良くも悪くも強烈な土屋さんHP。「やるぞ東京大革命」というメッセージは
一見、極左過激派と見分けがつかない。右へ行き過ぎて左に近づいた?(画面キャプチャ筆者)
党の方針に反して石原慎太郎知事を応援する。その石原知事が皇太子殿下に対して「皇太子」と呼び捨てにしたことに腹を立てる。(これについては、右翼としては土屋さんのほうが筋が通っていますが・・・)。
「表敬訪問事件」(注)を起こした西村修平さんの団体の事務所と同居している。などなど、土屋さんはこれまでにも、豊富な話題を提供してくれました。
(注)2008年9月1日、東京都東村山市東村山駅前で、創価学会批判の街宣をしていた西村修平さんらが、街宣の合間に、学会とは関係のない小さなお店に国旗などをかざして大人数で押し寄せ「創価学会出て来い」などと罵声を浴びせた事件。この街宣に参加者のうち西村さんを含む複数が、誹謗中傷を働いたとして、元警察副署長やジャーナリストから民事提訴されています。
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そして、政権交代がかかった先の総選挙に際し、土屋都議は民主党のマニフェストを批判する論文を雑誌に発表しました。
さらに、地元東京11区では、民主党推薦候補(新党日本・有田よしふさん)の応援をサボタージュし、結果として自民党候補の当選をアシストしていた、ということです。
そんな土屋さんに、とうとう民主党東京都連は、離党を勧告した、ということです。
■詭弁を弄する土屋都議
土屋都議は、離党勧告が報道された後、以下のような日記をつづっておられます。
土屋さんブログ
第一点に、マニフェストでは夫婦別姓を隠し、政策INDEXに載せているという論です。しかし、政策INDEXも、もちろんホームページで公開してあります。ですから「隠している」というのは当たらないでしょう。
民主党政策集INDEX2009(PDF1.68MB)
しかも、ちゃんと上記ページでは「政権政策(マニフェスト)」にもリンクしてあります。
そして何より、土屋さんは、そういう政策を発表している民主党の看板を使って議員になった。にもかかわらず、自党の選挙をサボタージュし、党を批判する論文執筆をしていた。
わたしのような一般党員でさえも、出来る範囲のことはさせていただいていました。わたしも、民主党(鳩山総理)の政策について、批判的な見解も含む記事は数多、執筆させていただいています。
衆院比例定数削減への疑問。子ども手当問題。景気対策がまだ甘いのではないか、という議論。もっと累進課税に踏み込むべし、という議論。その中には「自民党よりネオコン」の土屋さんとは正反対の議論もあるでしょう。
しかし、わたしは以上のように意見は表明しますが、最終的に今回の総選挙でも、自民党政権打倒、政権交代成就のため、民主党の候補者をきちんと支持しました。
だのに、民主党の看板を使って当選し、高給をもらっている土屋さんが、党の批判をするだけならともかく、サボタージュするとは。
■党本部が「左翼隠し」なら土屋さんは「右翼隠し」では?
さらにいえば、土屋さんは「民主党は、左派的な政策を隠している」といいます。でも土屋さんは、都議選の街宣などでは「官僚政治との対決」など「あたりさわりのないこと」しか言ってなかった、とわたしの友人の民主党陣営を支持した板橋区民は証言します。
板橋区の選挙民の前では猫を被ったようにおとなしい方で、共産党系の保育に関する運動団体が陳情に行ったときでも、二つ返事で紹介団体になってくれた、と共産党支持の友人も証言します。
公明党や自民党都議は冷たいなかで、土屋さんはわりと評判はいいのですが、それは、とくにインターネットを使わない選挙民の前では「右翼隠し」をしているということもあります。
わたしは、それを責めるつもりはありません。内心はどうあれ、最終的に行動する段階で党(都議団)の方針に従っているならそれでいいわけです。それが政治で飯を食っている人間の宿命でしょう。
■明確な規約違反
民主党東京都総支部連合会規約 (民主党)
上記を見ると、
倫理の遵守
第28条 党員は政治倫理に反する行為、党の名誉を傷つける行為、本規約及び本党が定める規則に違反する行為を行ってはならない。
2 当該党員の行為が、本党の理念・規約に反し本会の運営に著しい悪影響を及ぼす場合、常任幹事会あるいは総支部の執行機関は、倫理委員会に諮った上で、除名等の処分を行うことができる。
3 処分のうち、除名処分については、国会議員または国政選挙の候補者の場合は、民主党本部が取扱い、その他の党員の場合は、本会の常任幹事会に報告しなければならない。
があります。
土屋さんの行動ははっきり申し上げて「著しい悪影響」を及ぼしています。土屋さん自身は民主党の選挙をボイコットする。一方で「土屋がいるから民主党は推せない」という人も多く出る。そんなこんなで、わたしも迷惑しています。
意見はいろいろあるにせよ、最終的には方針に従う。それで良いと思います。
■他党に比べたら緩い民主党の規律
土屋さんは、民主党を「全体主義」などと批判しておられます。しかし、他党と比べても、民主党の規律は異様に緩いと思います。
日本共産党のように、「意見を表明しただけで除名」、というのとは違います。共産党では、高橋彦博さん、有田よしふさんら、違う意見を表明したりしただけで共産党を除名された党員知識人も多い。
高橋彦博
そのことが、今ひとつ、日本共産党が伸びない原因でしょう。「窮屈そうだから民主党のほうがいい」という人も少なくありません。わたしも、政策で耳を傾けるべきことは多くあると考えてはいますが、わたしのような気ままな人間は、体質的に会わないでしょう。
さらに、自民党は自民党で、小泉時代、郵政民営化法案に反対した人を離党させたり除名したりしています。
土屋さんは、意見どころか、実際の行動面でも造反のオンパレードです。むしろよくいままで、東京都連は土屋さんを見逃してきましたよ。こんなことだから、逆になめられるのではないか?
民間企業で、会社をサボって(休暇もとらずに欠勤)して、会社の悪口を各論文を書いていたら、それは、解雇でしょう。そんな人がわたしたち独立系労組のところに相談に来ても、それは助けられません。
■「愛国者」が「卑怯者」の代名詞に?
そして、土屋さんは、処分について「聴聞が行われていない」といって都連を批判しています。「私は『積極的に応じる』と文書で返答している」ともおっしゃいます。しかし、文書では「応じる」と返答しながら、今まで、事情聴取に応じていません。自分で逃げ回っておいて、「手続きがされていない」とは笑止の限りです。
そもそも、民主党の看板を利用して給料をもらいながら、党を罵倒し、選挙もサボるような人は党にいりません。どうぞ、ご勝手に離党ください。
自民党でもおそらく受け入れてくれないかもしれませんよ。新党を作られても良いでしょう。「維新政党・新風」でもよいでしょうし、幸福実現党でもよいでしょう。
いや、自民党でもこんなに見苦しい政治家はちょっと見たことがありません。それで、愛国者を名乗るわけです。これでは「愛国者」とはすなわち「卑怯者」の代名詞だ、と思われてしまいますね。
■都連はこんな人を候補者にした総括を
もちろん、都連側は、土屋さんにつける隙を与えないよう、きちんと今回のことについて情報発信するなどしていただきたい。
まあ、しかし、彼のことです。彼が言うところの「きちんとした手続き」をしたとしても、結局、党の事を悪く言うだけでしょう。
「党規約」以前に「社会人」としての常識が欠けています。まあ、もっと言ってしまえば、こんな人を候補者にしてきた民主党都連は何を考えておられるのか? 土屋都議とは逆方向から民主党都連にわたしは不満があります。