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09/11/02(月) 18:04
SORYU的静止画MAD技法書 その1「作風ノ章」
タイトルが臭過ぎるwww
えーと、例によってSORYUの経験と感覚から書いてるので、あんまり信じないで読んでいただきたい。

いくつか書きたいことを洗い出してみました。そのなかで1回目に良さそうなのは何かと言うことでまずは「作風」について書こうと思います。
概念的なところについて書くのは好きなので、丁度いいです。
でも、書き出した項目が15くらいあったので、たぶん途中で飽きます。



作風については最初はだれしも迷うところだと思います。
必ずしも自分が憧れてる人の作風に近いものになるとは限らない所が結構面白かったりします。

作風って言うのは色々分類がありますが、大きく分けるなら、

・シナリオ系
・モーション系

の2つに分けることが出来ます。
区別の方法は、テキストを読ませるのがシナリオ系になります。
それ以外の、自分のカラフルジュースやカラフルオーケストラはモーション系の部類に入ります。昔は大体この2つで分けれそうだったんですが、最近は一本杉さんの[トリブー]や[彼岸雨]のようなエフェクトが効きつつもテキストを読ませる系も出てきてるので、曖昧になっている感じも強いです。
なので、最近は「〜系」と聞くよりも「誰々風」と聞くほうが多かったりします。
既存作家であればある程度作風が固定されているので「誰々っぽいの」と言えば何となく分かります。
ということで、色々混ぜて説明していきます。



まずはシナリオ系。
自分はシナリオ系ってのは作らないので、想像と人から聞いた話で書きますが、シナリオ系の人はコンテを作る人が多いみたいです。
まずは載せるテキストを考えてからシーンを作るみたい。
テキストについても色々種類があって、

1.ゲーム内からテキストを拾ってくる
2.自分で物語を咀嚼して内容をまとめて書く
3.直接内容には触れず、抽象的表現で現す
4.他からの抜粋
5.オリジナル

などがあります。

1のゲーム内からテキストを拾うタイプだと、hatterさんの[ライフアルバム]なんかがあります。
抜き出しタイプはゲームをプレイした人には内容を想起させることが出来るので効果的です、また抜き出しどころが良かったりすると、それだけでゲームの内容を伝えることも出来るので、最初は結構抜き出したりして作る人が多いと思います。

2はネクロでぃすくさんの[Oversold Cemetery -catacomb-]とかです・・・多分。ゲームやってないのでもしかしたら抜き出したのかもしれないですが、要は自分で物語りに沿ってテキストを書く感じですね。
まとめられているので、ゲームを知らない人にも内容を伝えることが出来ます。奇抜な解釈をすることで、プレイした人に「おっ!」と思わせたりすることも出来ます。
ネクロでぃすくさんの[Sister]と[SISTER Another Prohibited Love]なんかを見比べるといいかもしれません。
プレイしたゲームであれば大体の記憶から内容を思い出せるので、1のように再度プレイしてテキストを拾いなおして来る必要はありません。まとめる力と文章力が必要になりますが、表現の幅は広がります。
1と織り交ぜて、2の表現の中に「」付きでゲーム内の台詞を混ぜたりすると上手く使えば見てる人に鳥肌を立たせることも可能ですw

3.はまっくーさんの[Krsnik]です。これは難易度がクソ高いです。・・・と、もっかしたらどっかの書籍からの抜粋かもしれないですがどうなんでしょう?元ってあるんでしょうか、あるなら4の分類ですね。
とりあえず、自分で解釈した表現を待ったく別の感じで現す方法です。暗喩って感じですかね、よくわからないですが。
これはそのゲームが好きな人にはドツボにくるパターンが多いです。読み解く面白さなんかもあるので、作家としては1度は作ってみたい感じです。

4.他からの抜粋ですが、これは多分にえぞーさんの[ナルコレプシ]です。
完全に抜き出しかは分からないのですが、曲とゲームのように、たまに表現がマッチングする文章とかがあるので、そっから持ってくるタイプですね。
結構新鮮なやりかたです。何よりゲームに対する本人の理解度がかなり必要なので、ゲームを選びますし、自分の解釈が間違っていた場合はかなり痛いことになりますw

5.オリジナルは、一本杉さんの[彼岸雨]とかですね。実際には空の境界と月姫の混ざりの物語が描かれてる物はないですが、世界が繋がっているということで、オリジナルでやったんだと思います。これは1番レベル高いですね。ゲームをやってなくても捏造で物語をつけるって事が出来たりもしますが、チープな内容だとあまりうけは良くないので、難しいところです。

