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SUOMIの森だより
黄昏
 

今日のダーリン

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・休日の夕暮れどきだった。
 強い北風が覆っていた雲をすべて吹き飛ばしていた。
 おそろしいほどに大きなまるいものが、
 暗くなった空にはりついていた。
 大きなまるいものは、しかも輝いていた。
 これが月というものだということを、ぼくは知っていた。
 ちっぽけな科学の知識や、経験やらのおかげで、
 ぼくは、空にはりついてこっちを見ている
 大きなまるいものを怖れないでいられた。

 しかし、太古の人々は、あの大きなまるいものを、
 どんなふうにとらえればよかったのだろうか。
 日本の古語で、月は「手がかりなきもの」という意味の、
 「とぅきぬ」という呼ばれ方をしていた。
 また、古代ギリシャでは「クェス(答えのない問い)」
 という言葉が、月を意味していた。
 
 確かに上空にあり、誰の目にも見えていながら、
 大きくふくらんだり欠けたり、位置を変えたりするもの。
 海の遥か向こうの島ならば、たどりついた者もいる。
 しかし、月を訪ねたという者はひとりもいなかった。
 しかし、それでも、夜になると空に浮かぶもの。
 さぞかし恐ろしいと思ったろう。
 恐ろしいと感じないために愛してしまおうとも考えたか。
 
 ぼくは犬と歩きながら、東京タワーの上にある
 大きなまるいものを、古代の人たちの目で凝視していた。
 そこに確かにあるのに、なにやらわからぬもの。
 そういうものがいくつもあった時代を、
 ぼくと犬は懐かしみながら、霊園の路を歩いていた。
 (以上、平気で嘘などもついておりますので悪しからず)

『キングオブコント2009』で優勝した『東京03』が、
 ずいぶんおもしろかったので、
 DVDを買って見はじめたら、やっぱりよかったなぁ。
 笑いの質感が「低温やけど」みたいな感じなのよ。
 熱くないのだけれど、爆笑‥‥も、してしまうのだ。
 脚本がとにかく練れているし、演出がていねい。
 3人の持ち味がみんなちがってて、息も合ってる。
 足りないものがあるとしたら、「過剰な自信」かなぁ。

今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。
すっかり寒くなりましたが、ここは、そうでもない。

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あ か さ た な は ま や ら わ
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