鳥取県で相次いでいる男性不審死のなかで、鳥取市の摩尼(まに)川で遺体が見つかった電気工事業円山(まるやま)秀樹さん(当時57)の自家用車が、円山さんが前日朝に自宅を出た約2時間後には、現場近くの県道に止まっていたことが、周辺住民への取材でわかった。家族によると、円山さんは10月6日朝、県警が詐欺容疑で逮捕した元スナック従業員の女(35)らへの集金に出かけた後、連絡がとれなくなり、翌7日に遺体が見つかった。県警は、円山さんが自宅を出た後の足取りを調べている。
県警などによると、円山さんの車が見つかったのは、鳥取市吉成の自宅から北東へ約5キロ離れた県道の路肩。農作業をする人や山菜料理を食べに来る観光客らが車で通るが、交通量は少ない。円山さんの車は、摩尼川に架かった橋をふさぐように止まっていた。
円山さんの家族らによると、円山さんは女と、別の詐欺容疑で逮捕した女と同居する男(46)に、テレビなど計約100万円相当の電化製品を販売。この代金を集金するため、10月6日午前7時ごろ、自宅を出たという。
その約2時間後の同日午前9時過ぎから、県道路肩に止められた円山さんの車が目撃されていた。午後3時ごろには、通行の邪魔になるとして付近の住人たちが鍵がかかっていなかった助手席側のドアを開け、ブレーキを解除して車を動かした。さらに同日午後9時ごろには「邪魔な車がある」という住民の通報で警察官も現場に行ったという。
円山さんの遺体が見つかったのは7日午後2時ごろで、車から約10メートルの川面だった。
また、円山さんの家族によると、車内には物色されたり、人が争ったりしたような跡はなく、運転席側からは円山さんの財布も見つかった。しかし、中には3千円程度しか入っておらず、集金をした形跡はなかったという。