うっかり申請を忘れていた定額給付金。県内での最終日となった十月二十日、あわてて金沢市役所へと駆け込んだ。
当時、さまざまな議論があった。景気対策なのか、生活支援なのか。「趣旨があいまいだ」と辞退する人、自治体に寄付する人もいた。一方、「もらえるものはもらっておけばいい」という本音の声も。自分はどうしようか。理屈を考えるうち衆院選に突入し、気づけば秋風が吹いていた。
「選挙対策のばらまきだ」と批判もあったが、自公前政権は大敗。「ばらまき」の効果は疑問だ。鳩山政権の子ども手当やガソリン暫定税率廃止にも同様の批判がある。仮にそうだとしたら、かえって選挙民に見透かされるのではないだろうか。 (谷岡聖史)
この記事を印刷する