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富士薬品、民主・辻議員を提訴 供託金トラブル 5億円返還求め

11月2日7時56分配信 産経新聞

富士薬品、民主・辻議員を提訴 供託金トラブル 5億円返還求め
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辻恵弁護士(写真:産経新聞)
 ■「暴力団関係者に請求権譲渡」

 民主党衆院議員の辻恵(めぐむ)弁護士が、医薬品販売大手の「富士薬品」(さいたま市)から預かった6億円をめぐり、同社とトラブルになっていることが1日、分かった。6億円は不動産処分禁止の仮処分申請に必要な供託金や手続き費用で、同社は仮処分の手続きが終わったとして、辻氏に供託金分5億円余りの返還を求めて東京地裁に提訴した。同社は「辻氏は供託金の取り戻し請求権を暴力団関係者に譲渡し、供託金の回収を故意に困難にした」と主張している。

  [表で見る]辻恵氏と富士薬品をめぐるトラブル

 訴状などによると、辻氏は東京都豊島区の不動産会社の代理人として、東京・六本木の通称「TSKビル」について、売買などの禁止を求める仮処分を申請することになった。不動産会社と協力関係にあった富士薬品が平成19年10月、申請に必要な供託金や登記費用、弁護士費用など計6億円を肩代わりすることになり、辻氏に預けた。

 辻氏は同月、自らが申請者となって東京地裁に仮処分を申し立て、6億円の中から5億2620万円を供託した。仮処分は東京地裁で認められたが、その後、東京高裁が20年6月に仮処分決定を取り消して確定した。

 仮処分の手続きがすべて終結すると、供託金は請求に基づいて返還される。しかし、富士薬品には十分な情報が伝えられなかった。訴訟の中で同社は「辻氏は仮処分の手続きがすべて終了したことを富士薬品に秘して、供託金返還義務を逃れようとした」と主張している。

 供託金は現在も裁判所が管理している。しかし、富士薬品が調べる中で、辻氏にはすでに供託金の取り戻し請求権がないことが分かったという。同社側は今年4月、供託金の一部を自らに返還させるため東京地裁に供託金の仮差し押さえを申請している。

 同社側は「辻氏が供託金取り戻し請求権を暴力団関係者に譲渡したことが判明した」と主張している。この暴力団関係者は土地取引をめぐる事件で数回逮捕された過去がある。

 辻氏は東大法学部を卒業後、昭和56年に弁護士登録。平成15年の衆院選で民主党から出馬し初当選したが、17年の衆院選で落選。今年8月の衆院選で大阪17区から民主党候補として再出馬して返り咲いた。

                   ◇

 ■辻氏「事実無根の言い掛かり」

 辻恵氏は産経新聞の取材に複数回にわたって応じ、今回の訴訟について「仮処分の相手方の業者(TSKビルの処分を最終的に行った業者)が、当方の仮処分で被った損害が確定しておらず、供託金の返還額も確定していない。返還期限がきているわけでもなく、現段階でこうした訴訟を起こすこと自体がおかしい」と反論した。

 その上で「仮処分申請の結果は富士薬品にきちんと報告している。富士薬品が言っていることはいいがかりだ」と述べた。

 暴力団関係者に供託金の取り戻し請求権を譲渡したとの富士薬品の主張については「事実無根。請求権を譲渡したとする文書を偽造された」として、暴力団関係者に対し、有印私文書偽造・同行使罪で刑事告訴したことを明らかにした。

 辻氏は暴力団関係者について「今年3月に知人の紹介で一度だけ会ったが、その前に偽造されていた。そのときは暴力団関係者とは知らず、告訴した後に警察からそういう人物だと聞いた」と語った。

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最終更新:11月2日8時40分

産経新聞

 

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