九州でも珍しい万年筆専門店で、今年５月に閉店した「江島万年筆店」（佐賀市水ケ江）が、１５日から期間限定で営業を再開する。在庫として残っていた製造中止の希少品などを、クリスマスプレゼントの時期に合わせて販売する。

　同店は１９５１（昭和２６）年創業。２代目の満さんが昨年末に５５歳で亡くなり、後継者がいなくなったため閉店した。万年筆を修理できる職人は全国でも少なく、閉店後も修理の依頼や、在庫目当てのマニアの訪問が絶えないという。

　期間限定営業は２８日まで。在庫の中には「ウォーターマン」や「モンブラン」など高級ブランドの絶版品をはじめ、戦後まもなく作られた国内メーカーの品もある。定価は国産品で１万－３万円ほどだが、半額から４割引きで販売する。

　店主の江島芳昭さん（７９）は「万年筆は心を伝えるのにぴったりの贈り物。多くの人に万年筆を手にしてもらうきっかけになれば」と話す。問い合わせは同店、電話０９５２（２３）６２７２へ。

【写真】作家の滝口康彦さんや笹沢佐保さんらも常連だった「江島万年筆」。店主の江島芳昭さん＝佐賀市