世の中は日本シリーズで大盛り上がりではありますが…
ここでしつこく、秋季高校野球大会のことを書こうと思います。
先日閉幕した秋季近畿大会は、神戸国際大付が5年ぶり2度目の優勝で幕を閉じました。

大黒柱は、何といってもエースで4番でキャプテンの岡本君の活躍でした。
岡本君の力投ぶりはスポーツ紙などで報道されていると思うので、あえてここでは書かないでおこうと思います。
私は、このチームにはある着眼点を置いて数試合を観て来ました。
それは「チーム力」。
神戸国際大付といえば、地元では有名なのですが、決して評判の良い学校ではありません。
深くは書けませんが、周囲では色々と問題を起こしては「やっぱりあそこの学校が…」と、白い目で見られることもしょっちゅう。
当然、野球部員にもクリーンな印象はなくて、自由奔放な振る舞いの選手が多かったです。
いわゆる、映画「ルーキーズ」のようなチームでしたね…
ここの場合は県内ではハイレベルの技術を誇る学校ではありました。
でも、眉毛を剃るのは当然で、デッドボールを当てられたら睨みつけたり、試合態度も良くなかった。
練習試合で訪れたある学校によると、「うちの敷地にバスを駐車する時は、バスの中に物を置いていかないように」と言われたそうです。
つまり、盗難が多発するぐらい、まるでスラム街(失礼!)のような、学校でもあったわけです。
で、今年のチームの話に戻しますと…
9月下旬のある日。
秋季県大会の神戸国際大付の試合でのこと。
試合を見ていると…
打席に入る時は、ちゃんと主審におじぎをする選手が多いし、四球を選んでもバットを放り投げる選手が少ない。
動きもきびきびしている。
試合が終わって、球場外に選手が集合すると、球場入り口に選手たちが一列なって、入り口に向かってあいさつをしていたのです。
大きな声で「ありがとうございました!」と。
その後に集合した選手たちを見ると、制服の着こなしもかつてのようなダラダラした着方ではなかったし、眉毛をいじっている選手もほとんどいなかった。
近畿大会でも、チームのその雰囲気は崩さず。
捕手の福田君は、落としてしまったキャッチャーマスクを主審に拾ってもらう時、いつも会釈をして応じています。
優勝を決めた後の取材で、その福田君はこう言っていました。
「入学した時、まず監督さんに言われたのが、普段の生活態度が、試合に必ず出るということでした。いいことをすれば、野球の神様は見てくれている、と。礼儀やマナーに関しては、とにかく厳しく言われました。でも、きちんとした礼儀を行えるようになったら態度の悪いヤツがいれば、お互い注意しあうようになりました。気を遣う必要なんてないです。気を遣うほうがおかしいですから。そうやって、何でも言い合える雰囲気が今のチームにあるんです」。
神戸国際大付は、練習をする前に、まず黙とうをすることから始まります。
それは日々の目標を心の中で唱えるだけでなく、こうやって練習出来ることに感謝する。
当たり前のことだけれど、かつて「マイナス」なイメージからスタートしたナインにとっては、大進歩ではないでしょうか。
甲子園を目指す、「ルーキーズ」が「ルーキーズ」じゃなくなった瞬間。
その時を、来春、見届けられたらと思います。
		
		
		
	ここでしつこく、秋季高校野球大会のことを書こうと思います。
先日閉幕した秋季近畿大会は、神戸国際大付が5年ぶり2度目の優勝で幕を閉じました。
大黒柱は、何といってもエースで4番でキャプテンの岡本君の活躍でした。
岡本君の力投ぶりはスポーツ紙などで報道されていると思うので、あえてここでは書かないでおこうと思います。
私は、このチームにはある着眼点を置いて数試合を観て来ました。
それは「チーム力」。
神戸国際大付といえば、地元では有名なのですが、決して評判の良い学校ではありません。
深くは書けませんが、周囲では色々と問題を起こしては「やっぱりあそこの学校が…」と、白い目で見られることもしょっちゅう。
当然、野球部員にもクリーンな印象はなくて、自由奔放な振る舞いの選手が多かったです。
いわゆる、映画「ルーキーズ」のようなチームでしたね…
ここの場合は県内ではハイレベルの技術を誇る学校ではありました。
でも、眉毛を剃るのは当然で、デッドボールを当てられたら睨みつけたり、試合態度も良くなかった。
練習試合で訪れたある学校によると、「うちの敷地にバスを駐車する時は、バスの中に物を置いていかないように」と言われたそうです。
つまり、盗難が多発するぐらい、まるでスラム街(失礼!)のような、学校でもあったわけです。
で、今年のチームの話に戻しますと…
9月下旬のある日。
秋季県大会の神戸国際大付の試合でのこと。
試合を見ていると…
打席に入る時は、ちゃんと主審におじぎをする選手が多いし、四球を選んでもバットを放り投げる選手が少ない。
動きもきびきびしている。
試合が終わって、球場外に選手が集合すると、球場入り口に選手たちが一列なって、入り口に向かってあいさつをしていたのです。
大きな声で「ありがとうございました!」と。
その後に集合した選手たちを見ると、制服の着こなしもかつてのようなダラダラした着方ではなかったし、眉毛をいじっている選手もほとんどいなかった。
近畿大会でも、チームのその雰囲気は崩さず。
捕手の福田君は、落としてしまったキャッチャーマスクを主審に拾ってもらう時、いつも会釈をして応じています。
優勝を決めた後の取材で、その福田君はこう言っていました。
「入学した時、まず監督さんに言われたのが、普段の生活態度が、試合に必ず出るということでした。いいことをすれば、野球の神様は見てくれている、と。礼儀やマナーに関しては、とにかく厳しく言われました。でも、きちんとした礼儀を行えるようになったら態度の悪いヤツがいれば、お互い注意しあうようになりました。気を遣う必要なんてないです。気を遣うほうがおかしいですから。そうやって、何でも言い合える雰囲気が今のチームにあるんです」。
神戸国際大付は、練習をする前に、まず黙とうをすることから始まります。
それは日々の目標を心の中で唱えるだけでなく、こうやって練習出来ることに感謝する。
当たり前のことだけれど、かつて「マイナス」なイメージからスタートしたナインにとっては、大進歩ではないでしょうか。
甲子園を目指す、「ルーキーズ」が「ルーキーズ」じゃなくなった瞬間。
その時を、来春、見届けられたらと思います。