かざきり羽

◆ I様へ ◆


沙澄です。
頂いたメールに、返信しなくて済みません。
ずっと、考えていました。

私は、I様のことは好きです。
頂いたメールに、気持ちがほっとしたのも事実です。
でも、ただ一時ほっとしても。
誹謗・中傷がまだ続いているということ。
その中で、やはり、このままでは私は、人間全てを嫌いになってしまうだろうということ。

I様になんと返事をするべきか、自分がどうしたいのか、ずっと、考えていました。

これが一つの結論です。

闘います。

ネットではなく、法廷で。
ですが、それを望んでいるわけではありません。

私を誹謗・中傷する人々が、その前にその行為をやめるなら、それが私にとっての最善です。
でも、彼らは今度もただの脅しと思って、やめないでしょうね。

三年間かけて、探偵社に依頼するための調査費用とか、訴訟を起こすための裁判費用とか、準備しました。
この貯金を、裁判ではなく、小説の執筆に使えることになれば何よりですが、静観していても、何も、変わらないから。
私は今も、ファンの人達がいつ嫌がらせを受けるかということに、怯えています。

『聖魔伝説』を完結まで無料で公開したい。
本来、それを約束していた作品です。
誹謗・中傷サイトが壊滅するか、誰もが彼らを信じなくなれば、約束を果たすことができます。

私が我慢することで、他の誰かが傷つかずに済むなら――
その思いは今も強いけれど、私が我慢したために、私の友人が傷つけられたのかもしれない。
闘うべきだったのかもしれない。
立ち向かうことのできない、全くの別件で同じ境遇にある人達のためにも、立ち向かえる私が、立ち向かうべきなのかもしれないと、今は、考えています。

三年前には、その意思があってもできなかったこと。
当時の私は命を削ってファン・サービスを続けたツケで、衰弱していたし、訴訟のための資金もなかった。
でも、今なら闘えます。
心を鬼にして、心底嬉しかったファン・メールも黙殺してきたんですよ。
返信したかったけど、そうするとどうなるか、知っていました。
相手も喜んで、またメールをくれます。
仲良くなったら、その相手が嫌がらせを受けないか、心配して、手を打たなければならなくなる。

友好サイトも切り離し、今残っている少数精鋭、ある程度の自衛ができ、心から信頼している、私の自慢の友人たちだけなら、何かあった時には相談にのれる、助けられる、そう思えるところまで、サイトの整理もできました。
(大好きだけど簡単に騙されたりパニクったりしそうな友人が多かったので、この整理はけっこ大変でした(ノωT))

今闘わずして、いつ、ですよね。

不当な誹謗・中傷に傷つけられ、何も対処法が見つからず、途方に暮れる多くの被害者の方々に、闘い方の模範を示せればと思います。

それでは、思いのほか長いメールになってしまいましたが、この辺で――

I様に、この決意が届くことを祈って。

** 文責・沙澄汎奈 **