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【正論】民主党政権発足に寄せて 「小泉進次郎」なら自民は勝てる 永世棋聖・米長邦雄 (1/3ページ)
民主党が勝ったのか、自民党が負けたのか。総選挙は民主の圧勝、自民の惨敗に終わった。4年前の小泉劇場は全く逆に自民が300議席を取ったのだから、風というものは怖い。
それでは次回はどうなるのだろうか。私は政治に関しては全くの素人だが、勝ち負けの世界にあって先を読むことだけが取り柄の人間である。勝負と近未来の予測を語ってみたい。まずはどうして民主党は勝ったのだろうか。これを検証する前に、日本経済の動向と一般国民の受け止め方を考えたい。バブル崩壊という日本中を揺るがす現象があった。冷静になって振り返れば、全く日本中がどうかしていたとしか思えない。
アメリカよりも日本の方が金持ちになった。都心では1坪1000万円以下の土地を捜すのは至難という状況だった。人々は借金をしてまでも土地や株に走る。やがてそれは幻として終わる。株も土地も価格が下がり借金のみが残るという惨めさだった。天のいたずらとしか思えないが日本中が金持ちになったと錯覚したのである。
国民の過半数は自民に期待
しかし、現在はどうか。世間は100年に1度の大不況などと言っているがそうではあるまい。これも天のいたずらであって、今回は全く逆に、日本中を貧乏になったと錯覚させているのであろう。これが今回の衆院選における庶民の本人さえも気付かぬ感触である。国民は実は、経済についてはあまり心配などしていなかったのではあるまいか。そこが第1のポイントである。このことを麻生太郎首相が感じとっていれば就任直後に解散すべきであったろう。経済立て直しで解散は延びに延び、今回の大惨敗につながった。
国民の関心は経済とは全く別のことにあった。「少しでも庶民の暮らしを楽に」、それが各党のマニフェストに多く盛り込まれていたのは事実だが、政治家の思惑と庶民の感覚は相当にズレていた。