(CNN) サウジアラビア国防省当局者は8日、南部の隣国イエメンから領内侵犯していたイスラム教シーア派の反政府武装組織の山間部の拠点を奪還したと述べた。国営サウジ通信が報じた。
ただ、奪還作戦ではイエメン領内に踏み入っていないとも付け加えた。死傷者数などは不明。ワシントン駐在のイエメン大使館は、サウジが自らの領土を守る作戦を支持するとの声明を発表した。
ザイド派の同武装組織は3日からサウジ国境警備隊への越境攻撃を実施、これまで3人を殺害し、15人が負傷していた。サウジは報復攻撃として空爆に踏み切っている。武装組織は、両国間の緊張が高まることを狙い、イエメン領内を空爆したと主張したが、イエメン政府はこれを否定している。
イエメン軍と武装組織間の衝突は過去5年、断続的に続いていたが、今年夏に軍は本格作戦に着手、多数の死傷者も出ていた。サウジの今回の軍事作戦は、イエメン内の紛争がサウジにも波及したことを意味する。
イエメンでは、イスラム教スンニ派が多数派。イエメン政府は、シーア派が主流派のイランが同武装組織に武器や資金援助を行っていると疑っている。