看板を掲げた船場吉兆もしかりで、賞味期限の改竄、産地偽装、引いた食べ残し料理の使いまわしなど信じがたい事件もあり、ここまで食を仕事としてプライドを持って良識ある対応を行わない連中がいたことを悲しく思っていた。
そんな事件も中国ギューザで国内はまだまだ安全だと安心した矢先に、またまた大阪の加工米販売会社「三笠フーズ」が、基準を超す残留農薬が見つかった輸入米を食用に転売するというありえない話が浮上した。お米と言えば日本人の主食であり、小麦粉の高騰からパン類、麺類の値上げがあいつぐ中、やはり「ご飯(お米)」を食べようという風潮に変わりつつあった矢先だけに、呆れた業者もいたものだと不愉快この上ない思いである。
大阪(大坂)は、江戸時代に物流、商業の中心地であったことから“天下の台所”と称され、全国の藩が大坂に蔵屋敷を設け、生活物資の多くが一旦生産地より大坂に集められて再度全国の消費地に送られていたからである。まさにお米はその中心をなすものであり、「諸国の台所」「日本の賄い所」を預かる上で、それに携わる者は誇りを持って、安心で安全なお米の目利きをもっていたと言える。そんな現在の大阪にて商いをする加工米販売会社「三笠フーズ」が、カビが生え、基準を超える残留農薬を検出した輸入米を廃棄するのではなく、使いみちを「糊(のり)」などに限定して政府が販売したものを、不正に食用に転売するという悪質なる行動に移したのである。
農林水産省は過去5年間に96回行った立ち入り検査でも、不正を見抜けなかったもので、良識ある企業であればこんな事態を生み出しはしないのだが、利益優先とも取れる先の経営者(社長)の記者会見では、経営不振だったから混ぜて売ることは許されるとの弁解に、こんな経営者のいる会社は即刻たたむべきであり、また基準値を超える残留農薬を食べた消費者とその米を原材料にて加工した食品メーカー(酒造メーカー、和菓子メーカー、菓子メーカー)に対する今後の対応はどう考えているのだろうか。最近は食の安全がうるさく言われ、食品メーカーも独自の原材料の仕入れルートを確保し、また農家との契約や独自の農場経営をするところも増えてきている。安かろう悪かろう・・・という考えはあるものの少しでも利幅を多くしたいがために仕入れにてコストダウンを図るがために、こんな良識のない会社からお米を買ったというのだろう。焼酎づくりやお菓子(あられ、スナック菓子)を作る職人であれば、もっと原材料のお米の目利きに優れてはいないのか、と思うのだが、どうも悪徳商人にころっとだまされるところに“ものづくり”の達人がいなくなってきているようだ。
三笠フーズからお米を仕入れた業者は「裏切られた」「怒り心頭だ」と、自社商品の自主回収を行っているが、三笠フーズが平成15年度以降に国や商社から買い付けた事故米は2500トン以上で、その大半が売却され、全国に流通した後だと言う。農水省の調査では九州と関西に加え、千葉や茨城などの延べ86業者に渡り、焼酎や日本酒メーカーのほか、菓子メーカー36社に流通していたことが判明したという。三笠フーズは「事故米700トンを正規米と混ぜるなどして販売した」と話しているが、実態はほとんどわかっていない。

先日、ある集まりがあって酒の宴が催され、その参加者が鹿児島出身の方々で、焼酎好きの連中が多く集まった。当然、飲み物となると焼酎が用意され、芋焼酎や麦焼酎に加え、米焼酎もあったと思う。「九州男児たるもの焼酎が飲めんでどうする」と言う話を聞きつつ、病み上がりの身であり、“お~いお茶”を飲みつつ酒のお相手をしていた。焼酎はロック、水割り、お湯割りなど、「アルコール度数を自らが調整できる便利な飲み物だ」と自慢し、次々とグラスに注がれていたが、それが事故米(残留農薬やかびのある米)で作られていたとしたら、体への影響が心配される。もし時代が江戸末期であれば、篤姫が将軍を通じて、こんなふとどきな米問屋を放置してはいないだろう。即刻、流罪または死罪にもなろうかと思う。汚染は日本人のお米だけでなく、日本人のこころまでも確実に汚染し始めているのだろう。

2008年9月 8日 (月)

露鵬・白露山は解雇、北の湖理事長は引責辞任!

3925623921 明治に江戸相撲と大阪相撲が合併して誕生した日本相撲協会は、もはや近代化産業遺産と言える代物。その再生は単に相撲の国際化だと外国人力士を増やしたに過ぎない・・・。
昨日までの露鵬の強気な記者会見、さらに弁護士までが今回の抜き打ちのドーピング検査に対して、誰かに「謀られた」と言うような意味深な発言。おまけに世界有数の科学検査そのものを否定し、「陽性」という精密検査そのものを不確かだと言うあり様。もともとは日本相撲協会が実施を決めて、抜き打ちにて行ったドーピング検査での尿採取だったはずで、北の湖理事長も承知の上でのことだったものが、「私は麻薬を吸ったことがない」「こんな検査で何がわかる」としらばくれる姿には、力士としての品位も心構えも感じられず、まさに角界をはじめ、日本の社会までも舐めきった態度にはほとほと嫌気がさしていた。往生際が悪いにもほどがありすぎる、長引けば長引くほどに“相撲離れ”は加速し、この泥沼の中で秋場所でNHKが完全中継するのもあり得ない話だろうと思っていた。あまりにもファンを愚弄し、また相撲を純粋に楽しんでいる子供たちにとっても大麻漬けの力士がいることをどう釈明するというのか・・・と、ことの成り行きを楽しみにしていたところもある。
露鵬・白露山の両力士は大麻使用を否定していたが、分析結果は露鵬が基準値の5倍、白露山が10倍。9月8日の再発防止検討委員会で、直接吸引の疑いが極めて強いと判断したことで、九重広報部長(元横綱千代の富士)は「世間に迷惑を掛けた」と解雇理由を説明した。これで先の若ノ鵬(起訴猶予)と共にすべてがロシア人力士の大麻吸引と解雇が決定したことになった。日本の文化や社会に溶け込めずに3人で寄り集まっては母国の言葉や話で盛り上がっていたのはいいが、大麻を吸っていたのはもっての他である。角界は国技ゆえに国の法律も甘い査定になっていると思っていたのか、3人で口車を合わせれば大丈夫だとの安心感から重ねた嘘はもはや永久追放という最悪のシナリオだったわけだ。

この問題を単に力士の解雇や北の湖理事長の引責辞任にて幕を引くのは、あまりにも短絡的な感じである。今日の臨時理事会の議決により、14日からの秋場所(両国国技館)は武蔵川新理事長(元横綱三重ノ海)の下で再出発を図ることになったと言う。これで本当に再出発と行くと考えているのだろうか。2008年現在、朝青龍をはじめとするモンゴル出身力士が多数を占めており、琴欧州(ブルガリア)や把瑠都(エストニア)などのヨーロッパの力士も少数ながら在籍し、今では他にもアメリカ合衆国、中華人民共和国、アルゼンチン、エストニア、トンガ、ブラジル、グルジア、サモア、大韓民国等の国際色豊かな力士が単に格闘技(スポーツ)として入門しており、宗派や民族も違う彼らに本当の相撲を教えることなど数年ではムリなのである。生涯を賭けて上り詰め、また悟りの境地にもならなければ本当の力士にはなれるはずもない。そのことすら日本相撲協会は忘れてしまったのか、いや知って目をつむっていたと言うのだろうか・・・。
モンゴル相撲を子どもの頃からやってきて、その実力を持って日本の国技・相撲を制したという考えでいる朝青龍(横綱)がいる限り日本の本当の相撲は存在しえないだろう。また朝青龍に続けとばかりにモンゴルから一旗挙げるためにやってきたモンゴル力士たちもみな、どこかで故郷のモンゴル相撲が最強の相撲と考えているに違いない。それ以外の外国人力士も日本の神事としての相撲をどれほどまで理解しているかは不明である。“勝てばいい”“強ければいい”との考えばかりで、本当の意味での「心・技・体」をどこまで知っているかははなはだ疑問である。また、それを教えない親方連中の不甲斐なさが本当に目に付いた一連の不祥事と言える。

何度も言うが、日本相撲協会は国技の相撲をするのではなく、「スモウ・レスリング」と言えばいいのか。または「S(スモウ)-1」と言いK-1のようにスモウスタイルの格闘技世界タイトルを競うプロスポーツと呼ぶのがいいのじゃないだろうか。そして、この協会とは別に、「日本国技相撲協会」または「元祖日本相撲協会」という無形文化財の伝統神事・相撲道を古式に則り行うのである。そこでは小さな力士が大きな力士を破り、その戦い方により五穀豊穣や無病息災を占うなどの相撲本来のスタイルに戻るべきだろう。それは歌舞伎、能・狂言、雅楽、文楽に匹敵する伝統芸能の領域にも入り、外国人が日本の京都で日本文化(芸能)を鑑賞する「ギオンコーナー」のように定期公演を行うのがいいだろう。NHKなどのテレビ中継もやめて、まさにライブでしかご覧になれない希少価値の高い神事にするほうが相撲は飽きられず、子孫によい形で残すことができるだろう。もはや日本相撲協会は明治に出来た近代化産業遺産であり、その再生に失敗したあげくに、外国人労働者をその施設に迎え入れて、やっていることは昔ながらの古びた工程ばかりが目立ち、とんと再生には程遠いというのが実際のところである。部屋・年寄り・師弟関係などのうわべの形ばかりを気にして、その根底に隠された相撲本来の伝承・伝説・神話・逸話・歴史・宗教・制度・慣習までもがないがしろにされていることをもっと考えるべきだろう。今の大相撲は言うならば黒船来襲、または元寇来襲の危機状況にあるかつてのわが国を見る思いだ。なんとかならんか・・・指相撲なら私も参加したいのだが!!

2008年9月 4日 (木)

ペットの骨が袋詰めのままに共同墓地にはあらず!

030708_1303001_2 ペットがブームによって人気の犬猫が存在するように、動物霊園も突如出現したブームのビジネスであることを知れば、今回の業者の行為もビジネスとして読み取れるだろう!
子どもの頃には近所の家で子犬が産まれたといってはそれを貰い受け、ペットフードという小洒落なものではなく、残り物の残飯を与えていたように思う。そんな愛犬が亡くなったら家の庭に穴を掘って葬ったり、また河川の土手に出かけては穴を掘って埋めたような記憶がある。何匹かの犬猫はそんな土葬になったが、いつしか保健所に電話をして、その亡骸を持って行ってもらい、市の規定に従って葬るのだが、最近では動物霊園というところが増え、葬儀・火葬・埋葬とシステム化しており、家族同様の愛情を持って飼っていた犬猫にはやはりお金がかかったとしてもその動物霊園を望むようになって来た。
犬猫の販売価格は、小型犬の場合、凡そながらヨークシャテリア12万円位、ポメラニアン12万円位、パピヨン12万円位、パグ10万円位、プードル8万円位、Mダックス12万円位となっており、一度買えば食事・トイレ、また健康・医療・美容等にお金がかかる。昔と違って人間が長生きするように犬猫たちも長生きするため、家計の中でペットに割くお金もバカにならないと言える。そして病気になり、入院・通院と手を尽くす上でもかなりの出費がかかったあげくに、動物霊園にて人の密葬・家族葬と変わらない葬儀費用がかかるのである。某動物霊園の「自宅葬儀(家族葬)」は、280,000円~730,000円とあり、また火葬料は動物の種類や大きさによって異なるが13,000円~43,000円以上もの費用がかかる。それに墓地(納骨堂)への埋葬費が共同墓地5,000円のものから、個別墓標57,000円が必要であり、専用の区画霊座(屋内埋葬)や墓地聖地90,000円~410,000円ほどもあり、人間なみに立派なお墓に埋葬され、さらには永代供養も希望により受けてもらえるというのである。

今回、産経新聞9月4日朝刊(社会面)にて取り上げられた記事は、兵庫県宝塚市の「宝塚動物霊園」で、共同埋葬するために火葬したイヌやネコなどの動物の骨の一部が土嚢袋に収容されたまま、埋葬もできない状態に陥っていることが3日、分かったというのである。たしかペットの遺体を持ち込み、葬儀の後に火葬(荼毘)を行ったら、後日、ハガキにて火葬・埋葬の証明書となる通知が届くはずだが、もし埋葬したという通知が届いていたにも関わらず土嚢袋の中に入れられたままであればこれは大きな問題だろう。ただ多くの動物と共に灰になったところから我が家で飼った愛犬、愛猫を探せというのは不可能に近いだろう。さらにその上にDNA鑑定まで行わない限り、その灰を特定することは不可能と言える。
さらにはこれほどまでに動物霊園(全国に約800ヶ所も存在する)があるにも関わらず、ペットの埋葬についての法律はなく、動物霊園の骨は法令上は「廃棄物」となるそうだ。まさにお金はきっちり取るが、その先は信頼を裏切る行為があったとしても訴えるすべがないというのが現状らしい。我が家の愛猫ミー様(写真のネコ)も奈良県内の動物霊園の共同墓地に埋葬されているが、確かに火葬の瞬間に立ち会ってはおらず、ましてやお骨上げもしないままに埋葬したという通知をもらい、この3月には一回忌を月例法要という形でしめやかに行われた。今回の記事にある埋葬されぬままの愛犬、愛猫の供養は、どこに向けて拝めばいいのかがわからないだろう。

産経新聞9月4日朝刊記事によると・・・・
●ペットの骨 袋詰め保管
運営会社(宝塚動物霊園)によると、共同墓地は、建屋底部に納骨スペースを設置し、火葬された骨を埋葬する仕組みで、埋葬料は1体5,000円。1日平均9体の骨を埋葬しているが、納骨スペースが飽和状態になっており、現在は骨の一部を共同墓 地の納骨スペースに埋葬し、残りを土嚢袋に詰めて保管しているという。
霊園は経営者がたびたび変わっているが、これまでの経営者が共同墓地の増設などの対応を取っておらず、骨の一部だけを共同墓地に納骨する対応は、現在の運営会社が経営を引き継いだ平成15年1月以前からあったという。今の運営会社は「今は袋に入れているが、これが良いとは考えていない。今年中に新しい共同墓地をつくり、そこに埋葬したい」としている。
これまで3対のペットを同霊園に納骨したという大阪市に住む女性は「すべての骨が埋葬されていると思っていた。供養してもらえると考え、しっかりした霊園にお願いしたのだから、きちんとした対応をしてほしい」と話している。これに対し、運営会社は「経営を引き継いだ際に園内の建築物に違法部分が見つかり、改めて開発許可を申請するなど違反を改めることを優先した結果、共同墓地の件は後回しになっている」と説明。

・・・以上、記事より抜粋。

とにかく経営を引き継いだ運営会社の落ち度であることは確かだ。新たに動物霊園を開園したのではなく、それ以前に預かった納骨分も顧客管理として引継ぎ、ホームページにも“動物霊園のパイオニアである当園は、お子達の安らぎの地として、開園以来、阪神間はもとより、日本各地の動物愛好家の皆様に広くご利用いただいております。”なるコピーを掲げている以上は、そんな弱音を吐かないことだ。ただ単に怠慢なだけではないか・・・。また宗教的な意味合いも眼中になく、あくまでもビジネスとしか見ていないから、そんな対応になるのだろう。もしペットではなく、家族であったり、また自分自身がこのような対応をされていれば、どんなに悲しいかしれない。

しかし、よくよく考えれば動物霊園なるものは、つい最近に登場したものであり、徳川綱吉が発布した「生類憐れみの令」の頃にも動物霊園は存在せず、平安時代の京都にあっては、一般の人々は鳥辺野などへの死体を放置し、風葬していたもので、元来は墓など存在しなかったのである。世界的に見ても動物のための墓はあまり認められず、そのまま放置されるだけだったはずである。その放置された動物の死骸が、気の遠くなるような長い年月をかけて地下の熱と圧力によって変質し、生成されることで化石燃料、いわゆる石油になったもので、遠い未来の祖先のことを考えるならば、せっせと動物は穴を掘って、土葬するのが一番だといえるだろう。「墓のない人生ははかない」と言うのは真っ赤な嘘である。墓などは、元来存在せず、土に還ることで、自然葬にあるのが本来の姿だと言える。これはどこかバレンタインデーに「チョコを贈らなきゃ」という行為や、節分の時に「恵方に向いて巻きずしを丸かぶりする」という最近にはじまった既成概念にとらわれすぎていると言えるだろう。そうでなければ、この島国は墓地だらけの列島になってしまうからだ・・・。

2008年9月 3日 (水)

もう国技といわず酷疑「スモウレスリング」と呼ぼう!

外国人力士が急増する角界は治安法権と勘違いしては困る。もっとも日本がそこにあることを相撲の歴史と共に知れば、力士も親方も、そして協会の役員も今を変えるべき時だと気付くだ300pxkunisada_sumo_triptychon_c1860 ろう!
日本の国技「大相撲」はもはや実在していないように思える。ここ数年、マスコミを賑やかす外国人力士の目に余る蛮行や部屋内の暴行致死事件、八百長疑惑など相撲本来の存在意義を失いかけていると言えるだろう。相撲は武芸、武道ではあるが、世界の類似する格闘技であるモンゴルのブフ、中国のシュアイジャオ、朝鮮半島のシルム、トルコのヤールギュレシ等とは、まったくの違うものと認識しなければならない。相撲は日本古来の神事や祭りであり、その期限は古く、古墳時代の埴輪・須恵器にもその様子が描写されていたことや、『古事記』『日本書紀』においても登場する神々が相撲を取ったという伝説を書き記し、また時の天皇が相撲を取るように命じたと記されたものがある。
それだけに相撲取りは、「心・技・体」をどの武道よりも重んじてきた筈であり、ただ強いだけでは横綱や大関にはなれないのが相撲本来の姿であると言える。まさに2000年以上もの脈々と続く歴史があり、日本相撲協会はこの過去の遺産までもをぶち壊す形で、その日本人の精神や心を無視した外国人力士により“スモウ・レスリング”と言うまったく別個のものになりつつあるようだ。
それはまさに近年のオリンピックにて見られる「柔道」のように、白い柔道着を青色に染めたり、また一本勝負すらも見られず、“ユウコウ”“コウカ”を取るために組まずして反則を稼ぎ、その点数と残り時間にて逃げ勝つという軟弱な柔道に成り下がっているとしか思えない。この北京オリンピック時に敗退した女子柔道の谷選手は、まさに日本の柔道をさせてもらえずに国際規定の柔道に破れたいい例だろう。そこには技を繰り出し、大きな体の者を小さな体の者が投げ倒せる柔道の魅力がもはやなくなっている気がした。中学生の頃に大人気のテレビドラマ『柔道一直線』にあったように、外国人の柔道選手はプロレスまがいの技を繰り出し、力まかせに体当たりし、おまけに覆面(デストロイヤーのように)をしていた記憶がある。今から30年前のその頃にすでに柔道は国際競技として歩みだしたことで、柔道ではなくなり、“ジュウドウ・レスリング”に変わったと言いたかったのだろう。
まさに国技の「相撲」も、もはや相撲のスタイル、システム、興行を行ってはいるが一昔の相撲からすれば別物であることは誰もが理解するところだと思える。国営放送というべきNHKが独占中継し、総理大臣杯を贈るなど、それが国民の総意であるかを再度確認する必要があるのではないか。先のニュース(不祥事)にあった若手力士の拷問による致死や朝青龍の仮病と悪態等の目に余る行為、そしてこの度のロシア出身力士の大麻事件などは角界でなくても、一般国民のレベルでも許されない行為であり、心技体どころか、日本の国技を舐めきった行為が見て取れるのが残念である。
今回の大麻事件を9月3日(水)の産経新聞・朝刊の記事から読むと以下の通りである・・・

信頼失墜「またか」、2力士に大麻反応
日本相撲協会の抜き打ち検査で2日、ロシア出身の露鵬と白露山の兄弟力士から大麻に対する陽性反応が出た。「他の力士もやっているのでは」。元若ノ鵬の逮捕後からささやかれ続けた疑念が事実となり、角界にさらに大きな動揺となって広がった。

8月に警視庁に大麻取締法違反容疑で逮捕された元若ノ鵬は調べに対し、「自宅や(所属する)間垣部屋の自室で何回かに分けて(袋の)大麻を吸った」と所持と吸引を認めた。「若ノ鵬逮捕」の直後から、連れ立って遊んでいた露鵬や白露山らロシア出身力士には疑いの目が向けられ、角界では大麻をやっているとされている力士の実名も飛び交うなどの騒ぎとなっていた。元若ノ鵬が逮捕された当時、謝罪会見した北の湖理事長は「まさか信じられないという思いだった。びっくりした」と答えていた。
さらに、報道陣からは「(北の湖部屋の)白露山には(大麻について)聞いたのか」との質問が飛んだが、北の湖理事長は「電話で『こういうことはないな』と率直に聞いた」と述べ、所持や使用はないとの認識を示していた。それからわずか2週間あまり。協会のトップの足元から角界への信頼が崩れ去りかねない事態となった。
北の湖理事長は2日、「(弟子の)白露山は2週間前に(警視庁から)事情聴取されたときに何も言われなかったが、(今日の)検査でちょっと出たようだ。疑いがあるというなら、よく調べてもらえばいい。(露鵬を含め)2人とも疑いがあったと聞いている」と神妙に話した。
ここ数年、角界の不祥事は異常ともいえる頻度で起きている。特に、年々数が増える外国人力士をめぐる騒動はもはや日常茶飯事といってもよい。

・・・産経新聞9月3日(水)朝刊・社会面記事より抜粋。

先のモンゴル巡業にあっても36人のモンゴル出身の力士が同行し、その先頭にて朝青龍が感無量と涙ぐみながら母国語であいさつをする姿を、なぜか違和感を感じつつテレビニュースで見たものである。モンゴル巡業の会場となった民族サーカス場内には朝青龍の身内の企業がところ狭しと広告看板を出し、また巡業の運営も朝青龍の実兄が一手に引き受けたとあり、地元のモンゴル市民からは入場料が高いとか、一族のビジネスとか・・・の不満の声が上がっていたという。あれほどに地方巡業を嫌い、仮病までしていた朝青龍がモンゴル巡業に力を注ぐ裏には、「モンゴル相撲が日本の大相撲を取り込んだ」「故郷に錦を飾る」とも取れる気負いが感じられる。それにしても36人に膨れ上がったモンゴル出身の相撲取りがいるとは驚きだった。これほども力士がいるのであれば、何も日本で相撲を取らずともモンゴル相撲協会を朝青龍や白鵬と共に立上げてみてはどうか。

とにかく日本で相撲道を歩むのであれば外国人力士は、日本に骨を埋める覚悟で日本人の精神と心をもっと学ぶべきだろう。それは日本の古来の神事を司ることであり、また八百萬の神々の存在を知ることに他ならないのである。大阪場所の際には、ミナミやキタの繁華街にゲタ・雪駄の着物姿の力士が闊歩している姿を見るが、住吉大社や枚岡神社などに参拝する姿をあまり見ることもないもので、今や相撲はエンターテインメントとしてのショーに成り下がっているように思える。このように外国人力士を増やすにあたり、異文化理解を深め、相撲本来のあり方を教えなかった協会、また当事者も知らない協会役員の無策が感じられて馬鹿馬鹿しくなり、ここ数年は相撲は眼中にないのである。

師匠と弟子は親子以上に絆を重んじ、また子は親の言うことを聞くものだが、その弟子は師匠に相談なく母国に帰り、また隠れて大麻を吸い、そして強ければ何をしても許されるという“スモウ・レスラー”になってしまったとしか思えないのである。以前にもブログで書いたが、日本相撲協会はもともと東京相撲と大阪相撲の2つの協会が合併して明治に出来たもので、子弟関係に厳しかった大阪相撲が力のある力士を欠いて合併したことが、今日の弱体協会になった原因と言えるだろう。
それは江戸末期の新撰組が関わる事件が関与している。新撰組の副長、土方歳三が隊士数名を引き連れて大阪の豪商・鴻池へ隊旗と制服を受け取りに出張した際、路上で大阪相撲の力士に遭遇し、その力士の一人が土方をとうせんぼをしてからかったに端を発す。土方はあろうことかからかった力士をその場で斬殺し、それに怒った力士達が新撰組の宿所に復習のために襲い、逆にほとんどの力士が切り伏せられたというもの。明治になり、大相撲を復活させようということになり、大阪相撲の幕内力士は、ほとんどがこの事件で死傷していたため東西大相撲は、江戸の相撲界に吸収されるような形で現代に至っているというものだ。まさに心技体の心構えにて、丸腰で人切り包丁を振り回す新撰組に仲間の敵と出向いた力士の気構えは、どうも今の日本相撲協会には見当たらないと言えるだろう。
いっそのこと「ホームレス中学生」ではないが、“今日をもって解散!”とぶち上げた方が協会側もいいのじゃないだろうか。最近話題のメタボリックシンドロームではどの力士も引っかかるだろうし、自然環境を考えた場合にはCO2の吐き出し過ぎの大型人間はエコ的ではないと言える。相撲はもう一度、日本人力士だけの歌舞伎、能・狂言、文楽のように、無形文化財としての存在価値を取り戻すべき時だと考える。外国人力士はちょん髷をし、着物・雪駄履きで過ごそうとも、それは白い柔道着を、対戦時に区別がつかないとのことで青い柔道着でもいいと気安く決めた感覚と、同じでしか受け止めていないと思える。とにかく不良外国人力士と大麻汚染がこれ以上広がらないことを願うばかりである・・・。

2008年8月 7日 (木)

中国製ギョーザ中毒事件はやはり中国側で起きていた!

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北京オリンピック開幕直前ながら、なぜ今の時期に中国製ギョーザ中毒事件が再注目されるのか?まだまだ受難の経済大国・中国の道のりは長いようだ・・・。
客商売というものは、まずはお客様の声を聞き、それを素直に詫びることから始めるのが鉄則である。「この度は、ご迷惑をおかけし申し訳ありません」の言葉もなく、「当方は一切責任がなく、逆に営業妨害を受けている。被害者はお客であるあなた方ではなく私どもである」と開き直りに似た弁明をした場合、被害者であるお客様にさらなる反感と不信感を抱かせることになるのは明白である。商売とは外交でも政治でもなく、あくまでも売り手と買い手の信頼関係において円滑なコミュニケーションを要するものであり、特にお客様第一主義が言われる今日においては、まずは謝罪から入り、その上で身の潔白を証拠をもとに説明すべきである。
明治維新において我が国が近代化への第一歩を踏む出した時、それまでの士農工商による武家社会が崩壊し、武士が慣れない客商売を始めた為に様々な横柄なる接客や対応があったと聞く。今回の中国の天洋食品もそれと同じく、未だ資本主義には程遠い中国政府が関わっているもので、元来共産主義の考え方が根本にあるため作る側・売る側・買う側も同じ立場にてあると認識しているようだ。市場原理は先にも書いたように買う側の選択肢によって成り立っており、その消費者の信頼を裏切る行為は、また謝罪に関しても上から物を言う行為では、そっぽを向かれることになることを知らしめた中国ギョーザ事件と言える。
ただ中国だけに関わらず、我が国においてもあの日本料理の有名店『船場吉兆』の消費者への対応が中国ギョーザ事件の中国側の弁明に似ていたと言える。後から後から様々な事実や開き直りに似た謝罪・発表など客商売を舐め切っているとしか思えない対応である。他にも和牛やうなぎ等の産地偽装、賞味期限偽装の企業(業者)の起こした事件には、単に儲け主義に走る盗品を横流しすると変わらない犯罪を思わせる。とにかく、この手の事件においては開き直りや逆切れするオーナーの姿がマスコミで多く取り上げられている。こんな業者の商品は買わないことだ。それが市場原理というものだと考える。

さて、中国ギョーザの話に戻すが、今回公になったニュースとしては産経新聞の8月6日夕刊にて次のような記事が出た・・・
●回収の天洋製・中国でギョーザ中毒/現地混入濃厚に
中国製ギョーザ中毒事件で、製造元の天洋食品(中国河北省)が事件後に回収した冷凍ギョーザが中国国内で流通し、ギョウーザを食べた中国人が有機リン系殺虫剤「メタミドホス」による中毒症状を起こしていたことが分かった。
複数の関係筋が6日、明らかにした。中国公安当局は2月末、「原材料、生産、輸送過程で異常はなく、中国国内でメタミドホスが混入された可能性は極めて小さい」との見解を発表したが、日本に輸出されていないギョーザからメタミドホスが検出されたことにより、中国での混入の可能性が強まった。日本政府は外交ルートを通じ、中国政府に事実関係を確認すると共に、より一層の捜査協力を求めていく方針。

複数の関係筋によると、天洋食品は事件発覚後に流通していた冷凍ギョーザを回収したが、その後市場に再び流通したという。今年6月、このギョーザを食べた中国人が有機リン系殺虫剤によるとみられる中毒症状を訴え、その後の調査でメタミドホスが原因だと判明したという。被害者の人数や詳しい症状などは一切明らかにされていない。中国側は7月初めに外交ルートを通じ、この事実を日本政府に伝えた。

・・・以上、産経新聞8月6日(水)夕刊記事から抜粋

日本では、昨年末から今年1月にかけて発生した天洋食品製の冷凍ギョーザ中毒事件は日中の警察の合同捜査にも関わらず、未だ事件の真相を探しきれずにいただけに、当初から言われていた“中国で混入した可能性が高い”ことが事実となったと言えるだろう。あれほどに中国の警察当局が「中国内での毒の混入はありえない」と言い、また天洋食品工場長が「絶対に工場内での毒の混入はあり得ない。あくまでも流通段階で毒混入があった」と言い張っていたが、今回の回収された在庫のギョーザを食べた中国人被害者にはどう説明するのだろう。また、日本の消費者や同じ中国製品を輸出・輸入する他の企業(業者)に対する弁明は如何なるものか。
しかし、中国とは情報操作することで本当に必要な情報が入らなくなっていることを、もっと痛感すべきではないだろうか。日本であれだけ毒が混入した天洋食品の冷凍ギョーザだとマスコミやインターネットで騒ぎ立てているのに、その国内で回収した同じギョーザを検査もせずに販売するとはいささかあり得ない話だ。またそれを購入し、食べた中国人被害者もそのニュースを知らなかったのだろうか。それとも日本の情報をもともと信用していない国民が多いのだろうか・・・と思えてしまう。
これは中国だけでなく、我が国の食品関係の業者にも言えるが、食の安全に対して今ほどに消費者が注目している時期はないのである。とくに夏は食中毒も多い時期であり、食品を製造・販売する業者は今一度、その食品の安全性を確認願いたい。なぜにこれほども念を押すかというと昨夕に、自宅マンション前にあるスーパーでスイカ丸ごと1個を購入し、それを包丁で真っ二つに切ったところ、中がドロドロに崩れ、白い液化現象が進んでいたからだ。すぐに返品に出向くも、店長からその代金を返されて「スイマセン」の一言で終わり、自宅が近いので手間もかからないが、本当に売る段階にて確認をすべきところと言える。どうもこの夏は、切ったスイカを買うのがよさそうだ・・・。

2008年8月 5日 (火)

北京オリンピック開幕へカウントダウン!

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秒読み段階に入った北京オリンピックは様々な話題を提供する!世界一の人口と経済成長著しい中国の威信を賭けたオリンピックは、この8日(金)からどんなドラマを生み出すのだろう?
いよいよ北京オリンピックが、この8月8日(金)から24日(日)までの期間にて北京を主な会場として開催される。アジアでの夏季オリンピックの開催は、1988年のソウルオリンピック以来で、20年ぶり(5大会ぶり)3回目となる。とくに中国では初開催であり、8月8日午後8時8分に行う縁起のいい数字を並べた開会式はきっと世界中を魅了するに違いない。
そんな期待を抱いたところにとんだニュースが飛び込んで来た。よりにもよって韓国のテレビ局が開会式のリハーサルを無許可で国内放映し、中国の多くの怒りをかったという笑うに笑えない出来事である。そのニュースは、朝日新聞社(asahi.com、8月2日)から読むと以下の通りである・・・

●韓国TVが開会式リハ放映 中国で怒りの声「恥知らず」
韓国のテレビ局SBSが北京五輪開会式のリハーサルの様子を許可なく撮影して、「特ダネ」として報道したことに対する怒りの声が、中国内でインターネットを中心にわき起こっている。
ネット上では「韓国人はこそ泥、恥知らず」「SBSは五輪の取材から排除されることになるだろう」などの書き込みが続出。「中華民族のメンツが丸つぶれだ」と、愛国心が刺激されたように発言も多い。
もっとも「政治、経済、軍事方面などでも、知らないのは中国国民だけで、外国人は我々の知らないことを知っている」と、あきらめに似たような声もある。ある北京市民は「秘密がこんなに簡単に漏れるのは、警備に問題があったからだ。こんなことではテロの備えも心配だ」と話した。

確かに中国のメンツをかけた国家機密とでも言える開会式の全容が、韓国を通じて国内外に露呈した形になったのは、このカウントダウンに突入した段階ではいささか不味いものがある。とくに開会式は様々なスポーツ競技そのものよりも、中国そのもののカラーを一番出す絶好の場であり、過去の開会式と違っての特色ある演出が世界で視聴される人々や、会場に集まった人々に、発展する中国そのものを訴求する絶好の機会となるだけに、その演出部分の情報が漏れたことは致命的だ。
なぜなら北京五輪の芸術顧問でもあった映画監督のスティーヴン・スピルバーグが中国の外交方針を懸念する手紙を中国政府に送り、その後、芸術顧問を退くことを発表(2008年2月13日)した経緯があり、スピルバーグが元来、開会式の演出に名を連ねていた筈が、辞退したことでの開会式への注目度が高まっていることも中国をナーバスにさせていると考える。
何よりも開会式というメインイベントを何の許可も得ぬ間に他国の放送局が全容を紹介したというのは前代未聞であり、イベントにおけるオープニング演出部分を公開リハーサルにて見せる愚かな行為は私にとっても過去に記憶がない。リハーサルはコンサートやお芝居、さらにはファッションショー、報奨パーティー、式典・セレモニー等において実施するが、そこには関係者以外は一切立ち入り禁止であり、演出家・舞台監督の指示により、本番さながらに音響・照明・特殊効果・映像を用いて、出演者陣の立ち振る舞いを決め込んで行く。まさにこれらのイベントの導入部分であるオープニングの感動が、イベントの最後まで尾を引くのは当然であり、初めよければ終わりよしの部分が多いからである。
私自身も様々な規模のイベントにおいて、毎回のオープニングの演出には注意を払い、新たな演出を加えることに努めている。だから世界中が注目する四年に一度の夏季オリンピックはプロ、アマを問わず開会式は最も注目されるところであり、最高のメインディッシュと言えるのである。

今回の北京オリンピックは、開催に至る今日まで様々な問題が浮上し、チベット問題、ウイグル(東トルキスタン)人権弾圧や北京市内の大気汚染、食品の安全性、観戦マナーや中国選手のラフプレー等が挙げられ、とくにチベット問題による聖火リレーの異様な警備体制はもはや“平和の祭典”“参加することに意義がある”と言った観念からは遠退いた感があり、一国の政治・経済・外交をアピールする場に変わったと言っても過言ではないだろうか。

私はプランナーの視点から開会式の演出部分に着目しているが、また旅行会社の外部ブレーンとしては観戦ツアーにも注目している。とくにこの夏休み・盆休み期間にあたる北京オリンピックだけに、旅行にどのように影響を与えるかが関心のあるところだ。この夏は、原油高騰の煽りを受け交通輸送が軒並みに値上がりを余儀なくされ、また食品関連の値上げもあり、家計の財布の紐も締めるケースが増えている。まさにこの夏のバカンスは超安近短であり、逆に出かけることを止めて自宅でゆっくり北京オリンピックをテレビ観戦するのが一番と考えている人が多いように思える。
この動きはやはり北京オリンピックの観戦ツアー不振へと影響し、開幕まで3週間に迫った時期に観戦ツアーの売れ行きが伸び悩んでいたのも事実である。そこには不況の煽りを受けるだけでなく、もう一つの大きな理由であるチケット自体が観たい競技のものが日本に振り分けられなかったということもあるようだ。誰もがメダル候補の人気選手が出場する競技を観戦したいと希望するが、日本に割り振られたチケットの多くは知名度の低い競技や予選などで、それをわざわざ観るために北京に出かけるのはと考える人が多かったのだと思う。
旅行会社の最大手のJTBは前回のアテネ大会の3倍強の1万人分のツアー販売を決めたが、3月の販売から3ヵ月余りで、売れ行きは目標の6割強に留まり、トップツアーは2000人の目標に対して半分あまり、日本旅行では5月から売り出した800人分のツアーの予約がまだ100人を超えたところとされ、どこも観戦ツアーにおいて苦戦を強いられている。この分で行くとチケット100円投げ売りもあるような雲行きだ。
●出典:毎日jpから抜粋・・・

とにかく残すところ3日となった北京オリンピック開幕は、観戦ツアーに出かけるのもいいし、また自宅でテレビ観戦するのもいいだろう。最後に、ちょっと知り合いの80歳を超えたオリンピック好きな老人の話をしよう。日頃から一人住まいであったその老人は、病気によって入院し、歩行もままならない状態でベットに横たわっていたが、アテネオリンピック開催を間近に控え、どうしてもオリンピックを観たさに外泊許可をもらい自宅に帰ったという。病院では22時の消燈にてゆっくりとテレビ観戦ができないことを理由に帰宅し、這うようにして誰もいない自宅の中で、この四年に一度のスポーツの祭典を観戦していたという。とにかく参加することに意義があるどころか、テレビ観戦することに意義がある人もいるのだから、無事に北京オリンピックが終わることを願うばかりである・・・。

2008年8月 3日 (日)

ギャグ漫画の大御所・赤塚不二夫が逝く!

Photo_3 誰もが子どもの頃に「シェー」とおどけて写真を撮り、お子様ランチの小さな国旗を頭の天辺に乗せて「ハタ坊だじょー」と笑いを誘ったことがあるだろう。その元祖・赤塚不二夫が8月2日に死去した!
子どもの頃にまんが雑誌を買っても、大体がギャグ漫画のみを読んでいたように思える。特に赤塚不二夫の笑いのセンスに惚れ込み、また現代に言うところのゆるキャラも多く、そして記憶に残るギャグの連続。まんが雑誌のフキダシに書かれたギャグも、テレビでのアニメーションとなって声優が節をつけて喋ることで、もっと面白いギャグになっていったように思う。まんが雑誌からTVアニメ、そしてまんが雑誌へとループするように、赤塚不二夫の世界は広がったと言えるだろう。
特に代表的なまんがは、「おそ松くん」「天才バカボン」「もーれつア太郎」「ひみつのアッコちゃん」で、代表されるギャグのセリフも『シェー』(おそ松くん、イヤミ)・『これでいいのだ!』(天才バカボン、バカボンのパパ)・『賛成の反対なのだ』(天才バカボン、バカボンのパパ)・『不思議だが本当だ。本当だが不思議だ』(天才バカボン、バカボンのパパ)・『クリーン、クリーン、クリーン・・・おでかけですか?レレレのレ』(天才バカボン、レレレのおあじさん)・『タイホする!』(天才バカボン、おまわりさん)・『国会で青島幸男が決めたのか?』(天才バカボンほか)・『忘れようとしても思い出せない』(天才バカボンほか)・『・・・でやんす』(もーれつア太郎、ケムンパス)・『・・・のココロ?』(もーれつア太郎、ココロのボス)・『・・・べし』(もーれつア太郎、ベシガエル)・『・・・だニャロメ!』(もーれつア太郎、ニャロメ)などが思い出される。特に40~60歳代(団塊世代まで)のおじさんは、このギャグを時たま、いや機嫌の良い時によく使うのである。
例えば、部下(新人社員)が初仕事をやり遂げた時、決まって上司であるおじさんは『これでいいのだ!』と言うセリフも、また営業マンが忙しそうに出かける際に、その上司の管理職は『おでかけですか?レレレのレ』とおちょくるギャグもまた赤塚のギャグである。確かにこの40中頃~60歳代の世代にあっては赤塚のギャグ漫画の影響は大きく、小学校・中学校の卒業時に友達と交換するサイン帳を取り出して読んで見れば、きっと赤塚作品のキャラクターであるニャロメ、ベシガエル、ケムンパスが描かれているであろう。そのキャラクターからフキダシがあり、「卒業してもともだちでやんす」とか、「これでお別れだニャロメ!」と言ったギャグまがいのメッセージが記載されているはず。今も意味を解しないが「ホカイローのケイコータン」なるフキダシがケムンパスから出ていたことを記憶している。

●今回の訃報を伝える産経新聞8月3日(日)朝刊の記事から・・・
「おそ松くん」「天才バカボン」などで知られる漫画家の赤塚不二夫(本名・藤雄=ふじお)さんが2日午後4時55分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。72歳。旧満州(現中国東北部)出身。葬儀・告別式などは未定。喪主は長女、りえ子さん。
終戦で大陸から引き揚げ、奈良県(大和郡山市)で育つ。小学生時代に手塚治虫作品に感激し、漫画家を志した。中学を卒業して3年間、新潟市の看板店に勤めた後、昭和28年に上京した。
31年、「嵐をこえて」でデビュー。東京都豊島区椎名町にあったアパート「トキワ荘」に転居し、石ノ森章太郎や藤子不二雄らと腕を磨いた。37年には「おそ松くん」「ひみつのアッコちゃん」が爆発的にヒット。続いて「天才バカボン」「もーれつア太郎」などのヒット作を連発。テレビでもアニメ化された。
平成9年12月に自宅で吐血して入院、食道がんが判明。14年以降は創作活動を休止していた。
・・・以上、産経新聞より一部抜粋。

記事にあるように赤塚不二夫の少年時代は奈良県に育っており、その意味で関西人気質があっての笑いのセンスを持っていたと言えるだろう。同じ奈良県出身のギャグ漫画(実際はホラー漫画)を描く楳図かずおとは笑いの性質は違うが、摩訶不思議なキャラクターを登場させるところは似通っているとも取れるだろう。

赤塚不二夫にはさまざまなエピソードがつきまとう。以下はその代表的なところを列挙する・・・
●トキワ荘時代には、トキワ荘一の美青年として認識されていた。
●夏に「ご苦労さん」と言って出版社の担当者に、牛乳に似せたホワイト絵の具を溶かしたものを飲ませる。
●『もーれつア太郎』のニャロメ人気で、当時の学生運動のセクトに「全学連ニャロメ派」ができたが、赤塚本人は思想的なものには一切無関心だった。
●山下洋輔等を介してタモリと出会い、タモリの芸を認めた不二夫は上京を勧め、自らは事務所に仮住まいしながらタモリを自宅に居候させ、芸能界入りを後押しした。
●社会現象となった『おそ松くん』のイヤミの「シェー」のポーズは爆発的な人気となり、ジョン・レノンや皇太子徳仁親王、さらにはゴジラまでが「シェー」をした。
●赤塚不二夫は二度結婚しており、二度目の夫人(眞知子さん=2006年7月に、不二夫と同じくも膜下出血で56歳で死去)は、前夫人がキューピット役だった。

破天荒でサービス精神旺盛な赤塚不二夫にはさまざまなエピソードがあるが、今日の日刊スポーツ(8月3日10時2分配信)記事から驚きの事実が分かった。それは“赤塚不二夫さん死去の3日前に前妻(登茂子さん)が病死”していたという事実だ。2人の1人娘で、作品や版権を管理するフジオ・プロダクション社長の赤塚りえ子さん(43歳)が父の容体急変を聞いたのは、母の遺体の前だったという。赤塚さんの葬儀日程は前妻の葬儀終了後に決定するというスケジュール調整を必要としていた。
長年に渡り妻として、また赤塚不二夫ギャグ漫画の創成期から開花期に至る過程で励まし、またアイディアも提供した前妻・登茂子さんの死去(7月30日)から三日後に赤塚さんが亡くなるというのは、まさに『不思議だが本当だ。本当だが不思議だ』の心境である。私ごとながら母を27日に亡くし、友引等の日程から30日に告別式を済ませたばかりであり、お通夜・お葬式のWヘッダーは如何に疲れるかが理解できる。心から・・・「お疲れがでませんように」と赤塚さんの身内の方に伝えたい。

不思議なご縁もあるものだが、今から13年前に大阪で「漫画」に関する博覧会を企画、プロデュースを担当したことがある。あると言っても、条件面やその他諸々の理由から途中で降りる羽目となり、苦い経験を持っていたが、最近になってその思い出話をする機会があった。封印したはずの企画書やセールスシート、実施計画書、広報計画書、プレキャンペーン案等が紐解かれ、懐かしいワープロ作成のシートを読み返した。そこには石ノ森章太郎、藤子不二雄、ちばてつや、里中満智子、そして赤塚不二夫の名前を見つけたばかりだと言うのに・・・。また、トキワ荘の住人がこの世からあの世に移り、手塚治虫さんと共に新たなトキワ荘伝説を作るのだろうか。今は赤塚不二夫さんのご冥福を祈るでやんす!
◎参考資料:フリー百科事典『ウィキぺディア』より一部抜粋。

2008年8月 2日 (土)

ブラジルの「風船おじさん」の遺体発見

2008073000000782reuintview000 夢しぼみ、風船破裂の空の旅。ブラジルの「風船おじさん」である神父が遺体で発見される!天使も見放した、変わり果てた姿に無謀な冒険者の末路を見る…。
風船は甲子園でラッキー7(7回裏)に飛ばすに限る。トラッキーやラッキーちゃんの合図と音楽に乗せて、一斉に放たれる風船飛ばしの儀式(応援)にこそ、夢が膨らみ、また感動的なゲームへと導くが、その風船に乗って空を飛ぼうなどと大それたことを考えない方がいい。飛行機や飛行船にあっては進路を操作でき、また安全性においても工学的、物理的に計算され尽し、乗り物としての存在感があるが、風船は薄いゴムにヘリウムガスを入れただけの簡素な作りである。祭りの縁日で買ったウサギの形をした風船やUFOの形をした風船が、翌日には萎んでしまって、家の床に転がっているなどの風景を見たことがあるだろう。また、子供が喜んで人ごみの中で持ち歩く際に木々の枝や突起物にぶつかり、パーンと割れる音を聞いたことがあるだろう。それほどにも風船はもろく、命を預けるほどの代物でないことを分からなければならない。しかし、手っ取り早く空中散歩をしたいと夢見る連中はなぜか“風船旅行”に挑むから不思議である。よくピエロがパントマイムにて風船を持って、その浮力で空中に引っ張り上げられる仕草をするが、そのイメージから幾つもの風船があれば飛行が可能だと思うのだろう。

リオデジャネイロの7月29日ロイターによると・・・
ヘリウムガスを詰めた風船による飛行に挑戦したまま行方が分からなくなっていたブラジルの神父が、同国南東部の沖合いで遺体となって発見されたことを警察が確認した。
約3ヵ月前から行方不明となっていたアデリール・アントニオ・デ・カルリ神父の遺体は、マカエ近くの海上でタグボードが発見した。現地警察の責任者は「衣服や風船飛行に使われていた道具など、さまざまな要素から(遺体が)神父であることはほぼ間違いない」と説明。最終的にはDNA検査で確認されるとの見方を示した。神父は4月20日、携帯電話で友人らに連絡を取ったのを最後に行方がわからなくなっていたと言う。
●2008年7月30日13時24分ロイター配信より

誰もが記憶にある日本の「風船おじさん」もまた1992年11月23日にヘリウム入りの風船を多数付けたゴンドラ「ファンタジー号」に乗り、通信方法としての携帯電話を持参してアメリカに向かい、未だ消息不明のままである。この人物は当時52歳の鈴木嘉和さんで、この風船旅行を決断した理由が借金返済から逃れるためのもので、成功すれば冒険者としての未来が、失敗するとさらなる借金と死が待っていたのに、イチかバチかの賭けに出たと言える。ビニール風船26個を付けたゴンドラ(飛行船)「ファンタジー号」で、『アメリカに行ってきます!』との言葉を残し、周囲の制止を振り切って琵琶湖湖畔からアメリカネバダ州サンド・マウンテンを目指して出発。翌日に携帯電話で連絡が取れたものの、2日後にはSOS信号が発信され、海上保安庁の捜索機が宮城県金華山沖の東約800km海上で飛行中のファンタジー号を確認したが、鈴木氏は、捜索機に向かって手を振りSOS信号を止めた。約3時間の監視後捜索機は追跡を打ち切ったが、以後消息不明となった。
積載物は、酸素ボンベとマスク、1週間分の食料、緯度経度測定器、高度計、速度計、海難救助信号機、パラシュート、レーダー反射板、携帯電話、地図、成層圏の零下60度以下の気温に耐えるための防寒服、ヘルメットに紫外線防止サングラス等と本格的なものが用意されていたが、無線機は積まれておらず、国外に出た際に役に立たない携帯電話(今と違って、当時の携帯電話の大きさは嵩張るだろうに・・・)しか持たなかったのは片手落ちもいいところである。
1992年12月17日号の「週刊文春」が、鈴木氏に密着して出発時の映像も撮影していたフジテレビの姿勢を「鈴木を煽ったのではないか」と取り上げ、同時に鈴木氏の計画を無謀だと指摘。まさしく日本国内ではバブル時期にあり、まさにあぶく銭を空に求めて飛び立ったドンキホーテのような滑稽話である。

同じ風船ながらイベントの現場にてツールとしてのゴム風船(名入れ、意匠、用途)にはお世話になった。岡山県の某遊園地のオープニング時に数千個の風船を放天し、まさに圧巻の中、開園した記憶が今も鮮明に残る。ブラスバンドのファンファーレと共に、空いっぱいに明るく華やかな風船のランデブーを見ながら、ゲートを解き放ち、次々と家族連れの入場者を迎え入れた。数日前からその準備で乗り込み、その計画準備とリハーサルをおこなったもので、空が七色の風船で埋め尽くされる様はまさにファンタジックな時空間を演出したと言える。確かにこの時期に「風船おじさん」の鈴木氏も空にロマンを求めたのである。
そして、私が数年に渡り仕掛けた大阪・弁天町「プールズ」でのイベントで、水周りの平面的な会場を三次元的に捉え、空中に飛び上がる仕掛けとしての『ジャンピングバルーン』を持ち込んで話題となったことがある。このイベントツールは、アドバルーン(大きな風船)の下にパラシュートベルトで人を固定し、バルンを抑えるロープを緩めることで、バルーンと共に人が20~30mの空中に飛び上がるというもので、40m程の高さの天井のある常夏のプールの空間を用いたユニークなイベント実施となった。また水中運動会では大玉ころがしならぬ、大風船を水上にて運ぶゲームなど、風船(バルーン)を使ったイベントは今までにも数え切れないほどにある。まさにバブル期のイベントツールとしての風船は、「風船おじさん」を大空に打ち上げて絶頂を迎えたと言えるだろう・・・。

もし今、新たに「風船おじさん」が現れるのであれば、当然にしてエコロジーを考えた自然にかえる素材(植物性天然ゴム、または紙製など)での風船が望まれるだろうし、やはり黄色と黒を基調に、2008年チャンピオンフラッグを獲得する阪神タイガースへの熱い思いを載せて、すべてジェット風船で甲子園から飛び立つべきである。その場合、提供は唯一関西の上場電器量販店「JOSHIN」だろうか(笑)。

2008年7月 9日 (水)

誰か地球温暖化を止めてくれ!

