「東京が20年(五輪の開催地)に決まったとしたら、(被爆地である)広島を世界全体にメモライズ(記憶)させるために、花形の競技、マラソンといったものを広島で切り離してやるということも考えられる」
東京都の石原慎太郎知事は30日の定例記者会見で、20年五輪招致に意欲を見せている広島市の秋葉忠利市長と長崎市の田上富久市長にこんな考えを伝えたことを明らかにした。一方で、東京の立候補については「これから議会とも相談して決めること」などと明言を避けた。
広島との「共催」について、都幹部からは、「両市長との会談の中で出てきた話で、国際オリンピック委員会(IOC)が複数都市での開催を認めていないのだから実現できるわけがない」と冷めた声が上がっている。
招致には長崎市も意欲を示しているが、「(広島より)さらに遠い所だから、どういうハンディキャップになるか、ならないか。仮定の仮定だからわからない」と話した。