鄭雲燦首相「731部隊とは抗日独立軍のこと?」

「生体実験」した日本の細菌戦部隊を知らず

 「731部隊とは、あの…抗日独立軍のことですか」

 6日、国会の外交・統一・安全保障分野に関する政府への質問に答えた鄭雲燦(チョン・ウンチャン)首相は、このたった一言で恥をさらす結果となった。

 鄭首相を窮地に追い詰めたのは、自由先進党の朴宣映(パク・ソニョン)議員だった。朴議員は第2次世界大戦時に「生体実験」を行ったと言われる日本の部隊「731部隊」で、「マルタ」と呼ばれ実験の犠牲になった朝鮮人が二人おり、その二人は抗日独立闘士だったという内容の資料を提示する際、「マルタとは何かご存じか」と質問した。

 鄭首相は「戦争に関連する、捕虜のことをお話のようだが…」と的外れな回答をした。これを聞いた朴議員が、「戦争捕虜ではない。では、731部隊とは?」と問い詰めると、鄭首相は口ごもりながら「あ…抗日独立軍のことか」と聞き返した。すると、議員席からは失笑とため息が同時に漏れた。朴議員が「何をおっしゃっているのか。生体実験をした日本軍の部隊ではないか」と声を荒らげると、鄭首相は当惑しながら「はい、本で読んだ記憶がある」と語った。

 これより先、朴議員が北朝鮮に拘束されている国軍捕虜(韓国戦争〈朝鮮戦争〉時に北朝鮮の捕虜になった韓国軍兵士)の数を問うと、鄭首相は「数百人と聞いている」とあいまいに答えた。朴議員は「『世宗市の自足機能は6-7%』とすらすら言いながら、ほかの数字は一つも知らないのか。国軍捕虜の数は560人だ。首相の頭の中には世宗市のことしかないのか」と責め立てた。世宗市とは、2015年までに中央省庁を移す行政中心複合都市の名称で、忠清南道に建設が予定されている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時に決まった。

 鄭首相は、朴議員の質疑が終わった後、ほかの議員の質問のときに発言台に出て、「先ほど答弁を急いだ際、文を言い終えることができず、『抗日独立軍』という表現を使った。ご存じの通り、731部隊は日本が抗日独立軍に致命的な打撃を与えた細菌戦部隊だ。ご了解ください」と一足遅れの弁明をした。

洪永林(ホン・ヨンリム)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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