7louzhp8 2050年の温室効果ガスの排出量の数値も盛り込めぬサミットは、2043年のジュセリーノの予言「人類滅亡」よりも未来が見えていないのだろう!
北海道洞爺湖サミットは、日本列島を豪雨に見舞われながらも無事3日間の会議を終えたようだ。主要8カ国(G8)や中国、インドなど計16カ国と欧州連合(EU)も加わり地球温暖化問題を話し合う主要排出国会議(MEM)の初の首脳会合も最終日の今日(7月9日)に開かれた。しかし「2050年までに世界全体で温室効果ガスの排出量を半減させたい」というものの数値目標も出されることもなく、それぞれの国や地域の思惑で決して歩み寄る成果が得られたとは思えない。

信じるか信じないかは勝手ながら、スマトラ沖大地震や9・11同時多発テロ、そして四川大地震など数多くの予言(予知夢)を行い、的中率90%の預言者ジュセリーノ(ブラジル出身)は、この地球上において、2036年に気温が63度に達する場所が出来、さらに2043年人類滅亡を予言している。そんな90%の的中率を誇る預言者の声も聞かず、主要先進国や新興国の首脳たちは2050年という人類滅亡後の温室効果ガスの排出量の削減数値さえも決断できないのである。

先進国は今まで豊かな暮らしを行い、そして地球環境を破壊してきたのに、なぜに新興国(中国、インド、ブラジル他)が豊かな暮らしを始め出した今、ガス排出量の規制というブレーキを踏まなければならないのか…という声も分らないでもないが、この地球上においてすでに信じられない光景が渦巻いているのも事実だ。北極の氷が溶け出し、また南極では氷のない地面(土)が露出しはじめて来ている。すでにオゾン層が破壊され、オーストラリアでは皮膚ガン患者が激増して来ているようだ。

我が国を見た場合、すでに影響が始まっているものや、また近い将来において起こりうるものなど、環境省の地球温暖化影響・適応研究委員会(座長=三村信男・茨城大教授)が6月18日に発表した報告書【温暖化の主な影響】の中身は次のようなものである…

○食料
・農作物の品質が低下、病虫害が増加、地域によってはコメが減収。農作物の台風被害も増加。
・畜産の受胎率と乳量が低下。水産業では魚種や漁場、漁期が変化し、養殖が不信に。
○水分野
・渇水リスクが増加し、河川の水温が上昇。短期集中型の豪雨の頻度と強度が増大
○生態系
・生物の分布域が変化し、外来種が侵入。ブナ林が減少し、松枯れが増加
・サンゴの白化の拡大と海水の酸性化
○防災面
・台風の強大化と進路変更に伴い被害が増加し、海面上昇で高潮被害が増加、海岸の浸食も生まれる
○健康面
・熱ストレスによる死亡が増加、特に高齢者の影響が顕著。病気を媒介する蚊の分布が拡大


以上の温暖化の影響は、この美しい四季の風景や旬の豊かな食材すらも失わしめ、確実に亜熱帯気候としての日本列島がここ数年で出来上がる公算となる。すでに湖や川、池には外来魚やワニガメ等が生息し、湿地帯などには熱帯植物が生育しはじめている。その対応力はすさまじく、いずれ吉野の千本桜が椰子の木の密林となり、伊勢内宮の五十鈴川には大きな錦鯉ではなくワニが泳ぐことになれば、日本情緒もあったものではない。まさに地球という列車に乗り合わせたら、ある者は携帯電話で無駄話をし、またある者は車内でハンバーガーにぱくつき、そしてある者はヘッドホーンでガンガンと音楽を聴き出し、周りを関せずに自分勝手に振る舞うことにも似ている。それはエコではなくエゴというもので、一部の人間の欲望がこの地球を破滅に追いやろうとしていることも事実だろう。

特にこの夏は、蚊が媒介し、デング熱の発症が心配される。東南アジアから昨年は台湾にまで流行が拡がり、今年はいよいよ日本列島を襲うかが注目されている。私もこの4、5月の2ヶ月間に渡り入院したのは、肝膿瘍なる病気で、その原因が日本ではまれなアメーバー(原虫)が体内に入り、肝臓に感染したのである。38〜40度の弛張性の高熱(1日の熱の上下の差が一度以上あり、動揺が著しい)が1ヵ月以上も続き、肋骨下部からみぞおちにかけて痛み、肝臓がはれ上がり、黄疸も見られる症状である。戦時中に、日本兵が東南アジアにて感染したケースはあるが非常に珍しいものらしく、東南アジアに渡航歴のない私にしてみれば発症経路が分らないでいる。これも温暖化の影響と言えるのじゃないだろうか。とにかくサミットは地球防衛軍とはならず、エゴイスティックな首脳たちの茶番劇だったようにも思えてならない。
◎参考資料/産経新聞(2008年6月18日朝刊、7月9日夕刊)の記事より抜粋

2008年6月28日 (土)

奈良に陰陽師の痕跡あり

Zjnpib97 今回の陰陽寮の鐘楼跡や厄払いの板絵の発見は、この荒んだ社会に対する警鐘を鳴らす過去の陰陽師からのメッセージではないだろうか?
苦しい時の神頼みという言葉があるが、人間、何かにすがりたい時には神仏に祈願し、さらには不思議な呪文をつぶやいたり、また厄払いの儀式を行ったりする。こんな時代錯誤もはなはだしいと思っていても、現代においても占いや様々な宗教が盛んであることを考えれば納得行くだろう。政治と宗教は現代にあっては切り離されているが、元来国造り、都造りにおいて加持祈祷が時の政治と一体化して行われていたことも事実である。平安時代には近年、歴史小説やアニメ、映画等で話題になった陰陽師・安倍晴明と、その彼らが勤めた役所の「陰陽寮」の存在。それが奈良においても見つかったという2つのニュースが飛び込んで来た。以下はその概要である。

◎奈良・橿原の遺跡/陰陽師が描いた?厄払いの板絵
奈良県橿原市の一町西遺跡で、馬や犬、鶏など当時の家畜を墨で描いた平安時代後期(11世紀後半)の板絵が見つかり、県立橿原考古学研究所が24日、発表した。厄払いなどに用いられ、手慣れた筆遣いから加持祈祷を担った陰陽師らが描いたとみられるという。動物を並べた板絵の出土は全国初で、当時の信仰を伝える貴重な資料になりそうだ。
板絵は同時代の溝から4枚出土。いずれも縦11�、横34�のヒノキ板で、馬を先頭に牛、牛または羊、犬、鶏の5匹が横向きに描かれていた。犬は首輪をはめて尾をピンとあげたユニークな表現で、鶏はとさかや尾羽が立派な雄鶏が描かれていた。
平安時代中期の官僚、平親信の日記「親信卿記」には、宮廷での厄払いの儀式で等身大の人形(ひとかた)とともに馬や牛、犬などをかたどった祭具を用いたとの記述がある。動物の種類が今回の板絵と一致し、「魔」を思わせる呪符の記された人形なども見つかったことから、当時の有力者が病気やけがをはらう儀式で使った後、溝に流した可能性があるという。
板絵は7月5、6両日に橿原市畝傍町の同研究所付属博物館で公開される。

●産経新聞(2008年6月25日)朝刊・記事より抜粋


◎平城宮跡基檀遺構/陰陽寮の鐘楼跡か
平城宮にあって行政をつかさどった奈良時代の“霞ヶ関”である東方官衙地区で出土した大型基壇建物跡が、占いや天文観測などを行った主要施設の陰陽寮にあった鐘楼だった可能性があることが、奈良文化財研究所の調査で明らかになった。宮全体に時を知らせる鐘楼は陰陽寮にしかなかったとされ、ここに陰陽寮があった可能性が浮上。各役所の位置がはっきり分っていない同宮跡の様子を知る、貴重な発見となった。
さらに西側では昭和40年代の調査で陰陽寮関係の木簡が出土していることや、平安宮でも朝堂院の東側に陰陽寮が位置していたと記録があることなどから、この建物が鐘楼の可能性があるという。また、大型基壇遺構の南からは、南北に長い建物跡2棟も見つかっており、関連が注目される。陰陽寮は中務省に属し、鐘楼で時を知らせたほか、暦の作成や天文観測、占いなどを行っていたとされる。

●産経新聞(2008年6月28日)朝刊より抜粋

陰陽寮の役人・陰陽師が活躍するのは平安時代のように思いがちだが、すでに奈良時代(平城京)にあっても時の帝と共に律令体制に組み込まれていたことが証明されたと言える。また政治や暮らしの中に怨念や悪霊を祓う陰陽師が存在し、様々な加持祈祷を行っていたことも実証されたことになる。陰陽師の呪法は祓い、鎮め・封じ、祈祷などからなる。「祓い」は種々の穢れや災厄などを祓い去るために行い、「鎮め・封じ」は、その場の気の状態を調整して良好な状態に保ったり、その土地や建物などに災厄が発現することを封じるために行う。また「祈祷」は、神道でいう祝詞に当たる陰陽道「祭文」を読み上げ、各種の神霊の感応を待って除災招福を祈り、あるいは怨家を呪詛・調伏するために行うのである。
何らかの怪異・災厄の予兆があったり、病難などがあると、陰陽師はまず六壬式占(りくじんちょくせん)や易、天文気色占などの占術を用いて原因や対処法を探り、次に必要な祭祀を執行した。また暦にしたがって天地を遊行する神霊・鬼神の障りがあると考えられた場合や、陰陽の気が交替する節気に当たる場合なども、その時期や方位から害をうけないようにするための、様々な祭祀が行われた。
このほか、遷都や新築などのための祭祀、延命長寿や息災のための祭祀などが陰陽道の管轄下で行われたが、それら祭祀の骨格に当たる呪法は、種々の呪的作法、呪物、呪符、呪文などを駆使した祓い、鎮め・封じ、祈祷によって説明することができる。
…以上、歴史と旅「陰陽師 安倍晴明」(2000年1月10日増刊)からの引用

気になるのは、なぜこの時期に陰陽寮の鐘楼跡が見つかり、また全国初の厄払いの板絵と呪符の記された人形が見つかるのかが、何かを暗示しているようで不安を感じさせる。それは「岩手・宮城内陸地震」にはじまる畿内の各断層の活発化を予知するものか、またこの夏に大流行を孕む新型インフルエンザやデング熱での史上最悪の事態を捉えているのか…過去の陰陽師たちからのメッセージと言える今回の発見である。特に平和ボケしている現代人は、同じく泰平なる世であった“平安時代”のウラで怨念や悪霊が跋扈していたように、子が親を殺し、親が子を殺し、また無差別殺人を自我の鬱憤を晴らすがために行う凶悪事件、さらには不正なる政治や企業モラルの低下、そしてネット社会というバーチャルな式神たち(鬼)の操る呪術にて、翻弄つづける真のコミュニケーションを失った社会に突き進んでいるようだ。

とにかくもともとが、時の帝が怯えた怨霊と崇りを鎮めるがために陰陽師によって行った呪術であり、最近には怨霊と化して恐れられた菅原道真ゆかりの北野天満宮の“なで牛”を破壊したふととき者がおり、それを考えれば過去に封印や結界を作り出したものが、ことごとく悪霊に取り付かれた人々により打ち破られていると言えるだろう。

2008年6月26日 (木)

イタリアの世界遺産に落書き

Ismuqs87 イタリアの世界遺産(大聖堂)の壁に日本の短大生、大学生が落書き。この大聖堂の天井に描かれた『最後の審判』そのままの日本のモラルに審判が下ったような感じである!
世界遺産として登録されるイタリアのフィレンツェの「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」(1296年着工)は、世界の人々の共通の歴史遺産としての認識により、今後も子孫へと保存、継承されるべき建造物と言える。当然にして過去の歴史においても多くの先人により守られ、大切に保持されつつ今に至るもので、特にイタリア国民やフィレンツェの地元市民の「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」への愛着と誇りは並々ならぬものがある。これは日本における京都・奈良等の世界遺産に登録された貴重なる歴史遺産への思い入れとまったく同じものであり、大きく言えば人類全ての財産として、現状維持のままでの保存に尽力していると言える。
すでにニュース等でご承知の通り、この「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」の壁に落書きをした不届きな日本人がいた。それも短大生や大学生で、ことの重大さを知らずに旅の記念に落書きをしたと言う。まったく自分本位な行いであり、たかだか20年そこらの歴史を生きたに過ぎない未成熟者が、およそ700年以上もの間、イタリア国民の信仰と敬愛を受け続け、今に至るこの歴史の上に馬鹿げた理由にて落書きをしたことになる。まさに日本人の恥さらしであり、日本の若者のモラル欠如を世界に発信したと言わざるを得ない。
記事は下記のような内容である……

●世界遺産の伊大聖堂に落書き
岐阜市立女子短大の学生が今年2月、研修旅行で訪れたイタリア・フィレンツェで、世界遺産に登録された大聖堂の壁に落書きしていたことが観光客の指摘で発覚、短大側が大聖堂に謝罪していたことが6月24日、分った。
市立女子短大によると、生活デザイン学科の1年生が2月18日、学校主催の研修旅行で訪れたフィレンツェで、「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」を友人5人と拝観した際、見晴らし台の大理石の壁に、油性ペンで学校名の略称や6人のニックネームを落書きしたという。
大聖堂を後日訪れた日本人観光客が3月、落書きの写真を添付したメールを短大に送り問題が発覚した。学校の調査に、学生は「初めての海外旅行だったので記念に書いた」などと釈明。ほかの5人も傍観していたとして、短大は6人と引率の教員2人に厳重注意した。―省略―

◎産経新聞(2008年6月25日)朝刊より抜粋

●京産大の学生が落書き=フェレンツェの大聖堂に
京都産業大学の男子学生3人が、イタリア・フィレンツェの「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」の柱に落書きしていたことが25日、分った。大聖堂は世界遺産に登録された地区にあり、大学は3人を処分する。
同大によると、3人は19歳と20歳。3月に旅行した際、日付と名前のほか「イタリア旅行記念」「京都産業大学」などと油性ペンで落書きしたという。大学に同日、メール通報があった。「たくさん落書きがあったのでやってしまった」と話をしているという。

◎時事通信(2008年6月26日2時0分)配信より記載

以上のように、「初めての海外旅行の記念として」「たくさんの落書きがあったのでやってしまった」との言い草である。よりにもよって、日付と自分たちの名前を書くまではいいが、大学名までも書くことで、その大学・短大の出身者までも迷惑を被ることになることを認識していなかったのだろうか。また記念とするならば、めったに来れない歴史遺産に落書きをせずに自らの体に刺青として日付と名前を入れればいいのじゃないだろうか。生涯に渡って消えない刺青を記念とすればいい。大聖堂の大理石の壁に気軽な気持ちで油性ペンで書くことは、まさに刺青のようにインクが目地に入り込むもので、削り取るなどの特殊な処理が求められるだろう。
最初の短大生と市立女子短大の謝罪に、大聖堂側は「謝罪してもらえれば責任は問わず、修復の費用負担も不要」と応じたという。これにはもはや怒りを通り越し、呆れている様子が読め取れる。建築デザインを学びに来た学生が、その歴史建造物に落書きをして帰るなど、二度と関わりあいたくない、また学問を受ける価値すらもない人々であり、大学の品格にも烙印を押された言葉と読み取れる。

今や我々の生活圏の中で、街の死角となった部分や逆に多くの人々の目に止まる場所には人通りのない深夜に落書きをおこなう輩が後をたたない。これほどまでに美意識を失い、公共の景観を独りよがりにて傷つけるのか。自分勝手な振る舞いが、仕舞には落書きからエスカレートし、犯罪に向かうこともあるだろう。確かに落書きもすでに犯罪であり、「器物損壊罪」にて懲役3年以下、罰金30万円以下などの刑が科せられる。
国内でも世界遺産での落書きも目だっており、法隆寺や東大寺等で、他愛もない名前や図柄を書いて喜んでいるが、その先人(祖先)が残した芸術価値のある遺産をなんら関わりのない、行きずりの観光客に傷つけられることの情けなさが分らないのだろうか。このモラル低下は道徳観を失わしめた社会と教育(家庭・学校)が悪いと言ってしまえばそれまでだが、匿名で人々を中傷する道具に成り下がったネット社会の仕組みがどんどんと悪い方に向かっているように思える。

添付写真として貼りつけたのは、私が昨年、京都の某芸術系大学にてワークショップの授業を行った際のスナップである。学生に芸術と落書きの違いを身を持って認識させるため、大学の正面に位置する壁面に落書きをさせた場面だ。あらかじめビニールでカバーをした壁面の上に模造紙を貼り付け、そこに一気に学生たち(7チーム)により落書きを描かせ、その出来映えを競うもので、完成した落書きは、その後すぐに破り捨ててしまうという授業である。
きれいに、面白く描けても、所詮は芸術(アート)としての価値評価はなく、また保存されることのない犯罪行為として落書きを理解することが目的である。将来の芸術家、アーティストとなる学生には、美術館や画廊にて、またスポンサーにより作品を買い取られ、大切に保管され、そして多くの人々に感動を与えるアートを創ることの意味を教えたまでである。

とにかく旅行の記念は、犬が自分の縄張りを知らせるようにオシッコ(落書き)をところ構わずかけることではなく、ビデオや写真に納めたり、さらには自分の心にその感動を描き、沁みこませることが良き思い出づくりになるのではないだろうか…。

2008年6月25日 (水)

全漁連の一斉休漁

Te4o6oqa ♪魚、さかな、魚を食べると、頭、あたま、頭が良くなる♪との歌でもお馴染みの魚が食べられなくなる。これって大事件だと思うけど、なんとかなりませんか?
20道府県の小型イカ釣り漁船約3000隻が6月18、19日に実施した一斉休漁があったばかりなのに、今度は、全国約1100の沿岸漁協が所属する全国漁業協同組合連合会(全漁連)が7月15、16日のいずれか1日、全国で一斉休漁を実施する方針を固めた。この6月25日午後、遠洋・沖合中心の大日本水産会などに提案した。一斉休漁は、漁船の燃料費高騰を受け行うもので、イカ釣り漁においても漁にでれば、その収穫の度合い、または市場価格により、燃料費の高騰から赤字になるケースが多く、仲買・仲卸が価格設定する仕組みにある為、漁師の窮状は続いており、廃業する者や漁船を手放すものさえ出ていると言われている。

休漁は政府や関連業界、消費者に窮状を訴えることが目的であり、漁船用A重油の価格は1キロリットル10万円を越え、この5年で約2.7倍に上がったとされる。この燃料費に圧迫されて採算が悪化し、赤字操業を強いられる漁業者も増えてきているのだと言うのである。
今回の休漁は1日だけだが、全漁連はタイなどの養殖業界にも出荷停止を呼びかける予定で、大半の魚種で市場への鮮魚入荷が激減すると見られ、市場の価格が一時的に高騰する可能性もあるようだ。
首都圏で食品スーパーを展開するコープネット事業連合(さいたま市)は「休漁日数が今後も増えれば、価格への影響は出てくるかもしれない」と懸念している。

…以上、毎日新聞(6月25日11時57分配信)より抜粋。

この燃料費高騰に限らず、日本人が大好きな魚の流通が根本的に変わろうとしており、今までのように安価にて魚を食卓に乗せることも、1皿100円にて回転寿司で気軽に魚が食べられなくなる時代が直前にせまっている。鳥インフルエンザ、BSEの発生以来、安全と健康志向が全世界に広がり、魚食ブームにわく欧米諸国や、巨大胃袋を持つとされる中国での消費量がのきなみに増えているのが原因のようだ。特に水産物マーケットの台風の目になっているのが中国で、輸出国だったものが急速に消費国に構造転換をしており、マグロや伊勢エビなど、高級食材から大衆魚まで、世界の魚が一斉に中国へと向かい始めている。従来、日本人が1年間に食べるマグロは、およそ55万�で、世界のマグロ漁獲量の4分の1を独占していたものが、供給不足に陥りだしていると言う。日本の商社が、海外のバイヤーに買い負けし、日本向けに十分な魚が確保できない事態が相次いでいるのも原因らしい。この分で行くと燃料費高騰が起点にて、本当に水産物が手に入らない時代が来るようで恐ろしい。

このことで一番に影響を受けるのが回転寿司の業界じゃないだろうか。大阪にて誕生したベルトコンベヤーで寿司皿を流し、食べた分だけ請求するこの仕組みは、いっきに全国、または海外にも広がり、日本食ブームの火付け役となり、そして魚食ブームを拡大させたと言える。もし、この回転寿司から水産物(主に魚、海老、イカ、蛸、蟹等)がなくなった場合、どのようなメニューにて流れるのかを考えた…
●いなり ●かっぱ巻 ●納豆巻 ●新香巻
●干ぴょう巻 ●梅しそ巻 ●トンカツ巻
●わさびなす ●ハンバーグ ●卵焼き ●照焼きチキン
●豚カルビ ●鶏炭火焼き ●アボガド ●生ハム
●コーン軍艦巻き ●うずら山かけ軍艦巻き …など。

よくよく考えると回転寿司に出かけると上記のネタを特に食しており、めったにマグロ、イカ、タコ、エビ、タイ、ハマチ、えんがわ、サーモンの皿には手が伸びず、もっぱら凝り性な性分にて、1、2種類のみを徹底的に流れてくるのを待って食べるものである。一時は「わさびなす」に凝り、流れて来た皿は全て取り上げ食べつくす、その内、調理場もやけにわさびなすが出ると思うと、しまいには10皿ほどが続けて流される。これも次々と取り上げ、ゲームのように食べるもので、他の魚のネタには見向きもしない独特な食べ方なのである。最近は「ニシ貝(サザエ風味)」に凝り、流れてくる皿は全て食べつくすのである。流す側も心得たもので、“またニシ貝の好きなお客が来ている”と、その後は大量に流される。結構、回転寿司では魚は食べていないように思う、その点ではお安くできた人物なのだろう。

この回転寿司でのけったいな体験がトラウマとなり、このような偏食気味な食べ方になったと思う。その経験とは回転寿司が巷で話題になりはじめた頃、南大阪あたりの寿司屋の表に「回転寿司をはじめました」との貼紙があり、暖簾をくぐって店内に入ると、中華料理店にある回転テーブルの中央のところに穴を開け、そこにその店の親父が入り、その周りに客が5〜6人テーブルを囲んで座るスタイルに驚かされた。注文をすると親父は、注文した客の方に自ら回転し、そこで注文のネタを握って渡す。それぞれの客が注文する毎に、親父が自ら体を回転させるという何とも奇妙な回転寿司。あまりの滑稽さに、寿司が喉を通らず、食べなれた卵焼きやかっぱ巻を注文したのが、どうも癖になったようだ(笑)。

とにかく回転寿司に限らず、水産物の高騰につながる今回の事態は、海を持たない奈良県人(もともと私は大阪人なんだが…)としても大事件である。農作物の不作からの高騰、また食料のはずのトウモロコシやサトウキビがバイオ燃料にされており、地球環境変化からも近未来の食糧難が懸念されてしまう。この分で行くとテレビ番組「無人島O円生活」での“よゐこ”の濱口のように、自ら水中眼鏡をつけて、モリで魚を突きに行くしか魚は食えなくなるのじゃないだろうか…。

2008年6月24日 (火)

60歳以上のファストフード店員増加!

6fu5fiqk 気配り上手な60歳のファストフードの店員が増加中。このままいけばいずれメイドカフェにも進出するのだろうか…萌え〜!
10年前に2年間ほど、仕事で東京と大阪を頻繁に往来していた頃があった。多忙ゆえに朝食、昼食、さらには夕食までもファストフードで済ませることも多く、マック、ケンタッキー、ミスド等で過ごした記憶がある。関西風に言うとマクド、ケンタ、ミスド(語尾下がる)又はミスタードーナッツ(これだけフルネームで呼ぶ人も多い)となるが、そんなファストフードの店で働く店員が60歳以上の人も増えつつあるそうだ。
私も数年前に地元の大型ショッピングセンターの中にあるマクドに出掛けた時、そのあどけない、いやあなどれない老け顔にマンベンの笑顔(マクドナルドではスマイル0円)で接客する店員に出くわし、「いらっしゃいませ〜。お持ち帰りですか。こちらで召し上がりますか」と聞かれ、頭が真っ白になった状態であたふたと「持って帰らせていただきます」と情けないほどの敬語?にて緊張したことを思い出す。その後もその店をはじめ、他の店でも60歳以上の“シルバークルー”の姿を目にしており、最近では結構見慣れても来ている。少子高齢化と共に働く意欲のある元気な高齢者も多く、「サルサル チキン フィレオ」や「シャカシャカ チキン ブラックペッパー」などの舌のもつれそうな名前を確認するところは少々たどたどしい人も見受けられる。このような60歳以上の店員がたくさん働くファーストフーズ店が最近は地方に限らず、都心部でも増えつつあるようだ。
J-CASTニュース(6月23日11時55分配信)の記事では…

60歳以上の店員がたくさん働くファストフード店がある。店側からすれば、若い人材が集まりにくいという窮余の策ではじまったのだが、いまではお客に対する「気配りがすごい」といった積極的な評価になっている。
60歳以上の店員が5分の1を占めるのは、全国展開するファストフードのチェーン「モスバーガー」五反田東口店だ。「アットホームな雰囲気がいい」と、近隣のオフィスから通う常連客も多い。人生経験の豊かな「熟年」は若い店員よりも気配りができて、気持ちの良いサービスを受けられるというのだ。しかし、ファストフードというスピード感が求められる場で、働けるのだろうかという疑問もある。
モスフードサービス広報担当者は、「1つ1つ作りたての商品を提供し、おもてなしを重視するモスバーガーのスタイルだからできること。他のファストフード店のように右から左へと作業をこなさなければならない宿場ではこうはいかない」という。
モスバーガーでは注文を受けてからハンバーガーやポテトなどを作るため、待ち時間が5〜10分程度発生する。その時間を退屈させないのが、良いところだという。若い店員の場合は注文を受けた後はお客に背を向けて、作業に没頭してしまうが、「今日はお天気でよかったですね」といった会話をしてうまく間をつなぎながら作業をする。こうした気配りは店が教えたのではなく、自発的にやっているそうだ。同店の30代の店長や若いスタッフらは、「こうした姿勢を学ばなければいけない」といっているそうだ。60歳以上の女性店員にとっては、立ち仕事で体力的にも厳しい面もあるが、「お客様と接するのが好き」「若い人と働きたい」といい、楽しんで仕事をしている。(一部省略・抜粋)


このように60歳以上、中には70歳以上の現役も採用されているファストフード店もあるようだ。よく温泉旅行に出掛けるが、その際に部屋への案内、夕・朝食の給仕をする熟年の仲居さんが気さくに話しかける気配りに似て、喧騒の都会の中、ホッと安心する人が多いのではないだろうか。特に東京は単身者、または核家族化が進み、若い世代にとっても異世代との触れ合いは新鮮に映るのだろう。

ところで私は大学卒業後、幾つかの業界の企業を巡り、25歳で独立し、それ以後フリーのプランナーを行ってきたが、40歳の節目の冬に何を血迷うたか突然、冬のお歳暮時期の郵便局の配送センターへの深夜アルバイトに出かけたことがある。郵政省時代であり、このアルバイトも年齢制限はなく高校生・大学生から70歳代のヨボヨボの爺さんまでが30名近く同じ部署に雇われ、深夜に5、6回トラックがお歳暮商品の荷を降ろしに来る。それをベルトコンベアーで流し、配送地区毎に仕分けをして、また地区毎に輸送されるトラックに積み込む仕事である。若い者は重いみかん箱、りんご箱を3つも、4つも運んでいる間に、その高齢者アルバイトは1つのおかきの箱を運び、また若者がビール5ケースを運ぶ間に、高齢者アルバイトは干ししいたけ1、2箱を運んでいた。これで同じバイト料とはいただけないとつくづく感じたものだ。
私はその時間給850円程で、深夜10時〜早朝5時まで働く肉体労働にて学生時代を思い出し、また1本○○〜○○○万円と自分でギャラ設定をし、企画書作成、現場運営する中で麻痺した労働における報酬のあり方を再確認する絶好の機会となった。その冬はもっとも寒いシーズンで20日以上の本業をサボっての自分さがしのバイトだった。

とにかく幾つになっても働く場があることは喜ばしい。このまま90歳、いや100歳以上もの店員が働いているモスバーガーの店舗も出現するかもしれない。その場合はテレビドラマに登場する熟年の大女優にシャがかかっているように、高齢な店員にはきっとモスがかかっているのかもしれない(笑)。

2008年6月22日 (日)

アジサイの葉で食中毒!

Wumnhamc 料理に旬の色添えのつもりが、アジサイの葉を添えたことで、客の表情が青くなったり、赤くなったりの「七変化」!
この季節、雨に打たれながら青色、薄紅色、紫色など「七変化」を見せるアジサイが目に止まる。もともと日本原産の最も古いものは、青色だという。花のつぼみの頃には緑色、それが白く移ろい、咲く頃には水色、または薄紅色となる。咲き終わりに近づくにつれ、花色は濃くなると言う。結構、アジサイは好きな花であり、「食べてしまいたい」とは言わないが、この時期の携帯電話の待ち受け画面に貼り付けているほどである。そんなアジサイの葉を飲食店で出して、それを食べた客が食中毒を起こしたニュースが飛び込んで来た。

●実は毒!うっかり食卓に…アジサイの葉で食中毒
茨城県は22日、つくば市内の飲食店で料理に添えられていたアジサイの葉を食べた客8人が食中毒症状を訴えたと発表した。2人が病院で検査を受けたが、全員快方に向かっている。県によると、アジサイの葉などには「青酸配糖体」と呼ばれる有毒成分が含まれ、胃の中の消化酵素と反応することで、青酸(シアン)が生成され、中毒症状を引き起こすという。
店はアジサイが有毒植物と知らず料理に使ったとみられ、県は「アジサイの葉による食中毒は極めて珍しい」(食の安全対策室)としている。
つくば保健所によると、13日夜、同市金田の飲食店にいたグループ19人のうち、34〜60才の男女8人が、食事を始めて約30分後に嘔吐などの症状を訴えた。8人はいずれも「鳥肉梅しそ和え」に添えられていたアジサイの葉を食べたことが判明した。
(産経新聞・2008年6月22日19時39分配信より)

確かに料理(特に日本料理)は、季節の旬を感じさせる演出が求められ、その旬の食材や草花などを盛り付けるが、その毒性を調べもせずにアジサイの葉を料理に添えれば、オオバやパセリのように思い、そのまま口に運んでしまうだろう。アジサイには青酸配糖体を含み、ヒトが摂食すると中毒を起こす。症状は、過呼吸、興奮、ふらつき歩行、麻痺などを経て死亡する場合もある。まさに美しいものにはトゲ、いや毒があると言えるのである。万一摂食した場合の対処療法としては、亜硝酸ナトリウムやチオ硫酸ナトリウムの静脈内投与が有効とされる。

雨の日はドライブがてらアジサイ寺に出かけるのが好きである。住んでいるのが奈良市内のため、矢田寺(奈良県大和郡山)、長谷寺(奈良県桜井市)、そして三室戸寺(京都府宇治市)などに出かけ、雨に色づくアジサイの群集を眺めているのがことのほか癒される。まだまだ七月に入っても見ごろであり、梅雨のこの時期にこそ出かけていただきたいものだ。しかし、決して食べるものではなく、鑑賞するのみと言えるだろう。

2008年6月21日 (土)

平城遷都の新キャラ「なーむくん」登場

Baaepbuv 奈良県の「平城遷都1300年祭」のマスコットキャラクターのバトルが熾烈に、第三のキャラクター「なーむくん」登場!
すでに「平城遷都1300年祭」の事業協会が選定した「せんとくん」を不服として、市民が独自にキャラクター募集・投票にて選んだ「まんとくん」が対抗馬に現れているこの時期に、また第三のキャラクター「なーむくん」が奈良市の寺院などでつくる親睦団体『南都二六会」(会長・橋本純信・十輪院住職)により6月20日に発表された。まさに意地と意地がぶつかるキャラクター合戦は、本来のマスコットキャラクターの意味を逸脱し、それぞれの思惑が全面に出て来ており、共倒れの様相を呈している。この分で行けば、これらの3つのキャラクターを不服とする第四、第五…以上の団体がキャラクターを持ち込むおそれもあり、まさにアバタのような「キャラクターのデパートや〜」の状態が懸念されるだろう。
今回の第三のキャラクター「なーむくん」の登場について、今朝(2008年6月21)の産経新聞・朝刊から抜粋すると以下の内容である…。

奈良市内などの寺院の親睦団体「南都二六会」は20日、聖徳太子をモチーフにした独自キャラクター「なーむくん」=添付イラスト=を発表した。地元デザイナー団体が公募で選んだ「まんとくん」に続く“第三のキャラ”の登場に、同祭の事業協会は困惑している。
むーなくんの名は仏教に帰依を意味する「南無」に由来。仏教の興隆に努めた聖徳太子にちなみ、まゆ毛と目を太子が制定した十七条憲法の「一七」に見立てている。
南都二六会が事業協会にせんとくんの再考を求めたことを知った高松市の竹材加工業、平野重夫さん(73)が発案し、デザイナーが制作したものを同会が採用。今後、遷都1300年に伴う同会の行司や印刷物などで活用するという。
これに対し、事業協会は「公式キャラはあくまでもせんとくん。聖徳太子と平城遷都1300年との関連がよくわからず戸惑っている」としている。
▲出典:産経新聞(2008年6月21日・朝刊)の記事より抜粋


元来、マスコットキャラクターは視覚的にその商品や事業等の趣旨・目的を対象者に認知・訴求するものであり、ビジュアル・アイデンティティとしてのイメージの浸透を図ることにあるが、最近では「可愛い」「面白い」「楽しい」だけのアイキャッチ的な描かれ方が多く、キャラクターだけが一人歩きし、本末転倒になっていることも否めない。
ここで今回の「平城遷都1300年祭」の事業目的を記載すると…「“美しい日本、はじまりは奈良”を合言葉に日本の歴史文化を世界に発信し、21世紀の地球社会にふさわしい平和で豊かな文化の創造に資するとともに東アジアをはじめ世界各地との交流の拡大を図り、活力と創造性に満ちた社会の構築に寄与することを目的とする」。またテーマは…「歴史文化の対話と交流」とある。
この趣旨・テーマから今回の3つのキャラクターが登場し、対話と交流を図っているのであれば、その意図を理解しないこともないが、気をてらったキャラや、大量にあるゆるキャラの中に埋没しそうなキャラ、また昭和時代に描かれた信金の「しんちゃん」のようなキャラは、それぞれに面白くもあるが、事業協会・市民団体・寺院の親睦団体の思惑ばかりがキャラにかぶってしまい、素直に受け入れられず同祭に訪れた人々も困惑するに違いない。同じ対抗馬のキャラクターを作るのなら、平城遷都1300年に引っ掛けて、1300ものキャラクターを作り出し、それらを着ぐるみにして平城宮跡にて「平城京キャラクター・テーマパーク」を設けた方が幾分注目され、集客動員につながるだろう。

さて今回の「なーむくん」への感想だが、キャラクターそのものがひと昔前の信金の「しんちゃん」やヤンマーの「ヤン坊、マー坊」、かねてつの「てっちゃん」を思い出させる意匠である。そして事業協会も困惑する聖徳太子(まゆ毛が十七条憲法)を題材にしているもので、平城遷都1300年との関連が当てはまらない点である。聖徳太子が活躍したのは500年末〜600年初頭であり、そこから約百年後の710年の平城遷都とは何ら無縁のはず。また710年(和銅3)に遷都された時には、内裏と大極殿、その他の官舎が整備された程度と考えられており、寺院や邸宅は、山城国の長岡京に遷都するまで、段階的に造営されていったと言われている。つまり遷都された当時は寺院もなく、ましてや聖徳太子のゆかりのものもない状態にて、今回の「南都二六会」が持ち込んだ「なーむくん」はどう理解すればいいのだろう。
また「南無阿弥陀仏」の「南無」から取ったその名前は、宗教色が強く反映されており、他宗派の「南妙〇〇〇〇」などからの反対はないかが心配される。奈良県下には多くの宗教団体の本部もあり、仏教のみに関わらず神道系の団体からも賛同が得られるかは不明である。その点、「せんとくん」は、仏をイメージする童子と神の仕えである鹿の角を描き、神仏融合を表現していたが、「なーむくん」は仏教の興隆に努めた聖徳太子の子供時代をキャラクターとしたに過ぎず、何も同祭のキャラクターでなくとも仏教界や斑鳩・明日香地域で別に使えるものではないだろうか。

奈良県の県民性は「奈良の寝倒れ」と言い、非常におっとりした性格で気が長いとされ、保守的にふるまうと言われるが、今回の平城遷都1300年祭キャラクターにおいては、全国からも注目され、また炊きつけられ湿った薪も燃え出したと言える事態である。どうも一枚岩とはいかず、事業協会も安易に衝突を避け、何でも受け入れてしまうからこのような3つのキャラクターが登場してしまったと言えるだろう。前代未聞の騒動は収まるどころかマスコミの取り上げにより笑いものになりつつある。
キャラクターなどは万民全てが納得し、好みとするキャラクターは存在せず、ネット社会の発言の自由から市民という匿名にてどんどんと不評・不平・不満が出され、好き勝手にこんなキャラクターならと今後も出てきそうな予感がする。この際だから主たる目的である「平城遷都1300年祭」はそっちのけで平常心を失ったキャラクター合戦を続けるがいいだろう。

本当のところこんなに騒いだ「キャラクター・バトル」も蓋を開けてのイベント事業本番において、中身のない、見どころのない、集客力もない内容にこそが今後不安視するべきである。まだまだ実態が見えない記念事業は、市内の道路工事ばかりが目立ち、それでいて観光誘致に重要なインフラ整備やソフト開発がまだまだ進んでいないのが現状だ。
とにかく第三のキャラクター「なーむくん」の出現で、さらに新たなキャラクターが各種団体・組合より持ち込まれることを期待し、どんどんと既存のキャラクターの存在そのものを希薄にすることを願う。そして、その時にこそ公式キャラ「せんとくん」の奇抜さと斬新さが際立つと言えるだろう。これは何でもかんでもマスコットキャラクターを作る風潮を正す好機かも知れない!

(注)私ごとで恐縮ながら、先の「まんとくん」に関するブログの末尾にTBSの番組「みのもんたの朝ズバッ!」へのテレビ出演がある旨を記載し、実際に撮影クルーに囲まれての取材を受けたが、本番では放送されませんでした。「8時越え」のコーナーにて確かに“平城遷都キャラ特集”が放送され、奈良市内にて取材した内容がありましたが、当日に「立てこもり事件」が急遽ニュースとして入ってきた為に、私のコメント映像がボツったと言うこと。まぁ、よくあることではあるが、当ブログの執筆者・プランナーの顔をご覧頂く機会を失っただけ(笑)、またの機会にお目にかけましょう!

