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「地方の時代」映像祭:地域の発信力、原点戻り問う プロデューサー・市村さんに聞く

 地方発のドキュメンタリーを顕彰する「第29回『地方の時代』映像祭2009」(関西大、NHK、民放連、大阪府吹田市主催)が21~27日、吹田市の関西大で開催される。作品上映やシンポジウムなどに加え、今年は東京でのセッションなど新しい取り組みが目立つ。今年、映像祭プロデューサーに就任した元TBS記者で関西大客員教授の市村元さん(66)に今年のポイントなどを聞いた。【中村一成】

 「今一度、『地方発』の意味を問い直し、単なるアワード(賞)ではない場として発展させていきたい」と、市村さんが唱えるのは“原点回帰”。それに応えるかのように、今回も例年並みの計113本が寄せられ、11本が入選した。この中からグランプリや佐藤真賞、村木良彦賞などが選ばれる。テーマは戦争が目立った。「スタート時には『平和賞』があったくらい、大きなテーマ」。会場では応募全作品を上映。授賞式のある21日には「いま地域は何を発信するのか」と題したシンポジウムも開く。「今一度、映像祭の意味を問い直し、アイデンティティーを作り直したい」との思いを込めた。

 80年の開始以来、悩みの種だったのが財政難だ。打開の糸口として今年は企業を回った。社会問題を扱うドキュメンタリーは、時に広告主たるスポンサーの反発にさらされる。映像祭としては微妙な選択とも言える。「抵抗もあるが、安定運営には必要。企業には『都合が悪い作品もあるかもしれないが、それでも応援してほしい。場合によってはこちらから協賛を断ることもある』と説明している」と笑う。

 「スポンサーを募るには知名度も必要」。来年以降のステップアップに向けた布石として、今年は東京でもイベントを予定している。「権力と向き合う地域メディア」(7日)と「地方自治とメディアの役割」(14日)のパネル討論と、審査員の黒田勇・関西大教授が受賞作品を語るポスト企画(28日)だ。

 今後、力を入れたいのは2点という。「一つは間口の拡大。顔ぶれが固定化の傾向にある。応募条件の緩和も提案したい。経営環境の悪化でドキュメンタリーを作れる地方放送局は減っている。個人的にはニュースの特集やキャンペーンも対象に、地方の努力を吸い上げるフォーラムにしたい。それから減る傾向にある一般、高校生部門を盛り上げたい。地域の作り手を地域で育てる。これが今後のポイントと思う」

 企画内容などは映像祭事務局(06・6363・3874)。

毎日新聞 2009年11月5日 東京夕刊

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