3日のJリーグのヤマザキナビスコ・カップ決勝後の表彰式に臨んだ川崎選手の悔しさのあまりの行動が5日、賞金5000万円返上という前代未聞のケースに発展した。
授与されたメダルをすぐさま外す者、ガムをかむ者、来賓に背を向けて握手の場を素通りする者…。その行為は言語道断だった。
ガムをかんだ森は以前から素行が度々問題になった選手。大観衆の前での一部選手の常識を欠いた行動は、大人のプロ選手に対してもJリーグやクラブが日常的に選手の教育に関与せざるを得ない実態をあらためて浮かび上がらせた。
「信用を取り戻す努力をしたい。未熟だった」と伊藤主将は反省したが、その代償は大きい。リーグ初優勝に向けて首位を走るチームは、大事な時期に余計な混乱を抱え込んでしまった。
一方で、Jリーグ側もクラブへの指導が徹底されていなかった。過去にも表彰式でメダルを外す行為は散見された。その都度、個別に注意はしたが、問題になる前にクラブを通じて指導を徹底するなどの方法もあった。Jリーグの鬼武チェアマンは「監督、指導の責任がある。指導不足を弁解しても仕方がない」とリーグ側の責任も厳しく受け止めた。