王会長熱血打撃指導、３９３日ぶり現場復帰…ソフトバンク

城所〈２３〉に打撃指導をする王会長

　ソフトバンク・王貞治会長（６９）が“現場復帰”を果たした。秋季キャンプ（宮崎）２日目となった４日、Ｂ組（２軍）の若手選手を中心に約７時間半もの熱血な打撃指導を実施。来年２月の春季キャンプ参加も熱望し、１、２軍の巡回コーチ役としてバットを握ることになりそうだ。

　額にじんわりと汗をにじませた。心地よい疲労感に、王会長は「本当はもっと長い間いたかったんだけどね…」。０８年１０月７日の楽天戦（Ｋスタ）以来、３９３日ぶりの“現場復帰”。背番号「８９」のジャンパー姿も解禁し、道場の門を開いた。

　午前１０時１５分に球場に到着すると、すぐに２軍練習場へ向かった。６年目の城所には定位置獲得を指南。うどんなどの昼食を挟むと、今度はバットを握ってみせた。フリー打撃を見つめ、立ちっぱなしで熱血指導。新人の立岡は「自分のクセをすぐに見抜かれました」と感激した。

　前日（３日）は東京Ｄで日本シリーズを観戦。この日の早朝便で宮崎へ向かった。「家にいるとぼけちゃう。現場の方がいろんな意味で気持ちが乗ってくる」。午後７時半からの夜間練習にも参加し、現役時代をほうふつとさせる、畳を用いた素振りも導入した。
来年春季Ｃも参加　０６年に胃がんの手術、今年９月にも胆のう摘出手術などを受けたが、体調面の不安を感じさせなかった。さらに「春のキャンプにもね。ファームに限定することはない」と、来年２月の春季キャンプでは１、２軍の巡回コーチ役も買って出た。

　若鷹と接し、ファンも喜ばせた７時間半。「せっかくだし何かをつかみ取ってほしいね」とほほ笑んだ。６９歳にして衰えぬ情熱。その心は、ホークス愛であふれている。