2008年6月20日 (金)

死刑執行に伴う「死に神」報道

Sxgnycb1 「死に神」は死刑の執行にあらず、このネット社会の中に潜む「死に神」こそが今の凶悪犯罪を生み出していると、もっと報道すべきである!
近年は猟奇的な殺人や無差別殺人が横行し、その犯人の一方的な欲求であったり、社会に対する憤りの捌け口として、まったく無縁の人々が惨い殺害方法にて命を失うというケースが増えているように思える。その捕えられた犯人は、不可解な供述を繰り返し精神鑑定を行い、また必要以上に控訴を続け、弁護側も「死刑回避」を訴えるが、そこには被害者の立場や家族の精神的苦痛と怒りにおいて居た堪れない長期間の裁判が行われ、そしてその間に被告(犯罪者)は謝罪の言葉すらも持たずに留置されている。そして死刑が確定した後も法相が死刑執行に踏み出さない限り、拘置所内で生き続けていると言うのである。
そこには罪と罰の考えがあるだろう。罪を犯せばその報いとして罰せられる。人の尊い命を奪った場合には、それは自らの命にて償うしかないだろう。もしこの世に被害者と加害者の二人しか存在しないのであれば、弱肉強食にて加害者は罰せられることはないが、社会という倫理と規約(法律)が存在し、多くの人々の感情(憤りや恐怖感など)が罪人に対する存在そのものを許しえない場合には死刑はやむを得ないのである。確かに冤罪の恐れや同情を誘うこともあるだろうが、世間を恐怖に落とし、また身勝手で残忍な犯行が多くの証拠や証人により証明でき、裁判の中で「死刑」と判決確定した場合は、やはり一定期間内の早期執行が妥当とされるだろう。
今回の死刑執行を行った3名の中の1人、連続幼女誘拐殺人の宮崎勤死刑囚は、88〜89年に東京・埼玉で連続的に事件を起こし、同事件の発生から丸20年も経過しての刑の執行になる。被害者の家族にすれば長い年月での無念と苦痛があるだろう。最近に引き起こされた「秋葉原通り魔事件」などを見れば、その犯人の一方的な欲求から事件を引き起こし、まったく恨みを買うことのない人々を死傷させたことを考えれば、もっと迅速に裁判を進め、死刑確定の折は、その執行を20年もの時間をかけるなどもっての他である。
刑事訴訟法では「確定から6ヶ月以内の執行」というものがあり、本当なら宮崎死刑囚は06年2月の判決確定以後、9月までに執行されるべきところであったと言えるだろう。その経緯を知らない人々にとっては、まだ執行されていなかった驚きがあっただろう。これには歴代の法相が“死刑執行”という判断を下すことを回避し、司法にて確定した裁きを実行しなかった為に100人を越える死刑確定者がまだ執行されずに生きながらえているというものだ。
現内閣の鳩山邦夫法相は昨年12月に就任以来13人もの死刑執行を行い、抑制的に進められてきた執行の在り方が様変わりしたと言える。93年の死刑執行再開以降、最多の執行命令をした法相という事実も重く、執行までの期間も短縮化されつつある。この死刑執行について朝日新聞が18日付夕刊で「死に神」と報道し、物議を醸している。その記事を以下にて紹介する…。

●死刑めぐり朝日新聞“死に神”表現、法相激怒「侮辱だ」
今月17日に幼女連続誘拐殺人事件の宮崎勤死刑囚(45)ら3人の死刑執行を指示した鳩山邦夫法相について、朝日新聞が18日付夕刊で「死に神」と報道したことについて、鳩山法相は20日の閣議後会見で、「(死刑囚は)犯した犯罪、法の規定によって執行された。死に神に連れていかれたというのは違うと思う。(記事は)執行された方に対する侮辱だと思う」と強く抗議した。「死に神」と鳩山法相を表現したのは、18日付朝日新聞夕刊コラム「素粒子」。−以下省略−
(産経新聞・2008年6月20日・夕刊より引用)


確かに死刑制度を巡ってはさまざまな議論もあり、仮釈放のない「終身刑」導入の声もあると言えるが、やはり何の落ち度もない被害者を残忍な方法や自らの欲望、欲求のために殺害したのであれば、それは死を持って償う以外にはないだろう。将来のあった幼女4人の命を奪っても、その犯人が償えるのはおのれ1人の命に過ぎず、死刑でも割りがあわない計算であり、それを「終身刑」にて社会から保護し、隔離しながら生かすことはあまり名案とも言いがたい。
法治国家である我が国は、この死刑制度をもたない時は、“あだ討ち”が存在し、被害者の家族が犯人を探し当て、さらに次なる殺傷事件を生んでいた。当然に犯人を首尾よく葬ればいいが、逆に返り討ちにあうこともあり第二の悲劇、そしてさらなるあだ討ちと連鎖が行われたものである。確か私の祖々父母の時代(江戸末期)に畿内にてあだ討ちがあったとも聞く。それから考えれば法の下、裁判を経ての刑の確定と執行はやむを得ないと言えるだろう。

来年(2009年)5月21日から裁判制度が実施されるというのに、死刑を判決した国民から選ばれた裁判員は、やはり「死に神」と呼ばれるのだろうか。法の下、死刑執行をおこなった鳩山法相が「死に神」であれば、もちろんその裁判にて死刑判決を言い渡した裁判官も、また今後の裁判員(市民から選定)も「死に神」と言えるだろう。
この裁判員制度は、国民の皆に裁判員として刑事裁判に参加してもらい、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決めてもらう制度で、その対象となる事件は次のようなもの…
〇人を殺した場合(殺人)
〇強盗が、人に怪我をさせ、あるいは死亡させてしまった場合(強盗致死傷)
〇人に怪我をさせ、死亡させてしまった場合(傷害致死)
〇泥酔した状態で、自動車を運転して人をひき、死亡させてしまった場合(危険運転致死)
〇人の住む家に放火した場合(現住建造物等放火)
〇身代金を取る目的で、人を誘拐した場合(身代金目的誘拐)
〇子供に食事を与えず、放置したため死亡してしまった場合(保護責任者遺棄致死)

とにかく市民が死刑判決を決めることもある裁判員制度のスタート目前のこの時期に、「死に神」報道はいただけない。もし裁判員として裁判に参加し、その判決そのものがマスコミ報道により歪められたり、また変に圧力をかけるようなことがあってはならないと言える。死刑そのもの議論もあるが、それは裁判員制度にも影響をあたえるもので、今回の「死に神」報道は行き過ぎなように思える。

なぜか今回のブログは重々しいニュースを取り上げたが、この数ヶ月間での凶悪犯罪とそれに関係するネット社会の危ういさが、どうも今までの犯罪そのものを変えつつあると感じるからだ。それは秋葉原通り魔事件で、その事件現場をリアルタイムに写真や動画を携帯電話やPCを用いて報じた、個人メディアとなったネット社会があることを懸念するからだ。怪我人を救助するどころか、遠巻きから笑顔を見せて友人や知人に携帯電話で生中継する輩、さも「おいしい事件に出くわした」とにわかジャーナリスト気分で携帯電話のカメラで動画・静止画を撮り続ける輩がいたことを危惧する。まさにインターネットは世界発信できる個人の大量のメディアとなり、善も悪も同居する無法地帯化していることの方が「死に神」を生み出していることを、マス四媒体の要(活字媒体)である新聞が書き立てるべきだと思う。

2008年6月19日 (木)

24時間テレビ・マラソンランナー決定!

0txybzlp 人生も地球も一からやり直せる…をメッセージにエド・はるみが『24時間テレビ』のマラソンを走る!これってグゥ〜な人選ではないだろうか。
時たま街中をドライブしていたら目にする福祉車両のボディにラッピングされた日本テレビ『24時間テレビ・愛は地球を救う』。すでに今年31回目を迎える夏の恒例番組として社会福祉・医療をはじめ、環境問題を取り上げ、24時間(週末の2日間)を通じて様々なドキュメンタリー番組やレギュラー番組を構成・編成し、さらには拠点となる日本武道館でのチャリティー募金風景をはじめ、日本テレビをキー局とする系列の全国の放送局や地域も加わり多額の募金額を集める有意義な番組と言える。

知人のYTV系の制作プロデューサーもこの時期は、この『24時間テレビ』のロケ隊として借り出され、畿内の福祉・環境問題を捉えたロケ取材や募金場所となる京阪神の拠点に出向くとされる。炎天下の真夏に24時間はかなりキツイものではあるが番組終了時には言いようのない達成感があると言う。また同じ達成感として、大晦日の特別番組で除夜の鐘を山奥の寺院に出かけて放送し、また翌朝の山肌から見える初日の出を生中継するのもあるそうだ。その何分、または何秒かの映像を撮るために徹夜で底冷えのする寺内で待機、さらには初日の出が拝める山頂で待機することも大変ながら、一年の中の恒例番組としては是が非でも通らなければならない仕事と言える。
そんな裏方やボランティアが活躍する『24時間テレビ』の見どころは、やはり24時間をかけて凡そ100キロの距離を走りぬく恒例の“チャリティーマラソン”と言える。日頃お茶の間にて登場するタレントが歯を食いしばり、ゴールとなる日本武道館を目指す姿が番組と番組の合間に登場し、そのリアルタイムでの頑張る姿に感動する人々も多く、まさに走るランナーは24時間の電波ジャックをするほどに注目度の高い存在と成り得る。

今日(2008年6月19日)の朝の番組『ズームイン!!SUPER』をたまたま見ていた時、昨年のマラソンランナーを務めた萩本欽一(欽ちゃん)が登場し、“今から今年の『24時間テレビ31・愛は地球を救う』のマラソンランナーとなる本人に発表に行こうと思う”と切り出し、別なる番組にて楽屋で待機中のその候補者のところに局アナの西尾由佳里と共に出かけた。通路を通って幾つかの楽屋を通り越し、お目当ての候補者がいる楽屋が番組内で映り、そしてドアをノックして、そのお目当ての本年度マラソンランナーが登場。

そこにいたのは現在人気沸騰中のお笑い芸人(東京吉本所属)のエド・はるみだった。バラエティ番組等で『〇〇グゥ〜』を連発し、お茶の間にて笑いを取る彼女である。突然の訪問と萩本欽一から「今年のマラソンランナーはあなたに決定です!」と告げられても、その事態が最初は呑み込めないのか「えっ!?本当ですか?」と信じられない様子だった。その後、事態が把握できたのか…同マラソンの出演は自分の夢でもあり、6年前から「勝手に走って練習していた。HPにも、そのことを書いていて(スタッフに)いつか目に触れて欲しいと思っていた」と告白し、目に涙をためて喜びを語った。今回の同番組の本番は8月30日(土)よる6時30分スタートで、今後は約2ヶ月しかない準備期間にて、100キロを走破する練習に明け暮れることになるだろう。
過去のランナーを見れば、その当時の時流のタレントや俳優もいたが、どちらかと言うと下降気味のタレントも多くいたように思える。逆に登り調子にある今回のエド・はるみに白羽の矢が当たったことは好ましい傾向だと言えるだろう。特に今年の北海道洞爺湖サミットのテーマである“地球環境問題”“地球規模の食糧難問題”をはじめ、ミャンマー・中国四川省、そして岩手・宮城内陸で起こった大災害や確実に迫る地球温暖化に対する緊急対策が求められるだけに、今回の『24時間テレビ』は31回目を数え、さらに関心事を高める必要性があったと言えるだろう。

仕事柄、徹夜にて企画作業の多い時期にあり、仕事場のテレビにて『24時間テレビ』を視聴しながら、またその中でフラフラになりつつもゴールを目指して走る姿には、徹夜仕事にて完成を目指す自分と重なるところも多く、番組と共に過ごすことも多いと言える。

今回のエド・はるみに関しては、40歳を転機に「ふつふつと湧き上がる笑いに対する情熱を抑えきれず」との思いからお笑い芸人を志し、吉本興業の養成学校「東京NSC」11期生に最年長として入学し、2006年に皆勤賞で卒業した変り種であり、また努力家でもある。何歳であっても、また別なるキャリアがあったとしても、自分のやりたい事が見つかればそれに向けて一からやり直したい、という気持ちで挑戦する姿はきっと今回のマラソンにも感動を生むに違いない。人生80歳、90歳時代の今、44歳を迎えたエド・はるみは、まだ半分の人生が残されており、折り返し点の手前にある。たとえ折り返し点を過ぎてもやり直しが効く事を今回のマラソンの中で多くの人々にメッセージとして届けられれば良いと思う。特に最近のネットカフェをねぐらに世をはかなんでいる連中やニートたちにも“一からやりなおせる”との気持ちを喚起させて欲しいと願うばかりである。
しかし今回のエド・はるみは、小島よしおやにしおかすみこ、鳥居みゆき、柳原可奈子ではなくグゥ〜な人選と言える。ただ、番組もサンジュ〜1回ということで、世界のナベアツでもオモロ〜、かったかも…。

2008年6月18日 (水)

手打ち士認定会の強制文書?

Vfkmaxdp うどん・そばの手打ちには認定証が必要なのか…。長年、培った門外不出の技術や工夫までもが、一定の基準や審査員に認められなければ不合格は、現時点で繁昌する店の職人やそこで満足するお客様に失礼だろう!
最近は検定や認定が数多く登場している。地域振興の一環の中で、より地域資源を広く地元や全国に知っていただく「ふるさと検定」などはあくまでも地域のファン層を増やす上で奨励もするが、プロの技術と知識を認定試験(ペーパー&実演)という形態にて推し量る仕組みについてはいささか賛成し得ないところも多い。確かに業界の最低限のボーダーラインを決め、それにそぐわない業界人には早々に職を変えるか、またさらなる研鑽を積ませることになるが、一つ間違えば認定こそがプロの証となる。あくまでもプロは、需要と供給、お客様(スポンサー)から依頼されて、その仕事をさまざまな手法と現状の経験とノウハウ、そして独自性の対応力で如何に満足した仕上がりを魅せるかにあり、あくまでもプロとして認定するのは依頼主のお客様であると考える。
医者や弁護士、教師、公認会計士などにおいては、その公的な仕事における正当性と確実性を求められるが、クリエーティブなる創作(アイディアと創意工夫)を要する職種に関しては、下積み時代から失敗や成功を積み重ね、これぞ自分が目指す商品(作品)であると自らが生涯に渡って追い求めつづけ、その商品(作品)を求めるお客様側の意向と納得により、プロとして認められ、また育てられるというものである。確実にプロとしての名声を得たとしても、時代のニーズやお客様の声、さらには物価、経済の変動に対応できなければ経営することも立ち行かなくなる。その意味で本当にプロの職業人としての認定証(ライセンス)が意味を持つのか、どうかははなはだ疑問視されるだろう。

そんな検定や認定が持て囃される中、「うどん・そば手打ち士認定会」に不参加を表明した店に対し、「参加しなければ信用できない店としてリストアップされる」などと強制的とも取れる文章を郵送したという事実が6月13日に発覚した。これは今月17日(火)〜19日(木)に大阪・南港のインテックス大阪(大阪市住吉区)で開かれる展示会『うどん・そば産業展2008』のイベントに特別協力と出展ブースを持つ大阪府麺類食堂業生活衛生同業組合(大阪市西区)が主催する「うどん・そば手打ち士認定会」における参加を促すA4判の文書の文面に記載されていたとのこと。
この認定会はどのようなものかと言えば、まず参加者は審査員の前で手打ちを実演、合格すれば認定書がもらえる。審査料や登録料として4万2000円を支払うが、事後に組合に加入すれば最大3万円が戻って来るという。組合側は4月に近畿地方で「手打ち」の看板を掲げる店約300軒に組合加盟店の参加を呼びかけた。しかし、参加の返事があったのは10軒程で、それ以外は無回答から不参加だったため、先月末から参加を促す文書を送りつけたというもの。下記はその文章である…

拝啓 初夏の候、貴店ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
さて先日より何度かご案内させて頂いています、インテックス大阪にて開催の「うどん・そば産業展2008」での、業務手打士表示認定会の件についてですが、うどん・そば産業展には多数のマスコミ報道関係者が来場されるそうです。(産業展主催:トレードショーオーガナイズ�説明)当社報道関係は私どもと同レベルの情報(一覧表)は既に取得しておりますでしょう。
せっかくの機会ですから、会場にも一覧表を張り出し、「お店紹介」として一店ずつナレーションを入れていこうかと考えておりますが、不参加店様のご紹介の際の欠席の理由を、苦慮しております。なぜなら認定会(公衆の面前)での紹介の出来ないお店は、証明の出来ない店としてリストアップされますゆえ、貴店のマイナスイメージを免れません。それどころか、信用の出来ない「麺類業界」として紙面をにぎわす様なこともあり得ないともいえません。自店の為、業界の為、急ぎ欠場理由またはエントリーでFAXにて事務局までお送り下さい。
欠場の理由は、多忙、金銭的理由、この認定会に賛同できない等々あろうかと思います。お忙しいとは存じますが、同じ同業者、業界として「偽称」等の一掃、業界の躍進にご協力のほどよろしくお願い致します。…業務手打士認定実行委員会<大阪麺類組合>


…と、まさに横暴な文面と言えるだろう。あくまでも自由参加のはずの認定会が、これに参加しなければマイナスイメージ(ブラックリスト)にのせざるを得ないと脅迫気味な言い回しであり、最後には欠席理由を一方的に“多忙、金銭的理由、この認定会に賛同できない”と分っていながらに強く圧力をかけていることが読み取れる。
この文章を読みながら、以前、某イベント会社から届いた文書を思い出していた。それは「弊社にて長年勤めた社員Aが一身上の理由で退社した後、弊社の取引先や下請け会社を持ち出し、独立したもので、誠に不誠実きわまりないので、皆様は是非ともAの会社とのお取引きをお控えください」などの閉口したくなるような文面にも似ており、丁寧な表現ではあるが、確実に圧力を感じる文面が今回の手打ち士認定会の参加を促す文書と似通っている。

まったく迷惑なのは17日から3日間、インテックス大阪で開催される『うどん・そば産業展2008』側であり、そのサイトを見つけ、そこに今回のことが書かれていたので下記に紹介する。

本日(6/13)、当展示会内にて開催される「うどん・そば手打士認定会」への参加につきまして、一部報道がございました。本件につきましては、出展者である「大阪府麺類食堂業生活衛生同業組合」が自社ブース内で開催するイベントであり、主催者ならびに運営事務局は、本イベントの企画、運営に関し、一切関知しておりません。
また本報道による「うどん・そば産業展」の開催に対する影響は一切ございません。関係各位の皆様には、何卒ご周知いただけますよう、宜しくお願い申し上げます。…「うどん・そば産業展」事務局


…以上の文面がサイトに記載されていた。実際には「うどん・そば産業展」のいち出展者に過ぎないと無関係を主張しているが、実際には特別協力の名義にてこの組合を取り込んでいるのも事実である。今回の認定会における参加呼びかけの文章は、まさに組合と店(うどん屋、そば屋)の力量を試し、その部分で審査・登録料を支払うことを強要し、さらには組合に加入することを強制していることが読み取れる。
この文章を受け取った大阪市内の手打ちそば店主は「店が忙しく、組合にも入っていないので参加を断ったら、突然文章が送られてきて驚いた。味はお客さんが決めるものと思っている。お金のかかる大会への参加を強制する組合の考え方は傲慢としか思えない」と怒り心頭。まさに当ブログの冒頭に書いたが、プロか、アマかは組合や同業者が決めるものではなく、あくまでもお客様(スポンサー)側で決めることにある。ましてや認定証をもらったからと言っても客足が大きく増え、売上が大幅アップとは行かないだろう。全ての手打ちの技量を一定基準に保つことを意味するもので、その店(職人)の独自性や秘法の隠し技さえも失われるものである。お金を出して「旨い」から、このうどん、そばを食べたいと足を運ばせるお客様の舌までも審査しているような不思議な話である。
イベント業界にあっても10数年前から「イベント業務管理者資格」なる認定資格があるが、これもすでにイベント事業を数十年経験し、近代のイベントを企画・運営・管理・演出してきた業界先輩方も認定を受けなければプロではないと圧力をかけているようで、賛成し得ない感想をもらしたことがある。料理もイベントも発想をはじめ、その商品として完成、実施するまでは各々違った独自のノウハウやプロセスを持っており、これが正しいという基準はないものである。あるとするならば下積みを経験した後、仕事での信頼と安心、さらには納得いただく出来映えこそがプロフェッショナルの証である。
料理やイベント(祭りやバザールも含め)は、誰もが取り組めるものであり、最近ではふるさと体験(ワークショップ)やカルチャー教室などで「うどん打ち、そば打ち」の体験などが頻繁に行われているが、そんな素人と違うプロのうどん屋、そば屋は、実際にお客様に食していただき、その売上げにて生計を立てていることがプロの証明と言えるだろう。不味ければ、またサービスや価格が不満足であれば、当然にして客足は遠退き、廃業と言う憂き目を見るものである。常連客にて「ここのうどんが好きだ、食べ続けたい」と言う声や経営的にやって行けるのであれば、それは手打ちのうどん屋、そば屋としての認定をすでに受けているものと言わなければならないだろう。

今やなんでもかんでも認定制度を作りたがるが、それを管理する組合や協会のビジネスチャンスや天下り先を創り出すだけで、その対象者の向こうにいる消費者・利用者をないがしろにする制度は改めるべきである。この傾向が進めば、仕舞には「うどんのすすり方認定制度」「立ち食いうどん屋の立ち方認定制度」等、おちおちうどんを気軽に食べれなくなるのじゃないだろうか…。

◎参考資料/産経新聞(2008年6月13日)夕刊より引用。

2008年6月16日 (月)

岩手・宮城内陸地震とプランナーの死

Ypb8e8t8 宮城県栗原市の地域再生に助力したプランナーと「鉄道博物館」学芸員の死に、心から冥福を祈る!
大きな爪あとを残した岩手・宮城内陸地震の際に行方不明になった方々の救助が今も続いているが、昨日(6月15日)には土砂によって押し流され、建物の1階部分が押しつぶされた形で温泉旅館「駒の湯温泉」から3人の遺体が発見された。一人はその旅館の女将・菅原チカ子さん(80才)であるが、残り二人は過疎や住民の高齢化で元気がない宮城県栗原市の再生に協力していた地域づくりプランナー・麦屋弥生さん(48才)と多くの鉄道ファンに知られる昨年10月に開館した東京都北区の鉄道博物館学芸員・岸由一郎さん(35才)だった。共に宿泊客として旅館に滞在し、今回の地震に遭遇したというものである。

産経新聞(6月15日19時20分)の配信からは、次のような記事となっている…

14日の岩手・宮城内陸地震で、宮城県栗原市の温泉旅館「駒の湯温泉」の災害現場で遺体で発見された東京都北区の鉄道博物館学芸委員、岸由一郎さん。鉄道ファンから突然の悲報を悼む声が上がっている。
岸さんは、昨年10月に開館した鉄道博物館の学芸員として、実物車両36両を時代ごとに展示したヒストリーゾーンを手がける一方、ボランティアとして全国の古い車両や駅舎の保存活動に精力的にかかわっていた。
岸さんは、廃線になった第三セクター「くりはら田園鉄道」の資産の保存活用に関する検討委員会のメンバーとして、13日に会議に出席し、この旅館に宿泊。一緒に行動していた東京都葛飾区の地域づくりプランナー、麦屋弥生さんと地震に遭遇した。


…以上のように、宿泊客だった岸さん、麦屋さんは、この被災地である栗原市の地域再生(観光産業づくり)や近代産業遺産の保存・活用に向けた取り組みを依頼され、その現地にて今回の被災に巻き込まれた形となっている。私も近年、地域再生における企画依頼やアドバイザーとしてお声掛けをされることも多く、また近代産業遺産の保存・活用に関しても廃線跡の線路や鉄橋、また駅舎の活用などにも現場へ下見に出かけることも多々ある。
地域づくりプランナーとしては、もっとも机上の空論はあってはならないことであり、その地域に根を張るが如く、地域を知ることから入らなければならない。地域振興には「若者・よそ者・ばか者」というのがあり、若者の視点や発想、時にはよそ者が見る視点とニーズ、さらには馬鹿げた発想も地域再生の意識改革にはなくてはならないものとされる。しかし最も重要なことは地域に住む人々を知り、共に汗をかいて事業を推進することに他ならないと考える。よそ者のアドバイザーやコンサルティングならば、より時間と誠意をもって取り組まなければならないと言えるだろう。その意味で地域づくりプランナーの麦屋さんは、大学卒業後、日本交通公社に入り、観光計画などを専門とする仕事に長く携わり。平成18年10月からは、栗原市の観光や産業の育成を支援する「観光・交流による地域づくりプランナー」を務めていた。
「大切なのは『地域の光を観せる』こと」。麦屋さんは、1月の栗原市広報誌で佐藤勇市長と観光について会談した際、こう強調したという「観光は、市民の方々がもう一度地域の光を再認識し、自分たちの古里を再評価して、そこで生きていく自信を付けていく事業だ」と熱意を語っていたと言う。またプランナー就任後の約1年半の間に約40日にわたり市に滞在。歩き回っては歴史や文化などを学んだ。「『栗原の人以上に栗原を全国に発信していきたい』と栗原市のことを思ってくれた」と、同市企画部長はそう語り、麦屋さんの死を悼んだそうだ。(産経新聞6月16日朝刊より抜粋)

一朝一夕には知識やノウハウ、さらには取り組む姿勢は生まれない。特に方向性を判断し、舵取りをまかされることの多い地域づくりプランナーは、長年の経験と多岐に渡る造詣深い経験が要求され、地域再生のベテランであった麦屋さんの犠牲は業界全体においても大きな痛手でもあるだろう。
特に私とは面識はなかったが、名前だけは存じ上げていた。中でも草津温泉、山中温泉など温泉観光地の再生や自治体の観光振興計画の策定においてその業績は顕著であり、私も旅行会社と関わるフリープランナーとして、どこかで接点を持っていたと言えるだろう。
まさに栗原市の地域再生は、優秀な2名の協力者の犠牲と共に地震にて破壊された山村部の復興が先決となり、振り出しに戻るところかマイナスに働いた感は拭えないが、逆にこの地震を契機にその爪あとを保存し、「地震の被災地」としての見学コースを作り出し、再生への市民の姿を見せる新たな観光産業の取り組みを図ってもらいたいと願うばかりである。

私が平成18・19年、そして今年3月まで、アドバイザーとして関わってきた奈良県大和高田市の地域振興の成果が、地元の人々の手によってさらに広がりを見せている。昨日(6月15日)のNHK『のど自慢』は、大和高田・さざんかホールから中継され、その番組の冒頭にて、過去に大和木綿の産地として栄えたことから遊休田畑に綿畑[わったーランド]を作り、市民をあげて綿作りを地域資源として進めていると共に、当ブログでも紹介した「白拍子」の里として、静御前が余生をおくった地(母・磯野禅師の生誕の地でもある)としてPR及び活動する『夢しずかプロジェクト』も取り上げられた。まさしく麦屋さんが言うように地域再生は「地域の人々が光を再認識し、自分たちの古里を再評価して、そこで生きていく自信を付けていく事業だ」というのは私も同感である。地域再生はまずは地元民が地域における誇りを持ち、その熱意から立ち上がることにあると言える…。

最後に、この度の地震にて犠牲になられた方々、そして岸由一郎さん、麦屋弥生さんのご冥福を心からお祈りする…。

◎参考資料/産経新聞(2008年6月16日・朝刊)より抜粋

2008年6月15日 (日)

岩手・宮城内陸地震が発生!

Oshzll5w 芭蕉が歩んだおくのほそ道に地震が発生!山越えに難儀し、一夜の宿を乞う…芭蕉。
中国の四川大地震を“対岸の火事”として見てはいなかっただろうか…。テレビ(各種媒体)や街頭でのミャンマー及び四川大地震の募金活動に参加した方も多いと思うが、地震大国である日本の地下には多くの活断層が広がり、沖縄から北海道まで、どの場所でも地震が起こることを近年証明されている。比較的、地震と縁遠いとされてきた関西に6千人規模の死者を出した「阪神大震災」以降、少しの地震にも反応し、また関心の高さがうかがえる。その中で起こった四川省の大地震、そしてこの6月14日朝に発生した岩手・宮城内陸地震で、震度6強(M7)が観測され、現時点で死者6人と行方不明者数10人、重軽傷200人以上に登り、河川や道路、家屋の倒壊、山崩れなどによる山間部の町村との寸断など一瞬にして環境(自然環境・生活環境等)が一変したと言えるだろう。
気象庁によると、午前8時43分ごろに震度6強を記録後、午後10時までに震度1以上の余震を197回観測した。震度6強は昨年の新潟県中越沖地震以来で、地震の規模は当初、マグニチュード(M)7と推定されたが、その後7.2に変更された。M7を超える内陸部の直下地震は過去50年で、平成7年の阪神大震災と12年の鳥取県西部地震に続き3回目という。また今回は「北上低地西縁断層帯」と呼ばれる活断層の一部が起こした可能性が高く、この断層帯は国の地震調査研究推進本部が指定した全国110の主要活断層の一つとされる。
当初、これまでに公表された地震の長期予測によれば「この断層帯ではM7・8の地震が起こり、その確立は今後30年間にゼロ」とされてきたが、これで調査研究の不確定さが明らかになった。まさにナマズ様の地震予測の方がはるかに確立が高いように思われる。地震前には鳥が群れをなして逃避行し、家畜の動物がそれ相応のSOSを発信することに敏感に反応していれば、多少なり被害を免れるだろう。現在、気象庁が地震が起こる直前に電波メディア等にて発する「地震緊急速報」も、突然すぎて成すすべも無く、「地震の発生を数秒前に知っても、どうしようもない」と疑問の声が少なくない。陸上の短距離選手でもあるまいし、緊急速報があった後に、その地点からスタートダッシュしても数百メートルも行かないところで地震に遭遇し、今回の岩手・宮城内陸地震での死者となられた1人の男性は、建物から瞬時に飛び出して大型車両にはねられて亡くなったケースもあり、突如来る地震に動揺することの方が多いのではないだろうか。例えば数日前、数ヶ月前に〇月〇日、〇時に地震が起こるというのであれば、早めの避難や移住をすることもあり得るが、それはまだまだ難しく、逆に的確な預言者の声に耳を傾け、信じるしかないだろう。

先日の四川大地震を予知していたブラジルの予知能力者(予知夢による)、ジュセリーノ・ノーブレガ・ダ・ルース氏(48)は、日本に関する多数の予知も公表している。「08年夏、日本でデング熱が大流行する」「09年1月25日、震度8、9の大地震が大阪で発生し、50万人の死者を出す」「10年には東京・横浜で大地震が発生する」との興味深い警告を発している。さらに注目したいのは「08年4月又は5月14日に千葉でM6・7の地震が起きる」とも公表し、その6日前の5月8日、茨城県沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生。この地震は千葉県銚子市でも震度4を観測し、マグニチュードは6.7だったそうだ。ジュセリーノ氏は5月5日に来日し、この地震に日本で遭遇した。また同氏のアジア代理人で日系2世の山川栄一氏(48)によると、地震直後、同氏は「近いうちに大きな地震がくる前兆だ」と呟いたという。まさにこの呟きが今回の「岩手・宮城内陸地震」だったと言うわけか。それともさらに大規模な地震(「週刊ポスト」2月8日号=8月6日に東京でM6.5の地震、9月13日に東海大地震M8.6により3万人が被災、600人以上の死者がでる…を警告)があると言うのだろうか…?

●山崩れ 川流れて、道あらたまり
…これは松尾芭蕉の『おくのほそ道』にある宮城県あたりの山野を巡る際の過酷さを歌ったものである。この一文がどうも今回の岩手・宮城内陸地震に重なって思い出された。4月上旬から約1ヵ月半に及ぶ入院生活を余儀なくされた折、暇な時間を費やすあまり「おくのほそ道」を特集する雑誌『サライ』にて東北の芭蕉の俳句を読む機会があったが、その東北の地に地震が起こるとはまさに予知でもしているような不思議な気分である。そして松尾芭蕉が岩手県の高館に登り<国破れて山河あり>と杜甫の漢詩『春望』を引き、無常観に堪えかね、『おくのほそ道』に記された一文を紹介しよう。

●時のうつるまで なみだを落とし 侍(はべ)りぬ

まだまだ災害への油断できない時代になったということ。すでにいま現在でも今回の地震での余震が250回以上を数えており、これ以上に被害が出ないことを願うものである。

◎参照資料/産経新聞(2008年6月15日・朝刊)、雑誌『サライ』(小学館・5月1日号)より一部引用。

2008年6月13日 (金)

たばこ1箱1,000円を検討中!

Ocwiuiff 暮らしに直結するガソリン1�1,000円のことを考えれば、愛煙家には申し訳ないが、欧米並に嗜好品のたばこ1箱1,000円はやむをえない政治決断と言わざるを得ない?!
生まれてこのかたたばこを吸ったことがない。幼い頃から愛煙家の親父を見て来て、口や鼻から煙が出ることの不思議さといぶかしいほどのその煙にそぐわない感があったからだ。女性がたばこを吸う姿に惹かれるとも言うが、どんな美人でも口や鼻の穴から煙がもうもうと上がっているのは人体を煙突にしているようでそんなに美しいと感じたことがない。ファッション的にたばこを吹かせたいのは分るが、もともと人間の体から煙が出ているのは滑稽に思えてしかたがないのである。私がいる業界には愛煙家が多く、会議や打ち合え時には会議室に充満する煙の中でアイディアを練ることも多く、たばこを吸わないものの間接的には、今までに大量の煙を吸っていたと言える。それが原因かは知らないが、昨年末から大病を患ったもので、その因果関係もまったくないとは言いがたい。それほどにまわりにいる人々が愛煙家であり、ヘビースモーカーが多いことに改めて再確認するのである。最近は禁煙者や禁煙場所が増え、ここにも愛煙家にとっては肩身の狭い思いをしていると言えるだろう。
そんな愛煙家にとって重大ニュースと言えるのが増税論議にて突如浮上したたばこにおける大幅増税である。産経新聞の記事からすると…

たばこ1箱1,000円?与野党協調で大幅増税を検討
基礎年金の国債負担率引き上げを来年度に控え、2.5兆円の財源捻出が大きな政治課題となっている中で、与野党がそろい踏みでたばこ税の大幅増税に向けて動き出した。超党派の「禁煙推進議員連盟」(会長・綿貫民輔国民党新党代表)の有志議員が6月11日に、久々に議論を再開するほか、経済成長を通じて財政再建を目指す「上げ潮」派も超党派の“たばこ1箱1,000円議連”を発足させる運びで、1箱の平均価格を欧米並みの1,000円に値上げすべきとの論調が強まっている。
増税議論のきっかけは3月4日付本紙「正論」欄に日本財団の笹川陽平会長が寄稿した論文だった。「たばこ増税は喫煙規制が進む世界の大勢であり、実現すれば大きな財源になる。国会には超党派の議員立法として正面から取り組んでいただきたい」。笹川氏は、たばこ1箱の値段を平均1,000円に値上げし、現在の消費量が維持されるならば、消費税4%に相当する9兆5000億円の税収増が見込まれると試算。仮に消費量が3分の1になっても3兆円の税収増が見込め、「消費税よりも先に論議すべきテーマだ」と断じた。
来年度から基礎年金の国庫負担率を3分の1から2分の1に引き下げることが決まっており、必要な2.5兆をどう手当てするかに頭を悩ませていた与党がこれに飛びついた。
……途中省略……
町村信孝官房長官も6月2日の会見で、笹川氏の提案を「大変面白い」と賛同。民主党の鳩山由紀夫幹事長も5月31日、横浜市で「たばこの税金を増やし、その分で高齢者の保険料を高くしないように考えていく必要がある」と街頭演説をぶった。民主党内では議員立法でたばこ税を引き上げる動きもあるという。
愛煙家からは「喫煙率は男性でも5割を割り込んでいるのに、取りやすいところから取るなんてこそくだ」(自民中堅)との不満も漏れているが、財政難や喫煙による健康被害を盾にされ、分が悪いことは間違いない。


以上のような内容である。愛煙家にとっては日本財団の笹川陽平氏も余計なことを「正論」に書いてくれたと思うであろう。元来、たばこを吸わない者にとっては痛くも痒くもないことだが、1日に数箱のたばこを吸う愛煙家にとっては許されない暴挙と言えるだろう。まさにたばこ3箱なら1,000円ほどで済んでいたものが、その3倍の3,000円となれば、1箱に留めるしかないように思える。
では、たばこを販売しているJT(日本たばこ産業株式会社)はどのように考えているのかと思いサイトを覗くと以下のコメントがあった…

たばこの大幅増税に反対する会社コメント
報道によれば、「増税による1箱1,000円」や「たばこ大幅増税」との議論がなされています。
たばこは約2,700万人のお客様に親しまれている大人の嗜好品です。愛煙家の皆様は、たばこに関する諸規制が強化される中、マナーの向上や、たばこをお吸いになられない方々への配慮につとめられております。そうした中、このたびの「たばこ1箱1,000円」の議論は、既に1箱190円の個別物品税の中で最も高い水準の税を負担されているお客様に、これまでの3倍以上の高い価格を強いるものであり、到底、お客様の納得が得られるものではないと考えます。

報道によれば、社会保障費等の財源確保のため、消費税増税の変わりにたばこ税を大幅増税するともされています。社会保障費等の財源をなぜ、既に約2兆3千万円もの税貢献をされている愛煙家の皆様だけが、更に負担しなければならないのか、これは全く税の公平性にかける論理であり、安易な議論と言わざるを得ません。
国内のたばこ市場は、成人人口の減少や高齢化の進展等により、構造的な減少傾向にあります。こうした状況の中で、2003年、2006年に増税が行われましたが、そのたびに消費の減少が加速し、当初期待された増収は実現しておりません。したがって、たばこの担税力は既に限界にきているといえます。今回議論されているような大幅な増税は、大規模なたばこ離れを引き起こすことは必至であり、期待する増収効果が得られるものではありません。
また、たばこ税の増税が医療費削減につながるとの主張もありまずが、医療費増大の原因をたばこだけに求めることに科学的な根拠はありません。たばこは、合法の嗜好品であり、消費削減を目的とするペナルティ的な増税はすべきでないと考えます。加えて、仮に「たばこ1箱1,000円」となった場合、たばこ耕作農家、たばこ販売店をはじめとするたばこ業界および地域経済にも壊滅的な影響をもたらすことになります。
今回の「たばこ1箱1,000円」に象徴される議論は、不足する財源確保のための「取り易いところから取る」という安易な増税議論があり、当社はたばこ税の更なる増税には断固反対します。(2008年6月11日)


…とのJTの会社コメントが掲載されていた。確かに最近はマナーも守る愛煙家も多いが、高速道路脇の植え込みや信号待ちの路上に多く散乱する吸殻やそれをポイ捨てする瞬間を見た場合、それら愛煙家のマナーはまだまだ向上されていないことを知る。またテレビ番組で高校生役の不良グループは必ずたばこを吸うシーンがあり、未成年の「たばこ=違法なる行為」として描かれる。また歩きたばこや終日禁煙の表示がある駅のプラットホームでわがもの顔でたばこを吸う輩もまだまだ見かけるだけに愛煙家もさまざまと言えるだろう。
JTは中国の冷凍ギョーザ事件など不運が続くが、その混入された毒以上にたばこの害があると言うのだ。先のブログでも書いたが再度、そのたばこの害をここに記載する…。

●有害物質
たばこの煙には4000種類の化学物質が含まれており、そのうち200種類以上は有害物質とされる。中には殺虫剤などに使われている成分と同じものも含まれる。
●死亡率
たばこを吸わない人と比較し、「喉頭がん」…32.5倍、「肺がん」…4.5倍。たばこを吸うほど死亡率は上がっていると言える。
●たばこを吸わない人への影響(受動喫煙)
夫が1日20本以上喫煙するときの妻の肺がん死亡率は1.91倍。もちろん、妻じゃなくても家族全員が影響を受ける。
子供にとっては、気管支炎や喘息など呼吸器系の疾患のリスクが2倍に。幼児においては約5倍。
以上は禁煙貯金のサイト http://www.nobu-nobu.com/tabako/gai.html より引用。

とにかくそれでも吸いたい方は1箱1,000円であろうが吸うだろうし、納税者として愛煙家は胸を張って吸えばいいだろう。たばこはあくまでも嗜好品であり、いまや値上げが続くガソリンや食料品の方が暮らしに直結し、これ以上の値上がりはごめんこうむりたいところだ。政府もたばこの増税に国民の目を向けて煙に巻く算段かもしれない。

2008年6月12日 (木)

インドで魔術を使ったと生き埋め

E_i11h2s まだまだ世界には「魔術」「呪い」が存在している!そして我が国にも凶悪事件の裏に潜む巨大な怨念が感じられもする。善が封印され、また悪が解き放たれているようだ!
まだ存在するのが魔術や呪いの類である。生命に関わる病や人生を脱落するほどの不運が身に降りかかると、まさに神にもすがる思いが働くが、それとは裏腹に誰かが自分を呪ってはいないだろうか。魔術によって不幸へと念じてはいないだろうかと考えてしまうことがある。日本においても歴史上に様々な祟りや呪い(魔術)がらみの事件があるのも事実であり、平城京や平安京の都市づくりに鬼門や結界がはられており、役行者や安倍晴明等で注目された陰陽師などもこれらの呪術を使ったとの逸話が多く残る。そんな非科学的な事件が現代にあることも事実であり、インドのグワハティーからの6月11日、ロイター配信の記事は次の通りである…。

●インドの家族4人、魔術を使ったとして生き埋めにされる
インド北東部アッサム州の村で、魔術を使ったとして家族のメンバー4人が村人に石などで襲われた後、生き埋めにされたことが分った。地元警察が11日に発表した。この村では、住民の1人が病気で死亡したことを受け、被害者の男性(65)がこの住民にのろいをかけたとの疑いが浮上。10日夕方より村長宅で行われた会合に呼び出され、村人数百人から魔術を使ったとして非難された。
その後この男性と妻、息子と義理の娘の4人に対して村人が石やレンガで襲い掛かり、近くのジャングルに生きたまま埋めたという。同州では過去数年間に、魔術を行ったとして近隣住民に殺害された人の数が500人以上に達しているそうだ。

まさに21世紀の現代にも魔術は存在し、IT国家として進むインドでも非科学的な裏世界は存在している。日本でも以前に某宗教団体が、教祖と信者の数十名で1人の女性信者を悪霊祓いと称して、殴り殺すと言った悲惨な事件もあったが、まさにマインドコントロールにて信じることで、善悪が超越し、群集心理が働き、率先する指導者(村長や教祖)の声により途方もない暴挙に走らせるものである。
まさに天竺(インド)は魔術が今尚、使われ続けており、「呪い」や「怨念」を信じる人々が数多くいる国でもある。それを証明するニュース(2007年11月14日 国際ニュース:AFPBB)をもう一つ紹介しよう…

●インドの男性がイヌと結婚、15年前の「呪い」を解く為
インド南部のタミルナド州のヒンズー教寺院で11日、農民の男性と雌イヌの結婚式が行われた。この男性は15年前にイヌ2匹を殺したためにかけられた「呪い」を解くため、雌イヌと結婚したという。同州シヴァガイガン県に住む新郎のSelvakumarさん(34)は、15年前、自分の畑で交尾していたイヌ2匹に石を投げて殺し、死体を木に吊るした。するとその数日後、耳が聞こえなくなり話すことも歩くこともできなくなった。医師がさじを投げた頃、ある呪術師にこう言われた。「お前が殺したイヌに呪われている。呪いを解く方法はただ一つ。イヌと結婚して添い遂げることだ」
以来、Selvakumarさんは自分の花嫁となるイヌを探し回った。そして最近になって友人から4歳の雑種のイヌ・Selviちゃんをもらい受けることができ、11日にヒンズー教式の本格的な結婚式を挙げることに至った。挙式当日、サリーと花輪をまとったSelviちゃんは、村の女性たちにより寺院に連れて行かれたが、群衆に驚いて「逃走」。だがまもなく「夫」のもとに連れ戻された。
新郎の友人の1人は、こう呟いたという。「イヌの花嫁は、呪いを解くだけのもの。呪いが解かれたら、やつは本物の花嫁を見つけるつもりさ」

この不可解な話もまたインドの「呪い」「魔術」と言える。殺した2匹のイヌも不幸な話ながら、花嫁として選ばれた雌イヌもたまったものじゃない。また、あくまでも「呪い」が解かれるためのもので、呪いが解かれれば本物の花嫁をもらうと言う。それは先妻がイヌで、後妻になるというもの。それもまたおかしな話でもある。真顔で結婚式を教会で執り行い、そして親族や友人が集い、それを祝福するのも「呪い」というものを信じるがためでもあるだろう。

日本にも昔より八幡の大蛇に見る人身御供の伝説や大きな蛙に嫁がせた花嫁の話、そして築城や架橋、堤防工事などの大規模な建設現場で、地盤を固める目的で、人柱とされた人たちも多数いた。自ら望んでなる人もいたが、なり手がない時は近所の村の娘、子供、老人、罪人、たまたま通りかかった人などから選ばれることも多かった。中には嫌がられるのを無理に説き伏せてというケースや、生前に人柱になる代わりにかなえてあげると約束した案件を反古にするケースもあり、そうした場合には成仏できない霊が怨霊と化し、人々を呪って祟りを起こすわけである。
この築城に関する人柱怨霊伝説が国内の様々な名城に残っているのも事実である。また、出羽三山など東北に現存する即身仏のミイラとなった上人もまた浄土への再生を願って自らが断食の上でミイラ化したと言われるが、実際には上人たちの身辺を洗ってみると、出身は乞食であったり、老齢であったり、武士を殺した前科持ちであったりと「人柱」としての無理からの入定であったケースが多い。まさに「呪術」は、今も世界のいたるところで存在し続けている。

この最初に取り上げた悪霊の話も群集心理としての村人が、魔術を行った男とその家族4人を生き埋めにする行為の方がもっと恐ろしい。そしてこの度の東京・秋葉原の無差別殺人事件の現場で、まだ被害者が救命にて一部の通行人と医師たちに介抱されているところを、「すごい現場を目撃した」と携帯電話のカメラで悲惨な現場を撮り、友人にメール発信するものや笑いながら知人にその現場を中継するものや、早々と事件後にブログやチャットで情報(写真)が次々にもたらされ、まさにジャナリスト気分で現実を楽しむ輩がいたことの方が「魔術」以上に恐ろしいと言わざるを得ない。
今の日本は「魔術」「呪い」はなくとも、すさんだ心の闇の部分で、善悪を見失い、節度や理性すらもなく、エゴイスティックな自己中心的なものの考え方しか出来ない者が増えつつある。まさにこの国は何か大切なものを封印し、そしてとてつもない闇の世界に牛耳られ、「呪い」をかけられているようで末恐ろしいと言えるだろう。

2008年6月11日 (水)

素麺は保存食のはずでは…

Zmzcojme 賞味期限の表示がなかった頃は、カビがないかを目で確認し、鼻で臭いを確かめ、舌先で味を吟味し、これならまだ食べられると祖父母は食べていた記憶がある!
夏は関西において、よく冷やし素麺(そうめん)を食べる機会がある。さっと湯がいて、その後に冷水でしめて、用意した氷を入れた器に盛り付け、鰹だしの素麺つゆに薬味を入れていただくとそばやうどんでは味わえない清涼感があるわけだ。主に乾麺で流通するため市場では通年入手でき、冬場に「にゅうめん」として温かくいただくものもある。乾麺のものは保存性は良いが、他の麺に比べて虫がつきやすく長期の保存が心配されている。但し、長期間保存され油分が抜けるとサラサラとした口当たりになり食味が増すとして、虫がつくほどに保存したとの意味で「虫つき素麺」と称し珍重される場合もある。
素麺は全国の主な産地として、三輪素麺(奈良県桜井市)・揖保乃糸(兵庫県たつの市)・小豆島手延べ素麺(香川県土庄町・小豆島)・島原素麺(長崎県南島原市)・半田素麺(徳島県つるぎ町)・淡路素麺(兵庫県南あわじ町)等などがあるが、その素麺の発祥の地は、唐より伝来された奈良時代に遡り、奈良県桜井市(三輪素麺)とされている。そんな三輪そうめんに賞味期限改竄問題が発生し、業界全体のダメージを懸念する声があがっている。

具体的には三輪素麺の老舗、奈良県桜井市の森井食品による賞味期限改竄が発覚し、業界がダメージにつながりつつあるということだ。食の安全が注目される中、農林水産省は「消費者をだます表示は許されない」と厳しい視線を向けるが、素麺は本来保存食で、業界では「2〜3年ものが一番おいしい」とも言われる。今後は品質に問題なくても廃棄や家畜の餌になる可能性が高いという。
「そうめんは古ければ古いほどにおいしいという世界に育ってきた。しかし、昨今の食をめぐる不祥事を考えると、業界の常識は通じなかった」。同社の森井一晶社長は6月6日、農水省から日本農林規格(JAS)法に基づく改善命令を受けて謝罪した。同社は平成13年から、1年半の賞味期限で出荷した商品のうち返品分の中身をチェックした上で、賞味期限をさらに1年半先延ばしして再出荷していたが、改善命令を受け入れ今後は廃棄処分にするという。
もっとも同業他社は「改竄・再出荷はあり得ない」と口を揃え、桜井市の別の業者は「一度出荷されたものは、消費者の信用を考えると二度と使えない。シーズン中に一生懸命売るしかない」と強調した。返品された素麺は、品質に問題がなくても廃棄されるケースが多く、家畜の餌や飲食店への値引き販売などに回されることもあるという。
素麺業者らで組織する全国乾麺協同組合連合会(東京都中央区)は6月9日、加盟組合に対して適切な表示を徹底するよう通達。地元の三輪素麺工業協同組合の植田一隆理事長も「農水省担当者を招いて講習会を開く」と話す。
ただ、同市内の業者は「寒冷期に丹精して作ったそうめんを捨てたり、家畜の餌になるとは…」と苦渋の表情を浮かべ、「今回の問題で、飲食店向け再販売も困難になりそうだ」と話している。
…以上が産経新聞(6月10日)記事より抜粋。

素麺(乾麺)以外にも保存食は多く、味噌や梅干などは年代物と称するものが高値にて重宝がられ、42年ものの蔵出し味噌や江戸期に漬けられた梅干などはすでに通常の賞味期限を逸脱しているだろうが、あくまでも保存食であり、老舗の鰻屋がつけたすタレや、人気のおでん屋などは戦前からのダシを守りつつ、そのだし汁に追いだしを重ねているという秘伝の味が“賞味期限”や“JAS規格”により制約されれば、何もかもが伝統の味を失うように思える。食べ物に限らず、年代物のワインや日本酒、洋酒も存在し、やれ20年もの、30年もの、中には100年以上の年代ものまであり、貴重な美味を味わえるというのに、将来的に保存食は存在しなくなるようで怖い話でもある。世界的に食糧難を訴える現代、無駄なく備蓄可能な保存食の見直しを行い、決して廃棄するのではなく、世界の食糧難に喘ぐ国や地域に贈ることはできないものか、それを今、考え時である。

話が変わるが関西では、「お好み焼定食」「うどん定食」「やきそば定食」なるものが存在し、お好み焼やうどん、焼きそばをおかずにご飯を食べる定食スタイルがすでに定着している。さらに奈良を中心に「そうめん定食」を扱うところもある。冷やし素麺(にゅうめん)に小鉢とご飯、またはおにぎりや柿の葉ずしをセットにする。この場合はメインが素麺であり、ご飯や柿の葉ずしは添え物のような役割を果たしている。写真は私もよく食べに行く、奈良県桜井市の三輪神社(大神神社)の参道の鳥居の北隣すぐのところにある「森正」の冷やしそうめん(にゅうめんもある)だ。大きな氷の入った器に錦糸卵や味付け椎茸、海老が添えられた冷やしそうめんは、ほど良いそうめんつゆをくぐらせ、喉ごしのある麺を味わうのには最高だ。日本家屋の庭先に設えたテーブルで食べるのはまさに夏の清涼感を味わうもので、是非ともこれからの季節に出かけたいものだ。
最後に定食の話をしたが、私が大阪で事務所を持っていた際の出来事だが、ある中華店に出前を頼むと全ての料理にミニサイズの焼飯が付いてくる。ある時に単品の焼飯を出前注文した際も、ミニ焼飯が別なるお皿で用意するという徹底ぶりに爆笑もしたが、あるテレビ番組にて東京のスタジオ(生番組)で大阪のうどん屋に注文したら飛行機で出前をしていたのにはさすがに驚いた。そこは「注文いただいたらどこへでも出前する」との売り文句があり、本当におかもちを提げて、普段の配達姿で飛行機に搭乗するシーンが絵づら的に面白かったと記憶している。これが素麺ならかなり延びきり、味も損ねるだろう…。

2008年6月10日 (火)

サウジ大使館が献血を呼びかけ!