他には亜種として、「歌詞トレース」や「ネタ系」なんかもあります。ネタ系はモーション系にもちょっとかぶりますが、曖昧な区切りなんで一応こっちに。



そしてもう一方、モーション系。
こちらもモーション系と言ってますが、モーションだけではありません。
分類的には、

1.モーショングラフィックス系
2.エフェクト系

です。良い言い方がないので、自分はモーション系と呼んでました。
テキストに重心をおかず、編集力で魅せるタイプのMADです。

1.「モーショングラフィックス(MG)」の代表と言えばやっぱりNoneさんの[Alphabet Puzzle]です。純粋なMGとはちょっと違うのですが、MADでのMG系といえば、大体コレが代表的という感じです。
カメラワークや場面転換などで盛り上げるタイプです。
自分もこのタイプのMADを何作か作りましたが、難しいことこの上ないです。

2.「エフェクト系」と言えば・・・誰だろうか、ちょっとたとえがパッと浮かばないけど、MGとは違い、エフェクトで見せる部分が大きいMADです。
ノイズや、光もの、Formなんかを使ってる場合が多いです。



1と2で違いが良く分からんかもしれませんが、MG系を作るものとして、ごっちゃには出来ない何かがあるのですw

色々な作家が居るので作風も上記の項目だけで分けれるってもんではありませんが、大体そんな感じです。
というか、「作風」と言うか、「作品の造り」といった方が良かったのかと今更思った・・・。ここまで読んだ人は脳内で変更お願いしますw


そういえば、たまに軍魔さんみたいなMADが作りたい!って言う人がいますが、その場合何を目指せば軍魔さんに近づけるのかなーと、ちょっと考えたりしました。
軍魔さんと他の人の大きな違いはパッと分かるのは尺の長さです。軍魔さんには尺が長くても持たせられる表現の引き出しがあります。見せ方の上手さもありますね、これはMADを真剣に作っていけば身についていく部分だと思います。
しかし、それで軍魔さん風になっていくかというとちょっと違うと思います。
自分の考えでは、軍魔さんが他の人と一番違うのは選曲だと思います。
ストレートに内容がそった曲を持ってこないところとか、暗い内容であっても明るい曲を持ってきて、ある意味皮肉っぽい仕上がりにしてるところとかだと感じています。
ともすれば曲につられて内容も引きづられていきそうですが、それをものともしない技術力は凄いです。自分にはそんな不安な橋はわたれそうにありません・・・。
と、書きましたが、軍魔さんがほんとにそれを狙ったりしてるのかはわかりませんw
Tomorrow Worldの選曲とかほんと凄すぎます。



それと、MG系をもうちょっと深く書きます。
自分もやってる作風なので。MG系やりたいって人は今から書くことを気をつけるときっとうまくいく!

1.同じ表現は意味がある場合でない限り2度使わない
2.不透明度変化での転換はしない
3.転換前と転換後は全体を切り替えるのではなく、1つ、2つオブジェクトを残した状態で転換する

です。
この3つが守れればかなり良い感じに出来ると思います。後は技術次第かと。
普通にMAD作った人なら分かると思いますが、上の制約はかなり厳しいです。
Colorful Orchestraではこの制約を守ろうとしたのですが、結構無理でした・・・。
特に、次のシーンに前のシーンの1部を残して転換する3については、引き出しの少なさで難しいと思います。MADでお手本になるものが結構少ないので、もしその中からアイディアを頂いたとしても、モロバレで新鮮味が弱まってしまいます。
MG系は、見た最初、1回目のインパクトと爽快さが大事です。それが弱まってしまうのはかなり問題なので、作る場合にはかなり気をつけなければいけません。かなりです!
そのため、必然見るものもMADだけでは少なくなってきます。

MAD制作において、MADを作りたいというだけなら、他のMADを研究していけばいいのですが、新しいものを、斬新なモノを目指すならば、外に目を向けていく必要があります。
MADってのは今までのMADを進化させて、先に進んでいるので天井が見えてるとは言いませんが、突き抜けた目新しさは薄くなってきています。
本当に技術を付けたいのであれば、海外のモーショングラフィックスや、Flashなどを手始めに見ていくことを進めます。
しかし、忘れて欲しくないのは、その、他のものを見るって段階に行く前に、MADをある程度知っておく必要があることです。海外のモーショングラフィックスなどでは3Dが多く使われているのですが、そこで習ってすぐ3Dを使い出してしまうと言うのは、ちょっと愚かな選択だと思います。まずは3Dであったとしても、それをAE上で活かせる事を考えるべきです。
まだまだMADのセンスが磨ききれていない間に他の物に手を出してしまうと、基本がゆるいので、色んなものを組み込んでもイマイチなMADにしかなりません。「レベル3でロトの剣」って感じになってしまいます。

