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迂回利用で通行量激増! でも客足は減少?…新梅田食道街ため息

梅田・阪急工事で道路閉鎖“とばっちり”

屋内通路が閉鎖され、う回する通行人で混雑する新梅田食道街(10月29日、大阪市北区で)=近藤誠撮影

 阪急百貨店梅田本店(大阪市北区)の建て替え工事に伴ってJR大阪駅と阪急梅田駅を結ぶ屋内通路が閉鎖された影響で、すぐ北側にある飲食店街「新梅田食道街」(約100店)の通路が迂回(うかい)ルートに使われ、大混雑している。1日の通行量は約1万人超と、閉鎖前の約10倍にも上る。しかし、あまりにも人が多くなり、客が入りにくくなって、売り上げが減る店も出ているという。通路が元に戻るまで2年半かかる見込みで、店主らからはため息が漏れる。

 同食道街連合会によると、混雑している通路は長さ約50メートル、幅約3メートル。朝夕のラッシュ時には、JR大阪駅前の横断歩道の信号待ちが重なったりすると通路の中程まで動かなくなることもあるという。

 食道街のある喫茶店は、人が増えたことから来客増を見込み、アルバイトを2人増員。ところが、客足、売り上げともに閉鎖前より約1割減ったという。男性店長(45)は「あまりの人の多さにお客さんは早く通り抜けたいと思うだけで、店に入る余裕がないのではないか」と話した。

 別の飲食店主は「混雑する通路沿いの店は特に影響が大きい。うちは売り上げが3割減った」と嘆く。新梅田食道街店主会は、阪急電鉄に通路の早期開通を求めることも検討する。

 一方、JR大阪駅から屋内通路を抜けた東側にある阪急東通商店街は、閉鎖に伴い通行量が減ったという。同駅から向かうには、大きく迂回しなければならないためで、通路閉鎖前に平日1日約8000人あった通行量が、現在は5000〜6000人に。

 阪急東通商店会連合会によると、各店とも売り上げが2〜3割落ちているといい、近く阪急電鉄に対し、JR大阪駅前に商店街への案内表示を設置するよう求める予定という。

 阪急電鉄広報部は「商店街のみなさんには迷惑をかけているが、工事は安全第一。改めて理解を求めていきたい」としている。

 広田君美・関西大名誉教授(社会心理学)の話「物理的に店内に入りにくくなったことに加え、人が多すぎて店に入る気持ちが()えてしまったのではないか。千客万来というが、人間の心理としては、人の流れはほどほどの方が店に入りやすいのだと思う」

2009年11月2日  読売新聞)
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