3flkoxng 世界献血デー(6月14日)にサウジアラビア大使館へ献血車がやって来る!献血参加者にはランチタイム時にはサウジアラビア料理が無料提供される!まさに油を売ってるだけでないサウジの国際貢献に触れてみよう!
世界的な原油の価格高騰の中、サウジアラビアは価格を下げる為に原油の量を増やしてくれた国であり、日本とも親交の深い国と言える。そのサウジアラビア政府が『世界献血デー』(6月14日)を迎えるに、自国民が滞在する各国で献血するように指示を出した。ところが在日サウジアラビア大使館(東京都港区六本木1)が留学生たちに献血させようとしたところ、多くは英国留学経験があるなどの理由で献血できないことが分った。大使館は苦肉の策として、「大使館内でご馳走するので、代わりに日本人が献血して」と異例の呼びかけをはじめた。
サウジアラビア政府は「世界各地のサウジアラビア人が献血し、相手国と友好を深めよう」との試みを各国にある大使館に指示した。在日本大使館も4月、日本の大学などで学ぶ約200人の留学生にメールなどで協力要請を始めたが、留学生のほとんどはヨーロッパへの滞在・留学経験があった。日本は変異型クロイツフェルト・ヤコブ病への対応で、「80〜96年に1日以上英国に滞在した人は献血できない」との献血制限を実施しており、多くの留学生が該当。
しかし、献血は本国政府の指示のため、日本だけ中止することは出来ず、大使館に日本赤十字社の献血車を呼び込み、日本人に献血をしてもらうことになった。その代わりに、特例的に大使館の一部を開放し、昼にはサウジ風炊き込みに肉を乗せた「カプサ」など高級食材のお国料理を振る舞うことになっている。外務省によると、大使館がこうした事情で建物を開放するのは例がなく、日本赤十字社によると、大使館で献血が行われるのも初の試みとされるそうだ。

ファイサル・ハサン・トラッド駐日大使(52)は、「留学生が献血できないことには驚いたが、人類を救うことはイスラムの教え。1人でも多くの日本の方に協力いただきたい」と話している。大使自らの指令で、「金に糸目は付けず最高の素材」(大使館職員)の料理や菓子で礼を尽くすという。まさに原油から血液まで、世界的に減少していることを憂慮してのサウジアラビア政府、または在日大使館の英断が見て取れるものである。

さてその献血のお礼となるサウジアラビア料理を調べると、前記したピラフ風の「カプサ」(ご飯に鶏肉を乗せることもある)は有名な名物料理。これにキュウリを使ったサラダがポピュラーとされる。また、ひき肉や玉葱とヨーグルトを使ったスパゲッティセンヤット・マカロナ・ベルラバンという珍しい料理もある。サウジアラビア料理には、香辛料も多く使われ、“バハラット”というサウジ特有のミックス・スパイスは、黒胡椒とコリアンダーパウダー、シナモン、クローブ、クミン、カルダモン、ナツメグ、パプリカ、カレーパウダー(またはガラムマサラ)、乾燥ライムを混ぜたもので、これに好みによりオールスパイスやしょうがを混ぜて使う。また、お菓子やコーヒー、お茶にもスパイスが使われ、特に甘い香りのカルダモンが好まれている。サウジアラビアは厳粛なイスラム国家であり、お酒はご法度なだけにお菓子類には力が入る。アーモンドパンケーキや、ローズウォーター入りのシロップをつけて食べるエキゾチックな“ルーケマット”という油で揚げたお菓子がよく知られている。さらにコーヒーは世界で初めて飲まれた土地でもあり、現地においては“gahwa”と呼ばれ、コーヒーにカルダモンやバニラを加えたものが主流である。とにかく珍しい料理や菓子が献血の後に用意されることだろう。

私ごとながら昨年末から約1ヵ月半、また4月上旬から1ヵ月半と県内の総合病院・血液内科にて入院し、様々な検査や手術、治療を行なって来た。当然、その間に輸血(血液製剤等)にてお世話になったことも多く、自分の知らないところで献血をしてくれた方々に大変感謝している。世界的に原油等の資源が乏しくなっていると同時に、献血量もまた世界的に減少していることを考えれば、今回のサウジアラビア政府の取り組みも賛同できることと言える。

さて、再度サウジアラビア大使館における「世界献血デー支援=献血活動」をまとめると以下の通りである・・・。
〇日時/2008年6月14日(土)10:00〜12:00、13:00〜16:00
〇会場/サウジアラビア大使館(東京都港区)
〇参加方法/セキュリティー保護のため、事前にサウジアラビア大使館専用Webページからメールで申し込む必要がある。申込み期限は6月10日まで。
※ランチタイムには大使館ロビーにてサウジアラビア料理が献血参加者に無料提供されるそうだ。


まさに血おどり肉たぎるええ話や!また一昔前に安達祐実主演のTV番組の『家なきっ子』の名セリフをもじって「同乗するなら油くれ!」と冗談まじりに原油高騰を皮肉っていた私だが、サウジアラビアも油に限らず、血まで考えていたとは感謝感激である。それに比べ、海外援助とばかりに“お金”を贈りさえすれば貢献したという我が国の外交政治をもっと考える必要があるだろう。こんなところが少しフジテレビの月9ドラマ『CHANGE チェンジ』に感化されはじめているようだ…。
◎参考文献/毎日新聞(6月7日15時1分)配信分、マスコミジャーナルから一部引用。

2008年6月 9日 (月)

船場吉兆vsくいだおれ

6liae2ri 決して忘れない「船場吉兆」のジタバタ劇と「くいだおれ」の潔さ!そこには暖簾分けに対する創業者の思いがあるのだろう!
同じ大阪の料理文化を創り得た船場吉兆と道頓堀のくいだおれが共に店を閉めることになった。船場吉兆は格式も献立や、建具や調度品などをその場の雰囲気や季節に応じて「室礼(しつらい)に至るまで、茶懐石の影響を強く受けている。それに比べ屋号でも分るように「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」という、「京都の人間は着物道楽が過ぎて財産を無くすが、大阪の人間は美食が過ぎて財産を失う」との意味から、大阪人に愛される店づくり、料理づくりをスタートしたところに大きな違いがある。

吉兆は、1930年に創業者・湯木貞一が神戸の料理屋「中現長」から独立し、大阪市西区新町に「御鯛茶處吉兆」を創業した。1939年に株式会社化、その後2回店舗を移転し、第二次大戦後の1949年に茶道具商・児島嘉助の店舗兼本邸を購入して現在の高麗橋店(大阪市)を開く。関西財界を中心として名声を高め、1979年・1986年・1993年の東京サミットで他の有名料亭を押しのけ日本料理担当に選ばれたことで、世界的に知られる存在となった。まさに裸一貫で作り上げた「日本料理=吉兆」の美学があったに違いない。しかし、1991年、創業者の貞一の息子や娘婿たちに暖簾分けの形で独立させて、吉兆グループとしてグループ会社制に移行。長男が本吉兆、長女の婿が東京吉兆、次女の婿が京都吉兆、三女の婿が此の度の問題となった船場吉兆、そして四女の婿が神戸吉兆を継承し、1997年創業者の湯木貞一が逝去した。まさに戦国時代の毛利家の如く「三本の矢」どころか「五本の矢」として盤石を築くはずが、創業者の信念に反して暖簾に胡坐をかいたお粗末な経営にて船場吉兆が廃業に追い込まれたという結果である。

しかし、吉兆グループはやっきになってマスコミ向けに東京吉兆、本吉兆、京都吉兆、神戸吉兆の連名で次なる「ご報告」の文面を各社マスコミに発信した…

1.はじめに
この度の、船場吉兆が自ら吉兆グループのブランドを返上し、吉兆グループから脱退するととみに、料亭としての業務についても廃業をすることを決定しましたのでご報告申し上げます。
船場吉兆において各種法令違反行為が発覚して以来、船場を除く吉兆グループ各社は「吉兆 食のコンプライアンス委員会」を設置し、行動規範に則り規約の作成、委員会組織の整備や各店の品質管理状況の確認、食の知識の向上に努めてまいりましたが、まさに船場吉兆に対して委員会への参加を呼びかけようとしていた矢先に新たに使いまわしの問題が発覚し、非常に残念であると同時に、事前にそうした問題があったことを委員会に対して表明いただけなかったことは現時点においても極めて遺憾であると考えております。
これまで船場吉兆が起こした「食」に関するコンプライアンスやモラル上の問題につきまして、お客様、お取引様、及び関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたこと、改めて心よりお詫び申し上げるとともに、今後このような問題を二度と起こさぬよう吉兆グループ各社が引き続き一丸となって再発防止に取り組んでまいります。
2.「吉兆」ブランドについて
吉兆グループ各社は、創業者である湯木貞一が、1991年に子供たちに暖簾分けの形で独立させ、現在は、個々の料亭及び料理店としての営業会社として存在しております。各社は資本関係がなく、仕入先や営業方法についても独自の経営姿勢を貫いてまいりました。しかし船場吉兆の一連の不祥事を受けて、グループ各社はこれらの問題を真摯に受け止め、再び、創業者「湯木貞一」が目指した食文化の原点に立ち返ることを余儀なくされました。それほど「吉兆」というブランドは大きく、社会的な問題事象として本事件が取り上げられる機会が多々ありました。それに伴い、お叱りやご意見も各店に多数寄せられました。
もともと創業者、湯木貞一は、茶道の精神を愛し、「一期一会」のおもてなしの心を大切にし、お客様にはその嗜好に合わせて、ご提供する料理もしつらえも異なる「One to Oneのおもてなし」の姿勢を貫いてきました。非常に残念なことですが、いつしか船場吉兆はその原点を忘れ、食を扱う者として、してはならない多くの行為を行うに至りました。吉兆グループ各社においても同じ「吉兆」というブランドの重さを十分に認識せず、品質管理に関する相互の監視体制や取り組みに甘さがありました。
……以下、省略・・・・・・平成20年5月28日発信とある。


体裁よく書いてはいるものの、ここには船場吉兆が犯した罪は湯木貞一が暖簾分けした時点から、それぞれの吉兆にて採算ベースにて経営を別個にし、他店は知らぬ存ぜぬとやってきたが、これからは再度ブランドを大切に残された吉兆グループの連携を図りますよというもの。この問題の所在そのものは下手に暖簾分けをした湯木貞一そのものに責任があり、吉兆の料理と経営理念はこうあるべきと十分な教育をしなかったからである。そして、何よりも自分たちの体裁ばかりに固執し、高い料金を払って食べたお客(社会)に対するお詫びがなってないというものだ。財界や政治家、富裕層などのお得意様相手の日本料理の料亭かもしれないが、あまりにも大阪や日本の食文化を破壊した行為と言わざるを得ないのである。

さて湯木貞一が「吉兆」を株式会社化した10年後の1949年6月、道頓堀に山田六郎が創業・開店したのが「くいだおれ」である。基本的に創業者・山田六郎の遺言には「支店を出すな」「家族で経営せよ」「看板人形を大切にせよ」と記され、焼け野原となった大阪で復興に寄与することを目指し創業したとある。くいだおれビルに納まったのが1959年のことで、この際にもいち早くビル内すべてを空調設備完備とするなど最新の環境設備を自慢とした。1階が総合食堂、2階が居酒屋、3階が日本料理店、4〜8階が割烹お座敷があり、食材も集まる流通拠点・商業都市としての大阪のもう一つの顔である、全国各地の名産品が入ることから飲食店が発達している「食い倒れの町」としての側面を体現している。
1959年のくいだおれビルの建設の際には「店頭の人形は撤去すること」が銀行側からの融資条件に含められており、山田はどうしても看板人形を外したくなかったため、同ビルは銀行融資無しで建設されたと言う。
今年7月に潔く、建物の老朽化や周辺環境の変化などを理由に閉店すると報道各社に伝え、4月9日に柿木道子会長と山田昌平社長が記者会見を開き、大阪をはじめ全国的に衝撃を与えた。特にビリケンや通天閣と並び大阪を象徴するオブジェ(動く看板)であるくいだおれ人形はその処遇についても日々話題が高まり、最近ではミュージカルに出演したり、ビーチバレーを観戦したり、あげくには文楽としての「くいだおれ人形」が登場するなど、その注目度を高めている。まさに船場吉兆とは違った大阪の料理界を牽引した名店「くいだおれ」の閉店は寂しい限りである。

最後に船場吉兆が「洞爺湖サミット」の料理を担当するのはどうだろう。汚名返上というよりも“環境サミット”から「もったいない!」をスローガンに、産地偽装をはじめ消味期限の書き換え、そして各国首脳が食べ残した料理を使いまわすというのはどうだろう。その横には「くいだおれ太郎」が太鼓を叩き、また「くいだおれ次郎」が万歳を連呼する、まさに各国首脳もあっけに取られる「くいだおれ」のレセプションこそが地球規模で食糧難が叫ばれる今回のサミットの目玉イベントの筈。吉兆グループにとっても1979年、1986年、1993年以来となるサミットへの返り咲きになるはずだ。
◎出典:フリー百科事典「ウィキぺディア(Wikipedia)」、産経新聞(6月7日11時43分)配信分ほか

2008年6月 7日 (土)

LR水着は確か世界新を連発の筈!

Uybbelx4 水着の所為にするならば、世界新を連発してこそ英スピード社製水着の効果もあるというものだ!
「やっぱり最速水着?」「すごい」。北京五輪での使用水着問題に揺れる中、6月6日(金)に行われた競泳のジャパン・オープンで日本新記録が5つも飛び出し、その全てに英国のスピード社の水着レーザー・レーサー(LR)を着用した選手がたたき出した。選手たちは「五輪に燃えてきた」と喜んでいるが、一連の騒動にも複雑な表情が読み取れた。
口火を切ったのは松田で、男子二百メートルバタフライで日本記録を0秒14更新すると、上田、奥村。中村が続く。そして締めは北島康介で、先月中旬に右肩を痛めたのが嘘のような伸びのある泳ぎで、男子百メートル平泳ぎの日本新記録を約3年ぶりに更新。「体に合っているわけじゃない。それでも速いのは、何かある」と口にした。
5月中旬に肩を痛めて本調子ではない北島はレース直後に苦笑したが、「これだけ記録がいいと自信になる」の言葉は偽らざる本音だろう。「泳ぐのは僕だ」と日本語、英語、中国語で書いたTシャツを着て入場した北島康介。選手をわずらせてきた水着問題も「LRの脅威」が明白になったこの日、「結論」が見えてきた。
しかし、水着素材提供の山本化学工業はまだまだフラストレーションが溜まった状態である。5月30日の日本水連から水着の改善要求された国内メーカー3社(ミズノ、アシックス、デサント)の内、アシックスとデサントは、五輪用水着に山本化学工業の素材を採用したものの、素材を全身に使用せず、LRとの比較がなされていないことを挙げている。山本社長は「私ども中小企業では選手に声が届かない。素材を全身に使用した(ニュージーランド製水着の)試着を希望する代表選手は電話やメールで一報を・・・」と訴えている。しかし、6月10日までに日本水泳連盟は水着提供契約を結ぶミズノなど国内3社に限るとしてきた北京五輪の使用水着について結論を出し、常務理事会でそれ以外の会社製(英スピード社製)も“解禁”する見通しとされている。

なぜ今までに水着にこだわらなかったのかが、不思議でならない。プロ野球の一流選手はオフの間を利用し、バット工場に自ら足を運び、「あーでもない、こうでもない」と直接の注文をバット職人に伝えるという。それなのに遠征予算や合宿予算をスポンサードする契約国内メーカーの水着が悪いと、「泳ぐのは僕だ!」と掌を反したように誰もがLRの水着を着る。全ての国の選手が北京五輪ではスピード社の水着を着るというのはいかがだろうか?これなら不公平にならず、それぞれの泳ぎのテクニックと実力そのものが問われるはずだ。

しかし、日本新で喜んでいては困る。なんでも欧米の選手はこのLRで世界新を連発しているのだから・・・。日本選手もLR水着で世界新を出せば、本当の意味でスピード社の水着を着る意味があるというもの。水着の選択を選手に任せるのであれば、山本化学工業の素材100%の水着で勝負する選手も現れてほしいものだ。
●参考文献/産経新聞(6月7日朝刊)、日刊スポーツ(6月4日9時49分配信分)より

2008年6月 2日 (月)

対抗キャラ「まんとくん」登場!

Hew_hbfw 「せんとくん」と「まんとくん」が激しくバトルを行うキャラ騒動の裏には、第一次大極殿正殿の建築が進んでいるのを御存じか?
2010年の奈良でおこなう「平城遷都1300年祭」のマスコットキャラクター「せんとくん」に対抗して新キャラを市民の手で募集し、ネット投票53,556の投票結果から「まんとくん」なるゆるキャラが選ばれた。
「まんとくん」の名称は、採用決定後に、クリエータズ会議・大和と作者(埼玉県のクロガネジンザさん)が共同で決めたそうだ。漢字では「万人くん」で、万人に愛されて大きく育つよう祈りを込めて名付けたという。「万葉集」の万人、都に満ちる「満都」もかけたそうだ。高齢化が進む奈良県にあって、果たして対抗キャラの「まんとくん」は必要なのかは疑問であるが、気ぐるみにした場合にはかなり動きが制約されそうなフォルムである。それに比べ等身大の人間に角を生やした「せんとくん」は着ぐるみとなれば、その機能性とインパクトは見ての通りで、ゆるキャラの「まんとくん」のようにずんぐりむっくりなキャラクターと違い、500日前イベント、250日前イベント、100日前イベントを無難にこなせそうな予感がする。
ようはマスコットキャラクターが注目されているが、イベントの中身が重要と言える。文化庁が早めに国立公園構想を打ち出し、平城旧跡に一切のパビリオンが建てられないのは、キャラクター以上に物議をかもしているといえるだろう。「せんとくん」には作者への謝礼500万円、審査員の謝礼が500万円の計1,000万円がかかったというが、2010年の遷都1300年祭の目玉は180億円かけた第1次大極殿正殿の復元だろう。国が2001年に着工し、およそ9年を費やした一大事業が目玉となる。市民は「せんとくん」にばかり気にしているが、国の税金が180億円費やされ、2010年4月下旬〜5月上旬の間で大極殿完成式典が行われようとしている方が重要ではないだろうか。誰が住むわけでもなく、ましてや国宝の大仏が収まるでもない施設は、風雨に晒されれば瓦の葺き替えの目安は80〜100年後に必ずやって来る。その子孫に負担を残してまで今、大極殿正殿が必要なのだろうか…。

とにかく「せんとくん」の対抗キャラ「まんとくん」は選ばれた。多くの対抗キャラの中、愛・地球博のモリゾー、キッコロのような手足の短いキャラクターはグっズ向きではあるが、着ぐるみではいまいちの動きになると予想される。この続きはTBS「みのもんた朝ズバッ!」にて私が登場し、明日(6月3日)のAM7:30〜8:30の間で取材を受けている。大きなニュースがない限り、本邦初公開のテレビ映像になっているに違いない…。

2008年6月 1日 (日)

まだいた未知の部族に驚嘆!

_fbcfynl 21世紀の現代において未知の部族発見は大ニュースながら、現代人の考えで押し付けの保護は迷惑と思えるが…!
5月31日の産経新聞の朝刊、巻頭ページに「文明から隔離 未知の部族?」の見出しと共に、全身を朱に塗り込め、刺青を施した未知の部族の写真が載せられ、まさにわご国の鬼伝説を思わせる大発見に驚かされた。大陸の文明を持った弥生人から見ればまさに縄文人はこのような刺青と朱に塗られた褌一丁の姿にて、全国あちらこちらに残る鬼伝説を生んだと言える。しかし、この21世紀にもブラジルの北部・アクレでこのような写真が撮影されるとは誰も思えなかったに違いない。
上空を通過する航空機を見つけた地上の人々が、武器で攻撃を仕掛けているように見える。写真(ロイター)は、ブラジルの先住民保護にかかわる政府組織「FUNAI」の提供で、ペルー国境近くのアクレで今月撮影されたものと言う。「サバイバルインターナショナル」という団体のインターネットサイトによると、この部族を含めて世界には文明との接触を持たない100以上の部族があり、南米では、ペルーで進む違法伐採のためにブラジル側におわれている部族もあるようだ。
国立民族学博物館(大阪府吹田市)の関雄二教授(アンデス考古学)は「ブラジルの国土は広大なので、密林に住みながら外の世界との接触を拒む集団がまだ存在すると考えられている」とする一方、写真に写った人々が新たに発見された集団かどうかは今後の調査しだい、とした。

とにかく飛行機を大きな鳥と勘違いし、攻撃的な弓矢で射落とすなどと考える行為は、未知の部族以外に考えられないものである。この部族にこそ、まだ首狩りや干し首の儀式が続いているようでこわごわと接触したい気もするが、テレビ番組「世界ウルルン滞在記」のようにフレンドにこの部族に入り込みでもすれば、一猛打尽に首でも狩られるのは明白である。元来、日本人もまた長く首狩り族であり、蘇我入鹿の首、戦国武将の首、吉良上野介の首、三条河原の晒し首と近世に至るまで首狩りの習慣を持ち、中国でも殷代の食人、孔子が関わる食人譚、劉備の食人譚、宋代に代表される両足羊はまさに長く食人族を思わせる。欧米では罪人にギロチンという首狩りの処罰を与えるなど、例を挙げれば切りがないほどに、世界的に首狩り、食人の習俗が近世まであったといわざを得ないであろう。しかし、現在は国際的な倫理観がそれを許さず、たとえ秘境の原住民であっても、国際社会に確認され、頻繁に観察され続ける現代にあっては、それを慣習として実行することは不可能と言える。

天理大学付属天理参考館には、世界各地の生活文化資料、考古美術資料を収集・研究・展示するほか、所在地に広がる布留遺跡の発掘調査を行う博物館法における博物館相当施設であるが、ここに「はっ」と息を呑む、干し首が2体展示されている。ちなみに干し首の正式名称は『エクアドルの縮小人首』と称され、エクアドルのシュワル族(ヒバロ族・シュアル族・シュアール族とも)の手によるらしい。
この干し首とは、かつて首狩りを実践していた多数の部族の風習であり、最も有名なのが現在のエクアドルとペルーにあたる地域に住んでいたヒバロ族、あるいはシュアール族の干し首が挙げられる。シュアール族の間では、干し首はツァンツァの名で呼ばれ、宗教的な意義があり、ヨーロッパ人との交易用に非宗教的な干し首も作られたそうだ。
干し首の制作過程は、基本として皮膚の乾燥に伴って行われる。まず犠牲者の頭部から頭蓋骨が抜き取られる。この時、制作者は犠牲者の首の背面に切り込みを入れ、ゆっくりと全ての皮膚と肉を頭蓋骨からそぎ落とされる。東部の肉はタンニンを含む様々な薬草入りの熱湯で茹でられ、制作者によって人間の外貎を留めるように形を整えられながら、熱した石と砂で乾燥させられる。唇は縫い合わされ、頭部はビーズ、鳥の羽毛、甲虫類の鞘翅などの飾られる。
現在では、観光客向けの土産物として、干し首の模造品が作成されているが、鼻毛の有無が、ある干し首が本物か模造品かを見分ける手がかりの一つとされる。その意味で天理参考館の干し首を特とご覧いあただき、自分の判断で本物か模造品かを確かめていただきたいところである。

ブラジルで発見された未知の部族から首狩りや干し首の怖い話をしたが、実際にバラバラ死体の頻繁に起こる現代の事件にこそ、抑圧された首狩り族のDNAが騒いでいるようにも思え、末恐ろしいものを感じる。また、先進国の資源発掘のためブラジルの密林を伐採し、いまやアフリカの支援と格好づけし、その裏ではジャングルを切り拓き、環境破壊を続ける腹である。そうなれば未知の部族どころか、稀少な動植物も絶滅するに違いない。これらの部族に接触し、保護することよりも、そっとしておくことの方が大切なように思えるが、いかがなものか…?
◎参考資料/産経新聞(5月31日)朝刊またはフリー百科事典「Wikipedia」を参照。

2008年5月31日 (土)

予言的中の四川大地震

0sa9dtyn 四川大地震(5月12日)も予知していたブラジルの予知能力者、ジュセリーノ氏は日本の地震もすでに予知している!
病院から退院した5月12日に発生した中国・四川大地震は、すでにブラジルの予知能力者、ジュセリーノ・ノーブレガ・ルース氏(48歳)によって予知され、また中国政府へ手紙で知らされていた事実が判明。同氏は昨年末の著書『ジュセリーノ未来予知ノート』(07年12月25日発刊)と今回の新著で「2008年9月13日、中国トンキン湾か海南島でマグにチュード(M)9.1の地震が発生し、死者は100万人以上に上る。この地震は日本の東海地方で起きる可能性もある」と予知を明らかにしていた。
今回の四川大地震はこの予知に該当するかを質問したところ、同氏は「9月の巨大地震の他に、5月12日に中国でM7.8の地震が発生するという内容の予知をし、昨年には中国政府に手紙で伝えていた」と話した。的中率90%を誇り、8万8千件に上る予知能力者のジュセリーノ氏の言葉であり、今後は疑いの眼にて見過ごすことが出来ないと言えるだろう。

そもそも夢占術は古く、日本でもっとも古い夢の研究家は、後醍醐天皇の時代の玄恵法師と言われている。玄恵法師の場合は、夢を「虚夢・心夢・異夢・現夢」の四種類に分類。また中国でも夢の研究は盛んで、「周礼の六夢」といって「正夢・霊夢・思夢・喜夢・寝夢・懼夢」という分離法を用いている。総合的に見ると、「東洋夢占術」では、夢はだいたい次の六種類に分類される…

�霊夢/主として神仏・祖先・死者などが現れて未来に起こる現象を暗示するもの。または物体や事象が現れて同様の暗示を与えるもの。
�正夢/見たままが後に現実になる夢(霊夢に属する)
�心夢/疲労時に見る恐怖または歓喜の夢で、不摂生が原因とされる。
�虚夢/心の迷いや欲望から見る夢。
�雑夢/雑多な意味のない夢。
�異夢/幻のような物事をありのままに見るような異常な夢。

…と分類できるが、中国政府もジュセリーノ氏の言葉を雑夢か、または異夢でも見たのだと安心しきっていたのだろう。古代中国で研究が進んだ“東洋夢占術”を持っている国なのに、遠くブラジル人の予知夢には無関心だったことが今回の惨事を招いたことになるだろう。今後は9月12日に起こる地震と津波には十分警戒し、100万人もの被災を受ける天災があるだけにその準備に怠りがないことを願う。
私は阪神大震災を経験し、発生後の直後(二日目)には車で神戸の長田区に入っている。アシスタントの女の子を救い出すために近隣の避難場所(小学校)を訪ね、奇跡的に彼女を救い出し、吹田の実家まで片道9時間以上の山道を走った経験がある。街の照明が消え、また信号がない焼け野原の神戸は、それは不気味な都市と化して、理性すらも無くすほどの被災地であったと今になって思える。その中で人々は、ひたすら余震から身を護り、理性の中で過ごしていたと言える。この被災地を一歩外に出た大阪や東京では、まるで何もなかったようにいつもの暮らしがあることは対岸の火事をみているように不気味でもあった。きっと中国のような大国であればあるほど、今回の四川大地震が起ころうが上海や北京では、いつも通りの暮らしがあり、「北京五輪」も中止などと考えることもなく、聖火リレーも予定通り進み、我関せずの意にて何事もなかったようにあるのだろう。

現在、ジュセリーノが日本に向けた予知夢としては、「08年夏、日本でデング熱が大流行する」「09年1月25日、震度8.9の大地震が大阪にて発生し、50万人死亡」「10年、東京・横浜で大地震が発生する」というのもある。地震国・日本はもはや対岸の火事として四川大地震を見ている場合ではなく、もはや秒読み段階で自分の足元を見なければならないようだ。その意味で、ある大学の教授を通して、地質学の権威者が話した「生駒断層帯、または琵琶湖に面する断層帯(花折断層帯)が最も危ない」との警告を発していると言う。今年に入って、政府の中央防災会議(会長・福田康夫首相)が行われ、国宝や重要文化財に指定された建造物が集中する近畿、中部圏で活断層を震源とする内陸地震が発生した場合の文化財の被災想定が公表されたことは、ひとえに必ず来るとの認識で我々国民に警告を発していると言わざるを得ないのである。
どこまでブラジル人の予知夢を信じるかは知れないが、確実にこの近畿の断層帯は危険を孕んでおり、いつ起きてもおかしくない状況にあるそうだ。食糧難や水不足、環境破壊が進む地球にあって、すでに警告を発した自然の天罰がいまや下されようとしているのだろう。ブラジルの予知能力者のジュセリーノ氏の力を借りずとも、もはや自分で自分の身を守ることを始めるよい機会でもある。嘘か真か、このブログでは2回目となる大地震への警告として受け止めていただきたい!
◎資料参考/産経新聞(5月15日12時36分)配信分、「霊夢占い入門」(広瀬謙二郎著)からの一部引用。

2008年5月30日 (金)

バスツアーに異変

Fg2f7qwr 全車両における改正道路交通法の施行が6月1日から始まる!バスガイドも乗客もシートベルト着用が義務付けられるそうだ…。
この時期、京都・奈良には多くの観光バスを連ねた修学旅行の学生がお目見えする。関西では番号の大きい順に駐車場に入るが、関東では番号順に到着するなど、観光バスを一つとっても違いがあるようだ。なんでも大阪万博の際に、何台のバスが駐車場に入るかが分るように、バスの号数が大きい順番に駐車場に入ったという節が有力で、それ以後は京阪神において号数の大きな順番に観光バスが連なって走る光景になったようだ。
修学旅行も少子化を受けて、多いところで5台程のバスが走るが、過去には十数台のバスが連なって走る風景もあったことが懐かしい。このバスの目玉はなんと言ってもバスガイドの存在であり、車中の雰囲気をガラッと変えるのもバスガイドの語りと力量にかかると言っても過言ではない。それが後部座席のシートベルト着用を義務付ける改正道路交通法の6月1日からの施行により、バスガイドもシートベルトの着席スタイルになると言う。
高速バスや貸切バスを運行する名阪近鉄バス(名古屋市)は、バスガイドは走行中は着席し、各種サービスは休憩時間を長めにして対応する方針という。しかし担当者は「実際に始まってみないと、どういう不具合が出るか予測できない」と心配しており、東海地区の大手バス会社も「カラオケがある貸切バスでは、ガイドが立って歌うように求められるケースも多い。ドラブルにならなければよいのだが」と不安を漏らしたと言う。
一般道路では努力義務で罰則はないが、高速道路ではガイドと乗客がシートベルトを着用しない場合、運転手に反則点が1点科される。このため乗客への着用徹底も必要だが、現状では不安が多いという。バス各社は車内放送の呼びかけなどをおこなっているものの、着用する客がきわめて少ないのが実態のようだ。名鉄バス(名古屋市)や岐阜バス観光(岐阜市)は、乗車時のあいさつなどでシートベルト着用を求められているが、「着用している乗客はほとんどいない」と言う。現在、愛知・岐阜・三重の各県バス協会は、シートベルトの着用の対策をまとめたとされる。今後は徐々に全国に広がり、少し窮屈なシートベルトの観光バス車中となりそうだ。

確かに高速バスにて「奈良−新宿」を利用したこともあるが、バスに乗ると同時に車内のカーテンを全て下ろされ、早く寝て下さいのサインとなる。それでも高速を走行中に、カーテン越しに見た風景は夜間の高速を無法に走るバスの姿だった記憶があり、少し窮屈ながらシートベルトの着用はやむを得ないと判断している。但し、バスがクラッシュしたり、火災を起こした場合、逆にシートベルトが身を護るかは不安である。
また日帰りバスツアーにも何度か参加したことがあるが、バス車中の抽選会やイベント等において、バスガイドと参加者のやり取りは必須であり、前を見据えてシートベルトをしたままのバスガイドでは日帰りバスも半減するだろう。特にカラオケが禁止され、また土地、土地の伝説や歌がなくなる心配もあり、きっと「寅さん」や「釣りバカ」のビデオだけが虚しく車中で流され、少し窮屈な中でシートベルトを着用したまま、その画面を見入っている自分を想像すると物悲しい限りである。
確かに運転手の減点(1点)はきついが、旅の楽しみを半減させる改正道交法もなんとかならないものだろうか。最近は高齢者も多く利用する日帰りバスツアーは、バスガイドのサービスなしには考えられないもので、車内のおしぼり・お茶のサービスが、全て停車中に行われるのはどんなものか?

●参考資料/毎日新聞(5月23日12時44分配信)のYAHOO!JAPANニュースから引用。

2008年3月28日 (金)

『ヤッターマン』実写版映画化へ

Fkyt_ehk タツノコプロの不滅のギャグアニメ『ヤッターマン』が実写版映画化。その注目はドロンジョ役の深田恭子の成り切り度と生瀬勝久の軽薄なボヤッキーぶりだと確信した!
竜の子プロダクションが放つ不滅のギャグアニメ『タイムボカーンシリーズ』の中で、最高の人気を誇った伝説のアニメ『ヤッターマン』が実写版映画化されることがわかった。3月27日(木)、東京ビッグサイトで開催されている「東京国際アニメフェア2008」会場内特設ステージで行われ、主演でヤッターマン1号を演じる櫻井翔(グループ「嵐」のメンバー)を先頭に福田沙紀、深田恭子、三池崇史監督らが登壇した。いつもこの「東京国際アニメフェア」には出かけているが、今年は現在の仕事のスケジュールにて不参加のため、残念ながらリアルな情報はもたらされなかったが、行けば必ず竜の子(タツノコ)プロダクションの展示ブースにお邪魔しているのでもっと詳しい情報が得られたことだろう。

さて会見では報道陣だけでなく、共演するキャストからの注目を一身に浴びていたのは、ドロンジョを演じる深田恭子だ。これまでのイメージを覆すブロンド・ヘアで登場し、「最初の衣裳あわせのときはすごく恥ずかしかったけれど段々と着心地が良くなって、今では心が引き締まります」と語っている。また深田演じるドロンジョの子分・ボヤッキーを演じる生瀬勝久は、「目のやり場に困るくらい、とにかく深田さんの衣裳がすごくセクシーなんです」と語れば、三池監督は「僕たちも写真撮影は禁止で、ただ見るだけ。どれだけセクシーなドロンジョになるかは、完成を待ってください」と含みを持たせた。

企画を仕事にする際には、アニメも一つのジャンルであり、その意味からアニメ業界にも友人がおり、特にタツノコプロのラインのアニメーターが多く、自分の好みと共にタツノコプロの作品は好きなタッチである。1965年放送の「宇宙エース」を始め、1967年「マッハGoGoGo」、1969年「ハクション大魔王」、1970年「昆虫物語・みなしごハッチ」「いなかっぺ大将」、1972年「科学忍者ガッチャマン」、1973年「新造人間キャシャーン」へと続く作品の全ては、従来の日本の漫画の画風と違い、洗練されたコミックのようなキャラクターが描かれていた。
以前にもこのブログにて記載しているが、竜の子プロを立ち上げた初代社長の吉田竜夫(画家)を中心に、弟の吉田健二、九里一平(吉田豊治)の三兄弟が創設期より様々なアニメを世に出し、アニメーションの企画・制作および版権管理についても自分たちで行うなど、すべてにオリジナルアニメを描き、その9割以上の権利が自社単独で保有されている。まさに日本のアニメーションが世界で売られる上で、知的所有権(著作権ほか)や商品化権などの法律の基本形を整えた業界屈指のアニメーション会社と言えるだろう。
この吉田三兄弟は、もともとが京都人(関西人)であり、あの東寺で毎月21日に開催される「弘法市(蚤の市)」に出かけた竜夫が、古本屋で払い下げの1セントマガジンと言われるアメリカの雑誌で『スーパーマン』とかのコミックを見たことが、あの特有のタッチを生み出していると弟の九里一平が語っている。また京都は太秦映画村など映画との触れ合う機会も多く、邦画、洋画に問わず映画的なコマ撮りの表現方法が漫画、そしてアニメーションに影響を与えたと言えるだろう。そこに優秀なマンガ家や脚本家、アニメーターが加わり、タツノコプロの基礎が築かれたと言える、特に彼らの友人だった漫画家の笹川ひろしの参加は、アイディアが豊富でユーモアに長けた彼ならではのセンスから『タイムボカーン』シリーズを生み出したと言える。まさにアニメというものづくりの匠たちが集まる土壌があったと考える。

さて話を『ヤッターマン』実写版映画化に戻すが、過去にタツノコ作品を実写版映画化するところは、ハリウッド版での「マッハGoGoGo(SPEED RACER)」や、邦画版「新造人間キャシャーン」等あったが、このギャグマンガの描き方一つで駄作にも、傑作にもなるだけに難しい演出が求められるに違いない。特に現在もテレビ放映されている『ヤッターマン』(YTV系)だけに、そのアニメキャラクターと声優の技量を超えた実写の面白さが要求されるだろう。すでに最初にテレビで放映されて30年となる今、子供時代に観ていた世代は30代、40代となり、親子二代で観る公算も高く、如何にファミリー向けながら馬鹿げたギャグを連発するかである。

主役となるヤッターマン1号の櫻井は「これまでの日本の素晴らしいアニメが海外で映画化されるケースが多かった。これからは、日本人である僕らがきちんと作り上げて海外に乗り込んでいきたい」と、決意みなぎるコメントを発表し、会場からは拍手が起こったそうだ。
本作は今月クランクインしており、5月にクランクアップ予定。現在、5分の1を撮り終えた状態だという。公開は2009年春に全国一斉ロードショーとなっている。個人的な希望を言えば、宇多田ヒカルの元旦那だった紀里谷監督の『新造人間キャシャーン』のようなわけ分らん作品にだけはご勘弁願いたい。分りやすいこそがタイムボカーンシリーズの面白さなのだから…。しかし、あの抜群のルックスと声が小原乃梨子のドロンジョ様を深田恭子がどのように演じるかは、一番には生瀬(大阪時代には、「やりまくり三助」の名前)のボヤキぶりにかかっていると思える。まずはお手並み拝見である…(笑)。
◎参考資料:YAHOO!ニュース3月27日20時6分配信分より

2008年3月25日 (火)

廃棄ヒーターで死亡もメーカー提訴

Tny4p7wn 無茶言うたらあかん。「廃棄物の製品が欠陥だ」と使用したあげくに事故になったら提訴ではメーカーもたまったものじゃない!
悲しい事故であり、また亡くなられた方々には同情もするが、実際には本末転倒のような気もするけったいなニュースが飛び込んで来た。それは「欠陥ヒーター放置で死亡(アパートで7人死亡)」=遺族がメーカーを提訴(札幌地裁)と見出しを読む限りでは納得できるものだが、この問題となっている石油ファンヒーターが廃棄物であり、それを拾ってきて使用しての事故だけに、メーカーに対しての提訴ははたして正しいのかは疑問と言えるだろう。

詳しい全容は…北海道苫小牧市のアパートで2006年12月、7人が一酸化炭素(CO)中毒で死亡した事故で、遺族の母親2人が25日、「事故が起きたのは危険性の周知や製品の回収を怠ったメーカーの責任だ」として、製造元の「トヨトミ」(名古屋市)を相手に、総額約8000万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こした。
提訴したのは、長女=当時(5つ)を亡くした同市の20歳の女性と、3女=同(25)を亡くした日高地方の50代の女性。事故では、トヨトミ製の石油ファンヒーターの不完全燃焼が原因とみられるCO中毒で成人女性2人と子供5人が死亡した。ヒーターは正規に購入したものではなく、死亡女性の親戚が拾ってきた廃棄物だった。

つまりメーカーからの商品を売買契約にて購入したものではなく、またはリサイクル店などから古くなった製品を購入したものでもなく、単に廃棄物となって捨てられていたものを親戚の者が拾って来て使用していたわけで、その訴えをメーカーにするのははっきり言って無茶な話と言えるだろう。提訴に踏み切る上では、弁護士もついて勝算の確信もあるだろうが、これがまかり通るのであれば、拾ったパンを食ったから食中毒になったと提訴したり、ゴミ箱を漁った浮浪者がその中にあった腐った残飯によって死にかかったと訴えられる話でもある。
日本の産業廃棄物や様々なゴミは、海を渡って中国やフィリピンなどの海外にも持ち込まれているが、そこで使えそうだから勝手に使用し、その上で事故が発生したと訴えることになれば、もはや国際問題としても広がるだろう。これではメーカーはたまったものではなく、購入時に製品と共に同封された「使用上の注意」(説明書)やメーカー保証すらもないまま、誰かが捨てた廃棄物(不完全状態)をまだ使えると判断し、拾ったあげくに事故があったから責任を取れというのも不思議な話である。

廃棄物か否かの判定は、主に有償で取り引きできるか否かというポイントにある。またその定義は、国民、事業者、国、地方公共団体の責務、一般廃棄物の処理、産業廃棄物の処理等についてさだめており、一部では廃棄物の法的定義のあいまいさが不法投棄や不適正保管等を撲滅できない遠因などもあり、このあたりを当裁判の弁護士に背中を押され提訴しているのだと思う。
しかし、善意とは言え廃棄物の石油ファンヒーターを拾って来て、この事故を起こした拾得者である親戚の者は、どういった責務を負うのだろう。通常ならメーカーを訴える前に、廃棄物と分っていながら拾得し、その製品における管理状態や使用にあたいうる整備がなされているかを認識した上で、この死亡した7人の家に持ち込んだのかが問われるところである。売買契約によりメーカーから製品として「売る」「買う」の締結がなされているならば、大手を振って訴訟でも提訴でもすればいいが、一度廃棄された製品は、もともとの購入者の使用・管理上において問題が発生し、完全なる状態を逸脱していたと判断せざるを得ない。また拾得物として届けることもなく、廃棄ゴミとして行政に引き取ることになっていたものを拾得したのであれば、そこには別なる事件として訴えられても仕方のない行為と言わざるを得ない。

この『YAHOO!ニュース』の時事通信にて配信されたWeb上にて下記のコメントが書かれている…。

●そもそも、ゴミ捨て場にあった物を拾うなよ。故障していることを想定していなかったのか?ヒーターを買うお金はないのに、裁判するだけのお金はあるんだな。これは、メーカー側が“名誉毀損罪”で訴えてもいいぐらいである。

●「拾ってきた親戚」を悪者にしたくないから、誰かの責任にしたいんでしょうけどね。これがまかり通るならメーカーは何も作れないですね。でも、こういう事をやると世間から広く叩かれて、さらに傷口が広がるんじゃないでしょうか。どうせ勝てないだろうし。

●子どもを亡くした不幸を「お金」に変えてないでしょうか?誰か知恵つけたのではないでしょうか?

