「大宮司進引退試合」(7日、JCBホール)
大みそか「Dynamite!!」での引退試合の対戦相手が流動的になっていた魔裟斗(30)=シルバーウルフ=が7日、都内で取材に応じ、最後の相手として、一度は消滅しかけたアンディ・サワー(26)=オランダ=を指名した。この日、ジムの盟友・大宮司進(31)の引退試合の相手「X」として東京・JCBホールに電撃登場。自身の“プレ引退試合”でヘッドギアを途中で脱ぎ捨て、全力ファイトを披露。「オレがアンディを倒すストーリーができている」と宿敵KOを誓った。
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魔裟斗が決めた。最後の相手はサワーだ。「最初からやりたかったし、ここでやらないと悔いが残る」。06、07年に2戦2敗した宿敵。「トーナメントでダメージがあって、負けたとは思っていない。オレは根に持つタイプだよ」とリベンジの好機に腕まくりした。
K-1ワールドMAXの10・26横浜アリーナ大会を解説席で観戦。世界王者に輝いたジョルジオ・ペトロシアンに心を奪われ、即座にリング上で対戦要求し受諾された。ところが、翌日にペトロシアンが右第2中手骨骨間部を骨折していたことが判明。さらに7日になって、右手甲の骨折を関係者が明かし、対戦は絶望的になっていた。
日本人戦士も代替候補に浮上したが、2度の世界制覇(03、08年)を誇る魔裟斗は、佐藤嘉洋に対し「去年勝っている。やる必要はない」、五味隆典には「興味がない」と斬り捨てた。そして同じ2度の世界制覇(05、07年)を遂げたサワーだけを視野に入れた。「オレとアンディの運命なんだよ。オレがアンディを倒すストーリーができている」と言い切った。
この日は、大宮司との3分2回の引退試合に出場。事前に告知がなかったため、あおり映像で登場が伝えられると驚きの声と歓声に包まれた。2回開始前にはヘッドギアを外し、右アッパーで相手をダウン寸前まで追い込み、7月からサワー対策で積み重ねた筋力強化の成果を垣間見せた。
試合後、大みそかに大宮司をセコンドに呼ぶかと問われると「もちろん。オレの最後を見届けてもらう」と即答。「アンディを倒してオレの時代は終わる」。MAXという一大ブランドを築いた“魔裟斗物語”に大団円を書き加えるつもりだ。