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ナノダイヤでCO2削減

特許出願しました

出願番号 2009-251572 超微粒ダイヤモンドを内部に取り込んだ植物及びその製造方法

そんなものがなんの役に立つの? という話なのですが、はしょって結論だけ言ってしまうと大気中のCO2を減らすことができます。
いくらなんでもこれでははしょり過ぎですので、しばし我慢して以下の説明を最後までお読みください

ナノダイヤモンドを植物に吸収させる

まずナノダイヤモンドを植物に吸収させます。この例ではカーネーションを用いました。
カーネーションは葉をすべて取り除いてあります。理由は後で述べます。

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2%のダイヤ濃度のナノ分散ダイヤモンドコロイドに茎部を浸して24時間吸収させます。このとき吸収させるナノダイヤモンドは固形分重量比率で0.3%のZrO2を含みます。

ダイヤを吸収した植物に太陽光をあてる

次にカーネーションをナノ分散ダイヤモンドコロイド液から水に差し替えます。そしてCO2濃度計とともに20リットルPE袋に密封します。
リファレンスとしてナノダイヤを吸収させていないカーネーションも同様に葉を取り除いてPE袋に密封します。

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この状態で屋外に置き、9:00から24:00までCO2濃度を測定しました。グラフは下図のようになります。

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ナノダイヤモンドを吸収させていない水だけのものから見てみましょう。日中の太陽光下では植物細胞の代謝が活発となり酸素を消費してCO2を吐き出すのでCO2濃度が上昇します。本来なら日中は光合成によりCO2濃度が下がるところですが、葉を取り除いているために光合成より細胞のCO2排出のほうが勝っています。夜になると細胞の動きが鈍くなりCO2濃度は変化しなくなります

ナノダイヤモンドを吸収させたものはかなり様子が違います。日中、陽射しの強い間はCO2濃度が減少します。実験場所の経度では11:30頃が南中でもっとも陽射しが強くなり、その時刻とCO2の最低濃度が一致しています。

葉を除いて実験しているのは光合成の影響をなるべく小さくするためです。

CO2濃度の減少が見られるのは日中だけで、夜はナノダイヤを含む含まないに関わらずCO2濃度の変化が見られないので、太陽光下でのCO2の減少はなんらかの光反応であると推定できます。

他の植物での実験結果

カーネーションの代わりに菊で実験した結果が下のグラフです。

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実験は8:00から20:00の間行いました。天候が曇天だったのと菊とカーネーションの違いなどからCO2の減少までは観測できませんでした。
しかし、ナノダイヤモンドを吸収させたものは水だけのものより20%、CO2濃度が低く、しかもこの差は日中しか見られないので、なんらかの光反応によりCO2濃度が抑えられていると考えるのが妥当です。

一般的な光触媒反応との比較

比較のためにこの実験以外の一般的な光反応について考えてみましょう。まず光触媒として有名なのはアナターゼ型の酸化チタンです。既に実用化されていて有害物質の分解、抗菌、消臭などに効果があります。ただ酸化チタンの光触媒機能を藤嶋 昭先生が発見されたのは40年前の話で、実用化までにはずいぶん長い年月がかかっています。いろいろと課題が多かったのも事実ですが、光反応の本質的な問題もからんでいます。

光反応にはが必要

光反応にはが必要です。当たり前の話です。ところが光触媒を産業に利用する場合にはこれがちょっと困ったことなのです。光触媒反応装置は必ず光触媒に光があたるように設計する必要があるため構造材に光透過材料を使う必要があります。ようするにガラスや透明プラスチックといった強度の低い材料を使わなければいけないということです。屋内の実験設備ならば良いのですが、光触媒の期待される分野が太陽光を利用したクリーンエネルギーであることから、実用的には屋外設置が免れません。しかも太陽定数が1300〜1400W/m2と太陽光のエネルギー密度が低いため、どうしても装置を大型にしなければ採算がとれず、光透過材の構造材としての強度不足が問題となってしまいます。

現在、光触媒として実用化されているのは、有害物質の分解、抗菌、消臭の分野です。これらには反応生成物を回収しなくても良い、という共通点があります。応用に際して光触媒は表面コートとして実装されており、光触媒が最外層にあるため内部構造材は光透過性が不要です。これで大型化の問題が解決できたのが実用化できた理由のひとつですが、逆に言うとCO2の固定化のように反応生成物の回収が必要なものには利用できない、という難点もあります。

植物は最適な光反応装置

さて、光反応として、もっとも有名なものに光合成があります。もともと植物は光合成を効率的に行えるようになっていますので光反応装置として極めて優秀です。屋外設置(?)が基本の上、自己修復機能によって台風などの災害にもかなり耐えられる構造となっています。先に上げた光反応装置の問題点をやすやすとクリアしています。数十億年の歳月をかけた改良成果は伊達ではないと言うべきでしょう。

光触媒を植物に組み込む方法(1)

本発明の基本コンセプトは、光触媒を植物に組み込んでトータルとして光触媒反応装置として使用することです。

遺伝子操作などにより光合成の能力を高めるというアプローチもあるのですが、基本的に自然界にある生物機構を部分的に削除したり取り入れたりすることになるため、植物に全く新しい反応機構を組み込むことは非常に難しいということや、遺伝子操作その他の方法による品種改良は、優位点だけを改善することが困難で、副次作用が多いのもまた難点です。

では、直接光触媒を植物に吸収させるのはどうでしょうか? 実は酸化チタンに代表される通常の光反応触媒は生体親和性が低く、単純に超微粒子にしただけでは植物に吸収させることが難しいのです。超微粒触媒は通常、高次凝集体として存在するため、生体吸収されにくいと考えられています。光触媒は主にその表面構造が触媒効果発現の鍵となっていますが、その状態を保ったまま植物に吸収させるのは非常に困難な状況のようです。

光触媒を植物に組み込む方法(2)

ナノダイヤモンドはナノ物質の中では例外的に生体適合性が高いことで知られています(DDS(ドラッグデリバリーシステム)への応用)。また、特異な表面電荷構造を持つため(ナノダイヤモンド表面の電荷分布)、触媒としても機能します。重ねて、ナノ分散ダイヤモンドコロイド作成方法に少し手を加えるだけで、他の光触媒を担持させることもできます。

こういった特徴から、ナノ分散ダイヤモンドコロイドを使うことにより、植物に光合成以外の光触媒反応機能を持たせ、トータルとして光反応装置として利用できるのです。人体内の適所に薬を運ぶDDS(Drug Delivery System)に対して、植物の適切な部位に光触媒を運ぶCDS(Catalyst Delivery System)と呼べるシステムを構築できます。

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この発明の最終的な目標

現段階では、CO2が減ったよ、というだけの話なのですが、この特許が目標としているのは一般的な光触媒反応の枠を広げることです。実用化にはいくつかクリアしなければならない課題もあるのですが、この技術の主眼はナノダイヤモンドを用いて植物に光合成以外の光触媒反応機能を持たせるということです。ナノダイヤモンドと植物を組み合わせることにより光反応装置として活用することができます。

つづく

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