…などとなかなか手厳しいが、これらのコメントは、今後の裁判員制度が始まった際の一般的な国民の考えと言わざるを得ないのである。
そして最近には日本海側の海岸線に韓国や北朝鮮、中国から様々な廃棄物が流れ着いている。その中には化学液化系のものが含まれる容器も数多く見つかっており、それを拾って自宅に持ち帰り、使用している者が果たしているのだろうか。“自己責任”と言ってしまえばそれまでだが、捨ててあった廃棄物(石油ファンヒーター)を使用する際に、メーカーに問合せ、その故障や不備がないかを判断してもらったのであれば、それはそれでメーカーの介入も認めるが、自分たちの判断基準で進めたところにこの裁判の焦点があると言える。

大阪のおもしろCMに「焼ビーフン」があるが、二人のサングラスをした主婦が、肉・野菜等のニオイを嗅いで、賞味期限を確認し、「今日は、邪魔臭いからこの材料で、焼ビーフンにしとこ、そうしょ、そうしょ」と二人で相槌を打つあれである。亡くなられた方々の冥福を祈るものの、買えば済むことながら、お金もかかるし邪魔臭いという理由で、タダより高くついたものはない典型的な事件だと言わざるを得ない。

2008年3月24日 (月)

千日前国際劇場が3月末に休館へ

Kpjhcxjq クリエーターとしての私のルーツが、この「千日前国際シネマ」など3館にある。そして、今月末に休館を迎えることは寂しい限りだ!
映画館興行発祥の地とされる大阪・ミナミからついに「映画館」と呼べる施設が消える。60年超の歴史を持つミナミの老舗映画館「千日前国際シネマ」など3映画館が3月いっぱいで休館する。シネコンの進出でミナミからの映画館撤退が続く中、「最後の砦」だった3館では、有志がファンクラブを結成してまで存続を働きかけたが、ついには実らなかった。
休館するのは「千日前国際シネマ」(676席)、「千日前国際劇場」(809席)、「千日前国際地下劇場」(286席)の3館。60年以上の歴史を持ち、石原裕次郎や吉永小百合らも舞台挨拶に訪れたことのある老舗映画館だが、経営難のために今月末で休館を決定した。ミナミにはシネコン3施設が残るだけとなる。

ミナミではこれまでに「千日前OSスバル座」など2館(平成18年9月)、「道頓堀東映」や「角座1、2」など4館(19年4月)と映画館が次々と撤退し、中でも「千日前国際シネマ」などの3館は、そのリーダー的存在にして、大阪の映画文化を支えた代表格とも言えるだろう。
とにかく私にとっては思い出深い映画館であり、特に大学時代の4年間は、年間300本以上の映画を観続けた際に「千日前国際シネマ」、「千日前国際劇場」はまさにホームグランドと呼べる映画館だった。コピーライターになることを目指し、様々なビジュアル(写真・映像)に対するシチュエーションにあった言葉(コピー)を勉強する上で、コーラ、ポップコーン片手にあらゆるジャンルの映画を観倒すという学習法を編み出し、1日に数本の映画館を梯子し、ミナミ界隈を闊歩していたのである。
特に洋画系の「千日前国際劇場」は、もっとも足を運んだ映画館で、今のコンシネのように入れ替え制ではない為、一度入館すれば1日中、映画館内にて過ごしていた記憶がある。この映画館は場内に入るとあまりの天井の高さに驚くばかりである。どこまでも高く、暗い天井が頭上にあり、昔ながらの映画館としての照明の暗さもあり、巨大スクリーンが浮き上がる感じである。
全盛期は休憩時間にハモンドオルガンの生演奏があり、映画音楽などを演奏していた。映画が終わると突如、初老の男性が現れ、入れ替え時のざわつく会場にて一礼した後、音楽を演奏するのである。そして、「演奏を終われ」の合図と言える照明(赤いピンスポット)を受けると、また一礼して袖幕に消える。この生演奏が千日前国際劇場の特色であり、また思い出深きところでもある。「半落ち」の佐々部清監督の「カーテンコール」は、原作者の應典院の秋田光彦さんがその演奏をヒントに「カーテンコール」を描いたという。まさに大阪の映画好きには鮮明な記憶が残る映画館と言えるだろう。
そんな優雅な映画館ではあるが、数年前からの老朽化と共にミナミ名物とでも言える、猫と見間違うほどの大きなドブねずみが足元を走り去る姿を闇の中で何度も見たものだ。来場者が食べ落としたポップコーンや551蓬莱の豚マンの皮、北極のアイスキャンデーの箸棒、楽天の天津甘栗の殻、そしてマクドナルドのハンバーガーの残骸が、彼らねずみの運び番により千日前の地下にある下水道にてせっせと持ち込まれてもいたのだろう。

さて思い出が尽きない「千日前国際シネマ」3館は、08年3月末日の休館にあたり「さよなら上映」と題して、まず国際劇場は千日前国際日活の黄金期に相応しい石原裕次郎のデビュー作「狂った果実」と俺らはドラマーでお馴染みの「嵐を呼ぶ男」の2本立てを上映し。国際シネマはオープン当初上映していた新東宝の貴重なコレクションから「明治天皇と日露戦争」、また地下劇場はロマンポルノの第一作、記念すべき作品「団地妻 昼下がりの情事」と「実録 阿部定」の2本立てを上映する。往年の邦画ファンにはたまらない作品ばかりで、更にお得な入場料500円(ワンコイン上映)である。是非とも休館となる3月31日までには来場したいと考えている。
なお千日前国際地下劇場の上映を日本橋にある36席のミニシアター国名小劇に移し、上映を再開。また小阪・田辺・天六・新世界の国際劇場グループは引き続き「名画」を上映し続けるので、そちらの映画館にも足を運ぶとしよう。

各家庭でのテレビが大型化(最低でも32型、42型以上)になり、ホームシアターばりのDVDでの映画鑑賞ができるようになってきた中、どうもコンシネでは不十分で、国際劇場の巨大スクリーンでまた映画を観たいものである。ちなみに私が最後に千日前国際劇場で観た映画は、「硫黄島からの手紙」だったと記憶している。本当に永い間、素敵な映画を提供してくれた「千日前国際シネマ」など3館には感謝したい。お蔭で今もコピーライター、プランナーとしてのアイディアがここで観た映画作品と共に生まれているのだから…。

●参考資料/ 産経新聞3月23日社会面記事、さよなら上映告知チラシ(千日前国際劇場ほか2館)より

台湾で「さぬき」が商標登録!

香川県ブランドであり、地名である「讃岐(さぬき)」を台湾の冷凍うどんの企業が商標登録したのは、その名前がうどんの有名ブランドと認めていたからだ。
うどん派にとっては最高のブランドでもある「讃岐うどん」が、何の関わりもない台湾の冷凍食品会社「南僑」により9年前に商標登録されており、香川県で修行した樺島泰貴(36)が台北に出したうどん店「土三寒六」を相手取り訴え、逆に「さぬき」とは名乗れない事態になっている。
2006年6月に出店し、看板に平仮名とローマ字で「さぬきうどん」を表示した。台湾で唯一うどん打ちがみられるブースもあり、地元マスコミも取り上げてもいた。香川県は「初めて日本人が出したさぬきうどん店」として07年1月に、情報発信に協力してもらう「さぬき大使館」に認定した。
しかし店によると、07年11月に「南僑」が抗議文を郵送。12月に「1週間以内に看板表示を変えなければ刑事告訴する」と言われたそうだ。漢字やローマ字、平仮名、片仮名まで全て商標登録していると分かり、看板を変更せざるをえなかったと言う。「南僑」の言い分は、“当社は巨額の宣伝費を投じ、この商標の知名度を上げた。無断で使われると困るので、看板をはずしてほしいと申し入れた。もともと訴訟までは考えていない。もし商標を使いたいならば当社に申請してもらえばいい”と名前を盗んでいながら馬鹿げた言い草だ。

元来、「さぬき=うどん」と言うブランドをつくり上げるにはどれほどの年月と人々が関わり、また地域資源として国内はおろか世界に広げたというのか。その費用を換算すれば一企業が出せる金額でないことは分るはずだ。また讃岐(香川県)は、偉大な宗教家・弘法大師(空海)の出身地であり、またうどんのルーツも遣唐使にて空海がもたらしたともされている。讃岐、さぬき、SANUKI、サヌキ…これを勝手に意匠登録したという台湾企業は、まさに香川県人に喧嘩を売っているとしか思えないわけである。
実際に無効審判を申し立て、台湾で一般に通用する名称と認められれば登録は取り消されると言うが、香川県やさにきうどん組合の反応はいまいち鈍いようだ。ここ数年のうどんブームは、映画『UDON』を制作し、たった200円程の讃岐うどんの名店に飛行機や列車を乗り継いで出かけるツアーまでも生み出した正真正銘の香川県ブランドと誰もが認めるもので、お隣りの台湾でそれを知らずに商標登録をするはずもないわけだ。そこには「南僑」が冷凍食品大手加ト吉(香川県観音市)と技術提携し、冷凍うどんを製造・販売した経緯があるようだ。技術提携をしたまでは良いが、なぜに名前すらも商標登録する必要があるのか…。香川県ではうどん職人が水や小麦粉、さらに技術等にてこだわりを持ち、県内外の競合するうどん店との競い合いを行い、それぞれに涙ぐましいほどの努力にて今の“讃岐うどん”が存在するもので、冷凍うどん如きに“讃岐”の名はお門違いである。加ト吉も業務提携の際に、その契約書の中で商標登録に関する無断使用を何故に明記しなかったのか…今や台湾にて広がる「振込み詐欺」のような腹立たしい行為と言えるだろう。法律を盾に、何ら努力もせずに千年以上もの地名であり、地域ブランドでもある“讃岐(さぬき)”を奪うなど、中国の冷凍ギョーザ以上に、台湾の冷凍うどんは毒を盛られた感じであり、まったく食べる気がしない。

この地名、ブランドの名称を一言の声掛けもせずに奪うところは、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』にある湯屋「油屋」の経営者・湯婆婆が千尋の名前を奪い、「千」という新しい名前を与えたようにさえも思える。そうなれば本家本元の讃岐うどんは、「さ・うどん」となってしまう。まさに呪文をかけたように台湾の「南僑」は、「讃岐という名前を使いたければ当社に申請すればいい」と湯婆婆の如く、うそぶくのである。
このような事態は、別に台湾に限らず中国にあっても2002年7月に「青森」の商標登録を申請した現地企業がいた。2003年6月には問題を把握し、青森県産のリンゴの輸出などに影響を及ぼすと判断し、2003年7月〜2004年4月にかけて、中国商標局に異議を申し立てている。そして今年2月5日には、中国商標局が「果実・野菜」「肉・水産物」については異議申し立てを求める裁定を下したと発表。まさに見境の無い、無法なる行いではないか。これがグローバル化の怖さであり、その本質にほかならないのである。

すでに日本はG7などの先進国に加わり、また国際的に大きな役割を担っている筈が、モノの考えにおいては鎖国状態のままで、政治・経済・外交など、国任せでは埒があかない事態である。ねじれ国会として、与党・野党は自分たちの政権ばかりを主張し、この危機的な事態に何の策もなく、またすぐさまなる対応も取らずにいるわけで、“日の出る国”どころか、“日の隠れる国=天照大御神も隠れる国”と言えるだろう。また企業も人件費が安いと生産移転をこれらの国に移行し、技術も名前(ブランド)すらも取られ、伝統のものづくりにて先人が創った苦労の品々をまんまとせしめられている事態をなんと考えているのだろう。

話は違うが、3月22日のサンケイスポーツによると…歌手の矢沢永吉(58)のものまねタレントで、矢沢と法廷闘争中の石山龍大(42)が21日、東京地裁での第3回公判に初出廷したという。矢沢の事務所から「無断で名前を使用した」として1000万円の損害賠償請求を受け、矢沢本人と事務所を名誉毀損で逆提訴しているが、この日は証拠書類の不備のために約5分で閉廷したという。石山は会見し「ものまねはタレントの名前を使わないとできない。その職業のイジメですよ」と言っているそうだ。元来、ものまねは声帯模写だったものが、映画・放送などの映像での露出が盛んとなったころから形態模写(そっくりものまね)が出来たもので、バッタもののものまねと言える。そこには、それを仕事にする以上は、ものまねされるものが不快に感じるようであれば辞めるべきであり、また本人に断りを入れることでのお墨付きをもらうことが先決だと言えるだろう。

もはやグローバル化が進み、IT等の高度情報化時代にあっては、なんら努力もせずに金儲けをする輩が増えてきており、知的財産権を扱う企画屋にとっても住みにくい世の中になったと感じている。数年前に“阪神・優勝”と商標登録した国内の輩がいたことも思い出され、また“湘南”ナンバーの車に乗りたくて、ナンバープレートを売買する連中もいたことを考えると、まさに他人が信じられない世の中になったと嘆くばかりである…。

2008年3月22日 (土)

運慶の仏像がNYで競売

Q_rf6ncp 国宝級の運慶作品を売る者、買い戻す者。そこには日本文化への無関心と崇敬なる思いが混在することを知る!
鎌倉時代を代表する仏師・運慶の手になる可能性の高い大日如来坐像(写真=共同)の競売が、ニューヨークで3月18日(日本時間19日未明)に開かれた。これは馬鹿げた話ではあるが、所有者である北関東地方の収集家が文化庁との間で、将来の重文指定も含め、買い取ってもらうことでの調整をしたものの、価格面で折り合わず、協議が不調に終わると共に、所有者は一昨年7月に、海外での競売にかける方針を打ち出したというものだ。まさに海外流失もやむを得ないといった今回の暴挙。すでに5年前から文化庁が運慶作として、また重文指定と見るや否やの対応である。これは視点を変えれば韓国の国宝である「南大門」に火を放った罪人ほどの自己中心的な行いと言えるだろう。
結果はクリスティーズのオークションにかけられ、三越百貨店が1280万ドル(約12億5000万円)で落札したことで、国外流出の可能性はひとまず回避された形となった。これで所有者(収集家)は思い通りに大金を手にしたわけで、それが仕事という観点からは間違いではないが、これほどにグローバル化が進み、衣食住の何もかもが海外に流出し、さらに日本文化(日本人)の心さえもが流出させても我関せずの輩には運慶も悲しむに違いない。

日本の古美術品は、明治初めの廃仏毀釈で、多くの仏像や仏教絵画の名作が海外に流出。こうした反省から大正、昭和にかけて法律を整備し、貴重品の海外流出は最近ではほとんどなくなっていたと言う。10年前の平成9年11月、葛飾北斎の晩年の傑作「日新除魔帖」と呼ばれる肉筆画88点が、今回と同様、ニューヨーク・クリスティーズで競売にかけられようとした危機があった。この作品は「重要美術品」に指定されていたが、文化庁は所有者と話し合い、オークションは中止。それにて国外流出は避けられ、のち重文に格上げされている。今回もまったく同じようなケースだが、この所有者の高く売りたいという私欲の方が高かったと言える。
ここには十数年前から始まるテレビ番組『開運!なんでも鑑定団』のように、全ての古美術品をお金に換算することで、その社会的意味を逸脱する思想が生まれたのじゃないかとも心配されるところである。
但し、所有者側の立場に立って考えると、確かに国が文化財を購入する場合、専門家により�国が買うべき美術品か�妥当な価格は…についての二段階の“評価”があり、所有者には旨味も少ないところであることは予測できる。
文化庁の山崎秀保・美術学芸課長は、「海外流出は避けたく、さまざまに努力をしてきた。しかし、買い取りにも税金で行う以上、適正な価格を超え、悪しき前例となることは避けなければならない」と、苦しい胸の内を打ち明けている。
今回は確かに一個人の所有物になってはいるが、重要文化財級という国民の宝であり、それを国との交渉が納得いかないと海外流出もやむを得ないとの認識で競売に出した所有者はやはり許しがたいところがある。今までは重文や国宝の指定はこれまで所有者の“同意”を原則にしてきたが、今回の事態により「不同意のまま指定可能」と改めるような動きになりそうだ。

とにかく数少ない運慶作の仏像(木造大日如来坐像・金色出66�)は、当初の推定落札額150万ドル(約1億5000万円)から200万ドル(約2億円)を遥かに超えた1280万ドル(約12億5000万円)で三越百貨店が落札し、この窮地を救ったのである。厳密に言えば三越百貨店が、日本のある顧客から依頼を受けて落札したというのが正解で、片方で高く売り飛ばす者もあれば、それを高額でも買い受ける殊勝な御仁(個人か、法人かは不明)がいると言うことでまんざらこの国も捨てたもんじゃないと言える。

収集家という中に、貪欲なほどに古美術品を買いあさる連中がいる。一度収集を始めたらあれもこれも欲しくなるようだ。それを大事に自分だけが見て喜ぶ人と、他人に自慢して喜ぶ人に分かれる。その上に安く買い取り、また高く売りさばく輩もいるようだ。テレビ番組『開運!なんでも鑑定団』にはごまんと詐欺まがりに騙された話が登場する。そこに人の善意も純粋さの微塵もない輩がいることに呆れる。芸術・美術などを描き、造る者の純粋な気持ちも分らずに、今回は“運慶”そのものを愚弄し、また密教の中心仏である大日如来像を欲望(煩悩)にて価格を引き上げた所有者には虚しさを感じずにはいられない。まさにウルトラQ世代から言えば、その輩は実際に大金を手にした段階で、「カネゴン」にでもなってしまうのだろう…(笑)
◎資料参考:産経新聞3月19日記事&exciteニュース3月19日より

2008年3月16日 (日)

チベット騒乱・北京五輪危うし

Hl69auhh チベット騒乱!僧侶ら抗議拡大…そこには世界平和の象徴である「オリンピック」開催への皮肉とも取れる反発の声すら聞こえる。
中国西部のチベット自治区ラサで3月14日に起きた僧侶らによる大規模な暴動で、中国国営新華社通信は15日、暴動は沈静化したと伝える一方、7人が死亡したと報じた。また暴動の鎮圧で治安当局が威嚇発砲し、催涙弾を使用したことも確認した。新華社電は、暴動で多数の警察官が重傷を負ったほか、あらゆる施設などで放火や略奪が発生、石や瓶、引火性液体などを詰めたリックサックを背負った者を多く目撃したことや、鉄棒や刀類を持った暴徒がいたと伝えるなど暴動の激しさを強調した。
また、新華社電は「警官隊は武力行使しないように命じられたが、デモ群集を解散させるため、限られた催涙弾を使用し、威嚇発砲を行なわざるを得なかった」としたうえで、「関係部門が法に基づき、効果的な措置をとり、適切に事件を処理している」とし、講義行動に参加した僧侶や住民らの身柄拘束を示唆した。さらに同電は「暴力行為は社会秩序を破壊し、人命と財産を危険に陥れた。ごく一部の者による陰謀は消滅する運命だ」と伝え、当局が今後も武力鎮圧を強化する姿勢を強調した。
これらの暴動はダライ(・ラマ14世)集団が策動したとされ、チベット自治区当局者は「十分な証拠がある」と述べ、中国政府もチベット仏教最高指導者ダライ・ラマが暴動を動かしたと決めつけ、従来通りの強硬姿勢を貫く構えを見せたことで、インド亡命中の支持者だけでなく、自治区内の僧侶らが反発するとみられる。

元来、チベットは、清や中華民国政府が中国大陸を支配していた1940年代までは独立国家1国による領域であったが、1950年以降に中華人民共和国の軍事侵略を受け、現在は領域の大部分を中華人民共和国が実行支配し、二つの省級の自治体と隣接する3省に分属する4つの自治州などに行政区画し、現在もその統治下にある。1955−1959年に「中華人民共和国政府による占領、併合」に抗議するチベット動乱が勃発して十数万人のチベット難民が発生、チベット亡命政府のもと、異議申し立てが行われている。
なぜにこの時期に騒乱が行われたのか?それは「北京オリンピック」で世界中が注目する時期であり、GNPや輸出入、さらに有人ロケット開発等で先進国の仲間入りを果たした中国ながら、その裏ではまだまだ暗黒の部分があることを露呈したかったのではないだろうか。
特にその切っ掛けとなったのは、3月7日に、世界中で熱狂的なファンを持つアイスランドの女性歌手ビョーク(写真)が中国公演のステージ上で「チベット独立」を叫んだ事件で、事態を重く見た中国文化部は彼女に対し法的措置をとると発表したことも要因に挙げられるのではないだろうか。中国政府は国際的文化交流活動を積極的に奨励しているが、国内で活動する海外のアーティストや団体は国家の「営業性演出管理条例」を遵守しなければならないと強調。ビョークには法的措置をとると述べたうえで、今後中国を訪れるアーティストや団体の芸術活動について、より厳しいチェックを行うことを明らかにしたと言う。
どんどんとインターネットや国際情勢が活発化し、より国境を越えた情報が氾濫する今、中国も大きく変わるべき時代に直面していると言わざる得ない。いまだに未解決のままの中国ギョーザ事件は、北京オリンピックの開催を直前に、ウヤムヤにしようとするが、「食の安全」を危惧する国内の声はさらに高まり、中国産から遠退く消費者も増えつつある。さらにはアメリカや他の国々においても、中国製品への不信感は募るばかりと言えるだろう。子供用玩具の毒性塗料、歯科で取り扱われる義歯に鉛の混入、土鍋の鉛混入…など等、もはや世界の製造拠点(メイドイン中国)の信頼性は失われつつあり、ましてや軍の関与による警戒態勢をチベット自治区にしくようであれば、もはや平和のシンボルである「北京オリンピック」は開催前から汚点が付いたも同然と言えるだろう。

しかしミャンマーの軍政府に抗議する僧侶のデモ隊といい、またチベット独立を唱え、中国政府に命がけで抗議する僧侶といい、外国の僧侶は民衆の前に立っている姿が目立つ。それに比べ、この腐敗した政治や泥沼な格差社会、少子高齢で混迷の時代の中、乱れる社会(汚職、天下り、年金問題等)と切り捨てられる人々を救う僧侶の姿がないのははなはだ情けないと言えるだろう。葬式仏教、職業僧侶などから脱せず、骨のある僧侶はいないのか…行基、空海、最澄、親鸞、日蓮、法然、空也等、過去の偉大なる僧侶の遺産で、ただただ世界遺産登録さえ取れれば拝観料で儲けるだけではあまりにも不甲斐ない。今を生きる人々に、政治が悪ければそれを正し、教育が悪ければそれを怒り、そして正しいことは何か、悪いことは何かの道を教えるべきである。
天竺(インド)で生まれシルクロードを経て、中国・朝鮮を渡り、最終地の日本にたどり着いた仏教の教えを僧侶はなんと心得るのだろう。“宇宙の根源”“生かされる命の尊さ”“生きる意味”等の本質を日本の僧侶は何故に声高々に叫ばないのだろう。以前、東山の築110年の登り窯で行われた「京都・摩訶不思議案内LIVE」のゲストに迎えたT住職は、その現代の仏教界に対しての不満とも批判ともとれる話をしたことがまだ記憶に残っている。また機会があればそのことをブログに書くとしよう。とにかく2008年は、ブラジル人の預言者が言うところの中国で巨大地震が発生し、100万人が死亡するという予言もあるだけに、良くも悪くも大変な一年になることは確かである。
◎参考資料/産経新聞3月15日(土)夕刊の記事、フリー百科事典『ウィキぺディア』より抜粋・引用。

2008年3月 5日 (水)

映画「ゲゲゲの鬼太郎」に韓流スター

4s2ocvts 映画『ゲゲゲの鬼太郎』第二弾(7月12日封切)に、韓国の人気俳優ソ・ジソブが目玉妖怪“夜叉”となって登場する!
韓国の人気俳優ソ・ジソブ(30)が、ウエンツ瑛士(22)主演の映画『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪いの歌』(今夏公開)に出演するというニュースが飛び込んで来た。ソ・ジソブは、人気映画シリーズ第二弾の“目玉妖怪”夜叉(やしゃ)役となり、胡弓(こきゅ)形のギターから鋭い矢を放つアジアに起源を持つ妖怪で、そのギターで世界各国の音楽を奏でる芸術的な一面も持つという。
ソ・ジソブは1995年、アパレルメーカー『ストーム』のモデルに、ソン・スンホンとともに選ばれ芸能界デビュー。以降、数多くのドラマに出演し、演技の経験を積む。2004年にはドラマ『バリでの出来事』の後に出演した『ごめん、愛してる』では養子縁組に出されたのちストリートチルドレンとして育った悲運の男を演じた。同年は演技大賞、ベストカップル賞など総なめにし、韓国でこのドラマの主演俳優のファッションやセリフを真似る『ミ・サ廃人』と呼ばれる熱血ファン層が出現した。まさに“韓国視聴率�1男”の異名を持つ韓流スターの大物である。
そのソ・ジソブが妖怪役として、俳優生活を通じて初の特殊メークを施した撮影に臨み、終了しているそうだ。但し、特殊メークは「顔全体を覆ったわけではないので、美形は確認できる」とのこと、ソ・ジゾブのファンにはどんな妖怪であろうとも黄色い声援が飛ぶのだろう。

しかし、韓国では妖怪は身近な存在ではないため、現在、妖怪について徹底調査がなされてもいるようだ。また鬼太郎にも愛着を感じつつ「こんなキュートな妖怪がいたら、会ってみたい」とまでソ・ジソブが話しているそうだ。確かに、村の鎮守(神社)や古寺などは韓国には存在しにくく、そんな鬱蒼と生い茂った裏山にこそ妖怪が住むもので、どちらかと言うと一部の神社が残る台湾の方が妖怪には関心が高いとされる。私が知るところの“新妖怪談義研究会”(鎌田東二、鏡リュウジ、切通理作、東雲騎人、多田克己、辺見葉子ほか)からも台湾の妖怪好きとの話を聞いた記憶がある。
水木しげるの『妖怪大百科』(小学館)を紐解くと、韓国の妖怪は皆無に等しく、唯一「金し鳥」(きんしちょう)が朝鮮に存在する。またフリー百科事典『ウィキペディア』で調べると“独脚鬼”(トケビ、トッケビ、ドケビ)が韓国の妖怪らしい。文字通り一本脚の鬼で悪戯好きだが頭はあまり良くない、人間に上手く使われてしまうことも多いようで、鬼と言っても日本の天邪鬼のようなどこか憎めない存在であるようだ。

韓国の人気スターが妖怪に扮して日本の人気妖怪アニメの実写版映画に登場することは、今後の妖怪・摩訶不思議ブームを韓国に飛来させ、現在、多くのアジアの観光客が押し寄せる奈良・京都の妖怪、摩訶不思議スポットへの関心も高まれば、より魅力的な日本ツアーになることは確かであり、それでこそ日本文化や日本人の心底を知ることになるだろう。単なるホラー映画では知りえない歴史的な裏世界、さらには闇の中に存在するもう一つの日本がそこにあるわけで、大昔に朝鮮半島から渡ってきた韓国の祖先、渡来人においても日本の妖怪、もののけを創り出した源泉があるだけに、きっと妖怪ブームが韓国にも訪れるだろう。
すでにジブリ作品の『千と千尋の神隠し』等は、韓国のアニメ制作会社も参画していて、その独特の世界観を熟知していることは証明済みである。また過去の妖怪アニメである『妖怪人間ベム』や『黄金バット』は、実は韓国で製作された逆輸入作品だったとされる。作画監督・森川信英さん(82)が講演会で語ったところによれば、「65年から単身韓国に4年間渡り、韓国人スタッフを指導して一緒に描いた作品だ」と言うのである。
派遣先は韓国の民間放送会社・東洋放送の動画製作部であり、反日感情が渦巻くなか、日本の製作プロダクション・第一動画と共同でアニメ製作に取り組み、紙芝居で知られる『黄金バット』と『妖怪人間ベム』を生み出したとのこと。これを考えれば、日韓交流がもっと積極的に進み、良好な関係が続くのであれば、より多くのアニメや映画が国境を越えて生み出され、妖怪そのものが韓国に移住する連中も現れて来るだろう。島根県の八百万の神々や鳥取県のゲゲゲの鬼太郎ストリートや列車、汽船があるだけに、海を隔てた韓国との友好関係(竹島問題も解決)ができれば、きっと東アジアは妖怪天国になり、面白い世界観が生まれるだろう。まずは今夏封切りの『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』のソ・ジソブの妖術を堪能し、応援するとしよう…。

◎出典:スポニチ「エンタメ&NEWS」(3月5日)記事より

2008年3月 4日 (火)

平城遷都1300年のマスコットキャラ

Tqdej5tn さすがにプロである!「平城遷都1300年」マスコットキャラクターのお値段500万円は安すぎるかも…。すっかりもとは現時点で取っている!!
ええんちゃいますか。とにかく最初は違和感あったものが、徐々に「かわいいかも」「まぁ、ええやん」と馴染みだして来るキャラクターであり、万民だれもが良いと言うものは存在し得ないだろうし、賛否両論あるのも事実なだけに奈良県で2010年に開かれる平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターに関しては、その当初の思惑通りに作者の意図が的中した形となっている。
3月1日には奈良市のマジシャンがインターネットで反対運動を呼びかけ、ホームページなどを通じて約600件以上の批判が集まっていると聞くが、これもこのマスコットキャラクターの反響の一つで、計算づくのことであれば、それを影で仕掛けた平城遷都1300年記念事業協会、また作者との間にいる広告代理店の思うツボにまんまとはめられたと言えるだろう。
すでに朝・昼・夕のワイドショーやニュース等で取り上げられ、そのマスコットキャラクターの是非をコメンテーターや街の人々に問いかけるという一種の盛り上がりになってきている。朝ズパのみのもんたも、「どうでもいいですが」と前置きをして、「私自身、平城遷都1300年祭のイベントがあることすら知らなかった」と言うように、マスコットキャラクターとしての事業認知、訴求効果を高める上で十分機能していることを考えれば、多少の奇抜さも許せると言えるだろう。
反対運動を起こす「1300年祭を救う会」では、選定委員がデザインの専門家12人の21作品から今回の鹿の角を生やした童子を選んだところに問題があり、もっと一般公募から選ぶべきものと主張している。また著作権料500万円にて作者の東京芸術大大学院教授、彫刻家・藪内佐斗司さんに支払うことにおいても高すぎるように唱える者もいる。
私はこの数日間のテレビ番組やラジオ番組、新聞記事、さらにはインターネット等でのトピックス、また反対運動を起こす「1300年祭を救う会」が活発に運動することで、それらの広告効果を金額換算すれば、すでに500万円なんてもとは取れており、約1億円近いものがあると言えるだろう。
確かに国宝・彦根城築城400年祭の「ひこにゃん」(滋賀県彦根市)や、のじぎく兵庫国体の「はばタン」(兵庫県)等のゆるキャラなマスコットキャラクターからは逸脱するかもしれないが、老若男女の幅広い世代にてキャラクターづくりを考えるのであれば、多少なり気をてらう今回のキャラクターは面白い。すでに2月12日に公表し、愛称の募集が始まっているが、約4,000件以上の応募があり、反対する600件の声以上の賛同者を得ているので、どちらにしろこのキャラクターの撤回は有りえないだろう。

元来の奈良県人は、「奈良の寝倒れ」という言葉があるように、奈良県民がおっとりした性格で気が長いことを表している。また積極的に新しいことを始めることを避け、保守的にふるまうというところがある。それでいて心底には国のまほろばとしての自負があり、ゆるキャラが時代の流れであってもそれに流されない確固たる信念をもっているから、県民はそれほどもこのキャラクターを嫌がってはいないデータもあるようだ。(鹿男もいいのだから鹿童子も良いはず…)
私的にこのマスコットキャラクターを選んだことの裏に、以下の隠されたポイントを読み取っているので、「まぁええやん」と最初に書き出したわけである。
�キャラクターマスコットの事業をプロモーションする効果が読み取れる。
�従来のゆるキャラの流れに押し流されず、県民性に合致した独自性がある。
�南都の仏教都市に、神仏融合の鹿(神の使い)の角を生やした童子(仏)は挑発的だ。
�公募すれば良いと言うが所詮は常連の応募、類似キャラが横行するだけ。
�プロに頼めば対応がスムーズに流れ、500万円で著作権を買取り、あと鎖がない。
�今回の広告効果とみなせる計算された反響は、1億円にも換算するほどの訴求効果を生んだ。
�何よりも着ぐるみをつくる上で機能的なフォルムであり、また歩きやすいボディだ。

以上のように、プランナーとしての視点から考えても、このマスコットキャラクターは言い分のない出来映えである。また、過去のマスコットキャラクターは着ぐるみにすると動きが悪く、確か「花博」のマスコットキャラクターは式典時に階段でつまづき転んだがために、期間中に遊戯施設で事故があったはずである。着ぐるみを製作するにはベストなデザイン、また頭を剃った人物に鹿の角を取り付けたカチューシャでも被らせてもOKだ(笑)。
どうだ、ここまで書けば、反対派も「もうええやん、これで」になったと思うが、しかし、反響を高めるには反対運動を行う「1300年祭を救う会」にも頑張ってほしい。それが相乗効果を生むのだから…。

◎資料・イラスト出典:毎日新聞(毎日jp)3月2日配信記事より

2008年3月 1日 (土)

アライグマの野生化!

Vouxkmn9 『あらいぐまラスカル』を見たオノボリサンたちの影響で、今や野生化した元ペットのアライグマが、農作物等に巨額の被害を与えている!
ペットとして輸入後、捨てられるなどして野生化したアライグマによる農作物被害が、大阪府や兵庫県、和歌山県など16都道府県で1億6400万円に上っていることが2月18日に、農林水産省の調査で分かった。昨年全国を対象に実施したアンケートの集計では、36都道府県で生息を確認し、天敵がいない上、繁殖力が強いために生息域を拡大しているとみられる。
農水省によると、平成18年度の被害額が最も多かったのは、兵庫県(約4342万円)。次いで北海道(約2782万円)、埼玉県(約1962万円)、大阪府(約1872万円)、和歌山県(約1664万円)、神奈川県(約1061万円)…の順になっている。それらは足跡などでアライグマの被害と分かるという。16年度に被害が確認されたのは北海道など6自治体だけだったものが、確実に拡大し、今や36都道府県で生息が確認されている。

アライグマは、体長40〜60�で、小動物や果物、野菜などを食べる。昭和50年代のピーク時には年間1500匹以上が輸入されたと見られるが、性格が凶暴なため、飼育を放棄するなどして野生化した。雑食性のために在来種のニホンザリガニの捕食など生態系への影響が懸念されている。飼育や輸入などが原則禁止の特定外来生物に指定されている。
まさに昭和50年代に輸入のピークがあるというのは、1977年(昭和52年)1月2日から12月25日の間、全52話で放送されたフジテレビ系の世界名作劇場『あらいぐまラスカル』に便乗したペット動物の輸入業者や、それを飼ってみたいという短絡的な発想からアライグマは国内に押し寄せたわけだ。まさしくアニメ番組の『あらいぐまラスカル』の影響であると言えるだろう。

ここで『あらいぐまラスカル』のストーリーをかいつまんで紹介すると…

動物の大好きな11歳のスターリングはある日、友人のオスカーや飼い犬のハウザーと一緒に、森の奥へ釣に出かけ、そこで猟師が母親のアライグマを仕留める場面に遭遇する。そのアライグマには、まだ目も開かない幼い子供がおり、スターリングは猟師に頼み込んで譲り受け、家に連れ帰って“ラスカル”と名付けて大切に育てることになる。
やがて無事育ったラシカルは、親友のオスカー、隣家の少女マーサと馬のドニイブルックともよく遊ぶようになり、「スターリングの変わったペット」としても近所に知れ渡るようになる。様々な出来事が可愛い盛りのラスカルと共にスターーリングの周りでおこり、感動的な場面がつづくが、ラスカルも次第に大きくなってくるとその行動もエスカレートし始める。近所の畑を荒らしたりするようになり、近所のサラリーマンにひどく憎まれ、射殺すると脅されたりもした。
スターリングの身にも辛い出来事が訪れる。病弱だった母親を物語途中で亡くし、またラスカルとの暮らしが1年になった時に父親の事業が失敗したため、進学の事もあってミルウォーキーの姉の家に行くことにもなる。スターリングは寂しさをこらえてラスカルを森に返す決心をし、手作りのカヌーを使って、人里へ二度と戻って来られないよう、また猟師に狙われなくて済むように、森の奥深くにラスカルを連れて行った…そして感動のシーンとなる


確かにテレビの番組などで「思い出のアニメ番組の名シーン」を振り返る中に、あの『あらいぐまラスカル』の名場面が必ず登場する。カヌーを漕ぎながら、ラスカルを森に置き去りにするあのシーンである。
この場面を再現したくて多くの飼い主がアライグマを捨てたんだろうか。可愛い盛りは自慢げに飼ってもいただろうが、大きく育つと手に負えなくなって、捨てたというのだろうか。確かにスターリングも飼うなら最後まで飼うべきだろう。猟師に頼み込んで飼育を決断したのはいいが、結局は凶暴になったラスカルを見切り、捨てに行ったというんじゃ。国内36都道府県で生息するラスカル、いやもといアライグマは救われはしない。便乗商法が生み出した生態系破壊ではあるが、ペットをファッションやアクセサリーにでも思っている輩には心底腹立たしいものである。

兵庫県はブドウなど果物、北海道はトウモロコシやメロンの被害が多い。一方、神奈川県鎌倉市ではアライグマが民家の天井裏に侵入し、排泄物や騒音を立てるなど被害が市街地に拡大してきている報告もある。環境省や各自治体は捕獲などの駆除に取り組んでいるが、目撃情報は減っていないのが実情で、「いったん狙われた畑は、ひと晩で大きな面積がやられる」と旭川市の担当者は話している。
これらアライグマに限らず、ワニやイグアナ、毒グモ、巨大カメ等のペットとして飼われていた動物が下水道や河川を泳いだり、縁の下に入り込んでいたという話も聞く。温暖化の影響で日本も亜熱帯化しており、動植物の生態系も変わりつつあるが、四季を捉え、日本の風土にて生きてきたわれわれ日本人はこの事態をどう捉えればいいのか。確かにアニメの影響でここまで連れて来られたアライグマも迷惑な話だが、そこには“儲かればいい”“可愛いから飼いたい”“飼育がが面倒だからいらない”“自然に帰そう!あのラスカルのように”…と、ちょっと自分勝手な言い分だと思うが…。
少しテレビ番組『斉藤さん』のような口ぶりになりましたが、ペットは飼うなら最後まで飼え!と言いたい。

◎出典:産経新聞2月18日(月)夕刊、フリー百科事典『ウィキぺディア(Wikipedia)』より引用。

歌う猫5匹デビュー

6clh5xqn メジャーデビュー間近の5匹猫グループ「MUSASHI'S」は、ギャラがなんとカツオ1匹で契約だニャ!
面白いやんか。猫5匹で結成したボーカルグループ「ムサシーズ MUSASHI'S」が芸能界デビューすることが2月28日に分かった。それも中谷美紀(32)や柴咲コウ(26)らが所属する大手芸能事務所、スターダストプロモーションだ。その契約が洒落ている、カツオまるまる1匹での契約だという。名曲「蛍の光」を“猫語”でカバーし、3月3日から携帯配信音楽サイト「music.jp」で配信を始めると言う。究極のなごみ系アーティストの登場は、注目されることだろう!
♪ニャーニャーニャニャ、ニャーニャーニャニャ…と、その卒業ソングの定番「蛍の光」を、こんな感じで愛くるしい猫たちがカバー。なめ猫ブームが去って約25年。ネット上で話題になった“ねこ鍋”を呼び水に、再び訪れた猫ブームに乗っかって、5匹の猫が本格デビューするだけに、これは期待できるんちゃうやろか。

きかけは昨年末、飼い主が遊びのつもりで世界最大の動画配信サイト「You Tube」に流したムサシーズが歌う「ジングルベル」の映像だったらしい。誰もが知る曲をニャー、ニャーと歌う姿は日本はもちろん、韓国、インド、ドイツなど世界の猫好きにはたまらなく、一気に話題を攫ったという。
なんでも収録の様子は「企業秘密」らしい。飼い主によると、5匹は音域が狭い猫の“弱点”を、それぞれが自身のパートを担当することでカバーしていると言う。猫だから当然に気分が乗らないときはエサをもらってテイションを上げるなど、気力と根性で作り上げ、その動画は、120万ダウンロードを超える大ヒットを記録したそうや。またYou Tubeのスタッフが選ぶ2007年ベスト・ビデオ賞にも選ばれたというからデビュー前から鳴り物入りの大物新人アーティストたちであることは間違いあらへん。

今後はオリジナル曲も検討され、定期的に季節の歌の発売を予定しており、第2弾として4月7日に入学ソング「一年生になったら」を配信することが決定している。いずれはCD化や、音楽番組出演も視野に、今後の活躍次第では、彼らのギャラも上がり、カツオ1本どころか、本マグロを数十本となるかもしれまへんな…。

さて私ごとながら戌年ということで、犬への愛着が強かったが、添付写真の愛猫ミー(♂)が平成6年6月6日(オーメンかよ)にわが家にやって来て、様々な思い出を作ってくれたお蔭で、猫派に仲間入りした。残念ながら、昨年の3月8日に他界し、もうすぐ1周忌を迎えることになった。きまぐれな猫ながら呼べば必ず尻尾を立ててやってきて、寝る前には布団の横にて添い寝を日課とし、冬の間もやってきては身体が冷えると自分の寝床に帰るまで添え寝をしたものである。
飼い主に体形が似るようで、こちらも仕事上においてストレスから体重増になれば、ミーも10kgの超デブ猫になったり、またスポージジムとカロリー計算にて私が減量したら、同じように体重を落とすなど体形も性格も似通った猫であったと今も思い起こされる。
別段、これと言った芸はないが、プランニングした企画書や運営マニュアル、進行台本をテーブルに広げ、作業をしていれば必ずそれを覗き込み、その上を歩いて通り過ぎ、足裏の肉球にて「よし!」と捺印して行くのである。その企画やイベントなどがことのほか評判であり、スムーズに仕事が進んでいたように思える。逆に駄目な企画などは、よく企画書の上に毛玉やゲロを吐かれたり、カップのコーヒー等を蹴り飛ばされたりもした。よくよく考えれば、まるで守護霊のような猫であり、プランナーの家で飼われている、いや同居している自覚をもった猫だったと今は思えるわけだ。

現在、天理市内にある「日本動物霊園」にて埋葬されているが、ミーの晩年の病名も昨年末から私が入退院をしたものと同じであり、また病院を3ヵ所程、渡り歩き最後にたどりついたのが天理市内の総合病院を考えれば、入院時に窓から見えるミーが眠る霊園を見ながらも“ゆっくりと養生せいよ”と言われているようで、今も傍に添い寝している感じである。近々、その1周忌の法要があり、霊園に出かけるつもりだが、これまた多くの1周忌を迎えた犬猫の飼い主も集まり、人間の法事以上に盛り上がるだけに、いまやペットは家族の一員であることがようわかりまぁ…。

◎参考資料:YAHOO!ニュース(2/29配信分)より引用。

2008年2月26日 (火)

姫路モノレールの一般公開を検討

近代産業遺産の再生と言える『姫路モノレール』の一般公開が検討されている。関西にはこの他にも魅力的な廃線鉄道もあるが、未だその価値と活用方法を知らないでいる!
鉄道マニアに限らず、近代産業遺産をこよなく愛する人々にとっての朗報と言えるのが、幻の「姫路モノレール」の駅舎が一般公開されることが検討されている。兵庫県姫路市は、昭和41年に東京モノレールに次いで2番目のモノレールとして開業し、わずか8年で廃業となった。その「姫路モノレール」の旧手柄山駅舎の改修に新年度から着手し、平成23年の完成後に一般公開することを決めた。現在もプラットホームとモノレール車両は当時のままに保管されており、“半世紀早かった”と言われた姫路モノレールの公開が実現すれば、鉄道マニアらの人気を集めるだけでなく、多くの団塊の世代達にとっても青春時代を垣間見る絶好のスポットになることは確実である。
旧姫路モノレールは、国鉄(現JR)姫路駅近くから、手柄山公園のある手柄山駅までの1.6�を5分で結んだ。当時としては斬新なアルミ合金製の車両と、当時最先端技術だった自動列車装置(ATS)を備え、「次世代の交通」としての呼び声も高かったそうだ。しかし、高額な運賃や短すぎる営業区間などから利用客数が伸び悩み、わずか8年で廃止に追い込まれた。

ここに同じような悲劇のモノレールがもう一つ存在する。それは横浜ドリームランド(神奈川県戸塚区)と国鉄大船駅(横浜市栄区)を結んだモノレール大船線(通称ドリームランドモノレール)で、運行から1年後、軌道を支えるコンクリート等に亀裂が発見され、他にも車両の重量が設計値より大幅に超過していたこと等の安全性が問われ、東京運輸支局から運行休止勧告が下され、開通から1年足らずの1967年9月23日に運行休止となっている。このドリームランドモノレールに採用したのは、東芝が独自企画した『東芝跨座式』で、休止後、責任の所在を巡ってドリーム交通と東芝との間で裁判が始まり、その裁判の結審まで14年を費やし、あげくに設備の老朽化で再開事業計画は立ち切れとなった。
最近の次世代DVDの撤退など、東芝の先見の目はあるものの、運が味方しないというのはこの当時にもあったようだ。唯一残された『東芝跨座式』のモノレールは、試験線として作られた奈良ドリームランドのもので、こちらもすでに閉園し、不運なことに東芝式モノレールは消えている。

奈良の名前が出たところで、奈良県内にある超お宝の幻の鉄道を2つ紹介するなら、一つは「大仏鉄道」で、今から110年前に開通し、わずか9年余りで廃線になった鉄道であり、線路や枕木自体は消えているが、幾つかの橋脚やレンガづくりの赤いトンネル等が残っている。1897(明治30)年に名古屋〜加茂間を開通させた関西鉄道株式会社が、名古屋方面から奈良への観光客の誘致を図るため、引き続き加茂〜奈良間に木津を経由しない新線の建設を始めた。翌明治31年には加茂〜大仏間8.8kmが、明治32年には大仏〜奈良間1.1kmが開業し、ここに加茂〜大仏〜奈良間の全長9.9kmの大仏鉄道が完成を見たのである。
大仏鉄道を走った関西鉄道の蒸気機関車には、形式によって源義頼の愛馬からとった「池月」「早風」「飛龍」「鬼鹿毛」「三笠」「千草」「雷光」など、趣のあるニックネームがつけられていたそうだ。大仏駅は加茂〜大仏間の開通に併せて、奈良市の現在の佐保小学校付近に設置された。駅舎は田んぼの中に土盛のホームと片流れの上屋・平屋の駅舎二棟と茶店、人力車の帳場があるだけのものだったが、伊勢や名古屋から大仏に一番近い駅として参拝客で賑わった。しかし、奈良の人々が徐々に大仏駅よりも奈良駅を利用するようになり、開業からわずか3年後には乗降客が激減、そして明治40年8月21日には加茂〜木津〜奈良間に平坦な現在の関西本線が開通し、駅舎とレールの撤去が行われたというものである。しかし、“大仏鉄道”とはインパクトのある名前であり、何らかの形でも残し続けたい廃線である。(私的には、鹿が曳く鹿鉄道や大仏を涅槃像にした車両の大仏鉄道として再生させれば話題もあるだろうが…)

そして、もう一つが実際に廃線となった高架の上を歩いたことのある奈良県五條市から和歌山県新宮を結んだ幻の鉄道「五新鉄道」である。五條の古い町並みの上を跨ぐようにコンクリートの高架がかかっていた。残念ながら一部は最近になって老朽化と安全面から撤去されたそうだ。大正期から計画され、昭和初期に着工されたものの、戦争激化によって中止となり、戦後になって工事が再び再開されたが、結局は完成をみることなく廃線となった、列車が走ったことのないまさに幻の鉄道である。
特に注目したいのは、戦争当時にコンクリートの高架を造ることは、鉄筋コンクリートはご法度であり、貴重な鉄を使わずに竹を基礎に組み入れた“竹筋コンクリート”という高架であり、これは建築工学上、最も希少価値が高い近代遺産であり、その価値も検討することなく取り壊しているのが残念と言える。五條市の市内をはずれ、山間に入ったところでは、現在バス専用道路となっている。ただ、バスの走らない田園風景や民家の間の所々に橋脚、枕木や幾つかのトンネルなども残されており、時々「五新鉄道ウォーキング」などを市民の愛好団体が主催しているので、それに参加すれば面白い光景に出会えるだろう。

話は少し横道にそれたが、老朽化に伴う耐震性やまわりの環境等にも考慮し、出来れば活用する方向で進められるのがいいだろう。但しハード(ハコモノ)としての捉え方をすれば、また同じ過ちを繰り返すので、そのソフト利用においても十分なアイディアを出した上で取り組みたいところだ。
改修が決まった旧手柄山駅舎は鉄筋コンクリート3階建てで、昭和39年に完成している。廃止後は駅舎2、3階部分を園芸技術の研修等施設「緑の相談所」として再利用しているが、1階には駅プラットホームや車両整備スペース、4両のモノレール車両などが当時のまま保管されている。廃止とともに撤去される予定が、膨大な費用がかかるために取り壊されず、“巨大なお荷物”として残された。
しかし、廃止後も鉄道マニアや写真家らの間で根強い人気があり、モノレール車両の見学を望む声は後をたたないとしている。現在は、施設の老朽化など安全面から公開していないわけだが、2、3階を「緑の相談所」に活用していることが功を奏し、まったくの空き家になっておらず、そのことから耐震性を捉えた改修工事がうまくいけば一般公開も可能と思える。

ただ、そこにモノレールや鉄道があるだけでなく、その歴史的な物語や逸話、伝説、背景、システム、造形などを観光デザインとして捉えた場合、おのずと鉄道マニア以外の一般の観光客にも魅力的なスポットになることだけは確かである。その取り組さえ間違わなければと思うのだが…。

◎参考文献:産経新聞(平成20年2月22日・夕刊)社会面の記事より引用

2008年2月24日 (日)

しょこたんの不適切発言!