自分も一度3Dに手を出したことがあるのですが、今ではAEで表現力を伸ばす方に戻ってきています。ある程度、自分のAE技術に壁が出来てくると3Dに移っていく人は結構居ます。
それで成功している人も結構居ますが、自分はまだAEに留まろうとしています。

んで、いつになったら3Dに移るタイミングなのかとかってのも迷いどころなわけですが、とりあえず「自分の作ったMADが下手に見えなくなった時」位だと思います。
最初のうちは、完全に全力で作ったとしても、完成した数日後、もしくは製作中にでも、自分の作った作品が下手に見えてくる時があります。
この場合は、まだ自分が「上手い物を知っているから下手に見える」状態なので、上手い物を目指すことが出来ます、それが見付けられなくなった時、それが新しいステップへの移り時じゃないでしょうか。
自分の場合は、それでもAEだけの表現に拘ってみようとしてますが・・・w



何か話が大幅にそれてしまいましたが、そんな感じでしょうか。
まだ書き忘れてることあったかな・・・。

あ、そういえば思いついたことがあった。
作風ですが、一般的に1作目を作る時は意識せず作ると思います。というか、結果的にそうなると思います。作りはじめで確固たる作風なんて最初からあるわけないですし。
でも、それじゃあ2作目以降から作風を決定していくのかって言うと、そういうわけでなく、1作目も重要になってきます。
2作目を作る上で、多分思うと思います、「前作やったことは出来る」と。
これが自分の作風に繋がっていきます。ですので、初期のうちは色々なことをやりましょう。そうすれば幅が広がります。
経験から言って、作れば作るほど、新しい事を取り入れるのが難しくなってきます。「出来る事」を積み重ねて技術を高めていくので、新しく取り入れる技術はある程度にならないと使い物にならないので、新しいことに手を出す意欲が薄れてきてしまうのです。
その「出来る事」が自分の作風に繋がるわけで、そうなると1作目もとても重要です。
作品の雰囲気ではなく、技術として、最初は色々やっていただきたいです。




そんな感じで、作風についてとそっからの派生事についてでした。
えらい長くなった、しかも読みにくそうだ。
読んだ人は凄いと思います・・・。
カテゴリー:日記・ブログ
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soryuさん
11/03 01:28 無題
from: soryuさん
一応続く予定ですが、1つ書くのに結構時間が掛かってしまうので、かなり不定期になると思います。
書きたいことは結構あるんですけどね・・・。
まずは概念的なところから書いていこうと思います。
神無月下弦さん
11/03 00:48 参考になります
どうもありがとうございます。
こういった話は既存作家さんでないと聞けない話なのですごくためになります!
技法書はまだ続くんですよね?次も楽しみにしていますw
soryuさん
11/02 22:25 無題
from: soryuさん
皆さんこんな長い文章なのに読んでくださったようで、ご苦労様です。

>x1aoさん
ありがとうございます。
自分としてはシナリオ系よりモーション系の方が作りやすいんですけどね・・・w

>Misuzuさん
今期スマの話が出てきたあたりにこっちも登録しました。
なにやら今期はZoomeの人が多そうだったのでw

>れこばさん
ありがとうございます。
自主性?を重んじるので、あんまり他の人に影響を与えてしまうと作品の傾向が偏ってしまうとかあるので、あんまり簡単にこういうことは掛けなかったりするんですよね。色々と諸刃の刃ですw

>いはさん
動画側も色々分類とかありそうですね。そういうのも誰か書いてくれているといいんですが。
いはさん
11/02 21:55 読みました〜♪
from: いはさん
静止画作った事ないので、あれですがw
とても面白かったですし、動画としても、そして、ただMADを見る場合だけでも、とても参考になると思いました!!

長文、お疲れ様でした!!
recoba167さん
11/02 21:16 無題
うおぉぉぉ!!
こういうの書く人いないので読むの楽しいです^w^
Misuzuさん
11/02 19:04 検索から失礼して…
from: Misuzuさん
検索からお邪魔いたします。
長文お疲れ様でした。ためになる内容ですw

…てゆうかこっちにもいらっしゃったんですねwww
x1aoさん
11/02 18:47 勉強になりました
from: x1aoさん
ありがとうございました。長文お疲れ様。
とても勉強になりました。

私はシナリオ系なので、モーション系とはちょっと苦手です。(汗
いつか挑戦したいと...SORYUさん見たいなむびとても好きだから
あなたも動画コミュニケーションをはじめよう!
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どうも、静止画MAD屋のSORYUです。
過去に作ったものや、作りかけのものばかりですがよろしくお願いします。

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