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◆J2第48節 C大阪5―0草津(8日・長居)ナニワ桜が、秋の長居で咲き誇った。C大阪は、MF乾貴士(21)が開始1分の先制弾を含む4得点と爆発。草津を5―0と圧倒し、4季ぶりのJ1昇格を決めた。就任3年目のレヴィー・クルピ監督(56)の下、“ヤング・セレッソ”が開花。その象徴でもあるMF香川真司(20)が、本紙だけに、この1年の苦しい道のりを語ってくれた。
4季ぶりのJ1昇格は、圧巻のゴールラッシュで決めた。桜色に染まったスタンドが、開始1分で沸いた。「昇格の試合で奇跡。最高です」。MF乾が相手GKの頭を越えるシュートで先制点を奪うと、2―0で迎えた後半に3発。「クルピ・セレッソ」の申し子が、J2通算100勝目という節目の勝利も呼び込んだ。
「我慢」の続投が実った。2005年にJ1で優勝争いを演じながら、翌年2度目のJ2降格。07年5月、ブラジル代表監督の候補にも挙がったレヴィー・クルピ氏を監督に招き、昇格を託した。ところが1年目は5位、翌年は4位。2年連続で目標に届かなかった。ただ、藤田信良社長(59)はブラジル選手権も制した指揮官の手腕を信じていた。さらに、ひとつの言葉が頭に残っていた。
「監督を変えなかったことが最大の勝因」。昨季のJ2実行委員会、2度目の降格から1年でJ1復帰を果たした広島・本谷祐一社長(55)に言われたという言葉が焼き付いていた。スポンサーやサポーターなど続投へ批判的な声も多かったが「変えないことも勇気」と自ら頭を下げて回り、理解を求めた。
3年目の今季、ようやく花は咲いた。就任1年目から使い続けた香川は、リーグトップ27得点を挙げ、不動のエースに成長した。課題だったGKには大卒1年目のキム・ジンヒョンを開幕から先発に抜てき。主力に故障者が続出した10月18日の愛媛戦(長居)には、ユースからトップ昇格1年目のMF山口螢(19)を初先発させる英断も下した。1シーズン2度の1試合4得点と離れ業をやってのけた乾も、横浜Mでは出場機会に恵まれず「JFLでもいい。試合に出たい」と働き場所を求めていた選手だ。昨年期限付き移籍で途中加入して6得点。完全移籍した今季は、20得点の大台に乗せた。
今季は開幕5連勝のスタートダッシュから、2位以上をキープ。勝ち点101、30勝11分7敗、97得点。第36節(8月30日)以降は13戦負けなしと死角のない強さで、J2戦線を駆け抜けた。
残り3試合。4年ぶりのJ1へ乗り込む前に、次節は仙台(22日・ユアスタ)との首位決戦が待っている。香川は今季最多2万727人のサポーターに「次も仙台に勝って、ホームで優勝を決めます」と宣言。クラブ初のタイトルを手土産に、次のステージへと力強く進む。
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(2009年11月9日10時18分 スポーツ報知)