動画サイト/動画配信サービスが収益モデル化を迫られる中、日経マーケット・アクセスは2009年10月にネット動画の利用調査を行った。その中から、人気サイトの有料化の可能性を探った結果を報告する。有料化されても動画サイト/サービスを利用する意向のある人に、有料でも最も見たいと思うサイトを答えてもらったところ、他サイトにはない動画コンテンツや特徴を持つサイトが上位に挙がった。年齢別では各層でYouTubeが1位となったが、2位以下ではばらつきがある。大半の人は有料化に否定的だが、ユーザーが認めるような価値を訴えることができれば有償提供の可能性があると見ることもできる。
日経マーケット・アクセスは毎年、動画サイトや通信回線経由で視聴する動画配信サービスについての利用調査を実施している。今年も10月にインターネットで調査を行い、パソコンやテレビ、携帯電話機などからの動画サイト/サービスの利用状況、視聴する動画のジャンル、さらに主要サイト(パソコン/テレビ向け36サイト、携帯電話機向け34サイト)の視聴の有無などを調査した。加えて、カーナビとゲーム機からの動画視聴経験や有料コンテンツ利用などについても調べている。有効回答7209件の集計結果の中から、ここではパソコンまたはテレビでの有料利用について紹介する。
年齢層によらず支払い意向者集めるYouTube
動画サイト/動画配信サービスは収益モデル化が課題となっているが、改善はあまり進んでいない。人気サイト「YouTube」でさえ、いまだに収益モデルを確立できていないのが現状だ。ネット上の動画は無料が当然との意識がユーザーには強いが、もしも動画サイトや動画配信サービスの利用が有料だとしたらユーザーはこれらを利用するだろうか、あるいは、どのような動画サイト/サービスならば利用するだろうか、調べてみた。
調査では、パソコン/テレビ向けの主な36サイト/サービスを列挙し、まずはそれぞれについて支払ってもよいと思う月額料金を尋ねた。その結果、多くの動画サイト/サービスで「有料ならば利用しない」という回答が8〜9割弱を占めた。料金を回答した人の中では「月額500円以下ならば利用してもよい」という最低価格帯を選んだ人が大半だった。一部に月額1000円前後でもよいという回答もあったが、対象は特徴あるサイトなどに限られた。