ルポ:韓国初の砕氷船「アラオン号」(上)
ハイテク設備を網羅した海に浮かぶ研究所
潜水ロボット、ヘリコプター格納庫、水質や音響の分析室も
氷を割る10メートルのナイフに360度の旋回能力
韓国初の砕氷船で極地探査船の「アラオン(ARAON)号」の命名式が6日、仁川港で政府関係者、研究者、仁川市民など300人以上が出席する中で行われ、仁川市の松島国際都市にある極地研究所に引き渡される。今後、南極や北極などを航行するアラオン号は、宇宙の羅老号(KSLV-I)、地上のKSTAR(次世代の超伝導核融合実験装置)とともに、大韓民国の陸海空における3大「科学の寵児(ちょうじ)」として注目されている。「アラオン」とは、世界中の海を航行するという意味の純韓国語だ。
- 最先端のハイテク設備を備えた韓国初の砕氷船「アラオン号」。6日に仁川港で命名式が行われ、一般に公開される。来年からは南極と北極で探査や研究などの活動を行う予定だ。/写真=キム・ヨングク記者
アラオン号は釜山の韓進重工業造船所で建造され、今月2日から仁川港に停泊している。一般公開を目前に控えた3日、許可を受けてこの船の取材を行った。内部は6階構造となっており、外見は一般の船舶と大きな違いはない。しかし船上から見渡すと、数々の特殊な機器を完備していることが一目で分かる。無人潜水艇ロボット、海水を収集するタンク形態の採水器、音を発して海底の状況を調べる空気圧縮機や多重音響測深器、アンテナ型の大気測定装置、ヘリコプター格納庫、大型クレーンなどだ。船底の双方には、氷の付着を防止する装置もあり、水タンクの量を調節して船の傾きを左右に調整すると同時に、船の前部を浮かせる仕組みになっている。
最上階には、船の運航を管理する操舵室がある。この操舵室には円形の操舵装置はなく、船尾には舵もない。それでも前はもちろん、横や後ろに進むことができる。キム・ヒョンユル船長は、「ボタン型の機器を操作すれば、船底の前後に設置されている直径約4メートルの推進器が4台、それぞれ回転を調整しながら方向を定めている。この原理を利用すれば、船は360度回転することができる」と説明した。
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