アニリール・セルカン氏について ― 2009/11/03 12:35
珍しく(ほとんど)クルマ以外の話題を。
「アニリール・セルカン」というトルコ人をご存知だろうか?自分も1週間前までは知らなかったのだが、来年2月の学校でのイベントに講師の一人として呼ぶということを某生徒経由で知った。そのとき聞いた肩書きは「東大工学部助教(昔で言う助手)」・「宇宙物理学者(なのになぜ東大工学部の建築なの?)」等であったが、とにかく全く知らない人物なのでネットで検索してみると、
・アニリール・セルカン本人のブログ(http://blog.anilir.net/)
・著書
アニリール・セルカン「宇宙エレベーター ・こうして僕らは宇宙とつながる」大和書房
アニリール・セルカン「タイムマシン」日経BP社
アニリール・セルカン「ポケットの中の宇宙」中公新書ラクレ
・Wikipediaの「アニリール・セルカン」の項目(http://ja.wikipedia.org/wiki/アニリール・セルカン)
物凄い経歴(宇宙物理学者、工学博士、トルコ人としては初のNASA宇宙飛行士候補生(フライトエンジニア)、元アルペンスキー選手)であるが、なぜか[要出典]タグだらけ…。
以外に、
・アニリール・セルカン経歴詐称疑惑(http://www29.atwiki.jp/serkan_anilir/)
- アニリール・セルカン氏は「宇宙物理学者」であり11次元宇宙の研究で受賞したことになっていますが、物理学分野での論文をほぼ網羅するデータベースにも氏を著者とする物理学の論文は一編も確認できません。
- 東京大学、およびJAXAのホームページ等で公表されていたセルカン氏の業績リストに掲載されていた物理学の論文も、掲載されていたとされる論文誌に掲載されていません。
- 東京大学で公表されていたセルカン氏の業績リストに掲載されていた知的財産権2件については、一件は同じ番号で他人の特許が確認でき、もう一件はデータベースでも確認できません。さらに米国特許のデータベース上には、セルカン氏による特許はまったく発見できません。
- 「ケンブリッジ大学物理学部 特別科学賞 受賞」については記録が確認できません。また、セルカン氏は、上記のように一般の物理学者に認識される形での論文の発表がありませんので、物理学の研究によって(まともな)賞を受賞することは極めて考え難いです。
- 同様に、U.S.Technology Award受賞の記録も確認できません。
- 「American Medal of Honor」は、American Biographical Instituteが紳士録商法の一環として「発行」「販売」している賞であった可能性があります。
- 「プリンストン大学数学部講師」に就任したという記録もありません。またセルカン氏の数学分野の研究業績は全く確認できませんので、数学部講師に就任するということは非常に考え難いです。
- セルカン氏は「宇宙飛行士候補」と言うことになっていますが、NASAの宇宙飛行士候補のリストにも、宇宙飛行士のリストにも掲載されていません。
- セルカン氏の著書や氏に関する雑誌記事にある「セルカン氏が2004年に宇宙飛行士候補に選ばれた際の宇宙服写真」は、NASAロゴが1992年以前のものであるなど、捏造の疑いがあります。
- セルカン氏は、スキーの選手で1988年のカルガリー冬季オリンピックに出場したことになっていますが、同オリンピックの公式レポートの選手団および競技結果にセルカン氏の名前は見当たりません。
- セルカン氏の著書等でセルカン氏の研究の説明資料として掲載された図画に、別人によって先に発表された論文や記事にある図画に酷似したものが何点もあり、剽窃(他人の業績の盗用)の疑いがあります。
- 物理学の論文が存在しないだけでなく、その後の宇宙エレベーターや、さらにセルカン氏の現在の本業であるインフラフリーなどの建築工学の研究についても図画等の剽窃や、さらには部分的に他者の論文を無断でそのまま書き写しているなどの疑いがあります。
・アニリール・セルカン氏の経歴詐称、業績捏造の追求blog(http://blog.goo.ne.jp/11jigen/)
などが検索された。理系の端くれとして「これは絶対に怪しい・胡散臭い」と感じたので、イベント責任者の某先生に報告したところ、程なく取り止めとなった。
うちの学校は以前、PTAの講演会に村上和雄(過去の業績は大したものだったかも知れないが、現在はトンデモなことを言っている。→「環境で遺伝子が変わる」等)を呼んじゃったという前科がある。今回、彼を呼ばないという判断は賢明だろう。
で、クルマとつながる話題は、この件で検索をしていて見つけたページ。
『アニリール・セルカン特別講演、世界にはおもしろい人っているもんですなあ。』
(「みたいもん」http://mitaimon.cocolog-nifty.com/blog/)
の中で、アニリール・セルカン氏の講演のメモ中の、
>■宇宙開発ににはチャレンジがある、開発費用もかかっているので、日常生活に反映するものが多い
>例:
>(略)
>車、セルカンRX-7に乗っている、理由はロータリーエンジンが好きなのと、軽い素材=セブンがはじめて車を軽くしようとした
>(略)
自動車が発明された初期の頃からずっと、「軽量化」は考えられてきた筈だが?非力なエンジンに重い車体では満足に走れないし。ダイムラー・ベンツもフォードもアルファロメオやフェラーリやロータスも、RX-7(マツダ)以前に軽量化を実行している自動車メーカーはいくらでもある。
「(自称)宇宙飛行士候補」の発言としてはお粗末ですな。
コメント
_ iwaji ― 2009/11/03 17:03
_ Shigeru ― 2009/11/03 20:13
いつ決めたかは聞いてないけど、11/29に東京で事前取材予定でした。
で、H田先生に報告したところ中止になりました。
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2月に呼ぶのはいつ決めたの?
http://www.creative-nagoya.jp/cdcn2009/forum.html#h4pro
も何やら...w