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鳩山首相:答弁作り、自ら加筆し「脱官僚」 メモ存続、全面対決回避

 鳩山政権で初めての国会論戦で、鳩山由紀夫首相が、答弁の原案作りで「脱官僚」の姿勢を模索している。

 「(米軍)普天間(飛行場)の移設問題に関して、今まで10年以上結論を出さなかったのはどの政権なんでしょうか」。28日の衆院本会議で、自民党の谷垣禎一総裁を挑発した鳩山首相の答弁は、防衛省の政務三役のチェックを経て作成された原案に、さらに首相自らが書き加えたものだった。

 答弁案の作成作業はこれまで、各省の職員が議員から聞き出した質問内容に沿って、各省の担当部署が国会でそのまま読めるような「答弁メモ」を作成。事務(官僚出身)の首相秘書官が、メモをもとに原稿を書き、首相が最終チェックして議場で読み上げてきた。

 鳩山政権では、内閣の雑務を取り仕切る内閣総務官室が慣例通り「答弁メモ」の作成を各省に文書で求めたが、平野博文官房長官は「政治主導に逆行する」と撤回を指示した。

 原稿の下書きには首相秘書官に加えて松井孝治官房副長官がかかわり、重要政策では一度書き上げた内容を各省の政務三役がチェックする段取りも加わった。さらに鳩山首相がすべてに目を通す。

 ただ、撤回指示が出た「答弁メモ」の作成について、ある省の幹部は「一言一句までは気にかけないが、メモ自体は引き続き官邸に提出している」と明かす。メモは「情報提供」の名目で作成されているという。

 官僚を駆使しつつ政治主導をアピールする姿勢には、官僚との全面対決は避ける「軟着陸」路線がにじむ。【山田夢留、横田愛】

毎日新聞 2009年10月30日 東京朝刊

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