裁判員制度

文字サイズ変更
はてなブックマークに登録
Yahoo!ブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

裁判員裁判:「意見が反映されない」 4人「もうやりたくない」 地裁浜松支部で会見

 静岡地裁浜松支部(北村和(わたる)裁判長)の裁判員裁判で29日、判決後に記者会見した裁判員4人全員が、再び裁判員に選ばれることに難色を示し、うち1人は「重要なところは裁判員の意見が反映されなかったと感じる」と評議の進め方に不満を述べた。判決は交際中の女性(当時46歳)を殺害したとして、殺人罪などに問われた無職、松田孝一被告(50)に懲役13年(求刑・懲役15年)を言い渡した。

 裁判員6人のうち男性3人、女性1人が会見。「裁判員をまたやってみたいか」という質問に、3人は「やりたくない」「何とも言い難い」「ちょっといいですね」と答えた。

 28歳の男性も「裁判員制度の趣旨が伝わってこない。気持ちが反映されないと感じた。3日間、裁判に付き合わされただけじゃないのか」と疑問を呈した。裁判員の意見が反映されない点があったとして「評議や休み時間に、裁判官に『意見を聞いてください』と伝えたが、聞き入れてもらえなかった」と話した。

 男性は「裁判官から『法律で決められているので』と説明されてしまうので、何も言えない」と述べた。公務員の女性は「自分の意見が使われる、使われないの線引きがどこにあるのか、きっぱり言えない部分がある」と答えた。

 同支部では初の裁判員裁判で27日から開かれていた。

 会見後、男性裁判員の発言について、同支部は守秘義務が課せられた「評議の秘密」に当たるか協議し「違反に当たらない」とした。【平林由梨】

毎日新聞 2009年10月30日 東京朝刊

裁判員制度 最新記事

裁判員制度 アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド