抗うつ薬「パキシル」(グラクソ・スミスクライン社、東京都)について、民間医薬品監視団体「薬害オンブズパースン会議」は21日、妊娠中の服用で「先天異常などのリスクが高まる」とし、妊婦や妊娠の可能性がある女性への警告をより強めるよう求める要望書を厚生労働省に提出した。
国内で延べ100万人が服用。妊婦へのリスクは06年、「添付文書」に使用上の注意として追加された。
要望書によると、妊婦が服用した場合、新生児の心臓に穴が開いたり、肺高血圧症になったりする割合が、同じような作用の抗うつ薬より高いという海外の疫学データがある。同日、記者会見した同団体の水口真寿美弁護士は、「依存性や(薬をやめた時に症状が悪化するなどの)離脱症状がある。このため、妊娠に気づいてもすぐにはやめられない。妊娠適齢期の人には原則投与しないか、投与する場合はリスクの説明を十分するよう、もっと注意喚起すべきだ」としている。