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大卒1年生を工場派遣

トヨタ苦肉の増産策

 トヨタ自動車は、今春入社した大卒事務系・技術系の新入社員約900人を来年1月から約3か月間、工場に配置し、車の組み立て作業などにあたらせる。大卒の新入社員は研修などで工場勤務を経験するが、本格的に組み立てラインに配置されるのは異例だ。

 トヨタの生産現場では、「プリウス」を始めとするハイブリッド車(HV)の好調な販売などで人手が不足しているものの、コスト削減のため新たな雇用は難しい。需要の先行きも不透明なため、当面は、新入社員の活用という「苦肉の措置」で乗り切る考えだ。

 新入社員は工場や販売店での研修を終え、10月に本社や研究所などの各部署に配属されたばかり。再配置先は、プリウスを生産する堤工場(愛知県豊田市)など主力車種生産工場が中心になる見込みだ。

 トヨタの国内生産台数は、最も厳しい減産を迫られた今年2月には月14万台に落ち込んだ。しかし、政府の環境対応車への買い替え優遇税制(エコカー減税)や補助金制度の効果もあって、その後は回復基調にある。来年3月末には補助金制度の期限切れを迎えるため、駆け込み需要も見込まれる。来年1〜3月には月30万台前後の生産を計画しており、生産要員の確保が必要になっていた。

 トヨタは今夏以降、増産基調に対応するため、取引先のメーカーなどから応援要員を受け入れた。10月には期間従業員の採用を1年4か月ぶりに再開。ただ、契約を更新しない「雇い止め」などで批判を浴びた教訓から、期間従業員の採用を大幅に追加することには慎重とみられる。さらに、政府の支援策が打ち切られた後は、再び需要が失速する懸念があるため、新入社員を活用することにしたようだ。

2009年11月2日  読売新聞)

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