韓国を狙うロシアンマフィア(下)

 その後は政治家、オリガルヒ(新興財閥)、検察と手を結び、合法化する様相を呈している。韓教授は、ロシアの下院議員450人のうち3分の1は1億ドル(約90億円)以上の財産を保有しており、これはマフィアとのつながりなしには不可能な蓄財だ、と語った。そのロシアンマフィアが最近、大都市からシベリアや極東などの地方へと進出している。石油、ガス、木材、海産物に目を付けたわけだ。中国の三合会と売春、原木、漢方の薬種取引を行っており、日本のヤクザともズワイガニなどの海産物や売春などの取引がある。

 また、韓国の暴力団とも交流し、釜山や水原に出没しているという。03年には釜山でロシアンマフィアのボスが殺害された。昨年には、釜山・海雲台の月見坂一帯で不動産を買い入れた人物がロシアンマフィアであることが分かった。彼らは韓国の暴力団と手を結び、ズワイガニやスケトウダラの取引も行っている。

 ロシアンマフィア最大の系譜はソンツェヴォ派、タムボフ派、イスマイロフ派だが、韓国とはイルクーツク東方-極東にかけての組織が連携を保っている。これらの組織が韓国で狙うターゲットは、ズワイガニやスケトウダラだけではなく、麻薬や武器の密売まで、実にさまざまだ。麻薬は、アフガニスタンからロシア経由で運び出されたもので、修理のため釜山に入港するロシアの大型船から流れ込むことが多いが、これには「おまけ」としてAK小銃が付いており、国家情報院が鋭意注視している。韓教授は、「ロシアンマフィアは貧困、どん欲、システム不在を糧に育った。そうした側面で、ロシアはマフィアが活躍できる最適な条件を備えた国」と語った。

 培材大マフィア研究団には、韓教授を団長に研究員6人と助手3人がいる。昨年、学術振興財団の基礎研究支援・人文社会(海外地域研究)支援プログラムに選定され、来年6月までに11本の論文を発表する予定だ。

鄭炳善(チョン・ビョンソン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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