アジア | 北米 | 中南米 | 欧州(NIS諸国を含む) | 大洋州 | 中東 | アフリカ
平成21年9月23日
9月23日、鳩山総理大臣は、国連総会に出席するために訪問中のニューヨークにおいて、メドヴェージェフ・ロシア大統領と会談したところ、結果概要以下のとおり。(岡田外務大臣及びラヴロフ外務大臣他同席。)
(1)今次会談は、総理就任直後の17日の電話会談に引き続き、ロシア側の発意により実施されたものであり、両首脳が実際に会って行う初めての会談。
(2)特定の事項につき突っ込んで議論するというよりは、総理が自らの率直な考えを述べる形で、今後の日露関係の在り方について意見交換。両首脳の個人的な信頼関係を構築する上で有益なやりとりが行われた。
(3)会談では、両首脳がアジア太平洋地域において新たな日露関係を切り拓くための意思を確認し合い、今後も議論を続けていくこと、また、次回の首脳会談を11月のAPECの際に行う方向で調整していくことで一致。
(4)なお、冒頭、メドヴェージェフ大統領から、民主党・鳩山政権が誕生したことを受け、日露関係を全面的に強化したい、日露関係に新しい活を入れる時が来ており、領土問題を含め新たな道筋をつけるように努力したい、との立場の表明があった。
(1)鳩山総理からは、サハリンや東シベリアの資源エネルギー分野を含め、日露が有する高い技術力で協力することでwin-winの関係を構築できるのではないかと思う、政治と経済を含む諸問題を「車の両輪」のように進めていくことでお互いに良い影響を与え合うことが出来る、旨述べた。
(2)これに対し、メドヴェージェフ大統領は、「車の両輪」という総理の発言に同意する、あらゆる分野で前進を図ることが重要である、と述べた。
(1)総理から、自分の祖父・鳩山一郎元総理が1956年に訪露した際には、二島引き渡しでは領土問題を解決できないということで平和条約を締結できなかった、それから50年以上経ったが、未だに平和条約が締結されていないことは両国にとってマイナス、我々の世代で領土問題を最終的に解決し、平和条約が締結されるよう大統領のリーダーシップに期待する、旨述べた。
(2)これに対し、メドヴェージェフ大統領は、平和条約交渉を一層進め、精力的に行っていきたい、独創的なアプローチを発揮する用意もあるし、同時に、法的な範囲の中で議論を行うことも重要である、過去の遺産を政治的に解決することは可能と思う、旨述べた。
(3)両首脳は、11月のAPEC首脳会議で二国間会談を行う際には、本日のやりとりを踏まえ、議論を深めるよう良く準備していくことで一致。また、メドヴェージェフ大統領の提案を受け、領土問題を含め、外相レベルで定期的に話し合っていくことで両首脳は一致。
(1)気候変動に関し、メドヴェージェフ大統領より、総理が前日(22日)に行ったスピーチについて、突破口となるような決断を行う用意があることが伺え、印象的であった旨述べ、高い評価が示された。
(2)拉致問題を含む北朝鮮問題に関し、鳩山総理より、メドヴェージェフ大統領の協力関係を強め問題解決に取り組みたい、旨の発言があり、今後、両国間で更に議論を深めていくことで一致。
(3)核軍縮・不拡散に関し、総理より、被爆国の立場から今後米露間の協議を通じ進展が得られることを期待する旨述べたのに対し、メドヴェージェフ大統領は、核軍縮の分野で前進を図る用意がある、不拡散は世界の不安定要因であり、国際条約の枠組みの中で努力を続ける必要がある、旨述べた。