ホーム > 芸能・社会 > 芸能・社会最新紙面記事

「最後の忠臣蔵」世界討ち入り

 2011年正月公開の映画「最後の忠臣蔵」が洋画メジャー配給会社「ワーナーブラザース」によって製作・配給されることが3日、分かった。主演は役所広司(53)で、共演にも佐藤浩市(48)、安田成美(42)、伊武雅刀(59)ら実力派の俳優が居並ぶ豪華キャストによる作品。同社が本格的に製作から配給まで手がける第1弾作品で、全世界配給を視野に入れている。日本屈指の人気時代劇が、世界に送り出される。

  ◇  ◇

 洋画メジャーの“黒船”が本格的に手がける最初の邦画は、日本人のだれもが愛する古典時代劇だった。

 「最後の-」を手がけるのは、ワーナーが07年に立ち上げた自社による邦画の企画、製作、配給を行うローカルプロダクション部門。邦画の興行収入が洋画を上回る“邦画ブーム”の状況で、これまでは出資、配給にとどまっていた邦画ビジネスに本格参戦する。

 その第1弾として白羽の矢を立てたのが「忠臣蔵」。大石内蔵助率いる赤穂浪士四十七士が主君への忠義のために討ち入りする物語は、これまで歌舞伎、浄瑠璃、ドラマなど100を超える作品となってきた。

 今作は“忠臣蔵もの”としては「忠臣蔵外伝 四谷怪談」(94年)以来、17年ぶりの映画化となる。吉良邸討ち入りで生き残った2人の浪士が、16年後に再会し心を通わせる人間ドラマ。人気ドラマ「北の国から」シリーズの演出を手がけた杉田成道監督が21年ぶりにメガホンを取る。

 8日のクランクインを前に、主人公・瀬尾孫左衛門を演じる役所は「迷いや苦悩と戦いながらも、最後まで武士として生き抜いた男を人間くさく、丁寧に演じたい」とコメント。共演陣も佐藤、安田、山本耕史(33)ら豪華な実力派が集結した。

 純和風の時代劇だが、配給展開は洋画メジャーの強みを生かした世界基準だ。ワーナー日本支社のウィリアム・アイアトン社長は「あくまで日本でのヒットが前提だが、ネットワークを生かし、全世界配給も視野に入れている」と示唆。ベネチアやモントリオールなど国際映画祭へも出品予定という。日本の時代劇が、黒船に乗って世界の大海原へ航海を始める。

Copyright(C) 2007 Daily Sports All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp