接待もスパイ行為と判定された英豪系資源大手リオ・ティント社員によるスパイ事件は、中国の諜報の考え方を浮き彫りにした? 写真は見本市での商談風景〔AFPBB News〕
(中国用注意事項から引用)
中国の諜報活動は極めて広範であり、政治、軍事、商業、科学技術などすべての情報に対して旺盛な食欲を示す。中国は単に技術を盗み出し、これを分析・模倣するだけでは満足せず、今ではより詳細な生産技術や手法に関する情報の入手を試みている。
また、主要な軍事分野で西側に1世代後れを取る中国は、西側に追いつくため非合法手段で軍事技術を取得しようと努めている。こうして得られた兵器システムを敵対国家に売却することも英国にとって現実の危険となっている。
以上から分かるように、情報収集の対象に関する限り中露に大きな違いはない。しいて言えば、中国の情報収集対象がロシアに比べより幅広く、奥深いことことぐらいだろうか。
エージェントを育成するロシアと友人をつくる中国
より興味深いのは、中露両国の情報収集方法に大きな違いがあることだ。注意事項からの引用を続けよう。
(ロシア用注意事項から引用)
対外諜報機関(SVR)と軍諜報部(GRU)は英国内外でこれらロシア諜報機関のために働く英国人をエージェントとしてリクルートしようとしているが、その場合、当初は重要性の低い支援業務から始まることが多い。
これらの諜報機関は常に、ロシアに対し意識的か無意識かを問わず協力するエージェントを勧誘すべくあらゆる種類の英国人を物色している。その対象は必ずしも重要情報にアクセスのある英国人だけとは限らない。
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