原巨人、７年ぶり２１度目日本一！敵地で１０回舞った！！

日本一を決めた原監督は１０度、宙に舞った

　◆日本シリーズ第６戦　日本ハム０―２巨人（７日・札幌ドーム）　原巨人７年ぶり２１度目の日本一！　主将・阿部の先制打と松本の俊足で得た２点を、６人の投手リレーで守りきり、日本ハムに１１安打を浴びながらも０封。４勝２敗で頂点に立った。３月の第２回ＷＢＣに続き、日本一奪回をも達成した原監督は「日本一を奪回しました！」とインタビューで誇らしげに話した。

　最高殊勲選手（ＭＶＰ）には、第５戦でサヨナラ本塁打を放つなど攻守に活躍した阿部慎之助が選ばれた。

　シリーズ初先発の東野が１回２死一塁から日本ハム４番・高橋信二のピッチャー返しを右手甲に直撃。打球を取りにいくこともできずにマウンドにうずくまるほどの強烈な一撃で、そのまま降板。しかし緊急登板した内海が好投し、４回２／３を無失点に抑えると、豊田、山口、越智とつなぎ８回途中からマウンドに上がったクルーンが最後を締めた。

６回２死一塁、小笠原が右前安打、守備がもたつく間に松本が生還する

　打線は２回２死三塁から阿部が中堅の頭上を越すフェンス直撃の二塁打を放って先制点を挙げた。

　６回には２死から松本が左前打で出塁。続く小笠原が一、二塁間を破り、ボールの処理をあせった稲葉がもたつく間に松本は快足を飛ばして一挙ホームイン。貴重な２点目を加えた。

　９回、クルーンが２死二、三塁のピンチに高橋を三振に切って取り試合終了。原監督が、札幌ドームのマウンド上でナインの手によって１０回胴上げされ宙を舞った。

　日本ハムは好機を作るも決定打が放てず競り負けた。

　日本シリーズ表彰選手は次の通り。
  ▽最高殊勲選手　阿部慎之助（巨人）
  ▽敢闘選手　高橋信二（日本ハム）
  ▽優秀選手　亀井義行、ゴンザレス（以上巨人）小谷野栄一（日本ハム）

　巨人・原辰徳監督「日本一になることが出来ました。梨田監督のもと素晴らしいチーム、素晴らしいファン、素晴らしいチームと日本シリーズを戦うことができ、そして日本一になることが出来たことを、本当に誇り思います。胴上げに関しましても、感無量です。日本一を奪回しました。（９回のピンチに）うちの勝ちパターンの中で出来た。最後はクルーンが抑えてくれるものと信じていました。ジャイアンツファンの皆様、日本一になりました」

　日本ハム・梨田監督「せめて７戦までいってほしかった。いい走塁などが随所であったけど…。２勝しかできなかった現実を受け止めたい。内容的にはいい日本シリーズだった。日本一という夢に向かって、また頑張りたい」

　巨人・阿部慎之助捕手「最高です！とにかく苦しかった。やっと念願がかなった。みんなで勝ち取った日本一。サポートしてくれた裏方さんにも、ファンにも感謝です」

　ヤンキース・松井秀「自分も１０年間いたチームだから、非常にうれしい。若い力が育っての優勝は、ファンも望んでいたことだと思う。（大リーグで初の頂点に立った）自分とのタイミングは、偶然なんでしょうけど」

　巨人ＯＢ会・王貞治会長「６戦すべてが締まったいい試合でした。巨人軍はことし一年を通して戦ったリズムの良さが、そのまま結果として出た。原監督もＷＢＣからシリーズに至るまで、いい仕事をしてくれました。昨年、西武に負けた悔しさをばねに選手も一丸となって戦ってくれた。本当におめでとう」

　長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督「粘り強さでつかんだ日本一。苦しい試合が続く中、阿部が攻守でチームを引っ張りました。選手の能力を最後まで信じ、堂々とチームを率いた原監督のリーダーシップも光りました。後世に誇れる真の王者になれたのではないでしょうか」