市橋容疑者まるで別人　目をかえアゴに肉

　千葉県市川市で０７年、英国籍の英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさん（当時２２）の遺体が見つかった事件で、千葉県警は５日、死体遺棄容疑で指名手配している市橋達也容疑者（３０）の最近の写真を公開した。整形手術を受けるため、１０月に名古屋市内の病院を訪れた際の顔写真だが、顔の特徴はすでに大きく変わっていた。

　千葉県警によると、市橋容疑者は１０月２４日に病院を訪れたが、既に顔を整形していた。顔の特徴は大きく変わり、一重まぶたが二重になっているほか、鼻が高くなっていた。また、左ほおにあった２つのほくろはなくなり、下唇は薄くなっていた。市橋容疑者はこの病院で鼻をさらに数ミリ高くする手術を受けた。来院時は、茶色のブレザーに黒系のズボン、黒っぽいリュックサック姿だった。

　手術後にカルテに添付された写真を見た病院スタッフが、男性には珍しいほくろの切除手術跡を不審に思い、「市橋容疑者ではないか」と通報。県警は写真を鑑定し、骨格などが酷似していることから市橋容疑者と断定した。

　写真撮影時、口ひげとあごひげが生えていたが、県警では公開にあたり先入観を排除するため、ひげを消す加工をした。

　一方、捜査関係者によると、市橋容疑者とみられる男は１０月中旬、福岡県内の医療機関で整形手術を受けようとした際、問診票に大阪府内の住所と偽名を書き込み、鼻の整形を希望した。しかし事前に予約しなかったため、この日に手術は行われなかったという。

　県警は市橋容疑者が手術を受けるため各地を転々としたとみて、捜査員を現地に派遣。新幹線などの鉄道を使い名古屋まで移動したとみて主要駅の防犯カメラの解析も進めている。

　［2009年11月6日9時48分　紙面から］