あの人は今こうしている　活動を休止していた「松本ハウス」が名前を変えて復活

　９０年代のお笑いブームでブレークしたハウス加賀谷と松本キックのコンビ「松本ハウス」を覚えているだろうか？　奇抜なパフォーマンスとナンセンスギャグを連発し、「タモリのボキャブラ天国」「進め！電波少年」などで大人気だったが、絶頂の９９年、突然姿を消してしまった。あれから１０年、今どうしているのか。

●「“一時的”のはずが、気がつけば１０年。長かったなあ」

「どうもどうも。１０年ぶりに地球に帰ってきた旧名ハウス加賀谷改め、加、賀、谷、くん、でェ〜す」

「地道に舞台役者やってた旧松本キックことシンカです。１０月９日に、新宿ロフトプラスワンで『元・松本ハウス完全復活！《ＪＩＮＲＵＩ》始動！』ライブをやりますんで、ぜひ見にきてください」

「今からもう心臓バクバク。新人の、加、賀、谷、くん、でェ〜す」

「それにしてもこの日がくるとは、ホンマ、信じられないですよ。“一時的な活動休止”のはずが、気がつけば１０年。長かったなあ」

「そうそう、あの輝いてた日々は２０世紀。もう松本ハウスといっても、浦島太郎か、あの人は生きてるのか？　状態ですからね。ゾンビ、加、賀、谷、くん、でェ〜す」

「わかった、って」

　２人と会ったのは吉祥寺シアターのカフェ。そろってのマスコミ登場はまさに１０年ぶりだが、それにしてもウルサイぐらいにぎやか。大人気だったころのお馴染みのフレーズ、「加、賀、谷、でェ〜す」が少しバージョンアップ（？）し、ボケとツッコミにややぎこちなさはあるものの、息はピッタリだ。

　さて、東京出身の加賀谷くんと三重県出身のシンカが「松本ハウス」でデビューしたのは９１年。大川興業での下積みを経て、「タモリのボキャブラ天国」「進め！電波少年」のレギュラーとなり、売れに売れた。

「ギャラが不安定なのは今と変わりませんが、ある年の学園祭シーズンに月２００万円もらったことがありました」（シンカ）

　しかし、加賀谷くんの持病「統合失調症」が悪化。テレビ出演やライブ活動に支障をきたすようになったため、活動を休止した。

「実は９９年１月１３日から８カ月ほど、心の病の専門病院に入院してたんです。最初は隔離病棟の奥座敷、保護室っていう刑務所の独居房のようなところでした」（加賀谷くん）

　退院後も７年間引きこもり生活が続き、ようやく３年前から喫茶店や、すし店のアルバイトをしながら自立の道を探ってきた。

●「ある年の学園祭シーズンに月２００万円もらったことがありました」

「そんなある日、といっても今年の７月７日ですけど、加賀谷くんから“またやりたい”ってオファーがありましてね。それで７月２８日のボクのトークライブにゲストで出てもらって、あとはトントン拍子に進みました」

「そうそう、豚が風邪で死んじゃいましてね」

「違うだろ、インフルエンザじゃないんだから」

「ボクは決めたんですよ。シンカと心中することを」

「しないしない。でも、年内にあと２回、ライブをやる予定ですから、これから《ＪＩＮＲＵＩ》をよろしくお願いします」

（日刊ゲンダイ2009年10月6日掲載）