【大連(中国遼寧省)=佐藤賢】中国人民解放軍の国防大学軍隊建設・政治工作教研部の呉傑明・副主任は2日、中国・大連での日中関係のシンポジウムで、東シナ海ガス田の日中共同開発について「うまく解決できなければ小規模の衝突も考えられる」と述べ、海洋上の活動などを巡り日中間で摩擦が起きることに懸念を示した。
日中両政府は昨年6月にガス田の共同開発で合意したものの、中国内の反発で具体案を決める協定締結に向けた交渉に入れていない。一方で、中国は海洋権益の確保を狙い東シナ海での監視活動を強化している。
呉氏は中国軍の透明性を巡り「国防白書の発刊など透明性(の向上)に努めている。透明性が低いというのは客観的でない」と強調。日中の軍事交流の強化も訴え、中国軍と自衛隊の幹部候補生に関して留学生の相互受け入れを提案した。(00:05)