県内初開催となる日本弁護士連合会の第52回人権擁護大会が5日、和歌山市で開幕し、同市民会館などでシンポジウムがあった。表現の自由▽地球温暖化▽消費者問題--をテーマに論議が交わされ、市民や高校生ら約2250人が熱心に聴き入った。
市民会館大ホールであったシンポは「いま表現の自由と知る権利を考える」がテーマ。立命館大法科大学院の市川正人教授が基調講演し、市川教授やジャーナリストの江川紹子さんらをパネリストに議論した。自衛隊のイラク派遣への反対ビラを配るため東京都内の防衛庁(当時)官舎に立ち入った事件をめぐり、江川さんは「『表現の自由だから何でも許される』という態度でなく、個別具体的に考えるべき」と述べた。
同会館小ホールであった「安全で公正な社会を消費者の力で実現しよう」のシンポでは、「劇団そとばこまち」がユーモアを交えて消費者問題を演じた。
6日は、同市小松原通1の県民文化会館大ホールで大会があり、取り調べの可視化を求める宣言案など五つの宣言案を審議、採決する。【藤顕一郎】
毎日新聞 2009年11月6日 地方版