中川翔子の不適切な発言から“言霊の法則”を知る。先の幸田來未の羊水発言と共に、言葉の力を知らずにいる者に警鐘を鳴らしているようだ!
中川翔子(22)こと「しょこたん」の愛称で知られる人気タレントが、2月24日のTBS系「サンデー・ジャポン」(AM10時〜11時30分)に出演し、海上自衛隊のイージス艦「あたご」の衝突事故に対するコメントで、行方不明の吉清(きちせい)治夫さん親子の安否がいまだ不明にもかかわらず、「絶対に避けられるべきだった事故ですよね。本当に、二人とも絶対に避けられた…死ななくてすんだはずなの…」と発言。番組のエンディングと、自身のブログを通じて謝罪した。

実際にブログにアクセスすると、下記のコメントが記載されている…

サンジャポで、感情が高ぶり行方不明の方に対して失礼な発言をしてしまいました。本当に申し訳有りませんでした…
生存して無事に戻ってくることを願いたいです
申し訳ありませんでした
私は物事をもっともっと、発言したりブログに書く前に冷静にならないといけません。(以下省略)
2008-02-24 12:19

言葉って難しい
メールもブログも発言も
誰かを傷つけるようなことはいいたくないのに
傷つけてしまっている
2008-02-24 12:25

本当にね
自分の発言で沢山の方々に影響がいくという感覚についていけてなかった
最近はとくに、です
思ったことそのままじゃなく冷静にかみ砕くスキルを身につけて当たり前なはずなのに
中学くらいからずっと変わらないままの自分もいて

ずっとブログやっていてそのままの感覚で書き続けてるから最近本当に毎日のように、言われて気付くことも多くて
冷静に言葉に向き合って
誰も傷つかないような人になりたい(以下省略)
2008-02-24 12:30


*詳細をご覧になりたい方は下記にアクセスして下さい!
http://blog.excite.co.jp/shokotan/

…以上のように、問題発言した番組終了後、約5分おきに3本の書き込みを行い、謝罪と反省のメッセージを送っている。
最近には羊水発言の人気歌手の幸田來未(25)が、多くの女性層からのバッシングを受け、さらにはテレビ朝日系「スーパーモーニング」に出演し、VTRで泣きながら謝罪をしたものの、その騒動は収まるどころか数本の出演CMのオンエア中止と完全自粛モードにあり、その発言における代償は予想以上に大きかったと言える。
それを考えれば中川翔子(しょこたん)の対応は早く、放送時の番組のエンディングでの謝罪と自身のブログでの謝罪にて、迅速に対応したと言えるだろう。ブログ10億アクセスを突破した「ギガントサンクス!」なら、その反響も大きく、なによりも自身の言葉で書かれたものであり、その反省と謝罪の真意が伝わりやすいと言えるだろう。

確かにうかつに発言すれば、自分の言葉が様々な憶測をもって広がるもので、ニュース番組であろうが、バラエティー番組であろうが人の生命に関わることは慎重に発言することが要求されるだろう。
ただ海の上の事故により、行方不明ということは何を意味するかは分かるもので、当然にして数日を経過した今であればより悲観的憶測が妥当と考えられる。すでに23日の午前には、行方不明の漁船「清徳丸」の清吉治夫さん、長男の哲大さんの家族や親族ら約30人が、事故現場の海域に向かい、その捜索船の上から、父子が好きだった酒や花束、シュークリーム等を海に手向けているニュースが伝えられただけに、しょこたんの発言と同じことを誰もが心では悟っているはずである。家族や親族は、すでにそれを悟っているがためにこの行動をとっただろうし、海上自衛隊のイージス艦「あたご」の事故当時の対応に“人殺し”と言う怒りもあるわけだ。

ここに日本人特有の「言霊(ことだま)」の考え方があると言えるだろう。一般的に日本において言葉に宿ると信じられた霊的な力が、声を出した時点において、言葉が現実の事象に対して何かの影響を与えると信じられているからだろう。良いことを発するとよいことが起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こるとされている。
自分の意思をはっきり声に出して言うことを「言挙げ」と言い、それが自分の慢心によるものであった場合には、悪い結果がもたらされると信じられた。この「言霊法則」をDNAに刷り込んだ日本人であればあるほど、言葉の重みとその発言には注意を払い、静観しながら熟考して喋ることとなる。だから、日本人は何を考えているのか、伝わりにくいと外国人に言われるが、どうも最近には“はっきりものを言う”世代が登場し、言霊以上に難解な若者言葉を発したり、ストレートすぎる思いやりのない言葉を発する傾向がある。そこにはブログやメールという限られたスペース(字数)や絵文字、記号文字の影響で、言葉を端的に表現するように変わってしまったためであると言えるだろう。
言葉は確かに難しい、ましてや活字になれば、そのままの文字から読み手によって幾重にも捉え方が違う場合もあり、その真意を友好的に受け取ればいいが、敵意にとれば何でもが腹立たしくもなるもので、まぁ、どこにも揚げ足を取る者もいるので注意が必要だろう。今日の今日ではあるが、しょこたん発言はこのまま沈火すればいいのだが…。

◎参考文献:YAHOO!ニュース(産経新聞)より抜粋。

2008年2月19日 (火)

国宝・重文の倒壊に警鐘!

D2nazdsa 近畿・中部圏の大地震で被災の恐れがある重要文化財建造物の数を中央防災会議(政府)が発表。その早期耐震化を呼びかけるのもいいが、国民の生命の安全も重要課題だろう!
政府の中央防災会議(会長・福田康夫首相)は、2月18日に国宝や重要文化財に指定された建造物が集中する近畿、中部圏で活断層を震源とする内陸地震が発生した場合の文化財の被災想定を公表した。被災想定は6断層帯(花折断層帯・生駒断層帯・奈良盆地東縁断層帯・上町断層帯・猿投−高浜断層帯)で国宝113件を含む580件にのぼるとされる。これらの活断層地震は震度6強以上が想定されており、被災の恐れのある国宝・重文指定の建造物を調べたというものである。
被害が最も大きいのは、滋賀県高島市今津町から京都府宇治市に至る花折断層帯の地震(M7.4)で、石山寺(滋賀県)や銀閣寺や平等院鳳凰堂(いずれも京都府)など国宝51件を含む重要文化財建造物255件が危険地域に立地していた。
また、大阪府東部を走る生駒断層帯の地震(M7.5)では、奈良県内での被害が大きく、東大寺や法隆寺(いずれも奈良県)など国宝55件を含む222件が倒壊や焼失の危機にさらされる。そこで中央防災会議では早期の耐震診断実施と耐震化を急ぐよう呼びかけている。

これも韓国の国宝「南大門」が全焼にて焼け落ちたからではないだろうが、ここに来て、国内の国宝や重要文化財の被災における対策がにわかに注目されつつある。確かに平成7年の1月17日「阪神大震災」を経験する以前の話であれば、“関西に地震など考えも及ばへん”とお気楽に考えてもいたが、その震災以来、テレビの地震速報が番組途中に飛び込んで来る度に、地底のナマズ(活断層)に「鎮まれ」と手を合わせるのである。
確かに近畿・中部圏の活断層にあっては、上町断層帯(大阪中心部)が最終活動から9000年以上と相当期間経過にあり、要警戒の活断層とされている。標高が高い上町台地は古くからの半島で地盤がしっかりしているが、地盤の低い周辺地域は近年の埋め立て地であり、地震時の液状化などが懸念されいる。
また生駒断層帯(京都府、大阪府、奈良県の府県境付近)は、今後30年以内に地震を起こす可能性がやや高いとされており、地震が起こればM7〜8程度が推測され、断層全体が動いた場合は阪神大震災程度の被害が発生すると予測されている。中央防災会議の専門調査会も最も国宝・重文の建造物が集まる生駒断層帯や花折断層帯(京都府南部)の地震の可能性を危惧するところだろう。

とにかく国宝・重文の倒壊ばかりに目を向けていると、もっと大惨事を目の当たりにしそうな予言が出されている。最近、特にその的中率と商売っ気のない誠実な姿勢から注目されるブラジル人の預言者ジュセリー・ノーブレガ・ルース氏によると[2009年1月25日に震度8、9の大地震が大阪で起こり、50万人の死亡者を出す]と言うのである。
9・11同時多発テロやイラク戦争、サダム・フセインの所在情報、スマトラ沖大地震とインド洋の津波など等、的中率90%の霊夢による預言者であり、来年1月の大阪での地震が気になるところである。それには[今年の9月12日に、中国で100万人の被災を受ける地震と津波の発生がある]と予言しており、その的中にて大阪での地震も信憑性が増すというものである。
このあたりの『預言者ジュセリーノの予言』を確認したければ、下記のところにアクセスするといい…
http://wiki.livedoor.jp/jucelinodaluz/d/FrontPage

私ごとながら、阪神大震災時には大阪市西区にあった事務所で徹夜状態の中、少しウトウトした午前5時46分に被災し、パソコン数台をお釈迦にし、何本かの本棚や机が破損、その上、ベランダの浄水槽がガラスを打ち破って飛び込むと言った惨事に見舞われ、何が起こったのかすら判断できない状況だった。その翌日には、兵庫県の長田にて一人住んでいたアシスタント(社員)を迎えに車で出かけ、途中何度も倒壊家屋の下敷きになった人を助ける声に呼ばれ、その救命活動もお手伝いしつつ、無事にアシスタントと避難場所にて出会い、吹田市の実家まで片道10時間をかけて送り届けた記憶が呼び覚まされる。その後も広告企画、イベント企画や旅行企画をプランニングする身にとって震災は、すべての仕事が突然にキャンセルとなり、あの被災の瞬間まで1週間もの期間をかけ、連日の徹夜作業にて完成させた企画書すらも、一銭も請求できずにお蔵入りしたのは、まさに天からの災いによるものと諦めたものだ。

最後になるが、最近まで知らず、また勘違いをしていたことだが、交流のある芸大の教授から教えてもらった「赤い張り紙」のことをここに書く。
被災地にあって電話がつながらず、行政機能も麻痺した当時、各地の避難所でひときわ目立ち、被災者と家族や友人を結んだ赤い枠の伝言メモ「赤い張り紙」を誰が用意したのかが分からなかったが、これを調査した吉井正彦・国立民族学博物館客員教授によると、博報堂関西支社(大阪市北区)が届けたものだと言うのである。“会社のPRに利用したくない”と13年近くも伏せられて来たが、そのため電通がやったのではないかと勘違いする人(私もだが)もいたようだが、実際には博報堂社員(広告マン)のアイデアだったということだ。

◎出典:産経新聞2月19日朝刊・巻頭記事/フリー百科事典『ウィキぺディア』より引用

2008年2月18日 (月)

橋下知事が府営施設を視察開始!

箱ありきでしか活動できない愚かさをもうやめる時だ。箱ではなく、その中身が良ければどこででも活動できる!
今日、早々に国民の義務である確定申告を済ませて来た。税務署にて長蛇に並ぶ納税者、その血税がどの程度、有効に使われているのかを考えると年々発覚するハコモノ行政の“ええかげん”さに腹立たしくもある。その意味で、新たに大阪府知事となった橋下知事が、見直しの方針を示している府営施設の年間30億円の財政削減は、納得というよりも必ずやるべき事と思える。財政破綻をきたし、また5兆円以上の赤字を抱え、財政再建団体に今すぐにでも手を挙げるべきところまできていることを考えれば、毎年億単位で赤字を出す施設の存続はありえないだろう。
2月17日に大阪府の橋下知事は、見直しの方針にある府営施設の視察を開始した。この日は落語や漫才など上方演芸の資料などを保存している大阪中央区の「府立上方演芸資料館(ワッハ上方)」をはじめ、「府立門真スポーツセンター(なみはやドーム)」(門真市)と「府立体育会館」(大阪市浪速区)の3施設を回った。その都度、橋下知事からはするどい質問を受けた施設側の責任者が返答に困って、たじたじになる場面がテレビのニュースやワイドショーなどで取り上げられた。例えば、「ワッハ上方における資料保管の倉庫を千日前の一等地にある必要があるのか」「なみはやドームは府下のどの市町村の利用者があるのか」「近隣の施設との利用価格はどの程度違っているのか」など、何故に赤字があるのかを質問するわけだが、先にも書いたが血税を払ったものにとっても、そのムダが何なのかを聞きたいのはあたりまえであり、この府営施設の見直しや売却に反対する運動を始めた一部の抗議ブログにある“タレント知事”的な物言いは誤りである。3億円の収入を蹴ってまで、大阪府政の再建に飛び込み、誰が好き好んで、このやっかいな巨大赤字行政にメスを入れる人がいると言えるだろう。年間数万人、数十万人が施設を利用しているから、売却せずに引き続き府営にて管理すべきであるというのであれば、橋下知事に投票した1,832,857人もの声とどう向き合うというのか。
「まぁええやん、まけといてぇや」「私らが機嫌よう働いているんやから無茶しーな」「私らの活動の場をとりあげんといてーや」等の声も巷から聞こえつつあるが、橋下知事がそれならばと、夕張市のように「財政再建団体」に手を挙げた段階にて、すべての府営施設が運営委託、売却、廃止となるのは明白であり、さらには府民負担(府民税他)も今まで以上に大きくなり、統廃合の学校等も多数生まれるだろう。

まだ実際に橋下知事が視察を行ってはいないが、大阪市中央区の女性総合センター「ドーンセンター」(平成18年度運営収支=2億9000万円の赤字)の利用者[女性団体]からは、“ドーンセンターつぶさんといて”との存続を求める要望書が2月15日に橋下知事に提出されたとされる。理由は女性のための活動の場として様々にあるのだろうが、赤字が改善されるか否かが問われているもので、ムダを省くことこそが今の大阪府にはなくてはならない判断基準だと思う。国内初の女性知事だった太田前知事が、情にほだされ、またいい顔をするがためになし崩しにて進められた赤字府政、民間企業であればすでに倒産していてもおかしくない状況であることを肝に銘じるべききである。商人の町・大阪はいつから、この簡単な算術ができなくなってしまったのだろう。赤字というマイナスを減らすことで借金を返さなければ、次世代にその借金を背負わせることになる。これは大阪府に限らず国も同じことだが、子孫にまで引きずる負担は止めたいものだ。

最後に「徳川中興の祖」と仰がれた八代将軍・徳川吉宗の幕府の財政立て直しの逸話を紹介しよう…

徳川吉宗は倹約を説いて財政の立て直した。その吉宗が将軍となって江戸城に登城したばかりのこと。
吉宗は近臣に、「大奥で、とくに美人と評判の女性の名をあげて提出せよ」と命じた。
大奥の女性たちは色めきたった。それは吉宗が妻を病死にて亡くし、独身であったからで、容貌に自信のある女性たちは胸をときめかせた。女性ばかりではなく、その家族も心を躍らせた。(いよいよこれで将軍に寵愛を受けることにでもなれば、わが家からお世継ぎが…と思い)
たちまちのうちに自薦・他薦の美女五十数人の名前があがった。その五十数人に「将軍からご沙汰がある」ということで、美女たちはそれぞれ着飾って吉宗の前に並んだ。
「さても評判に違わぬ女性たちである」と吉宗は、目を奪うばかりの美しさ、艶やかさに上機嫌の様子だった。
女性たちは吉宗の次の言葉を期待しつつ、自分が選ばれることを期待していたら…。
「これほどに美しければ、望まれてすぐにでも嫁にいくことができるだろう。大奥より暇を取らせるゆえ、早々に親元のところに戻って嫁入り支度をするがよい」と吉宗は言った。
着飾った美女たちはびっくりした。玉の輿に乗るはずが、全員クビになったわけで、美女たちは、顔を見合わせて退出したとされる。
吉宗は化粧代、衣裳代など何かとお金のかかる美女を追放し、財政立て直しを図ったというわけだ。


現状の府営施設はあくまでも箱(施設)に過ぎない、箱が万一変わったとしても、中に入れる活動やソフトに魅力があれば、どこででも、また民間施設であっても出来るものだ!

◎参考資料:産経新聞・2月18日朝刊の記事/『日本史泣かせるいい話』(夢文庫・後藤壽一著)より抜粋・引用。

2008年2月15日 (金)

真弓鑵子塚古墳にガラス玉

V32ref6m 注目の真弓鑵子塚古墳はなぜ今、発掘されたのか!その出土品におもちゃのビー玉があった不思議。
国内最大級の横穴式石室として脚光を浴びる奈良県明日香村の真弓鑵子(かんす)塚古墳(6世紀中ごろ)は、いまや露出した巨大石室で知られる石舞台古墳(同村)より一回りも大きいと注目度が高まっている。
巨石をドーム状に積み上げた石室は全国でも珍しく、被葬者の地位の高さを裏付ける成果となった。この地域一帯を支配した朝鮮半島からの渡来人氏族、東漢(やまとのあや)氏のトップクラスの人物を葬った墓の可能性が高いと言われている。また同古墳は直径約40�の円墳で、南北両側に入口がある特殊な構造であり、横穴式の石室は全長19�以上と判明された。石室のうち、被葬者を納めた玄室は18畳分の広さがあり、高さは4.7�。一辺1�近い巨石400個以上を、ドーム状に積み上げる高度な技術が用いられていた。

石室内部からは、獅子を浮き彫りにした金銅製の飾り金具や馬具、象嵌(ぞうがん)の大刀飾りも出土した。さらに発掘調査では「もしや古代のガラス玉か」と調査担当者が色めき立った瞬間があったが、結局はおもちゃのビー玉と分かり、昭和の飛鳥っ子たちの格好の遊び場、秘密の空間としてビー玉を持ち込んでいたという話である。
石室は40〜50年前までは、地元の子供たちの格好の遊び場だったとされる。約50個のガラス玉(ビー玉)はポリ袋にまとめて入れてあり、古代のガラス玉と見間違えることはないという。明日香村教育委員会の担当者によると「古代のガラス玉は精巧で、ビー玉のように内部に気泡などはない」といい、現在もほかの土器などと共にビー玉も「出土品」として大切に保管されているそうで、どこか微笑ましくも思える。

成人する辺りまで南大阪にて過ごした私は、子供の頃には町の至るところに古墳(御陵さん)が点在し、宮内庁管轄にて入口を閉ざしてもいたが、腕白盛りの子供たちには冒険心と共に、そのうっそうと茂った小高い山(墓)を暴きたい、登りたい願望から探検に出かけたものである。しかし大半の古墳は、堀に囲まれており、万一その上に橋を渡していたとしても頑丈な門が閉ざしていた。また中には裏山からそっと入れる抜け穴もあり、勝手に入っては秘密基地などの掘っ立て小屋を建てるなど格好の遊び場であったことは確かだ。
ビー玉、べったん(めんこ)、ベー独楽、ヨーヨー、さらにはスマイルバッヂに象が踏んでも割れない筆箱、円谷プロの怪獣の玩具など、そこに忘れてきたものが発掘と共に見つかるなど、とんだタイムカプセルになってしまっているのだろう。発掘調査隊も「出土品」として、今回はビー玉だったが、それどころか昭和三十年代のマンガ雑誌や玩具、菓子のおまけなどが出てきたら、それも大切に保管するのだろうか。ならば「開運!なんでも鑑定団」に出すと注目度も高まるというものだ。

しかし、昭和の子供たちが遊び場として出入りしていた真弓鑵子塚古墳を今頃になって発掘し、国内最大級の横穴式石室と確認したというのは、まったく馬鹿げた話でもある。極彩色に描かれた高松塚古墳の壁画は、無残にも黒かびを生やし、そのものを駄目にするし、何か裏で糸を引く者がいるようにも思えてならない。お隣の韓国では一級の国宝である南大門があろうことか放火犯にて全焼する事件があったが、朝鮮半島から渡ってきた渡来人が6世紀中ごろに残したものは、今、ようやく発掘されたわけで何かの意図を感じずにはいられないのである。
まさにラムネの玉(ビー玉)を押し開いたように、シュワーっとした泡が吹き出すように、これからは本当の歴史が語られ、また隠された古代史が明るみに出るといいのだが…。

◎参考文献:産経新聞(2008年2月14日/奈良版)の記事より抜粋。

2008年2月10日 (日)

財政難の大阪に御堂筋パレードは?

橋下新大阪府知事に、「再建団体回避のため」と訴えられたら「御堂筋パレード」の継続開催もお手上げだ!
大阪府知事選挙にWスコアの当選を果たした橋下新知事は、府民の声を後押しに、精力的に財政難の大阪府を変える為に今年の予算編成の再構築をを進めている。その中には1年間のハコモノ施設の運営収支だけで年間約30億円もの財政削減があることが分かり、2月13日に立ち上げる「改革プロジェクトチーム」でそれら赤字のハコモノ施設の廃止・売却ぬ向けた本格検討を始める見通しのようだ。
その25施設は、宿泊研修施設(4ヵ所)、貸館施設(7ヵ所)、スポーツ施設(4ヵ所)、博物館(6ヵ所)、その他(4ヵ所)の施設がリストアップされている。このうちマリンロッジ海風館(岬町)と体育会館(大阪市浪速区)、グランキューブ大阪(大阪市北区)を除く22施設は単年度の運営収支で赤字を計上しており、黒字施設分と相殺しても運営(18年度予算)のランニングコストだけで府の一般会計から総額29億円1000万円が支出された計算となる。他の年度でも30億円程度の支出が繰り返され、府民の血税が湯水のように流れ出していたことになる。
赤字が多いハコモノ施設を上位10施設(平成18年度予算ベース)をリストアップすると以下のところとなる…

◎大阪府のハコモノ施設の単年度赤字運営(上位10位)
■1位: 中央図書館[東大阪市]▲11億8200万円
■2位: 上方演芸資料館「ワッハ上方」[大阪市中央区]▲4億2900万円
■3位: 中之島図書館[大阪市北区]▲4億1300万円
■4位: なみはやドーム[門真市]▲3億7600万円
■5位: 女性総合センター「ドーンセンター」[大阪市中央区]▲2億9000万円
■6位: 国際児童文学館[吹田市]▲2億1000万円
■7位: 近つ飛鳥風土記の丘[河南町]▲1億9100万円
■8位: 青少年海洋センター[岬町]▲1億9000万円
■9位: 狭山池博物館[大阪狭山市]▲1億8000万円
■10位: 花の文化園「フルルガーデン」[河内長野市]▲1億7300万円

…となっている。府民にとって必要な施設もあるため検討もされるが、中でも吉本興業のテナントビルにある『ワッハ上方』(大阪市中央区)で4億2900万円は“ワッハ、ワッハ”と笑えない数字であることは確かだ。往年の上方演芸界にて活躍した芸人たちの資料を集めた展示館なのに、なぜにそんな維持費がかかるのか、これが民間であれば即刻廃止されていたことだろう。

橋下新知事は、このハコモノ施設にとどまらず、イベントに関してもムダを省く方向にあり、毎年1億2000万円程を拠出していた大阪21世紀協会が行う『御堂筋パレード』を打ち切る方向を示唆しており、それに関わる業界人たちを震え上がらせているようだ。しかし私自身(プランナーとして)の考え方は、イベントはあくまでも“祭り”ではなく、毎年の協賛金が集まらなければ中止や廃止もやむを得ないものと考えている。「天神祭り」や「祇園祭」「岸和田だんじり祭り」等は、協賛金もあるが毎年のこととして町内会の補助金や寄付金にて何百年と続いているもので、これを廃止することはご法度と言える領域になっているもので、あくまでも“イベント”は“祭り”にはなれないもので、いつ廃止されても仕方のないものと考えている。また作る側としてもマンネリ化が最も怖く、私自身が作って関わったイベントは長く続けても3、4回でバトンタッチをするか、まったく新たな仕掛けに切り替えるか廃止することにしている。中には“祭り”となって、今も地方都市で続いているものもあるが、根本的にはイベントはあくまでもイベントと考えている。
そのことでは「神戸ルミナリエ」などは、もはややりすぎの傾向にあり、市民の募金を集めて開催しているが、装飾(イルミネーション)作品にて毎年、その権利(版権・著作権)を得ている者もいるわけで、被災した神戸の復興を祈念する裏で確かに利権が働いているのも事実である。まさにイベントであり、寄附や募金を集めてまで行なうべきか考え物であるだろう。

さて話は「御堂筋パレード」に戻し、ここにどのような目的とビジョンをもって御堂筋パレード(第1回:1983年10月)が始まったのかを知る手がかりとなる記事を昭和58年12月15日発行『大阪春秋』第38号から一部分を紹介する…

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大阪二十一世紀計画を成功させよう
堀内宏明(「大阪春秋」編集兼発行人)
十月九日の御堂筋は小雨まじりの天候ながらも、大阪二十一世紀計画オープニングパレードに繰り出した百万を超す群衆で混雑した。パレードは大阪市役所前から難波の高島屋前までの3.3キロを世界各地から参加した1万5000人が、花車・鼓笛隊・民族舞踊など色とりどりの百十隊に分れ、えんえん五時間にわたってつづけられた。この光景は全国にテレビ中継されたが、「大阪二十一世紀計画」というユニークな大構想の幕開きにふさわしく、パレードも世界一といわれた。
この「大阪二十一世紀計画」の目的は、地盤沈下、文化不毛といわれる大阪を改造して、「世界に開かれた国際都市」にしようというものである。すでに、この秋は「大阪築城四○○年まつり」が実施されつつあるが、この計画はあと十八年間にわたる遠大なもので、成否はすべてこれからの問題である。いったい、この計画はどのような方向に向かって何をしようというのだろうか。
(以下省略)
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お分かりのように当初の予定では、1983年から18年後の2001年を最終年と決めてスタートしたものであることがわかる。その目的は大阪の地盤沈下や文化不毛を改造するとあるが、この一向に改善されない大阪はいかがなものか。府民の血税が使われ続け、さらには大阪の繁栄にどのように貢献できるかも定かでない『御堂筋パレード』をやり続ける趣旨を誰か分かるように説明できるのだろうか。
確かに私は第1回の「御堂筋パレード」の現場進行で本町の中央大通りにおける進行ディレクターとしてその場にいた。トランシーバーを持って、スタート地点やゴール地点のスタッフと連絡を取り合い、5時間もの長丁場を、音源者や音楽隊、民謡おどり、一輪車隊、御輿隊などを、それぞれの速度に応じて間隔を取り進めたものだ。その後には、和歌山の「躍虎まつり」「阿波のたぬき祭り」「仙台青葉まつり」などの数々のパレードの進行も行なったが、確か4、5年で「御堂筋パレード」の進行をおり、その後は広告代理店からの要請で3度程のフロートの進行をした。

確かに昨年10月14日の「御堂筋パレード」は延べ145チーム、約9000人もの参加者、125万人もの観客があったというが、やはり18年で惜しまれて終わり、21世紀を迎えた今はまったく新たなイベントを仕掛けるべきだったと思える。それとも何か辞められない理由が、関係者の中にあるのか知りたいところである。純粋にイベントを企画し、それを“祭り”として自らの名を出さず、また利権も唱えず、時代と民衆の中に埋れてこそお祭りプロデューサーであると言える。
橋下新大阪府知事がこの度の「御堂筋パレード」を打ち切ることに関しては賛成というか、仕方のないことであり、また「再建団体」になるおそれの大阪府がやり続ける価値のあるイベントではないだろう。しかし、その橋下新知事を説得させるだけの、いや大阪府民を説得させるだけの開催趣旨を誰か書けるものがいるのであれば、続行を唱えればいいではないか…。 

2008年2月 9日 (土)

韓国系企業がフェスゲ落札

Ef9mpt5k フェスティバルゲートを韓国系企業が26億円で落札!「食」と「笑い」の事業構想にて10月より新装OPENへ。
大阪市交通局の土地信託事業で平成9年に鳴り物入りでオープンし、破綻した都市型遊園地「フェスティバルゲート」(大阪市浪速区)を、大阪市は8日、条件付き一般競争入札を実施し、韓国資本が設立した開発会社「FESTIVAL PLAZA APP」(同市淀川区、金大成代表取締役)が26億円で落札したと発表。同社では建て替えをせずに、食料品市場やサテライト放送局、アジア映画専門館などを入居させる商業施設として、今年の10月にリニューアルオープンさせる。
「フェスティバルゲート」も出来た当時(平成9年)は、建物から道にはみ出すジェットコースター「デルピス・ザ・コースター」(全長約750m、最大斜度約50度、最高速約100km/h)やゲートタワーの下のゴンドラ2台が振り子運動と宙返りを繰り返す絶叫マシーン「クロノス」などが話題を呼び、新しいもの好きな大阪人を引き付けて、商業スペースにあるレストランやショッピング等の施設においても多くの動員を図ることができたが、わずか数年後には入場者数も著しく失速し、飲食店などの入居者は賃料の高さに比して売上げが落ち込み連鎖撤退が始まった。同時に開業4年で年間入場者数は初年度の半数の約300万人にまで落ち込んだ。
その後は、大阪プロレスの本拠地を誘致したり、文化活動団体(芸術系NPOの集積、新世界アーツパーク)への貸し出し等のテコ入れも行なうが一向に改善されずにあった。2004年2月、信託銀行三行は事業からの撤退を表明して管理会社は倒産。大阪市は、最終的に200億円の赤字を補填する形となる。
ここでその失敗の原因を考えるには以下の幾つかの点が指摘されている…
○周辺環境
フェスティバルゲートがターミナル駅から離れていて交通の便が悪いため、またあいりん地区に至近であり、日雇い労働者の印象が強い地域であるがために客足が遠のいたのではないかとの声がある。但し、これも隣接する民間経営のスパワールドの好調さからすれば一概に周辺環境が原因とは言えない。
○アトラクションの陳腐化
遊園地やテーマパークを成功させるには、定期的な新規アトラクションの投入が鍵となる。ここでは構造上アトラクションの改装・改修が困難であったために、お客に飽きられたという節がある。*箱もの行政のなせる業でしょうか。
○警備費用
倒産が迫るまで、ホームレスや労務者の溜まり場となるのを防ぐとして多くの警備員を館内外に配置したが、人員や経費が過大だったという声もある。*確かにオープン当初は、交通渋滞を防ぐ意味もあり四天王寺や上本町界隈までガードマンが道路に立っていたほどで、やはり行政のやることは太っ腹だと思っていた。


倒産後は紆余曲折があり、2007年1月、大阪市は施設再生の最終検討に入り、大阪市が年2億円以上の維持管理費を負担する条件で施設の一部をアート、福祉、経済活動が一体となった用途に貸し出すとするコンペを行い「新世界アーツパーク」などの民間団体などの応募を受け付けたが、収益性の面から見ても実現困難として5月には全案を却下し再建を断念した。以後、大阪市は土地建物の売却を開始し、既存テナントには同年7月までにすべて撤退するように通達が出された。現時点での施設評価額は、建設費の30分の1にも満たない約8億円といわれており解体撤去の可能性もあったが、この度の一般入札で、韓国系企業(韓国の上場企業等の経営者10人により設立した)「FESTIVAL PLAZA APP」が26億円で落札してくれたという、ありがたいお話である。
この間の経緯は、業界仲間からも色々と話を聞き及び、様々な企業や思惑があったと噂ながらに聞いていたが、この決着はそれはそれで新しい試みと始まりがあると期待できる。

確かに「フェスティバルゲート」のある新世界は、もともと明治期に開催した博覧会跡地を市が借り受けて、明治45年7月3日「大阪新名所」というふれこみの街「新世界」(ルナパーク)を開業したもので、当時には斬新な、今日で言う「テーマパーク」と類似した、テーマ「異国の都市」を描こうと様々なシンボルや施設、遊園地を作っていった。ご存知のように「通天閣」はそのシンボルとして今も有名だが、街の上を行き来できる大阪初のロープウエイや高さ22尺、直径36尺の円盤が上下動しながら高速で回転する一種の絶叫マシーンで集客を高め、劇場に美術館、動物園と文化施設も隣接させていったが、やはりパリやニューヨークという欧米を代表する二大都市を模倣し、その周辺の興行街にも様々な異国都市を模倣していた。戦場への旅、氷山への冒険旅行、エジプトの砂漠への旅、名所旧跡をたどる旅、時間を超える旅など、異世界への「旅」を疑似体験させるアトラクションや商業施設こそが新世界だったと言う。
今は昔の面影は少なく、近年の「串カツ」人気の影響から多くの「串カツ屋(飲食店)」が街にショップを乱立させ、そこに大きなビリケンさんの看板が立ち並んでいる。元来が、「新世界」という異国を感じさせる街ならば、今回の韓国系企業が構想する「フェスティバルゲート」の再生は的を得たところでもあるだろう。アジアを中心に国内外の食を集めたレストラン街や、日韓のコメディアンらが活躍できる拠点作りなども目指し、韓国や中国から大阪を訪れる観光客もターゲットにしたいと、その構想を練っている段階らしい。

上記に記載した「フェスティバルゲート」の失敗の原因を考えても、最近には周辺環境の格安ホテルを目当てに宿泊するアジアや欧米の旅行客の姿も多く、また隣接する日本橋にはアジア圏の人々が電化製品やマンガ、ゲームソフト・機器に至るショッピングにも大挙押し寄せており、この回りにて韓国、中国、台湾の観光客を降ろす観光バスも数多く見かけており、インバウンドが盛んになってきている傾向からも、確かにアジアの「食」と「笑い」を柱に、韓国資本で進める当事業は期待と共にお手並み拝見といきたいところである。
特に在日が多く住み、韓国系・朝鮮系の方々の市場、商店街が居並ぶ鶴橋界隈(コーリアンタウン/生野区)との連携も環状線を通じて行なえれば、まさに国際都市大阪市の再生にも一役買うに違いない。

連日のように大阪府の橋下新知事の「財政難からハコモノはいらない」と府の赤字ハコモノ施設の売却を考えているいまだから、今回のフェスゲを韓国資本が買ったというニュースは興味深く、今後も中国・韓国・台湾等の企業や資産家が買うやもしれず、またアラブの金持ちが買い占めるかもしれないが、それはそれで仕方のない「財政破綻」間際の大阪の姿と言えるだろう。例えば、大阪府立体育館を中国の企業が買い取りモンゴル力士が活躍する「大相撲春場所」を興行していたり、アラブの富豪が上方演芸資料館「ワッハ上方」を買取り、ダイマル・ラケットややすしきよしの漫才や初代春団治等の衣裳・資料等をYAHOO!オークションにて販売処分し、オイルマネーをもって「ワッハ・ハンドボール・アラブ資料館」にすれば、それはそれで大阪らしく洒落ているだろう。

◎参考資料
産経新聞2/8夕刊、産経新聞2/9朝刊、書籍『なにわの新名所』(橋爪紳也著)、フリー百科事典『ウィキペイディア』より一部抜粋。

2008年2月 7日 (木)

日本人の品格を感じるいい話

L4dr7zun 殺伐とした現代に日本人の品格に最も求められる「礼儀正さ」と「謙虚さ」を今回は今昔のニュースから取り上げた!
●12億円を辞退、ゲームもしない『脳トレ』の川島教授に日本人の品格を見る!
世界中で売れている『脳を鍛える大人のDSトレーニング』ゲームと言うのがあるが、その中で微笑んでいる顔(添付CG=写真WIRED VISION)が印象的な川島隆太教授(48歳)は、このシリーズの監修料約1100万ドルの受け取りを辞退した人物として注目されている。
川島教授が勤める東北大学の規定で、教授はこれらのゲームで発生した監修料の半分を受け取る権利があるが、同教授はこの全額を研究室建設に回したと言う。監修料はNintendo DSのみでも累計24億円にのぼり、教授はこのうち半分の12億円を受け取る権利があると言える。しかし川島教授は約1100万円の給料だけで満足だと述べ、「家族はみな怒っていますが、私は、金が欲しいのなら働いて稼げと言っているんです」と語っている。
川島教授は辞退した監修料を研究資金として使用し、東北大学加齢医学研究所に3億円をかけた研究室[プレイン・ダイナミクス研究棟。最新のレーザー顕微鏡が約2億円]を建設した。4億円をかけた別の研究室[超高磁場の磁場共鳴画像装置を備えている]も、3月に完成する予定にある。このように決して自分の私欲のために使わず、少々変わり者のようだが、川島教授は本当にひたむきな人物と言えるだろう。

●阪神タイガースの藤川、出来高いらん。2億8000万円で更改に日本人の品格を見る!
阪神の藤川球児投手(27歳)は2月5日、キャンプ地の沖縄県・恩納村にある選手宿舎で代理人の橋岡宏成弁護士同席のもと、契約更改をした。すでに代理人交渉で合意に達していた年棒2億8000万円(1億2000万増)でサインした。会見では、球団から提案のあった出来高払いを断ったことを明かした。藤川は前を見据えて「要望は出来高はいらないということです」と言い。当初は付帯されていると思われた出来高の存在を完全否定した。
「そういうことを考えながらプレーするのがイヤだった。仕事と思うことがイヤだったんです。何かをだれかに伝えたいという思いを邪魔することになるのがイヤだったんです」と、何度も繰り返した“イヤ”という言葉に思いが表れていた。マウンドという表現の場に『金』がついて回るのを嫌った。純粋にボールへ思いを込めたい。打者に立ち向かいたいというわけである。

…以上の最近のYAHOO!ニュースからのいい話を取り上げたが、ここにgoo Researchポータル http://research.goo.ne.jp/database/data/000296/index.html にある『日本人の品格・道徳観』(平成18年6月16日の報道発表資料)に関する調査結果を見ると上記の2つのいい話には日本人の品格を思わせる調査結果が出ている。

●日本人が失いつつある品格・道徳観の問いに…
「日本人が元々持っている品格・道徳観」のうち、失いつつあるものとしては「礼儀正さ」が54.1%と最も多く、そのほかに「謙虚さ」47.5%、「思いやりの気持ち」45.3%、「恥ずかしいことをしないという考え」45.1%、「忍耐」40.5%と続いている。

●日本人が残しておくべき品格・道徳観の問いに…
日本人が残しておくべき品格・道徳観とは何か、との質問に対しては、「礼儀正さ」「思いやりの気持ち」がそれぞれ66%に達し、最も多かった。次いで「謙虚さ」53.5%、「情緒を重んじる」49.7%などがこれに続いている。

●日本人が取り入れるべき考え方と取り入れるべきでない考え方の問いに…
日本人が取り入れるべきと思う考え方・主義について尋ねたところ、「実力主義」21.4%が最も多く、「論理を重視する」20.1%、「平等という考え方」19.9%が続いた。一方取り入れるべきでないと思うものとしては「特になし」30.7%と最も多かったが、それ以外では「個人主義」27.5%、「競争社会」21.9%が多かった。

●品格・道徳観を失いつつあることに伴う影響・行動の問いに…
日本人が品格・道徳観を失いつつある影響について、実例を挙げて影響が出ているものを挙げてもらったところ、「法に触れなければ何をしてもよい、という考え」を指摘する人が35.9%となり、最も多かった。ついで、「未成年の犯罪」「凶悪犯罪の増加」「家庭崩壊」「地域コミュニティの崩壊」等を上げる人がそれぞれ30%以上にのぼった。

※以上のデータは有効回答者数:2,114名、調査方法:非公開型インターネットアンケート、調査時期:平成18年5月26日(金)〜平成18年5月28日(日)、性別:男性48.8%・女性51.4%などから割り出している。

とにかく先に書いた川島教授も藤川選手も共に、「礼儀正さ」「謙虚さ」については申し分のない日本人の品格をこの度の行為で表したと言えるだろう。そして、最後の問いにあった「品格・道徳観を失いつつあることに伴う影響・行動」について、51年前の日本交通公社(現JTB)の雑誌『旅』(1957年2月号)の「ほほえましき風景」という投稿記事を最後に書いて、決して忘れてはいけない日本人の品格(こころ)をあらためて考えたいと思う。(少々、今話題のTVドラマ『斉藤さん』のノリですが…笑)

☆親切のリレー
東北線上り列車に尻内駅から乗った若い娘さんが、まえの人に小さな紙片を示して、「ここへ行きたいのですが」と思いつめた表情で尋ねた。東京の友人の住所だという。
「それは省線でどこまで行き、都電に乗り換えて」と丁寧に説明しても一向に通じない。聞けば東京は初めてで電車も見たことがないという。家にも無断で出て来たらしい。事情を聞いていた同じボックスの人たちは、「それは無謀だ。東京という所は貴女が考えているような生易しいものではない」と交々帰宅を勧める。しかし当人は是非行きたいという。
それでは上野で交番に尋ねることにして、安全に上野まで送り届けようということになったが、生憎東京まで行く人がいない。では順々にリレーしようということになり、「盛岡までは引き受けた」という人が出た。次に仙台までという人が出て、第一回のバトンタッチ。第二走者も、帰った方がいいと勧めていたが、日がトップリ暮れて窓外の景色も見られなくなると、流石に心細くなったらしく「帰ります」と言い出した。その時、国鉄の職員が「私が責任をもって」と身分証明書を示して、それからあとを引き受けた。みんなでわが娘のように案じてやっている美しい気持ち。渡る世間は鬼はいない。(青森県 木村哲子)


とにかく凶悪な事件や自分勝手な振る舞いが目に付く公共の交通機関においても、こんな人情溢れる「親切リレー」を現代も忘れてはいけないと言うことだ!

2008年2月 6日 (水)

中国ギョーザ迷走の中で赤福再開!

