非国民通信

未来なんてあるわけがない

遺志を継ぐ者

2009-11-08 10:58:41 | ニュース

首相、機密費非公開を容認 方針変更明確に(共同通信)

 鳩山首相は5日夜、内閣官房報償費(機密費)について「国民にすべてをオープンにすべき筋合いのものとは必ずしも思っていない」と述べ、民主党政権でも使途非公開を容認する意向を示した。官邸で記者団の質問に答えた。民主党はこれまで、使途に不透明さが付きまとう報償費の透明化を要求。平野官房長官が記者会見で表明した非公開方針を首相が追認したことで、政権獲得に伴う方針変更が明確になった形だ。

 まぁ民主党が方針を翻すくらい慣れっこですが、こういう動きは今後もやはり続くと見た方が良さそうですね。野党時代は機密費の公開を要求していたわけですが、与党になったら話は別ということなのでしょうか。まぁ選挙前からも政権獲得に向けて野党時代の主張を修正する兆しを垣間見せていただけに(参考1参考2)この辺は普通の有権者にも予想できた範囲のはずとも言いたいですが……

官房機密費「そんなものがあるんですか」 平野長官(朝日新聞)

 平野官房長官は17日の記者会見で、官房長官が管理する官房機密費(内閣官房報償費)について、「そんなものがあるんですか。全く承知していない。承知していないからコメントできない」と述べた。官房機密費がある場合はどう対応するのかと問われても「『たられば』の話はできない。まだ、全く承知していない」と語るにとどめた。

 官房機密費は、官房長官が自由裁量で使える予算で、何に使ったかは一切公表されない。このため、民主党は03年に政権運営の基本方針として「官房機密費の流用を厳格に制限し、使途は厳正な公開基準の下で一定期間後に公表する」と決めている。

 これは9月の話ですが、当時は「なかったこと」にする路線だったようです。う〜ん、自民党時代の諸々の密約でもわかるように政治家側が存在を否定すれば、官僚達もそれに口裏を合わせて「なかったこと」にしてくれるのが日本の政治ですから、平野氏もそのつもりだったのでしょうか(これも密約同様、時代が下れば政治家ではなく官僚が隠蔽したことになるのかも知れません)。民主党はわざわざ官僚の口を塞ぐことを制度化しようとしているわけですが、そんなことをしなくても政治家の言を真っ向から否定するような告発に踏み切る官僚なんていないと思うのですけれど。被害妄想かな?

憲法解釈「過去の法制局答弁にしばられず」 官房長官(朝日新聞)

 平野博文官房長官は4日の記者会見で、鳩山政権が、政府の憲法解釈を国会で示してきた内閣法制局長官の過去の答弁にしばられないとの見解を示した。憲法9条などの解釈は、今後内閣が政治判断で行う考えも表明。鳩山由紀夫首相は同日夜、記者団に「法制局長官の考え方を金科玉条にするのはおかしい」と述べた。

 歴代政権は、内閣法制局の了解がなければ、事実上、憲法解釈の変更には踏み込まなかった。今回の発言は、憲法解釈も政治主導で行う原則を示したとみられるが、時の政権の都合で憲法解釈が安易に変更される恐れもある。

 平野氏は会見で「これまでの法制局長官の憲法解釈には内閣はしばられないのか」と問われ「もちろんそういうことだ」「政治主導だから、政治判断で解釈していく」と述べた。

 歴代政権こと自民党政権は法制局を一応は尊重し、実質はともかく建前上は憲法解釈(=集団的自衛権の行使を違憲とする)の変更まではできなかった、しかるに民主党が「自民党が踏みとどまった一線」を踏み越えようとしているようです。ふむ、小沢一郎に言わせれば法制局答弁すら「官僚だから」という理由で答弁を禁じようと企てている、時に行政の暴走を抑える役目を果たしてきた法制局をも沈黙させようとしている辺り、どうにも民主党の方が自民党よりも「露骨な」部分が目立つように思います。

 こちらでも触れたことですが、法相の千葉氏は就任早々に司法への政治介入を示唆しました。自民党だって陰で圧力はかけていたでしょうけれど、表向きは介入に否定的な姿勢を取っていたのに、です。そして一元化の名の下に国会の議員立法を大幅に制限することを明言したのも民主党です。自民党時代だって国会が機能していたとは言い切れませんが、やはり少なくとも表向きは立法府としての国会(議員)の頭を押さえつけることはありませんでした。官僚との関係も同様、その口を塞ごうとまではしなかったのが自民党で、実質はともかく建前としては、内閣官邸以外の意志が存在することも許容してきたわけです。しかるに民主党は「政治主導」「一元化」の名の下に公然と、官邸以外の声を葬り去ろうとしているのであり、より急進的なのはどちらなのかと。

 この政治主導という名の三権分立の破壊、一元化という名の強権体制の確立は決して民主党のオリジナルではなく、自民党もまた望んできたものだったはずです。ただ自民党は多少の後ろめたさもあったのか、あれだけ迷走しながらも下野に至るまで最後の一線を踏み越えることはありませんでした。しかし民主党政権はどうでしょうか? 思えば小選挙区制も非自民党内閣の元で作られたわけです。言うまでもなく自民党のような大政党にこそ有利な制度であり、自民党こそ最も強く導入を望んできた制度ではないかとすら思われるのですが、中選挙区を廃して小選挙区制に切り替える、その一線を踏み越えたのは自民党ではなかったのです。そこで司法に介入し、国会から立法の府としての機能を剥奪し、官僚の口を塞ぎ、憲法解釈をねじ曲げる、こうした自民党政府が裏で待望してきたことを、公然と実現させようとするのはどこの党なのでしょうか。

 

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3 コメント

与党ボケ (やす)
2009-11-08 15:54:36
やっぱり、政治家なんですよね。
落ち着いて考えてみれば誰でも分かることですけど。

>法制局長官の考え方を金科玉条にするのはおかしい

もっと「謙虚」になれよ、と。w
どこかの小泉じゃないんだから
少数意見を尊重した民意(多数決)こそ民主主義!! (やす)
2009-11-08 16:38:02
改正・教育基本法の「再改正」をするにしても改めて、子供たちのために「何をすればいいのか(範囲の限定)」ということを明確にして、再改正してほしいですね。
そうじゃなければ何のための再改正なんでしょう。

ここでも手段と目的に履き違えというよりも・・・・・。
民主党 (とっぱんぱらり)
2009-11-08 18:43:43
は、もはや、『民主』党ではない。

今日開催された「県内移設反対大会」でも、民意は明らかだ。仲井間知事=自民隠し知事はアメリカで「忠誠」を誓ったが、県民はそれを否定した。市長連中は自分の首が危ないがために、「県内移設反対」と言っている。

オバマでさえ「医療改革」部門では、まだ持ちこたえている。『民主』党には、それさえも無い。

民主党は、まず、対米関係では、自民党政治の「実行部隊」に過ぎないことを吐露した。

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