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【東京】葛飾区長選候補者の横顔 (下)2009年11月4日 ◆大学院で公共政策学ぶ 谷野正志朗(たにのせいしろう)氏(67) 無新食品卸会社を経営。PTA会長などの地域活動が買われ、地元区議の後継に推された。一度苦杯をなめたが、その四年後に当選。五期連続で十八年務め、議長も経験した。 おはやしの保存や、ガーデニングを生かした街づくりにも尽力する一方、「議員は、区職員の政策を追認するだけ。自ら立案する力がない」との実感も。このため、六十四歳で母校・明治大の公共政策大学院に入学。元都副知事・青山やすし氏らに師事し、「外国人と共生するシステムなどを学び、視野が広がった。毎日、目からうろこが落ちる思いだった。人のつながりもできた」と話す。 社員数人で立ち上げた会社は、五十人規模に。「長年、経営に携わっているので、指揮をとるのは得意」と、リーダーの資質を自負。毎朝、人が集まる会場に足を運ぶラジオ体操で健康を保つ。 ◆トラック運転手を経験 内田 貴之(うちだたかし)氏(40) 無新=民社国民主党の公募に応じ、二〇〇五年に葛飾区議に初当選。「発言してこそ議員。この四年間で、議会での登壇数は最多」と自負、「政策提案したが、区の動きは鈍い。職員OBが長年、区長だった役人行政の弊害だ」と立候補を決めた。 宮崎県生まれ、熊本県育ちの九州男児。大学入学で上京し、毎日新聞広告局に勤務した後、当時の住宅・都市整備公団に転職。そこで、天下りや税金の使われ方に疑問を感じて政治の道へ。大型トラックのドライバーをしながら、全国の政治の現場を回った。 区議になった後も夜間や休日、トラックのハンドルを握る。「労働力が商品化され、人が人として扱われていない。そんな現場を見ているから、格差社会の現実が分かる」 趣味は筋肉トレーニングと、ガーデニング。ベランダでパンジーを育てている。 ◆社交ダンスでプロ資格 青木 克徳(あおきかつのり)氏(60) 無新=自岐阜県生まれ。父親が転勤族で、小学三年で葛飾へ。地元の葛飾野高校を卒業、区役所に入り、たたき上げで収入役に上りつめた。「仕事の成果がお金でなく、区民の喜びとして現れるところに働きがいを感じてきた」 区民と接する最前線の地域振興部長は、歴代最長の七年。信条は現場第一主義。「地図では、高齢者が感じる陸橋の上りのつらさは分からない」と、自転車で地域を回った。支持者は「タクシー運転手より、区の隅々まで知っている」と語る。 葛飾の魅力を「他区に比べて、人のつながりが濃い。おせっかい、人情は財産」と話す。「昼間も地域に人がいるメリットを、防犯や高齢者のために生かすべきだ」 区役所に入ってから始めた社交ダンスは、プロの資格を持つ。「一生懸命やらないと成果が上がらないところが面白い」 (届け出順)
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