Fioazqdn 伊勢の名物・赤福再開の日に、中国製ギョーザは新たに3種類の毒物が検出され、今日は甘辛い2大ニュースを取り上げる!
消費期限偽装などで三重県から営業停止処分を受けていた老舗和菓子メーカーの赤福が今日、営業を再開した。伊勢神宮に近い本店には開店前から徹夜組を含め200人以上が行列し、店内への入場制限が行なわれるほどの人気ぶりで、訪ずれた客らが次々と「赤福」を買い求め、午後1時20分過ぎには初日の販売分が品切れとなり、早々に店じまいとなった。そのため並んでいた客の多くが買えない人も出たそうで、テレビのニュースでは110箱を買い占める客の姿もあり、非常識な輩もいると憤慨していた。店側も、購入時の個数(一人○箱まで販売と決める等)を制限し、せっかく並んだ客にたとえひと箱でも買って帰っていただく配慮が必要だろう。
偽装問題は、昨年10月12日に発覚し、赤福は以後の販売を自粛。店頭から回収した「赤福餅」の包装紙を新たな製造日に替え、賞味期限・消費期限を偽る「まき直し」などの不正が行なわれており、県は営業停止処分とした。
そして、この度、赤福は約3億円かけて、本社工場を改修し、不正を防ぐため、包装紙だけでなく折り箱にも製造年月日を印字する機械を新たに導入したほか、回収品を冷解凍し再出荷する不正ができないように、冷解凍設備を廃棄した。(こんな簡単なことに3億円をかけるより、社員教育と監視を徹底すれば今まで通りでも出来るはずなのに…)さらに大阪、名古屋の両営業所について菓子製造業の廃業届を提出し、「高い品質を保つため」として、生産を伊勢市にある本社のみに絞った。(産経新聞夕刊・平成20年2月6日より記事を一部抜粋)
確かに「♪伊勢の名物、赤福餅はいいじゃないか♪」と歌われたコマーシャルソングの割に、新大阪駅や京都駅等の京阪神・東海の主要駅で販売され、また高速道路のサービスエリアも伊勢に限らず、奈良、大阪、京都などでも売られていたのは異常だろう。地方に行けばその土地に必ず“あんころ餅”があり、「ぼたもち」「川渡餅」等の名称を変えて売られているもので、伊勢参りをした帰りに買い、また本店などで食べて、買えることが赤福餅の希少価値を上げることにつながるだろう。確か私も小学校の修学旅行に伊勢に出かけ、親から学校の規定の小遣い以上を持たされ、両手に持ちきれないお土産の赤福餅を買った記憶がある。その当時はやはり伊勢でしか買えなかったわけで、「伊勢に行くなら赤福を買って来い!」という習慣が成り立っていたわけだ。

国内の偽装問題の目玉であった赤福が販売を再開したが、今話題の赤(中国)のギョーザ問題は、旧正月をかこつけて工場の自主休業となったようだ。今日のニュースでは今までに福島県で発売され、有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が検出されていたが、新たに「CO・OP手作り餃子(ギューザ)」の包装袋外側からはトルエン、キシレン、ベンゼンもの毒物が検出されたと発表されている。誰が何の目的で、このような無差別殺人テロを引き起こしているのか、その殺意や意図を考えると日本側の物流においてまったく不可解でしかない。ましてや段ボールそのものを小売店の店先に届け、その場で開封の後、並べられるだけであり、その過程で働く人がなんの得があって、そのような国内では手に入らない毒物を蒔くというのだろう。特に密封の段ボール、また包装袋を開けずに注射器などを使って入れるバカがどこにいるのだろう。
それに比べ中国側(工場=天洋食品)は早々に、工場側には一切落ち度はなく、日本側の流通過程に問題があるだろうとうそぶき。1000人もの被害者に対して、また多くの冷凍食品や中国の食品等を愛用する人々の食の安全に対する信頼を裏切った形になっている。まずは謝罪だろうに、日本の偽造問題を引き起こした企業のトップですら謝罪から入るのに、徹底した衛生管理にある工場と数日間も遅れて内部の映像をマスコミに取材させるなどは到底信用できないものである。
問題視したいのは見つかった毒物の厳密な検査を行い、その成分が日本国内のものか、また中国で販売されている殺虫剤や農薬のものかを調べれば一目瞭然であり、和歌山の砒素カレー事件で使われた精密検査方法を取れば確実に事件の真相が暴かれるだろう。すでに警察も入っての状況捜査からも中国で付着・混入されている可能性が高いと言える。
それは毒物混入の商品の製造年月日である10月1日、20日の就労日誌を調べ、その日の就労者の名簿にてそれらの人物を拘束すべきである。今回、事件の一報が届いた段階でジェイティフーズ社も双日食料もすぐに政府を通じて対応し、天洋食品の工場側に証拠隠滅の時間を与えないことが大事だったはずである。即座に就労者全員の持ち物検査を行い、また聞けば昨秋に40代以上の労働者の大量解雇があり、それに対する反感が大きかったことを知れば、製造年月日に工場内にいた者のリスト作成がもっとも必要とされるだろう。すでに中国政府は、今回の事件にて犯人が出た場合、即時死刑にて今回の問題解決を図ろうという噂が関連ブログから出て来ている。確かに今年はオリンピックの開催を控えており、今回の騒動は早く決着を図りたいところだろう。

しかし日本側の双日食料(商社)やジェイティフーズ社の対応も後手に回っている感じである。根本的なところを言い出せば、この他の天洋食品のこの工場にて冷凍食品の製造を依頼する割に、十分な検疫もせずに、すべてを中国側に任せているのはいかがなものか?また利幅を取っている単なるブローカーであり、なんら食の安全に対して無関心すぎはしないだろうか。今日あたりからジェイティフーズ社は、今回の事件の謝罪と問題商品の紹介と回収のテレビコマーシャルを流しはじめ、また日清食品との統合を撤回したと記者発表し、まさに社会的制裁を受けているといわんばかりである。
ジェイティ(JT)とは、あの愛煙家が好むニコチンとタール、一酸化炭素を肺や胃に入れて死亡率をあげる危険なものを売っている会社の子会社だろう。ここで「煙草の害を知る」というブログ http://www.nobu-nobu.com/tabako/gai.htmlに書かれた内容に興味深いものを見つけた…
●有害物質
煙草の煙は4000種類の化学物質が含まれています。そのうち200種類以上は有害物質です。
殺虫剤などに使われる成分と同じものが含まれています…。
●死亡率
煙草を吸わない人と比較し、
・喉頭がんは−−−32.5倍
・肺がん−−−4.5倍
煙草を吸うほど死亡率はあがっていると言えます。

煙草の箱に書いている「吸い過ぎに注意しましょう」とその危険を十分知って売っているなら、今回の一口ギョーザも「中国製造の手作りギョーザの食べ過ぎに注意しましょう」となぜパッケージの袋に書かなかったのか…少々過激ですが、「まき直し」の赤福と毒入りギョーザではあまりにも食の安全において危険度が違いすぎる。とにかく今回は北京オリンピックが終わろうが、上海万博が終わろうがきっちりと食の安全を中国に求めることが重要と言えるだろう!

2008年2月 2日 (土)

ドラマ「鹿男あをによし」ロケと遭遇!

Atafk7ut 突如、屋上に俳優・玉木宏が出現!平城宮跡を一望するその時空で、“青丹によし”と言う奈良の枕詞がエンドレスしていたと言う。
1月30日に奈良の柳本に住む友人から「こちらに俳優の玉木宏が来てる!」とのメールがあり、今放送中のドラマ『鹿男あをによし』の撮影ロケがあったことを知る。大和盆地東辺に立地する柳本は古墳群を有する考古学ファンにとっては足を踏み入れたい場所であり、邪馬台国論争の中心でもある黒塚古墳や天神山古墳があり、大量の銅鏡、それも三角縁神獣鏡が発見されている。
ドラマ『鹿男あをによし』にあっても「鎮めの儀式」に用いる“サンカク”と呼ばれるプレートはまさしく三角縁神獣鏡とも関係があるようで、このドラマではどのように描かれるかは知らないが、確かに柳本という大量の三角縁神獣鏡が出土した黒塚古墳あたりにロケ隊が出没していたようだ。個人的には奈良を散策する上で最もお薦めのスポットを言えば、天理から桜井まで続く山の辺の道と言える。万葉集にも多くの歌が詠まれた山肌をかすめて通る田園の道は、万葉の時代を今に残すタイムカプセルのような道であり、そのとこどころには、今の時期であれば干し柿、ミカン、梅干、野菜などが無人にて販売され、人を信用するセルフサービス方式の空き缶に代金を投げ入れるシステムにてほしい果物や野菜を持ち帰るのである。まだまだ日本の良さが残るこの地に玉木宏と共に『鹿男あをによし』の撮影隊が訪れたと言うわけだ。
いずれドラマのどの場面、どのシーンに柳本が登場するかが楽しみである。

と…思っていたら、昨日(2月1日)は自宅から目と鼻の先と言える近鉄大和西大寺駅の東側に位置する奈良文化財研究所の屋上にて添付写真のように、俳優の玉木宏が出現しての隠密ロケが午前9時から11時頃まであったそうだ。たまたま知人がその建物の隣にある奈良歯科衛生士専門学校にいて、その玉木と撮影隊に気づいた学生たちが騒ぎ、大興奮だったという。日頃はなんの変哲もないだだっ広い平城宮跡しか見えない風景に突如として隣の建物の屋上に、撮影隊のカラフルなパラソルが開き、そこに今人気の俳優である玉木宏と多部未華子が現れ、あるシーンを撮影していたと言う。確かドラマでは朱雀門が見える平城宮跡と隣接する架空の女子校の奈良女学館高等学校があり、その屋上を想定しての奈良文化財研究所(元は奈良県立病院)での撮影になったようだ。
この現場を見た知人は、足の長い玉木が屋上の柵をいとも簡単にまたぎ、その姿はオーラが出ていたという。一回一回のシーンを撮影するごとに毛布にくるまい、メーキャップによる化粧直しをしていたそうだ。隣の専門学生が騒ぐごとにスタッフ(助監督風)が口に人差し指を立てて「シー」と言うと静かになり、それを見たスタッフは両手を頭上に上げて、○の合図をしたという。私は自宅の事務所で還付金欲しさに青色申告の書類づくりの真っ最中ながら、リアルタイムに情報が舞い込むもので、まるでロケ現場にいるような錯覚さえする。

とにかくこの時期の奈良は半端な寒さではなく、朝寝床から出るのもおっくうで、布団から出ている頭部はアイスノンを顔面に貼り付けたように冷え冷えな状態。きっと玉木宏も多部未華子もとんでもなく寒いところ、また「思えば遠くへきたものだ!」の印象にあるのだろう。しかし、日頃は無関心を装う奈良県人も、その中身は結構なミーハーであり、めったにお目にかかれないドラマの撮影隊を見つけては一喜一憂しているのである。
私ごとながら生まれながらの大阪人ではあるが、この度の改名(25年ぶりに名前を変える)に合わせて、本籍も大阪から奈良に移したわけで、どうやら私も鹿に選ばれての奈良人になりつつあるようだ。今後は、平城京・平安京・難波宮のトライアングルを保ちつつ、奈良・京都・大阪を中心に全国に発信する新たな企画を進めたいと願っている。

2008年1月31日 (木)

中国ギョーザの波紋

4uj7moud 毒物の混入は言いがかりというのであれば、返品した冷凍ギョーザを作った当事者が、まず食べて安全だと身をもって示すことだ!
以前にもブログにて書いたが、中国にはまだまだ消費者への配慮が欠落し、儲かれば何をしてもいいと言った考え方があるのも事実だ。例えば、著作権侵害にある「クレヨンしんちゃん」の著作権登録や北京近郊の遊園地におけるドラえもんやキティちゃんの偽物着ぐるみなどは序の口で、最近には段ボール紙を用いた肉まん騒動などが記憶にあり、確かに元手をかけずに販売すれば大きな利幅を得られるのも事実だ。
とは言うもののわが国にあっても昨年からの偽装問題にはほとほと嫌気がさすほどで、それも有名料亭や老舗菓子会社の商品が食べる人のことなどお構いなしに、売れさえすればいい、少しの賞味期限や消費期限を改竄し、廃棄するぐらいなら売ってしまおうという許しがたい暴挙に出ている。

以前、奈良県内の在る自治体のNPO団体の地域振興の会議にちょくちょくと顔を出す機会があり、その代表者が某柿の葉ずしの企業の会長であり、昼を挟んでの会議には、本店に出かけて賞味期限切れの商品を用意し、メンバー全員で食べるのだが、「たった1日の消費期限切れ」とは言われるもののどこかで納得できないところがあった。また帰りに食べきれず持って帰らされることもしばしばで、24時間以上を過ぎると保存用寿司とは言うもののシャリが硬くなっており、パサパサ感すらあったと言える。それ以来、そのメーカーの柿の葉ずしはどうも敬遠しがちであり、ご好意にていただいた1日過ぎた期限切れの柿の葉ずしが、とんだイメージダウンになったと言えるわけだ。
ここで少し賞味期限と賞味期限を整理してみよう…

■賞味期限
 賞味期限は、「定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期間を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする」という。要するに、それまではおいしく食べれるよ!という事だ。

■消費期限
 消費期限は、「定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう」という。すなわち、それまでは食べられるよ!という事だ。


我が家には、地震災害用に保存食となる水や食料を多少なり備蓄しており、その中にある食料の賞味期限が迫るものはギリギリの段階にて仕方なく食べることがある。特に缶詰などは缶の蓋部分に表示している年月日であり、この前もパイナップル缶を開いて食べてみたが、どこか味がトーンダウンしているように思え、もともとの缶の中に入れられた当時の味も知らないが、「なんかパンチが弱いぞ!」と賞味期限すれすれの賞味を味わっている感じである。メーカー側が食品衛生法、JAS法で定めた賞味期限を設定しているが、それを悪徳メーカーは改竄し、さらには消費期限まで偽装して売ると言った行為に及んだのが一連の偽装食品事件である。

それなのに数ヶ月もしないうちに知らん顔で、また販売開始し、何食わぬ顔で「常連客に喜んでいただいた!」と言い出す始末。そんな味音痴な常連などは、賞味期限であろうが、消費期限であろうがブランドと値段と言ったセレブ感覚で食っているに違いない。特に船場吉兆などは、経営者もさることながら板場を預かる料理人としてのプライドがないことに「食い倒れ大阪」の恥を知れといいたいところである。とは言うものの、高級料亭などとは縁遠い身なれば、今回の冷凍ギョーザの方が気になるし、また許しがたいところだろう。

今日のニュースでもスーパー等から中国製冷凍食品が次々と撤退したのを始め、すかいらーく系全店でも中国製食品の使用禁止となっている。すでにコープを通じて販売された中国製ギョーザの食中毒の数家族の被害(入院)を皮切りに、「餃子で被害」の拡大は、17都道府県85人に拡大を続けており、さらに増える傾向にある。厚生省は31日、全都道府県に同様の事例の報告を指示すると共に、製造元の中国・河北省の「天洋食品」からギョーザ以外の食品を輸入していた計19社の社名と品名を公表、自治体を通じて各社に販売中止を要請した。すでに数社のメーカーも商品を自主回収しはじめており、中には大量に業務用に輸入する貿易会社もおり、その被害総額は計り知れない所だろう。以前にも中国製品の衛生面、安全面の信頼が落ちた際にも横浜や神戸の中華街は大打撃を受けたが、今回も確実にその波が押し寄せるに違いない。

しかし食糧を自給自足できない日本にあって、今回の事態は大きな外交問題になると懸念もされる。確かに悪いのは中国の毒入りギョーザを製造した工場ながら、その検疫を行なった中国当局が黙って謝罪するとは思えない。「日本側の陰謀!」だと、すべての輸出・輸入に影響し、日本製品を買わないといったボイコット、また日本製品の食品に毒を忍ばせて対抗してくるなど、大人気ない対応にて国の品格もないままに対日感情を高めることになる危険性を孕んでいると言えるだろう。まだまだ顧客満足(CS)やカスタマーソリューション等のマーケット手法も知らない連中が多く、未熟なほどにマーチャンダイジングの欠如が読み取れる。

最近話題のTV番組『斉藤さん』ではないが、“うるさかろうが、煙たかろうが、正義の道を行く”覚悟にて、今回は強く中国当局並びに冷凍ギョーザの製造元「河北省食品輸出入集団天洋食品」に対して抗議し、謝罪を求めるべきである。下手をするとギョーザを食べて命を落とす悲劇を招いていたかもしれない訳で、また体内に残った毒物により後年に重い病気になることも心配されるだけに、その不安に対する取り組みもすべきである。中国4000年の食文化を持つ中国は、一体どうなったのだろうか…?それでなくても今年の北京オリンピック、また2010年の上海国際万国博覧会の開催にて、世界中から多くの外国人旅行者を誘致するというのに、食の安全が保たれていなければ、日本から食料を冷凍して持参するしか方法はないだろう。
しかし…餃子は、冷凍もので済ませず、手間隙かかるが手作りにて作るに限る。ほんまだっせー!

2007年3月17日 (土)

映画『幸福のスイッチ』DVD発売へ

4hjjhij0 特報!映画『幸福のスイッチ』DVDが4月4日発売。盛りたくさんの特典にて、いつも手元に幸福になるスイッチを買い置こう!
先日の第30回「日本アカデミー賞」(2006年度上映作品)の発表があり、近年、元気な日本映画のノミネート作品が次々と紹介され、その中でも優秀作品賞・優秀監督賞・優秀脚本賞・最優秀助演女優賞(蒼井優)・話題賞と5部門を『フラガール』が独占し、それに続く形で『武士の一分』『嫌われ松子の一生』『男たち大和 YAMATO』『明日の記憶』が続いた。どの作品も優れた脚本と演出、そして出演陣とスタッフの作品に賭ける意気込みが感じられるものばかりだったと言えだろう。
しかし映画は単に流行や上映年度の一年で終わるものではなく、息の長い感動を生み出すものでなければならないと思う。約2時間の中にドラマを生み出し、映像のこだわりと人生にまでも影響する登場人物の生き様や台詞そのものにより、テレビドラマと違う心を突き抜けるような影響力を持たなければならないと考える。つまりは自分のその上映時期における心の有り様と境遇にも“琴線に触れる”映画作品であれば、自分にとってのアカデミー賞作品であるし、登場人物に元気をもらったということで「助言女優賞」「激励男優賞」であり、またその作品を自分に届けてくれた監督には「優秀感動く(監督)れた賞」と呼べるものである。
その意味で2006年度作品の中で、自分の中にあっては映画『幸福のスイッチ』は最も感動を与え、ほのぼのとした空気間の中に、現代にあってもっとも考えなければならない“家族の絆”や“モノへの思い入れ”“親身になって相手を思うサービス”“働くことの意味”などが詰め込まれた最優秀作品であったと認識している。
映画『幸福のスイッチ』は和歌山県田辺市の電気店を舞台に繰り広げられるヒューマンドラマであり、親子の確執や愛情といったいつの時代も変わらないテーマを題材にし、困難を乗り越えながら成長するヒロインを描いている。常に不機嫌なヒロインを演じるのは『笑う天使(ミカエル)』の上野樹里で、その姉役として柔らかい雰囲気の中にしっかりと妹への愛情を投げかける『紙屋悦子の青春』の本上まなみ、そしてその娘達の頑固な父親には沢田研二が熱演している。全編に渡り暖かく、心地いい関西弁(和歌山弁)が台詞として登場人物により話され、その違和感のない自然さがこの映画を観る者を魅了して放さないのである。
本年度の初頭の1クールにてCXの月9ドラマ『のだめカンタービレ』の主人公のだめを好演した上野樹里だが、もっとも等身大で、彼女自身が持つ関西人気質までもがうまく引き出された映画としての名作になっている。確かに『チリソクの夏』や『スウィーングガールズ』の中の上野樹里もいいが、関西弁のイントネーションが感情の起伏までも表す主人公・稲田怜の熱演は、本当にその辺にいそうな関西の女の子だと納得させられる。
何よりも家電メーカー勤務の経験を生かし、本作を作ったメジャーデビューとなる安田真奈監督の細部に渡るこだわりと、その町の電気店と言うシチュエーションがすごく日常とマッチングし、親近感覚える作品となっている。同時に和歌山県田辺市の協力を得ての撮影は、その地域性及び人情の温かさと心地よさが映画の1枚1枚のフィルムに届いており、観る者を懐かしさと勇気付ける作品に仕上がっている。

簡単にストーリーを紹介すれば…
「東京で働くイラストレーターの稲田怜(上野樹里)は、その広告デザイン会社の営業と意見が合わず、突然会社を辞めてしまう。そんな時、妹の香(中村静香)から姉の瞳(本上まなみ)が入院したと手紙が届く。実家に戻ってみると、じつは入院したのは姉ではなく、ソリの合わない父(沢田研二)だった。怜は瞳らに頼まれしぶしぶ家業の電気店を手伝うことになるが、新品家電を買うことよりも修理や雑用ばかりを依頼する常連客にカッカしながら、その事で「コンビニでも始めた方が儲かる」と言い出し父親とぶつかる。しかし、日頃からお客様サービスを徹底し、その常連も父親を頼りにし、また愛されていることを知ることで、自分に与えられた仕事の意味と父親の自分への愛情の深さを知っていくことになる」

映画『幸福のスイッチ』は2005年11月28日に主演決定、12月20日に脚本完成、2006年1月24日に製作発表を迎え、2月5日にクランクイン、そして映画の完成は2006年6月29日、マスコミ試写会開始が7月18日スタートとなり、10月7日には和歌山県にて先行公開(ジストシネマ和歌山)、10月14日には東京(テアトル新宿)、大阪(テアトル梅田、東宝シネマズ仙北)と徐々に全国へと拡大ロードショーを続けている。実際には、今日現在にあっても上映する劇場もまだあるようで、その確認は下記にある公式サイトから…。

映画は様々な映画祭にも招待出品され、実際にご覧いただいた方々には全て好感度の高い感想が返ってきている。中でも2006年11月18日、20日の『2006北京・日本映画週間』での招待上映は、日本から持ち込まれた名作・新作映画の数々を退けて、作品の評価も高く、観終わった後は拍手と歓声、1,200席の劇場は立ち見がでるほどの大盛況であったと聞いている。本当に映画は出演者や作り手の元をどんどん離れ、多くの人々に迎え入れられ、また国籍も人種もなく感動の輪をひろげて行くもので、それこそ“幸福のスイッチ”が映画を観た人々の心の中にてスイッチONされていることを感じ得るものだ。

まだまだOFF(フェードアウト)するものではなく、「第2回おおさかシネマフェスティバル」の日本映画個人賞で安田真奈監督と長女・瞳役の本上まなみさんが脚本と助演女優賞のW受賞の栄冠に輝き、明日の3月18日に大阪のそごう心斎橋本店14階「そごう劇場」での表彰式に臨むとのことだ。また、お待ち兼ねの映画『幸福のスイッチ』DVDが4月4日に発売されるもので、特典映像を約100分、価格は4,935円(税込)、初回限定封入特典(イナデンステッカー他)があり、本編の映画以外に編集されている特典映像はまさにお宝と言える記録映像が多数含まれている。是非とも、DVDは手元に置きたいものだ。なんせ安田真奈監督メジャーデビュー記念作品だから、プレミアム間違いなしだ!

◎公式サイト http://www.shiawase-switch.com/
◎監督ブログ http://ameblo.jp/shiawaseno-switch/

2007年1月 9日 (火)

成人式とは元服の儀式

Im9voz2b 成人式(成人)の意味は、自己の心の中で大人を意識すること。そして、社会の中で“役立つ自分”を自覚することだ!
昨日は祝日にて、全国各地で「成人式」が開催された。やはりと言うか、お決まりの大人の自覚がない輩も多く参加し、ワイドショーの格好の餌食となる映像が各地で収録されたようだ。もちろん犯罪行為も、それらの新成人(この呼び方はそぐわないと思うが?)によって引き起こされ、事故・事件も多数、ニュースにて取り上げられている。その一例としては…
○成人式会場で、車空ぶかしの19才新成人を逮捕…千葉
○新成人が無免許ひき逃げ=自転車の男性死亡…千葉
○<信号無視>オートバイの新成人ら2人逮捕…長崎
○<成人式>騒いだ新成人逮捕…埼玉・春日部、茨城
○成人式の帰りに肩ぶつかり暴行…広島
○成人式で同級生殴る=19歳少年、傷害で逮捕…兵庫
以上の他にも、毎年の恒例行事とも言える沖縄の暴走新成人(羽織・袴姿のばか者)など、挙げれば切りのない暴挙が成人になった喜びよりも、何でも許されるという錯覚から酒を煽り、暴力沙汰となる。これらの新成人は顔と名前をきっちりとマスコミにて公表すべきであり、大人としての自覚を植えつける意味で刑務所にぶち込むことを薦める。

成人式とは、古来より男子における元服・褌祝い、女子では裳着・結髪の意味を持っており、一人前の大人の仲間入りを意味するイニシエーションに他ならない厳格なもののはずである。また、今日の成人式は、終戦間ない1946年11月22日、埼玉県北足郡蕨町において実施された「青年祭」がルーツとなっている。敗戦により虚脱の状態にあった当時、次代を担う青年たちには明るい希望を持たせ励ましてやりたいと、当時の埼玉県蕨町青年団長の高橋庄次郎氏が提唱者となり青年祭を企画した。会場となった蕨第一学校でテントを張り、青年祭のプログラムとして行われた「成年式」が現在の成人式の原型である。それを考えれば、今年の成人式で最も正しい成人式を行ったのは、財政破綻をした夕張市の手作りでの「成人式」ではないだろうか。行政から1万円しか出ない中、新成人が自らの手で作り上げ、また近隣の人々や全国からの支援金が寄せられ、その励ましの中で“立派な社会人”を目指そうと言う決意は、夕張市の復興と共に強いものがあったはずである。多くの善意は約300万円近く寄せられたが、今回の経費を20万円前後に押さえ、残りを来年度以降の成人式に繰り越すあたりは頭の下がるものであり、これを全国の行政の担当者に見習わせたい思いである。

成人式の参加対象となる成人は、前年の「成人の日」の翌日からその年の「成人の日」までに誕生日を迎える人を祝う日となっている。しかし、最近では前年の4月2日から、その年の4月1日に成人する人を式典参加の対象とする、いわゆる学齢方式が定着してきている。そこでは19〜20歳の新成人であるが、昨日夕方のニュースには81歳の女性が、孫と共に成人式に参加し、「自分の若い頃に成人式に出席できなかったので、参加できて嬉しい」と髪飾りをつけて出席する姿が映像に捉えられていた。先にも書いたが、成人式は戦後に蕨町にて誕生したものであり、“若い頃に成人式に出席できなかった”とは奇妙な話である。また、子供、孫、場合によっては曾孫がいてもおかしくない高齢で、いまさら成人式を迎えるのは不思議なものである。あくまでも成人式は通過儀式(イニシエーション)であり、遥かに通過した後に、若い者に混じって「成人式」に参加するのはボケた行為としかいえないだろう。
このように金と時間が許される高齢者によって、世の中はかつてないおかしな社会を創り出している。江戸期には平均寿命が30歳そこそこであったがために、15歳にて元服し、また20歳にあっては働き盛り、そして所帯を持つとなり、自覚の中で世代交代が行われていた。しかし、今回の新成人の上には父母、祖父母、祖祖父母と4世代の少子高齢社会を築いてしまっている。その上の高齢者が逆ピラミッドにて覆いかぶさり、巨額の箪笥貯金と資産を持ち続け、さらには政治や資本社会の中で権力を持ち続けていては、新しい世代は育たないし、未来を悲観するばかりである。

今月の7日、8日の両日夜に、正月ドラマスペシャル『白虎隊』(テレビ朝日系)を見たが、武士道を賭けた戌辰戦争に駆り出された15〜16歳、さらには12、13歳の白虎隊士や二本松少年隊の姿には、成人(元服)前の幼さの残る中にて、「ならぬものはならぬ」の決意で秩序のある武士道を見せている。すでに当ブログにて数回に渡り、白虎隊と会津藩校「日新館」を書いているので、そちらも読んでいただきたい。言えることは少子高齢社会のひずみが今のニートや若者のいじめ問題、甘えの全てに影響を与えていると言わざる得ないだろう。もっと責任を持たせ、家を守ることの意味を伝えなかった戦後教育の全ての反動が来ていると言えるだろう。そこには“自分さえよければいい”と言う、勝ち組と負け組を作り出す世の中の仕組みにも問題はあるはずである。(結構、難しいことを書いているが、ドラマ『白虎隊』にはその答えも描かれていたような気がする…)

最後になるが、今の形での成人式は止められないのだろうか。その答えは、その仕組みと一部の業界が影響していると言える。つまりは、成人式では単価の高い着物(特に女性の振袖)を着用する新成人が多いため、呉服業界にとって最大の稼ぎ時と見られており、暴れる成人式に困っているが、呉服業界からの反発を恐れて成人式を中止できない自治体(例・静岡、那覇市など)も多いようだ。また確実に少子化に進む傾向にあるにもかかわらず、現在の販売戦略は成人式頼みであることにいささか無策な気もするのである。
とにかく成人式は今年も波乱の中にて終わり、次なるハードルは今春に迎える「2007年問題(団塊世代の大量退社)」と言えるが、このあたりはまたの機会に取り上げようと思う。
*添付写真は「東奥日報」ニュース2005/1/9より引用。

2006年9月22日 (金)

パンダVS乱入の泥酔男

Z8vahip0 パンダはぬいぐるみではなく正真のクマ科の獣です。パンダを見るなら飲まない、飲むなら見ない、飲酒参観はご法度!
パンダはクマ科の動物。アライグマに近い特徴を持ち、その為、一時はアライグマ科に属するか、クマ科に属するか、の論争が絶えなかったが遺伝子の解析結果から、正真正銘のクマ科の動物であることが分かったそうだ。最近、国内でも山里に住むはずのクマが人里に姿を見せ、田畑を荒らしたり、また人に遭遇し、格闘の末、大怪我を人に与えるニュースが後を絶たないのに、こともあろう事か、パンダの檻に自ら望んで入ったとんでもない事件が中国で報告された。中国メディアによると…
『北京市西城区にある北京動物園を19日に訪れた男がパンダの檻に入り込み、格闘になった。男とパンダが互いにかみ合うなど激しい格闘だったという。パンダの檻に侵入したのは河南省鄲城県出身の35歳の男で、20日午前に北京に到着。食堂でビール4杯を飲んだあと、ふらふらの状態で北京動物園にやってきた。パンダの檻の前にきた男は衣服を脱ぎ、高さ2メートルの柵を乗り越えて檻内に侵入した。パンダの「古古(グーグー)」は驚いて目を覚まし、男の右足をかんだ。男も反撃し、「古古」に蹴った上で背中にかみ付いた。他の参観者が争いに気づき、飼育員に通報。飼育員は水をかけて「古古」の気を静めた。男は近くの病院に入院したが、パンダは無事だという。男は「突然、パンダを触りたい気持ちになった。まさかパンダが人間にかみ付くとは思わなかった」「パンダの皮は非常に厚い」と話した。
北京動物園の園長は「掲示板に書かれた“危険ですので柵を乗り越えないで下さい”との警告を無視した」「古古を罰することを考えていない」とコメントしている』と記事は締め括っている。
当たり前である。どう考えても絶滅の危機に瀕する貴重なパンダの方が大事であり、自らパンダの檻に入るという蛮行は自殺行為でもあり、こともあろうにクマ科のパンダを触りたいなど無知もいいところである。見た目で判断し、また笹を食べる菜食主義の弱々しいイメージを持っていたのだと思うが、元来、クマ類と同様に肉食を含む雑食性であったと言われるもので、昔は、動物園でも肉を与えていたそうだ。その後偏食から笹ばかりを食べるようになったそうだ。一見かわいいように見えるが、実際の目は鋭く、また歯も牙のように鋭い。
パンダは現在、中国四川省北部や陝西省南部、甘粛省南部などの山地に約1,600頭が生息し、中国では40ヵ所のパンダ保護区が設けられ、ジャイアントパンダを保護している。それは海外にパンダが広まって人気が出る以前、人に濫獲されていたため絶滅に瀕しているもので、人的な理由も大きいそうだ。現在はパンダの密猟は重罪であり、終身刑が最高刑であるが、以前は死刑が最高刑とされていたのである。差し詰めこの乱入男は酔っ払っていたとは言え、檻の中のパンダを殺しでもしたら終身刑ではなかったのだろうか…。
また、中国では生息地域だった土地の開発が進むにつれ、パンダが孤立する傾向にあり、繁殖期になっても交尾の相手が見つからないといった事態が起きている。また、パンダの食物である竹(竹林)も環境破壊にて少なくなってきているのも事実のようだ。
書籍『一秒の世界』(山本良一責任編集/ダイヤモンド社)によると「1秒間に…畳48枚分、78�の土地が中国で砂漠化している」、それは1970年以来、毎年2,460k�のスピードで拡がっていると言う。また「1秒間に…世界で4トンの文書用紙が使われ、その出版点数の最も多い国が中国(出版点数:14万3,376点、新聞発行部数:1億1,780万部)」だそうだ。急激なる経済発展は、石油及びエネルギー需要の高まりや、あまり口にしなかった魚介類(マグロ等)の需要拡大から、大きな弊害を世界的にもたらしつつある。もちろんパンダの生息地においても確実に人的公害は押し寄せ、濫獲はなくなったものの保護区という檻の柵を乗り越え、まさに乱入男のように環境破壊は押し寄せていると言えるだろう。
きっと仕舞いには中国にパンダはいなくなり、パンダ外交にて世界の動物園にもらわれたパンダが繁殖を繰り返し、子孫をつなぎとめる様に思えてならない。同時に、パンダの保護も重要だが、わが国のクマやイノシシ等の保護も必要だろう。きっとこの国の誰かが、ジブリ映画『もののけ姫』に登場するシシ神の首を取り、彼らが住む山や森を破壊したと思えてならない…。

2006年9月18日 (月)

ローマ法王発言の反響について

Kw7gersh 一神教vs一神教は、どこまで言っても許しあえないのか?それなら八百万の神々がいて、その多くの神々と出逢ううちに人生が楽しく終わる方がいい!
9月16日の時事通信によると…『ローマ法王ベネディクス16世は16日、訪問先の母国ドイツで行なった発言がイスラム教批判と受け止められた問題で、遺憾の意を表明した。法王発言をめぐっては、イスラム諸国を中心に世界各地で抗議の声が上がっていた。ロイター通信によると、バチカン(ローマ法王庁)は16日発表した声明で、「法王は、イスラム教徒が(ドイツでの)発言の一部を攻撃的に感じた可能性があることを、心から遺憾に思っている」と指摘。法王がイスラム教に敬意を払っていることを改めて強調すると共に、「法王は発言の真意が理解されることを望んでいる」との見解を示した。』とある。
イラク紛争やNYテロ事件など、この信仰(宗教)上の思想の違いから戦争を巻き起こし、多くの民衆に死者や不幸を背負わせる結果になっている。過去、歴史の中で繰り返し行なわれる宗教における弾圧や紛争、さらには無差別テロなど、その神のご加護をもって“聖戦”という言葉にて人々は無益な戦争を繰り返したと言える。実際に神は、それを歓迎し、人々を不幸のどん底に陥れても、それが正義と貫けるのだろうか。生まれた時から、その国や地域、家系が信仰する宗教にて、崇める神を祀り信じることになるのであれば、また、その教え(教義・経典)を生き方そのものに反映させるのであれば、おのずから別なる宗教を持つ国や地域、そして人々とは分かり合えないという、生まれながらに紛争の芽があると言うことだろう。そこには神は絶対であり、また一神教としての崇拝でしかないのである。
お陰さまで日本は宗教の自由が保障されており、また歴史文化の中に脈々と引き継がれる、おおらかなる“神道”の教えが存在する。宗教哲学者(京都造形芸術大学教授)で神道ソングライターの鎌田東ニ氏が執筆した著書『神様たちと暮らす本』(PHP研究所)の中に次のような一文を見つける。
『日本の神様は、「八百万の神々」と言われるほど、たくさんおいでです。でも、「八百万」なんて数、誰も数えたことはないはず。だからそれは、「とてもたくさん」とか、「数えきれないくらいたくさん」という意味。ドイツで「Shinto」(神道)のワークショップをしたとき、「日本には、八百万の男神と女神がいます」と言ったら、「ワォー!」と、驚きと笑いの声があがりました。だって、かれらには、“only One God”の神しかいないから。「八百万」もいるなんて、“unbelievable”であり、“incredible”だよ』とある。日の神様、月の神様、風の神様、水の神様、土の神様、先祖の神様、氏神さま…しまいには「お客様は神様です!」というものまで存在してしまう。神は人と共に歩み、この世を楽しく陽気にあることを願うものであり、神様(仏様も含めて)自身のことで命がけの争いを信奉者に望んではいないのである。
スタジオジブリの劇場用アニメ映画『千と千尋の神隠し』に登場する八百万の神々が疲れを癒やしに来る「湯屋」を舞台にした物語は、世界各国にて上映され、高い評価を得ている。ひよ子の神様、二股大根の神様、なまはげの神様、春日の神様…等など、様々な神様がお湯[風呂]に入り、宴会を催し、千(主人公の人間の少女:千尋)の活躍にヤンヤの喝采をする光景は、平和を願う神様の御心を知る。しかし“聖戦”と称して、体に爆弾を巻きつけて無差別に人ごみの中に紛れ、その多くの命を奪うことを考える哀れな人間たちの姿を見るに、これら神様は嘆き悲しんでいるに違いない。
神社は日本全国のどこにも存在する。そのご神体は鏡であったり、山であったり、樹木であったり、石であったり…と様々で、誰を拒むでなく、自由に参拝できるし、賽銭の金額も自由で、無ければ無いでお祈りだけをすればいい。誰もが自由にこころの中で様々な神と語らい、そして自らも神に近づくように努力することが「八百万の神々」が意味するところだろう。神様も私達と同じで歌や踊りを楽しむのが好きで、旬の美味しい食べ物が好きで、そして平和を願い、頑張る人間が好きなはずなんだが、どうも御心を理解せずに暴走しつづけているようだ。
昨日のニュースにて、先のローマ法王の発言に関係して、イスラム原理主義勢力「イスラム法廷連合」が支配する首都モガディシオで17日、イタリア人のカトリック修道女と護衛の男性の計2人が射殺されたとある。私は、プランナーとして過去に幾つかの宗教法人がらみの企画書(布教活動や周年事業等)の作成を依頼され、その教義・経典を学ぶことがあり、神道系・仏教系・カトリック系とそのそれぞれの良さを知ってもいるがまだまだ世界の宗教の数は多く(日本の宗教法人は国民の数より多い)、全てを学び、会得していないうちは誰にもこの宗教がいい、この神様(仏様)がいいとは、進められないのである。時に、大阪の繁華街で布教活動をする某宗教団体の信者らに呼び止められれば、彼らに必ず言う言葉は「どれほど多くの宗教法人の教義・経典を読んだ上で、これがいいと私に勧めているのか。初めて信仰した宗教に貴方は感銘を受けたとしても、他の宗教を学んでこそ、その宗教の良さを再確認するはずでしょう」と、最近話題のテレビドラマ『結婚できない男』(関西テレビ系)の主人公・信介(阿部寛)ばりのウンチクを述べ、数名の信者に囲まれても煙に巻いて脱出するのである。まさに8,000,000vs1ならば、八百万の神々を味方に付け、楽しい人生を送った方がいいに決まっていると思う…今日このごろ。


2006年9月 6日 (水)

特別展「更紗今昔物語」の特別公開に行って来た!

M6yy4ht8 原色のパラダイスが広がる特別展『更紗今昔物語』(国立民族学博物館)の特別公開に出かけて来ました!
現在、学会や地域振興等で関わりのある大学の教授から招待状をいただき、電車やモノレールを乗り継ぎ千里・万博公園内の国立民族学博物館に出かけました。あいにくの曇り空と共に、夕刻前からは雨もパラつきましたが、予想以上に原色がまぶしい1000点を超える大量の更紗を見ることが出来ました。まずは、その催しの概要…

■事業名称 特別展『更紗今昔物語〜ジャワから世界へ』
■開催期間 2006年9月7日(木)〜12月5日(火)
■開催場所 国立民族学博物館・特別展示場
       大阪府吹田市千里万博公園10−1
       tel 06-6876-2151

■開館時間 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
■休館曜日 水曜日
■観覧料金 一般830円(560円)、高校・大学生450円(250円)、小・中学生250円(130円)
*( )は20名以上の団体料金及び割引料金です。
*その他、無料観覧日や特典・割引などもあるので要確認


内容の紹介文は以下の通りである…
「バッティックの名で知られるインドネシアのジャワ更紗。そのデザイン・ソースのほとんどは海外からもたらされてきました。一方、200年あまり前からヨーロッパで、さらにその後には、インド、日本、インドネシア、タイ、中国などでつくられるようになったジャワ更紗のデザインをコピーした木綿のプリント更紗は、アフリカや東南アジアで色鮮やかなファッション素材として普及しているプリント更紗のデザインのルーツは、ジャワ更紗だったのです。また、ジャワ更紗のロウケツ染め技術は20世紀初頭からひろく世間に波及し、あらたなアート&クラフトとして展開しています。グローバル化のうねりのなかでダイナミックに変貌をつづけるジャワ更紗のデザインと技術。1000点を超える大量の展示資料によって、その過去と現在を紹介します。」

とにかく展示そのものが迫力満点で、空間をうまく使った立体的な展示方法でカラフルな更紗の世界がドーンと迫る!
集めに集めた世界各国の更紗の数もさることながら、そんなに沢山の更紗(反物や布、洋服・着物など)をどうのように展示し、見せればいいのか。そこで借り出されたのが、大野木啓人教授(京都造形芸術大学・空間演出デザイン学科)とそのプロジェクトで集められた生徒たちである。寝る暇もないほどの準備期間の中で、更紗のデザイン柄、時代変遷、地域性、そして仕様目的ごとに分けるだけでも大変なのに、そこ狭しと会場内を縦横無尽に反物が横っ飛びし、また空中から動画映像が壁面に向かって更紗を着るアフリカの群集を映し、そして数え切れないほどのマネキンが更紗の衣装を身にまとう。
開幕式が特別公開前に正面玄関にてあったが、国立民族学博物館の松園万亀雄館長や担当の吉本忍教授がやけに展示方法を褒めるちぎるもので、「またまた…」とタカを括っていたら、予想を裏切る派手やかさ。キャッチコピーを作るなら「まさに展示場が更紗で縦横無尽。多彩なペンキをひっくり返したような色とりどりとデザインがスクランブルしている」になるだろうか。
9月7日(木)から10月5日(火)の間で、この特別展『更紗今昔物語』が開催されているので、見逃しなく…。

◎詳細は国立民族学博物館サイトまで…
 http://www.minpaku.ac.jp/

2006年9月 3日 (日)

地域で応援する映画『幸福のスイッチ』

97x_mted いよいよ本格的に上野樹里主演『幸福のスイッチ』の宣伝と共に、地域(和歌山県・田辺市)等の関連PRもスタートした!
2006年春、豊かな自然に囲まれた和歌山県田辺市で撮影された映画『幸福のスイッチ』は、物語の中に和歌山の美しい自然や魅力がいっぱい詰まった映画になっており、劇場用娯楽映画として楽しめるだけでなく、映画をご覧いただいた方々に和歌山県田辺市をよりよく知っていただくのも大きなねらいだとされている。
これはもともとJTB、東京テアトル及び東北新社が協働し、田辺市及びその周辺をロケ地として、全国に先駆けた新しい手法(シネマーケティング事業)による映画づくり及びプロモーション活動を進めていくことが大きな命題となっており、このシネマーケティング事業という全く新しい広報手法により地域の知名度向上や住民の地域への愛着心の醸成など地域の活性化につながることが期待されている。
すでに映画『幸福のスイッチ』の公式HPをご覧いただくと映画の紹介に留まらず、和歌山県田辺市や南紀田辺世界遺産フィルムコミッションなどのリンクサイトが用意されていることや、全国に先駆け和歌山県内先行上映として2006年10月7日(土)に、ジストシネマ和歌山、ジストシネマ田辺、ジストセネマ御坊、ジストシネマ新宮で公開されることも全て“映画を活用しての地域活性化”の一環であると言える。
その映画『幸福のスイッチ』を後援するのもまた和歌山県から誕生したスーパーの『オークワ』であり、そのサイトを覗くと大々的に映画『幸福のスイッチ』を取り上げている。
特に注目したいのが映画の中で主人公の稲田怜(上野樹里)が着ていた町の電器屋としてのユニフォーム〔イナデンジャンパー*写真〕が予約販売されている。

◎映画「幸福のスイッチ」イナデンジャンパー
●詳 細:映画に登場する電器屋「イナデン」の真っ赤なユニフォーム。頑固オヤジの稲田誠一郎(沢田研二)と主人公の稲田怜(上野樹里)が愛用している。トレードマークの“稲妻坊や”がとってもカワイイ。
●価 格:6,800円(税込)送料込
●期 間:9月2日00時00分〜10月29日12時00分
●サイズ:S、M、L、LL
●内 容:素材/ポリエステル65%、綿35%
     ポケット/3ヶ所
※詳細は次のアドレスへ…http://www.rakuten.co.jp/okuwa/1779693

また『オークワ』のチラシ広告にも映画『幸福のスイッチ』の情報が掲載され、中でも映画紹介コーナーの枠を設け、そこに映画出演の稲田三姉妹の末娘・香役の中村静香が「静香のシアワセ日記」を週一にて掲載するようだ。まず1回目は…『みなさん、はじめまして!映画『幸福のスイッチ』に登場する、稲田家三姉妹の末っ子、香(かおる)役の中村静香です。京都出身、高校3年生の17歳です!周囲からは「静香ちゃんってしっかりしているけど、知れば知るほど天然キャラだね〜」とよく言われます(笑)。今日から、映画「幸福のスイッチ」が公開スタートするまでの間、私の自己紹介や、撮影中の思い出などを小分けにして、皆さんにお伝えしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします!来週につづく…』とある。もし、お近くに『オークワ』がある地域にお住まいの方は9月2日(土)の新聞折込チラシをご確認下さい。確かに映画の紹介と中村静香ちゃんのコメントが出ている。
そして注目すべきは、映画公開を記念してオークワ限定販売の『幸福のスイッチ』のオリジナルパッケージ商品もラインナップされていることだ。「紀州梅干・田舎漬」や「納豆・旨味」「紀州特産・べったら漬」等のパッケージに、映画の1シーンである上野樹里、本上まなみ、中村静香の稲田三姉妹の写真がパッケージにあしらわれており、思わず店頭にて手にしてしまいそうな限定商品の数々。映画の全国封切りの10月までに、まずは食卓から映画『幸福のスイッチ』を感じさせる食材を『オークワ』で買い、確実に一家全員にて次には映画館に足を運んほしいと願うものである。

とにかく映画『幸福のスイッチ』は、安田真奈監督のメジャーデビューの記念すべき第1作と共に、シネマーケティング作品第1作としても是非とも注目いただきたい作品だ。
◎詳しい公式サイトは…
http://www.shiawase-switch.com




2006年8月30日 (水)

上野樹里主演映画公式サイトOPEN!

