中医協、新薬7成分11品目の薬価収載を了承
2009年8月26日(水)20時53分配信 医療介護CBニュース
-PR-
シェリング・プラウと明治製菓がそれぞれ販売する抗うつ薬レメロン錠15?、リフレックス錠15?は、「ノルアドレナリン作動作用・特異的セロトニン作動作用」(NaSSA)を持ち、既存の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)とは異なるタイプ。
薬価は169.30円(1日薬価338.60円)で、グラクソ・スミスクライン(GSK)のパキシル錠10?と旭化成ファーマのトレドミン錠25?の1日薬価(パキシル493.60円、トレドミン183.60円)の相加平均に合わせた。
2剤を最類似薬として算定するのは初めてのケースで、厚生労働省保険局医療課の磯部総一郎薬剤管理官は「レメロン・リフレックスは、SSRIのパキシル、SNRIのトレドミンとは作用メカニズムが異なるが、類似薬でないとは言えない。パキシルとトレドミンの1日薬価に差があり過ぎることもあり、一方に絞るのは適当でないと判断した」と説明した。
ノバルティスファーマの降圧薬ラジレス錠150?の薬価は168.00円(1日薬価168.00円)。最類似薬として選定した万有製薬のニューロタン錠の50?の1日薬価(168.00円)に合わせた。直接的レニン阻害薬という新しい作用メカニズムを持つが、補正加算は付かなかった。
ファイザーのカデュエット配合錠は、同社の降圧薬ノルバスクと、アステラス製薬の高コレステロール血症治療薬リピトールの合剤。同配合錠4番(ノルバスク5?/リピトール10?)の薬価は183.20円(1日薬価183.20円)。
リピトール錠10?の1日薬価(138.40円)をベースに、ノルバスクを上乗せした臨床上の効果を評価するため、有用性加算2を適用して30%引き上げた。さらに加算後の薬価である179.90円が、外国平均価格の0.75倍を下回ったため、引き上げ調整した。
これに対し中医協委員からは「配合剤の薬価算定ルールを議論している最中であり、釈然としない」「配合剤は後発品の使用促進を阻害しかねない」などと反発する声が出たが、磯部薬剤管理官は「カデュエットの薬価は、単剤2剤の合計薬価より15%程度減額されている。またノルバスクには後発品が出ているが、後発品とリピトールの合計薬価よりもカデュエットの方が安い」などと理解を求め、了承を得た。その上で、配合剤の薬価算定ルールについて2剤の合計薬価を減額して算定する案をベースに議論を進めていく考えを示した。
GSKの前立腺肥大症治療薬アボルブカプセル0.5?は、類似薬がないため、原材料費、製造経費などを積み上げる原価計算方式を適用し、薬価は206.50円。新規の作用メカニズムを持つことから、営業利益率を通常の19.2%から20%引き上げ、23.0%として算定した。
千寿製薬の緑内障・高眼圧症治療薬ルミガン点眼液0.03%と、シェリング・プラウの気管支ぜんそく治療薬アズマネックスツイストヘラー100μg60吸入は、薬理作用類似薬が3つ以上存在することなどから、それぞれ過去6年間に収載された類似薬の最も安い1日薬価を基に算定。薬価はルミガンが960.00円(1日薬価48.00円)。アズマネックスはキット加算を適用して5%引き上げ、2547.20円(同84.90円)。
ヤンセンファーマのHIV感染症治療薬プリジスタナイーブ錠400?の薬価は921.90円(同1843.80円)。GSKのレクシヴァ錠700の薬価をベースに、市場性加算1を適用して10%引き上げ、さらに外国平均価格に基づく引き上げ調整を行った。プリジスタのみ薬価基準収載は9月3日になる。
【関連記事】
19品目の薬価収載を了承―中医協総会
医療機器55件の保険適用を了承―中医協
データ乖離「人工腎臓」が影響か−中医協基本小委
薬価維持特例に賛否両論、集約できず―薬価専門部会
後発品の使用促進規定「周知徹底を」―厚労省