ふるさとの医療再生を目指し、愛媛県出身で関東在住の医師有志らが地域医療に関する研究会を発足させ、31日に都内で初会合を開く。医師不足などの危機に直面する県内医療の現状に対する認識を深め、課題解決に向けたネットワークづくりを図っていく。
関東愛媛県人会副会長で埼玉医大総合医療センターの橋本大定教授(65)=松山市出身=が企画。関東を中心に東日本で活躍する県出身の医師に研究会への参加を広く呼び掛けている。橋本教授によると、母校の愛光高(松山市)卒業生だけでも東日本に500人近い医師がいるという。
県医療対策課によると、こうした研究会が県外でつくられるのは初めて。同課では「故郷の地域医療に関心を持ってもらい、感謝している。研究会の活動が医師不足解消などにつながればありがたい」と期待する。
初会合には南予の公立病院や愛媛県医師会の関係者らが出席。県内医療現場の状況を説明するほか、他県でへき地医療や情報技術(IT)を活用した遠隔診療をしている医師の講演などがある。