6mkclihh 安田真奈監督作品『幸福のスイッチ』公式サイト開設。映画と上野樹里の魅力が満載の予告編も発信中!
本作品は、和歌山・田辺市のロケ地にて、小さな町の電器屋を舞台に頑固な父親と三人姉妹の心温まる家族の絆を描く感動の物語となっている。家業しか頭にない頑固な父親に反発し、都会に出ていた主人公・稲田怜が、父親の骨折を切っ掛けに、家業を手伝うことになり、嫌々ながらも慣れない家業を手伝ううちに、父の仕事や人柄が地元の人々に深く愛されていることを知り、忘れていた家族(父親と三姉妹)の絆や愛情の深さに気づいていくというストーリー。
主演は、主人公・稲田怜役に、現在封切中の『笑う大天使(ミカエル)』や『出口のない海』(9月公開予定)、『7月24日通りのクリスマス』(11月公開予定)など映画・ドラマに引っ張りだこの上野樹里、長女・瞳役に本上まなみ、三女・香役にオーデションで選ばれた中村静香、父親役には、沢田研二が、それぞれの役を好演しています。監督は、インディーズ映画祭で数々の受賞暦に輝き、テレビなどで数多くの短編作品を手がけ、OL監督としてメディアで注目された安田真奈。また撮影・美術スタッフには第一線で活躍する女性を起用しており、女性スタッフならではの視点が光る“家族の絆を明るく優しく”描く作品になっている。

◎詳細な映画情報は『幸福のスケッチ』公式サイトにてご覧下さい!
 http://www.shiawase-switch.com/

今回、上野樹里と共に注目されるのはメジャー作品デビューの映画監督・安田真奈である。彼女のプロフィールをここで少し紹介しよう…。
☆プロフィール
1970年生まれ、奈良県出身。神戸大学時代から8mm映画を撮り始める。卒業後、家電メーカーの販促部門に総合職として勤めながら年1〜2本撮り続け、<OL映画監督>としてNHK、アエラなど、各方面に取り上げられた。2002年秋、退職して監督・脚本に専念する。
☆受賞暦
94年、97年、98年と3回のあきる野映画祭グランプリをはじめ、各地コンテスト入賞多数、グランプリは計6冠。
☆Official Homepage
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/4010/
とにかく10月には映画『幸福(しあわせ)のスイッチ』が全国ロードショーされるので乞うご期待!それまでは、公式サイトにて期待を膨らませながら上野樹里、安田監督の活躍を見守ろう!!
 

2006年8月16日 (水)

映画『幸福のスイッチ』と本上まなみ特報!

Nwuia29m 映画『幸福のスイッチ』に出演した女優・本上まなみさんが妊娠し、待望の第1子を年末に出産予定!
安田真奈監督の映画『幸福のスイッチ』(10月公開予定)に出演した女優の本上まなみさんが妊娠し、待望の第1子を年末に出産するというニュースが舞い込んだ。このニュースを聞いて、すでに『幸福のスイッチ』の試写会及びメイキング映像を観た方ならきっと驚く筈。なぜって、映画の中に登場する本上まなみさんは、大きなお腹を擦りながら妊婦姿で登場しているのだから。まだお腹の出っ張りも少ない本上まなみさんだが、すでに妊婦姿として映画『幸福のスイッチ』では、出産間近の名演技を見せている。
この映画の物語は、今回の映画づくりに協力した和歌山県・田辺市をロケ地とする小さな町の電器屋が舞台で、頑固な父親(沢田研二)と三人姉妹(長女が本上まなみ、次女が上野樹里、三女が中村静香)の心温まる家族の絆を描く感動の物語。家業しか頭にない頑固な父親に反発し、都会に出ていた主人公の稲田怜(上野樹里)が、父親の骨折をきっかけに、家事を手伝うことになり、嫌々ながらも慣れない家業を手伝ううちに、父の仕事や人柄が地元の人々に深く愛されていることを知る、忘れていた家族(父親と三姉妹)の絆や愛情の深さに気付いていく…というもの。
その三姉妹の長女・瞳役が本上まなみさんで、おっとりした中にも父親や妹を思う長女役で、近くの梅加工業の工場の嫁に入り、姑を気にしながら実家の電器屋や家族をたえず気にしている妊婦役を好演している。関西弁(和歌山弁)も流暢に、関西に長く暮らし、関西からデビューした女優の本領発揮と言ったほんわかとしたいい味が出た役者でもある。
この度の出産のニュースを自らの公式HPで、直筆メッセージにより「ほんじょは、この冬、おかんになります」と報告。「自分のカラダと心が『おかん仕様』に変化してゆくのを、驚きつつ楽しみつつ、おちびの誕生を待っているところです」と心情を明かしている。またコウノトリのイラストも描き「わが家にも幸せを届けてくれることに感謝しつつ」と喜びをつづっている。
これって映画『幸福のスイッチ』の稲田瞳(長女)がおかんになる気持ちを知るもので、まさに「おかんになる」という表現が女優・本上まなみ、そして私人・本上まなみの心根を知る思いでそのメッセージを受け止めた。
10月封切りの映画『幸福のスイッチ』の中で一足早い出産が描かれているが、本上まなみさんには元気で健やかな第1子の出産を願う。当然、『幸福のスイッチ』の劇場公開の大入満員も願っている。

◎本上まなみオフィシャルサイト
http://www.honjomanami.com

2006年8月10日 (木)

「もののけ検定」がスッパ抜かれた!

_0artovw スッパ抜かれた『もののけ検定』は、明日・明後日に開催されるイベントと大きな関わりを持つことになる!
いよいよ明日、明後日と2日間連続して京都(8月11日)、奈良(8月12日)で開催される前代未聞の魔界・異界・妖怪・神話を取り上げた『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』が開催される。宗教哲学者で神道ソングライターの鎌田東ニ氏、占星術研究者の鏡リュウジ氏、さらには妖怪研究家の多田克己氏など総勢10名の妖怪・異界に取り付かれた第一線の国内屈指の研究家が勢揃いし、めったに聞けない日本文化の根源である奈良・京都にまつわる封印された歴史・伝承を分かりやすく語り合うシンポジウムを2日連続にて開催する。同時に京都では大蔵流・茂山一門の妖怪狂言「豆腐小僧」、また奈良では麿赤兒主宰の大駱駝艦の舞踊公演「オ・ト・ナ・リ」を併催される。この大それたイベント開催の裏には、「楽しい世直し」の取組みが隠されている。
殺伐とした現代、人も心も荒廃し、自分だけがよければいいと凶悪犯罪が多発、自然破壊につながるごみの放置、飽食による食べ物の大量に捨てられる現実、自分の存在そのものが脈々と繋がる血の系譜、先祖から引き継がれていることを知らない、また知ろうとしない連中が引き起こす悪意に対する警鐘を「怖く」「楽しく」「面白く」紹介するのが当催しであり、この催しが終わればそれで終わらせないのが、今回の監修を行なう“摩訶不思議アートツーリズム分科会”(近代産業遺産アート再生学会)である。
もはや一部の新聞社に情報がスッパ抜かれたので発表するが、『もののけ検定』を全国の妖怪・魔界・異界の歴史・伝承が残る地域にて毎年、その知識又は技能を競う検定(ライセンス)を今秋にはスタートする運びとなっている。その検定に関する問題に関しては、きっと今回の『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』からも出題される予想もされており、また出演者陣の研究家・学者先生方が何らかの形で『もののけ検定』に参画することも噂が広がっており、異界・もののけファンにとっては待ちに待った検定の誕生と言えるだろう。
スッパ抜いた毎日新聞(8月上旬)の記事では、『同学会は今後、京都・奈良の歴史や伝説、伝承などを盛り込んだ「もののけ検定」を実施する予定。関本教授は「年内にも教科書を作って、来春から始めたい。合格者には語り部として活動してもらえれば」と話す』とある。とにかく『もののけ検定』は明日、明後日の『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』を見なければはじまらない。まだ当日券も残っていると聞くので是非ともご覧いただきたい。この機会を逃すと、あなた自身が封印を解けずに、本当の京都・奈良を知らずに過ごすことになり、『もののけ検定』そのものにもヒントを得られずにいることになるだろう。
私も京都・奈良の2日間連続、参加するつもりであり、異界、魔界、妖怪ファンならずも、隠された日本文化の源流をたどる最適なる機会と期待で胸が高まっている。とにかく明日、明後日のイベントに参加すべし…。

●京都開催(8月11日・金)
開場14:00〜 シンポジウム15:00〜18:00 妖怪狂言18:20〜19:00
会場 京都造形芸術大学内「京都芸術劇場・春秋座」
料金 当日4,500円
内容 1)シンポジウム
   出  演:新妖怪談義研究会メンバー
タイトル:新・妖怪談義・夏の縁(壱)
   2)併催公演 妖怪狂言「豆腐小僧」
出 演:狂言・大蔵流茂山一門

●奈良開催(8月12日・土)
開場13:30〜 舞踊公演14:30〜15:20 シンポジウム15:40〜18:30
会場 奈良県橿原文化会館
料金 当日4,500円 前売4,000円
内容 1)シンポジウム
   出  演:新妖怪談義研究会メンバー
タイトル:新・妖怪談義・夏の縁(壱)
   2)併催公演 舞踊公演「オ・ト・ナ・リ」
出 演:麿 赤兒&大駱駝艦

◎詳細な内容と出演者は下記のサイトをご覧下さい。
 http://mii-art-r.com

2006年8月 6日 (日)

陶器製手榴弾を平和の願いを込め発売!

6ebzuxyx 61年目の原爆忌の今日に、強く平和を願う!それも不思議な手榴弾伝説と共に…
昨年10月から毎月1回を原則に、京都に残る歴史・伝承・逸話を捉えて、毎回多彩なゲストを迎えてのトークショーやミニコンサート、即興パフォーマンスを開催する『京都摩訶不思議案内LIVE』の会場にこそ、摩訶不思議の逸話が残されていた。会場は東山区六波羅という“清水焼”のメッカである登り窯ホール(藤平陶芸が管理する築110年の九室の登り窯のある棟)で、この藤平陶芸が保管していたのが「陶器製手榴弾」で、第二次世界大戦末期、いよいよ「本土決戦」が近づいた頃、金属不足に陥ったことから各地のやきもの産地に「陶器製手榴弾」の製造を命じたというもの。それは京焼・清水焼も例外ではなく製造を命じられ、近年になって藤平陶芸に実在する「陶器製手榴弾」が見つかり、一昨年には立命館大学と共に、その展示と「平和と焼き物」と称する講演会も開催されたと言う。
この度、『京都摩訶不思議案内LIVE』の縁もあって、藤平陶芸(東山区)と京都造形芸術大学(左京区)が一緒になって「陶器製手榴弾一輪挿し」を制作し、この8月1日から販売を始めた。陶芸家=アーティストの観点から、如何に御上(軍部)からの命令でも、殺人用の武器(実際には自害用)を造るのに抵抗があったのか、陶芸家の抵抗としての無意味な飾りや意匠があり、当時の陶芸家の苦悩が見てとれる。今回の「陶器製手榴弾一輪挿し」は、“人を殺す武器ではなく、平和を願うために花を生ける”との想いでつくられており、京都造形芸術大学の関本教授をはじめ、学生たちの発想を入れながらとても興味深いものに出来上がった。
焦げ茶色の陶製で、高さ約8�、重さ200�、手榴弾の形状を忠実に再現し、藤平陶芸の窯で焼き上げられた。この希少価値の高い陶器製手榴弾は、愛好者にとってはレプリカと言えども喉から手が出るほどほしい代物らしい。
藤平陶芸の末弘直道社長は「こんな形で転用できるとは驚いた。負の遺産に花を生けることで過ちが二度と起こらなければいい」と話している。販売価格は二千百円で、問い合せは藤平陶芸(�075−561−3979)まで。広島に原爆が投下された今日、そのことを思いつつ平和の大切さをかみ締める上で、是非とも手に入れたい一品と言えるだろう。

8月8日(火)には、月1回開催の『京都摩訶不思議案内LIVE�』(開演19時)が、『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』の協賛イベントとして開催され、今回は西山克氏(関西学院大学文学部教授、東アジア恠異学会代表)を迎えて、「熊野観心十界図(熊野系地獄図)の摩訶不思議絵解き」をミニコンサート付で開催するそうだ。
まさに「陶器製手榴弾」という戦争の痛ましさと共に、荒廃する社会の中での罪深き者達の地獄送りのその先を語るイベントに是非ともお越しいただき、限定販売による「陶器製手榴弾一輪挿し」を是非とも購入いただきたい。時間があれば当方も覗いてみるつもりだ。
詳細な内容は以下の近代産業遺産アート再生学会のサイトをご覧いただきたい。 http://mii-art-r.com/makalive/


2006年7月22日 (土)

上野樹里主演の『幸福のスイッチ』情報第2弾!

Bhn2i_ar 安田真奈監督・上野樹里主演の『幸福のスイッチ』が試写会及び映画祭にいよいよ登場!
先日、和歌山市内のジストシネマ和歌山で完成披露試写会を観て来たことを当blogにて紹介したが、いよいよプロモーション活動が動き始める。10月7日の和歌山県先行上映、また本年度秋の東京・テアトル新宿、大阪・テアトル梅田を皮切りに、全国で順次ロードショーが開始されるが、その前にこの映画『幸福のスイッチ』をご覧いただくことの出来るチャンスがあるので、その情報を下記にてお知らせする。

●「第23回わかやま市民映画祭」に登場!
日時:7月29日(土)12:30〜
場所:和歌山市民会館大ホール
内容:映画『幸福のスイッチ』のメイキング映像上映と共に
安田真奈監督、主演の上野樹里、妹役の中村静香が舞
台挨拶をする予定。

●「地球元気村in大塔 安田真奈監督トークイベント
&プロモーション映像上映

日時:8月5日19:30〜
場所:大塔地球元気村
内容:8月5日(土)〜6日(日)まで行なわれる地球元気村
   in大塔の中で“「映画による地域活性化」について”
   と題して、映画『幸福のスイッチ』の安田真奈監督を
迎え、メイキング映像上映や花火大会等を予定。

●「あいち国際女性映画祭2006」エントリー作品上映
日時:9月6日(水)〜10日(日)
   『幸福のスイッチ』は9月9日(土)
場所:ウィルホールにてAM10時から上映
内容:映画『幸福のスイッチ』の上映と共に、終了後には、
   ゲストトークを予定しており、監督や出演者陣の顔を
見れるかもしれない。

●和歌山県田辺市「弁慶映画祭」に特別上映
日時:10月8日(日)
場所:紀南文化会館
内容:映画『幸福のスイッチ』の特別上映を行なう。その他
の内容は現在未定。

…以上の試写会、映画祭での上映が予定しており、少しでも早く映画を観たい人、また近くで安田真奈監督や出演者陣を見たい方は是非とも要チェックの朗報と言えるだろう。

もともとこの『幸福のスイッチ』は、シネマーケティング事業として注目されているもので、自治体が地域プロモーションを行なうのに、映画を用いて展開するところからプランニングされた。通常、邦画を撮るには最低でも1億円かかるものを、その2割程度の協力金で、地域を捉えたシナリオや撮影ロケにて地元の風景や人々、特産品等を露出、訴求するもので、映画を観られた人が一度は訪ねてみたくなる臨場感を与える映画づくりになっている。例えば、『下妻物語』や『世界の中心で愛を叫ぶ』のように、映画ロードショーの後に、そのロケ現場を訪ねる観光客が増えた現象もその一つである。
今回の『幸福のスイッチ』は、舞台が和歌山・田辺市にある町の電器屋“イナデン”が舞台であり、その店主が沢田研二で、頑固一徹な電器屋の親父を演じ、その父親思いの長女が本上まなみ、さらにメカに強い工業高校の三女が新人の中村静香、そしていつも拗ねて、父親に反抗し、イラストレーターを目指し、東京のデザイン会社に勤めた次女・上野樹里の三姉妹がすごくいい味を出している。長女・次女・三女の性格をそれぞれの女優がうまく演じ、脇役を固める林剛史、笠原秀幸、石坂ちなみ、深浦加奈子、芦屋小雁が各々の持ち味を生かした演技を行なっている。もちろん随所に登場するのは、地元の田辺市民であったり、上野樹里の暮らすマンションの一室にある冷蔵庫に収まる南部梅干、そしてやけ酒ならぬ梅酒をぐい飲み、また電器屋に集まる近所の人々が持ち込む大量のみかんなど、ここはやはり和歌山・田辺市なんだとなぜか納得させられる。でも何で電器屋なのか?…それはデンキの神様・松下幸之助が和歌山県出身であり、監督の安田真奈がOLとして10年近くも松下電器に勤めたことも影響しているからだ。どちらにしろ、この映画を観れば、結構はまると思うんだが…。

以下は三姉妹と安田真奈監督のサイト、ブログを紹介する。
◎上野樹里公式・関連サイト
http://www.amuse.co.jp/artist/Juri_Ueno/profile.html
◎本上まなみオフィシャルサイト 
http://www.honjomanami.com
◎グラビアアイドル 中村静香
 http://www.iiv.ne.jp/juicy/collection/nakamurashizuka/
◎映画「幸福(しあわせ)のスイッチ」非公式ブログ
 http://ameblo.jp/shiawaseno-switch/
◎安田真奈 脚本・監督作品サイト 
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/4010/

2006年7月15日 (土)

ニイハオ!小さな親善大使が来日へ。

Wrqjf82p 日中友好の架け橋になる小さな武道家たちがやって来る!
昨年度から実施されている『21世紀の日韓こども通信使』は今年も8月5日(土)に、まず日本のこども通信使が韓国・釜山に出向き、現地のこどもとの友好親善を行い、またホームスティにて異文化理解を行なった上で、対馬経由にて今度は韓国のこども通信使を伴い、日本の朝鮮通信使が過去の歩いた道をたどり大阪・奈良、そして滋賀・名古屋まで今年は出かけるプログラムになっている。凡そ10日間もの長丁場で、こども通信使たちが、大人や政治における冷え切った日韓関係を少しでも好転させるために両国の友好親善に努める事業であり、そこのところを期待している。
そんな日韓関係以上に、徹底して冷え切っているのが日中関係でもある。こどもの頃から、学校の授業にて反日教育を受けさせ、誰もが日本嫌いになるように指導している中国で今、日本の武道が奨励されつつあるようだ。空手、合気道、剣道、弓道などの古武道の精神が学校内での情緒教育や精神鍛錬教育に一役を買うことになりつつあるようだ。中国の「一人っ子」政策で甘やかされたこどもたちにとって、またその親御さんにとって武道は、体力強化や精神鍛錬に限らず礼儀作法や「礼に始まり礼に終わる」という感謝の心を持つ人間育成にも役立つとあって、このほど四川省成都市の小学校にて日本空手道場を開設したそうだ。もちろん四川省の教育委員会や小学校の校長も日本武道を奨励してくれている。
この学校で空手道を教えるのは日中親善少年日本武道の会の発起人(空手師範)である。
中国でも上海や北京の大都市のこども達と違って、純粋無垢なこども達が多く、反日とは無縁の日本に対する憧れや好奇心が旺盛であり、「4級に昇級したら、ご褒美に日本へ連れてゆく」との約束で、この度、頑張った10名の児童とその引率で先生方が8月8日(火)から約10日間、日本で夏休みを過ごすことになっている。
実際には「日中親善少年武道の会」が招待をする形になっており、『小さな親善大使』として、関西を中心に各地で友好親善を行なう。ここにも政治的な障害を持つ日中関係には無縁の、未来を担うこども同士の友好を深め合う機会を設けたいと考えている。
こどもの多くは日本に来たら何をしたいか…との質問に、「富士山が見たい」「日本のマンガやアニメを見たい」「海を見たい、泳ぎたい」と屈託ない答えが返って来たという。
実際の目で日本を見て、また多くの日本人と出会い、その心と心を通わせることで、少しでも日中の友好親善に役立つのであればいいと期待している。中国でも都会のこども達と違って、四川省成都市のこどもは純朴で、可愛いこどもたちばかりであり、きっと日本の各地でも人気を博すことだろう。

この夏は、日韓、日中のこどもによる友好親善の事業が日程も重なり、多忙になるだろうが…これもまた、プランナーとしては「楽しい世直し」に一役買うことになり、とても有意義なことだと考えている。

◎参考までにこちらは『21世紀の日韓こども通信使』の専用サイト。
http://www.kodomo-t.com/

上野樹里主演の和歌山映画が完成!

Azxhjyxa 映画『幸福のスイッチ』完成披露試写会を観てきました。
上野樹里、本上まなみ、中村静香の三姉妹が好演!

本日(7月14日・金)、和歌山市のジストシネマ和歌山で、和歌山県・田辺市を舞台にした映画『幸福のスイッチ』の完成披露試写会に招待され観てきました。事前に映画配給会社の友人から「いい出来で上がっている」とのメールが届いていたので楽しみにしていただけに、少し遠い和歌山市内での試写会ながら出掛けてきました。
試写会が始まる前に、この映画の監督・脚本を担当した安田真奈と、プロデューサーの伴野 智が舞台挨拶をし、映画試写後には和歌山県知事も加わり、評判の映画の完成に喜びの声をインタビューされていました。
さすがに出演陣はオール関西弁を操れる俳優人が当たっており、自然と聞き取れる言葉と共に三姉妹の長女(本上)、次女(上野)、三女(中村)のやり取りが面白く、また強烈な親父を沢田研二が好演していた。安田真奈監督のメジャー映画作品のデビューとなる当作品は、きっとご覧頂いた方には満足いただける作品に仕上がっていると言える。

物語は…
21歳の稲田怜(上野樹里)は、東京のデザイン会社の新人イラストレーター。田舎の電器屋で儲けにもならない仕事ばかりを引き受ける父・誠一郎(沢田研二)に反発して都会に出てきたが、自分が思い描いていた仕事はなかなか出来ず、ついには上司と衝突して会社を辞めるはめに…。
そんな最悪な状況の中、姉の瞳(本上まなみ)が入院したという妹・香(中村静香)からの手紙を受け取った怜は、急ぎ帰省。が、実は入院していたのは脚を骨折した誠一郎だった。久しぶりの故郷になじめず、真面目な瞳と、元気いっぱいの香に挟まれ、渋々稼業を手伝うことになった怜の不機嫌は募る一方。おまけに、過去の父の浮気疑惑までも再燃!だが、慣れない家業を手伝ううちに、父の仕事や人柄が地元の人々に深く愛されていることを知った怜は、父の愛情の深さや家族の絆のありがたさ、働くことの喜びを発見していく。

■出演:上野樹里 本上まなみ 沢田研二 中村静香
    林 剛史 笠原秀幸 石坂ちなみ 新屋英子
    深浦加奈子 芦屋小雁 ほか

監督・脚本:安田真奈
製作:林田 洋、松下晴彦、岡林可典
エグゼクティブプロデューサー:二宮清隆
プロデューサー:伴野 智、林 哲次
ラインプロデューサー:伊藤正昭
撮影:中村夏葉 照明:平良昌才
録音:甲斐 匡 美術:古谷美樹
編集:藤沢和貴 音楽:原 夕輝
製作支援/和歌山県・田辺市 製作協力/JTB西日本
特別協賛/松下電器産業 後援/オークワ
製作/東北新社、東京テアトル、関西テレビ放送
制作/東北新社クリエイツ 配給/東京テアトル
(C)2006「幸福のスイッチ」製作委員会

●公開情報
 2006年10月7日(土)〜ジストシネマ和歌山 他にて和歌山県先行上映
 2006年10月8日(日)紀南文化会館にて特別上映(弁慶映画祭)
 2006年秋 東京・テアトル新宿 大阪・テアトル梅田、他全国順次ロードショー


●観ての感想
「スウィングガールズ」「チルソクの夏」と好演した上野樹里(兵庫県出身)がいきいきとした関西弁にて演じる稲田怜(次女)の勝気な性格は、やはり上野樹里だから演じれる味のある名演技が光る。この次女に対比しておっとりと優しい長女役の本上まなみ(東京都出身・関西育ち)や元気で明るい三女の中村静香(京都府出身)、さらには頑固一徹な親父の沢田研二(京都府出身)の各関西勢が味のある家族愛を表現している。その日常的な日々の暮らしと共に和歌山の田辺市の風景がマッチしている。海や田畑、さらにはみかん畑や桜並木、砂浜など、本当にのんびりと過ごしたい風景が映画を際立たせていた。公開は秋になるが是非とも見てほしい作品に完成したことが嬉しい。

いよいよ、専用Webが誕生(7月中旬OPEN予定)
http://www.shiawase-switch.com/

2006年7月 9日 (日)

現代仏教の摩訶不思議を語る!

E3jwoxnq イベント開催直前!
高台寺執事・寺前浄因氏が語る釈迦の摩訶不思議を聴こう!

6月は梅雨時期としてお休みを頂いた『京都摩訶不思議案内LIVE�』[京都・六波羅の登窯ホール(藤平陶芸)]が7月12日(水)に開催される。
今回のテーマは「現代仏教の摩訶不思議…釈迦は何を教えようとしたのか」であり、ゲストは豊臣秀吉の正妻である北政所(ねね)創建の寺院としても有名な高台寺執事の寺前浄因氏が出演する。
●寺前浄因氏とは…
1981年信州大学文学部哲学科を卒業。同年、臨済宗南禅寺専門道場に入る。
臨済宗建仁寺専門道場を経て、1991年宗教法人高台寺に入る。
1993年岡林院住職となう。同年、京都デザイン協会と共に京都初の寺院ライトアップを実施。
1994年建都千二百年を記念して高台寺ライトアップを立ち上げる。
1999年電通・東北新社と共にウェブサイト「禅」を監修。2000年ゴスペル般若心経をつのだ・ひろと共に制作。

●当催しは…
主 催:京都造形芸術大学プロジェクトセンター
後 援:JTB・KBS京都・エフエム京都
入場料:前売/一般2,000円、学生800円
当日/一般2,300円、学生1,000円
問合せ:前売り・予約 075−791−9124
    project@office.kyoto-art.ac.jp 担当:浅埜


この『京都摩訶不思議案内LIVE』は、すでに過去9回の催しを行なっており、そのテーマやゲスト陣の顔ぶれはその道のオーソリティー達が集まっており、彼らの胸中に潜む本音で語られている。決して話せなかった事柄や封印されて来た事柄を素直に語りだしている。
ナビゲーターである関本徹生氏(京都造形芸術大学プロジェクトセンター教授、アーティスト)は、自身の好奇心旺盛さをもとに、その疑問点をゲストにストレートにぶつけるトークが功を奏し、乗せられたゲストの本音が語られると言う寸法である。
また、当イベントの注目は何と言っても運営スタッフが全て京都造形芸術大学の学生スタッフで進行されており、各ポジションにこだわりながら全体の雰囲気と空気感を大切に創られているところは流石にアート専攻の学生スタッフの妙味が光る部分だ。このあたりもそれとなく見ると面白い。
過去の『京都摩訶不思議LIVE』の内容を学生たちがレポートした内容が下記のサイトでご覧いただける…
http://mii-art-r.com/makalive/

※今回のゲストである寺前浄因氏(高台寺執事、岡林院住職)が執事を行なう開創400年の高台寺のイベント情報も下記にて紹介する…
●開創四百年記念特別展 
5月19日(金)〜10月8日(日)
 高台寺(掌美術館を含む)大人600円、中高生250円
*百鬼夜行絵巻(江戸時代 土佐派)、地獄極楽図など貴重な資料が見れる。
●高台寺・圓徳院 夜間特別拝観
5月19日(金)〜10月8日 
高台寺(掌美術館を含む)大人600円、中高生250円
 圓徳院 大人500円・中高生200円
 *期間中の金土日(8月14日〜17日は毎日)
○高台寺の蒔絵/6月23日(金)〜10月9日(月)
        高台寺「掌美術館」にて

◎お問合せ・ご予約は…高台寺 �075−561−9966

2006年7月 1日 (土)

鎌田東二、鏡リュウジ他の豪華出演者陣!

Fkegun7x 京都・奈良にある異界・もののけを暴く注目の催し開催へ。
今や『世界妖怪会議』を凌ぐ勢いで今夏一番の注目度!

今までは水木しげる氏、京極夏彦氏、荒俣宏氏等が“妖怪”について語り合う『世界妖怪会議』がここ数年注目されてきましたが、昨年度より俄かに注目され、異界・もののけを研究、また学術的・文化的レベルで分かりやすく語り合う「新・妖怪談義研究会」が発足され、それを京都・奈良の2大国際観光都市であり、日本の源流そのものである土地にて『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』が開催されるのは前代未聞である。
またその出演者陣の顔ぶれは、今まさにスピリチュアルなる言葉が持て囃されているが、その中心にて活動する第一線の方々ばかりだと言える。
その中で注目すべきは京都府出身の心理占星術研究家の鏡リュウジ氏であり、地元・京都における様々な摩訶不思議を暴くつもりである。女性誌における占星術の特集をはじめ、幾つかの番組にレギュラー出演し、その卓越した占星術は、まるで現代の陰陽師・安倍晴明を彷彿されるだろう。今回は、故郷に錦を飾るではないが、京都人によるほんとうの京都を語ってくれるだろう。
次に当事業の仕掛け人であり、「新・妖怪談義研究会」の座長こと鎌田東ニ氏が如何なるモデレーター役をこなすかだろう。鎌田氏は徳島県の出身で、少年時代にオニを見たと言ってはばからず、また10歳にして福永武彦著『古事記ものがたり』を読み、神話の世界に出会った。その後、石笛奏者にて「神道ソングライター」を名乗り、6年余りで200曲を超える作詞・作曲。各地でライブ活動も展開。そして、神官になる為に奈良・桜井市の大神神社(三輪山)での修行をした経験を持っている。現在、京都造形芸術大学教授にて活躍している。
この他にも、異界・もののけに関心のある方なら驚きと感嘆の声を上げてしまう出演者陣が出揃った。今回開催される『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』メイン・イベントのシンポジウムは、そのものズバリ、日本人の根源に迫るもので、テーマは「楽しい世直し」としている。

【京都開催】
開催日時 8月11日(金)
     シンポジウム/15:00〜18:00 妖怪狂言/18:20〜19:00
開催芭蕉 京都造形芸術大学内「京都芸術劇場・春秋座」
入場料金 当日4,500円、前売4,000円
開催内容 1)シンポジウム
       出演者:新・妖怪談義研究会メンバー
       タイトル=新・妖怪談義・夏の縁(壱)
     2)併催公演
       妖怪狂言「豆腐小僧」京極夏彦作、茂山あきら演出
       出演者:茂山千之丞、茂山あきら、茂山千三郎、茂山茂
       (後見)島田洋海

【奈良開催】
開催日時 8月12日(土)
     舞踏公演/14:30〜15:20 シンポジウム/15:40〜18:30
開催芭蕉 奈良県橿原文化会館
入場料金 当日4,500円、前売4,000円
開催内容 1)シンポジウム
       出演者:新・妖怪談義研究会メンバー
       タイトル=新・妖怪談義・夏の縁(弐)
     2)併催公演
       舞踏公演「オ・ト・ナ・リ」
       出演者:麿 赤兒、大駱駝艦

◎シンポジウムパネリスト
・鏡リュウジ(占星術研究家、翻訳家、平安女学院大学客員教授)
・切通 理作(文芸評論家、和光大学講師)
・東雲 騎人(画家、妖怪研究家)
・多田 克己(妖怪研究家、作家、イラストレーター、漫画家、グラフィックデザイナー)
・田中 貴子(甲南大学文学部教授、中世文学)
・内藤 正敏(東北芸術工科大学情報デザイン学科教授、写真家、民俗学)
・西山  克(関西学院大学文学部教授、東アジア恠異学会代表)
・辺見 葉子(慶応大学文学部助教授、ケルト神話研究)
・麿  赤兒(俳優、舞踏家、大駱駝艦主宰)
モデレーター
・鎌田 東ニ(京都造形芸術大学教授、宗教哲学者、神道ソングライター)

●チケット入手等の詳細に関しては下記のサイトをご覧下さい。
・近代産業遺産アート再生学会 http://mii-art-r.com

<とにかくこの催しは要チェックなり!

      

2006年6月24日 (土)

関西弁で勝負する上野樹里!

G_uz4baf シネマーケティング第1作映画『幸福のスイッチ』完成間近!
地域プロモーションのひとつとして注目を浴びている映画のロケ地誘致。この“映画を使った観光プロモーション”として映画会社(東京テアトル)と旅行会社(JTB)がタッグを組んで、自治体の僅かな負担の資金協力により全国封切りの劇場用映画の製作に携われるというシネマーケティング事業を始めた。その記念すべき第1作は、和歌山・田辺市をロケ地に、地元の町並みや景観、商店や人々もふんだんにスクリーンに登場するもので、映画を観て感動した人は是非ともそのロケ地となった町に出かけたいとなる。そこで観光にも一役買うことにもなり、映画で田辺市を知っていただき、さらにはそのロケ地を訪ねる観光へと好結果を生む仕掛けでもある。
過去に自治体には、多くの映画製作の話が持ちかけられても来たが、その多くは全額出資であったり、また億単位の制作費を拠出したにも関わらず、完成した映画は全国封切りもなく、地元の市民会館や公民館、学校などで上映されて終わるのみで、あとはDVDによりレンタル化されるケースもあるという。当シネマーケティング事業は、可能な資金協力(ニ千万円程度)で参加でき、それでいて映画のストーリーに地名や地元民、特産品、さらには町並みがロケ地として登場するため、イメージ訴求としては効果抜群である。この仕組みは、自治体に資金協力とロケ地提供、撮影補助を頂くことを条件に、資金の残りを映画会社、放映権を買うテレビ局、二次使用権を買うDVD制作会社、そして国の助成で賄う。(*実際の映画製作費は最低でも1億以上必要)
それと共に映画会社は映画プロモーションで自治体を全面にだし、また旅行会社は映画のロケ地を訪問する旅行商品による相乗効果を図ることになる。どちらにしろ自治体は映画製作〜完成試写会〜全国封切り〜レンタル化〜テレビ放映と、二度、三度とプロモーションの機会が得られることになる。まさにコストパフォーマンスに優れたお得な観光振興策と言えるだろう。

オール関西パワー炸裂の俳優陣に、
メジャーデビューの女流映画監督・安田真奈に注目!

せっかく和歌山の風景や人々を捉えた物語でありながら、言葉(関西弁)に違和感があると台無しとなる。もともとが奈良県出身の安田監督(元大手家電メーカーOL中に16ミリ映画等で各賞を総なめ)は、作品の中で関西弁の息吹を大切にする監督であり、今回のキャスティングを見ても安心させられる。主演は上野樹里、その姉妹で出演する本上まなみ、中村静香、父親役の沢田研二などオ関西出身者が多く、自然なイントネーションで関西弁(和歌山弁)が話される。美しい和歌山・田辺市の景観と共に、感動的なエピソードとノスタルジックな電器屋が舞台となる物語は、きっとヒットするに違いない。

【映画概要】
○作品名称:幸福のスイッチ(劇場用映画)
○原案・監督・脚本:安田真奈
○プロデューサー:伴野智(東北新社)
○撮影:中村夏葉
○美術:古谷美樹
○照明:平良昌才
○編集:藤沢和貴
○音楽:原 夕輝
○製作:東北新社、東京テアトル
○配給:東京テアトル

○出演:上野樹里・本上まなみ・沢田研二・中村静香ほか
○物語:「小さな町の電器屋を支える頑固な父親と三人姉妹の心温まる家族の絆」
田舎の電器屋で儲けにもならない仕事をどんどん引き受ける父に反発して、都会に出てきた稲田怜(21)は、デザイン会社の新人デザイナー。ただ憧れとは裏腹に実際満足のいくことはほとんどなく、都会生活にも疑問を持ち始めていた。そんな矢先に、父・誠一郎(57)が骨折し、家事を手伝う羽目に。亡くなった母に似てほんわか真面目な姉・瞳(26)と、機械いじりが好きなボーイッシュな妹・香(18)に挟まれた怜は、幼い頃からいつも自分だけ損をしていると思っており、久しぶりの実家にも馴染めず、当然家事の手伝いにも身が入らない。だが、慣れない家業を手伝ううちに、父の仕事や人柄が地元の人々に深く愛されていることを知るにつれて、忘れていた家族の絆や愛情の深さに気づいていく。

○ロケーション:和歌山県・田辺市
○公開予定:2006年秋
○劇場:テアトル新宿、ジストシネマ和歌山 他

7月に入ればもっと映画の情報が得られると思うので、このシネマーケティング第1作映画『幸福のスイッチ』については追跡し、随時情報を発信する。下記に関連情報サイトのアドレスを記載…。

●映画「幸福のスイッチ」非公式ブログ
  http://ameblo.jp/shiawaseno-switch/



2006年6月17日 (土)

緊急情報!『怪』サイトに登場!

_h9vtwsf いよいよ話題沸騰、チケット販売も好調!
『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』(8月11・12日開催)がいよいよカウントダウンに入りました。6月15日(木)よりチケットぴあ等で前売券(京都・奈良各4000円)を発売開始。また奈良・京都の共通券(7500円)は京都造形芸術大学075-791-8240(平日10:00〜17:00)のみにて発売している。
この他にもチケットの取り扱い先は奈良橿原文化会館0744-23-2771(9:00〜17:00木曜休館・窓口販売のみ)、奈良県文化情報センター0742-23-2771(9:00〜17:00月曜休館・窓口販売のみ)、奈良テレビ放送0742-24-2900(窓口・郵送可)

この『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』が、世界妖怪協会公認『怪』のサイトにて紹介されている。このサイトは、水木しげる氏、京極夏彦氏等が参加する「世界妖怪会議」を毎年、全国各地にて実施しており、今夏は広島にて開催が予定されているがすでにチケットは完売にあるそうだ。
◎世界妖怪協会公認『怪』サイトは…
http://www.kwai.org/  から入れます。

また、『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』の最新の情報は下記のサイトからお取りください。
◎近代産業遺産アート再生学会 http://www.mii-art-r.com

※写真(百鬼夜行/東京国立博物館保管)より

2006年6月10日 (土)

いよいよチケット販売が迫る!

Xdac915q 6月15日(木)前売りチケット販売開始!
京都・奈良に潜む異界、もののけの秘密がこの夏、いよいよ堰を切ったように明かされる。宗教哲学者で神道ソングライターの鎌田東二氏、占星術研究家の鏡リュウジ氏、妖怪研究家の多田克巳氏など、各界の異界・もののけの研究者たち(新妖怪談義研究会)が集まり、いよいよこの国の過去において何が行われ、そして封印されてきたのかを聞けるだろう。乞うご期待である!
『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』のメインイベントとなる8月11日(金)の京都会場[京都造形芸術大学・京都芸術劇場「春秋座」]、8月12日(土)の奈良会場[奈良県橿原文化会館]については、6月15日(木)よりチケットぴあにて発売開始となる。チケットの取り扱いは、ファミリーマート、サンクス、サークルK、セブンイレブンの各コンビニと共にその他取扱店。Pコードは<607−424>となっている。京都、奈良はそれぞれに4,000円(当日は4,500円)にて、新妖怪談義研究会シンポジウム+茂山一門の妖怪狂言(京都)、大駱駝艦の舞踊公演(奈良)のお得な内容であり、売り切れ御免となりかねないので早めにチケットはお買い求め願いたい。
以下は、最新の『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』の概要をご紹介。

メイン事業に関して…
◎京都開催
□開催日時 8月11日(金)
        シンポジウム15:00〜18:00 妖怪狂言18:20〜19:00
□開催場所 京都造形芸術大学内「京都芸術劇場・春秋座」
(座席数852席)*自由席
□入場料金 当日4,500円、前売4,000円
□開催内容 1)シンポジウム 出演者:新妖怪談義研究会メンバー
        2)併催公演・妖怪狂言「豆腐小僧」
(京極夏彦作・茂山あきら演出)
         出演者:豆腐小僧/茂山千之丞、大名/茂山あきら
             太郎冠者/茂山千三郎、次郎冠者/茂山茂
             (後見)島田洋海

◎奈良開催
□開催日時 8月12日(土)
        舞踊公演14:30〜15:20 シンポジウム15:40〜18:30
□開催場所 奈良県橿原文化会館(座席数1,304席)*自由席
□入場料金 当日4,500円、前売4,000円
□開催内容 1)シンポジウム 出演者:新妖怪談義研究会メンバー
        2)併催公演・舞踏公演「オ・ト・ナ・リ」
         出演者:麿 赤兒、大駱駝艦ほか
…シンポジウムの中身は、京都→奈良の開催にて話を完結するので、出来れば連日観られることをお勧めします。


シンポジウム内容
※歴史・伝承に基づき、妖怪・異界なる世界を研究する各パネラーの独自の視点で捉え、独自の解釈をもとに、自由奔放なる談義を行う。京都→奈良の順に開催し、それぞれの地域に根ざした摩訶不思議な世界を語る。

詳細な内容は下記のサイトにてご覧下さい!
近代産業遺産アート再生学会 http://www.mii-art-r.com
モノ学・感覚価値研究会 http://homepage2.nifty.com/mono-gaku

いよいよ始まる。この夏のコワ面白い宴に期待が高まるばかり!!

2006年6月 4日 (日)

この夏、京都・奈良がコワ面白い!

Yacuplyd 情報がすでに漏れ出している!
今夏、京都・奈良に無限の異界・もののけが大集合!

すでにこの情報を角川書店のサイト「怪」の掲示板にて捉えた投稿メールを見るが、それは憶測の域を超えていないのである。「京都にて新妖怪談義研究会が夏のイベントを予定している」とは、異界・もののけ愛好者にはたまらない情報ながら、実際は京都・奈良という日本文化の礎を創った二大古都での開催になるのだ。特に奈良は、古代遺跡の発掘現場に考古学ファンが殺到するが、実際に奈良にはどんな歴史と隠された異界なる世界があったのかを主催者側は狙っている。うわべの京都・奈良を訪ねる観光だけではもはや許してくれない。アジアからも同じ仏教や文化を持つ人々が訪れる今は京都・奈良の隠された扉を開ける勇気がいるのである。8月7日(月)〜13日(日)を“摩訶不思議Week”と称して、京都・奈良に現代人が忘れてしまった多くのモノを蘇らせる催し、『平安京・平城京 摩訶不思議の宴2006』が開催される。
テーマは『楽しい世直し』、コンセプトは『京都・奈良の源流に出会うことは、忘れられた日本文化を再発見すること』となっている。主催は、平安京・平城京摩訶不思議の宴実行委員会(京都造形芸術大学・京都文藝復興倶楽部・JTB・奈良テレビ放送)、監修は近代産業遺産アート再生学会(摩訶不思議アートツーリズム分科会)で、チケットは前売券が、京都、奈良ともに各4,000円、京都・奈良共通なら7,500円とお得になり、6月15日(木)には一部のプレイガイドでチケット販売が予定されている。関西で、それも京都・奈良での同時開催は前代未聞だけに殺到するから早めにチケットを手に入れるといい。特に今回は京都・奈良の連日での開催にて、両方を見ることで話が完結するので、是非とも京都・奈良の2日間を見落とすことのないように注意したい。
詳細は、文末のサイトで確認いただくとして、メイン事業をご紹介しよう。
◎京都開催
□開催日時 8月11日(金)シンポジウム/15:00〜18:00 妖怪狂言/18:20〜19:00
□開催場所 京都造形芸術大学内「京都芸術劇場・春秋座」(座席数852席)
□入場料金 当日4,500円、前売4,000円
□開催内容 �シンポジウム 出演者:新妖怪談義研究会メンバー *出演者一覧は下記参照
       タイトル=「新・妖怪談義・夏の縁(壱)」
        �併催公演・茂山一門による妖怪狂言「豆腐小僧」
       (京極夏彦作・茂山あきら演出)
       出演者:茂山千之丞、茂山あきら、茂山千三郎、茂山茂

◎奈良開催
□開催日時 8月12日(土)舞踏公演/14:30〜15:20 シンポジウム/15:40〜18:30
□開催場所 奈良県橿原文化会館(座席数1304席)
□入場料金 当日4,500円、前売4,000円
□開催内容 �シンポジウム 出演者:新妖怪談義研究会メンバー 
        *出演者一覧は下記参照
        �併催公演・舞踏公演「オ・ト・ナ・リ」
         出演者:麿 赤兒、大駱駝艦ほか

シンポジウム・パネリスト
・鏡リュウジ(占星術研究家、翻訳家、平安女学院大学客員教授)
・切通 理作(文芸評論家、和光大学講師)
・東雲 騎人(画家、妖怪研究家)
・多田 克巳(妖怪研究家、作家イラストレーター、漫画家)
・田中 貴子(甲南大学文学部教授、中世文学)
・内藤 正敏(東北芸術工科大学情報デザイン学科教授、写真家、民俗学)
・西山  克 (関西学院大学文学部教授、東アジア恠異学会代表)
・辺見 葉子(慶応大学文学部教授、ケルト神話研究)
・麿 赤 兒(俳優、舞踏家、大駱駝艦主宰)
                     …50音順・敬称略)
モデレーター
・鎌田 東二(京都造形芸術大学教授、宗教哲学者、神道ソングライター)

まだまだ、コワ楽しい催しが目白押しだが、詳しくは下記のサイトから情報が得られるので、一度ご覧下さい。
★近代産業遺産アート再生学会 http://www.mii-art-r.com