前原誠司国土交通相は2日の全国知事会で、都道府県に負担を求めている国直轄のダムや堤防などの維持管理費を来年度から全額、国が負担する代わりに、都道府県が得ている水力発電や工業用の水使用料(占用料)を国の財源に戻すとの考えを提起した。
国が管理する1級河川のダムや堤防の維持管理費は08年度で計1578億円。うち684億円を都道府県が、残りを国が負担している。一方、1級河川から水力発電で取水する電力会社や、工業用水を使う企業の水使用料は、339億円(05年度)で都道府県の収入になっている。
前原国交相はこのねじれを解消するのが狙いとみられる。一方、全国知事会は維持管理費の全額負担を国に求めていた。
1964年の河川法制定時に1級河川の管理を都道府県から国に移したが、使用料は地方の猛反対で都道府県の収入のままになっていた。前原国交相は「国が維持管理していくのならば、(水の)占用料は国に戻していただきたい。何を国でやるべきかという整理の話で、お金の話ではない」と理解を求めた。