ものすごい勢いで世の中が変わっているように感じる。鳩山由紀夫首相の誕生から40日余。首相や閣僚の発言、政権の動きが連日、大きく紙面を飾る。前政権の路線の転換にとどまらない。事務次官会議の廃止、政治家である政務三役による政策決定などは、国政を動かしてきたルールの変更といっていい。首相は所信表明演説で「無血の平成維新」と自負したが、あながち力みすぎとは思わない。
ただ、気になることもある。子育て応援特別手当の支給停止やダム事業の見直しなど、地方にとってあまりに突然だった。来年度当初予算の概算要求の再提出では、締め切り日に発表があるのかさえ、事前には分からなかった。ある福岡県幹部は「完全に受け身。情報収集のルートがない」とぼやく。
新政権は丁寧さが足りなく見える。発足直後の不慣れに起因するものか、それとも本質なのか。見極めたい。 (浜田直)
=2009/10/29付 西日本新聞朝刊=