Windows TIPS
[System Environment]
ZIPファイルにパスワードを付ける
→ 解説をスキップして操作方法を読む
デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2005/11/26
対象OS
Windows XP
Windows Server 2003
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ZIPファイルにパスワードを付けると、その内容を保護し、安全に保管したり、メールで送信したりできる。
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ZIPファイルを暗号化しても、中に含まれるファイルやフォルダの名前は見ることができる。
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暗号化されたZIPファイルに新規にファイルを追加しても、そのファイルは暗号化されないので注意する。
Windows OSにおけるファイルの圧縮形式としては、ZIP形式(.ZIPファイル)が広く利用されている。現在のWindows XPやWindows Server 2003ではZIP形式は標準ファイル形式としてエクスプローラなどでもサポートされているため、利用しているユーザーも多いだろう。ファイルやフォルダをバックアップする場合だけでなく、メールでファイルを送信する場合など、広く利用できる。
ZIP形式には、ファイルを1つにまとめて圧縮するだけでなく、パスワードを付けて内容を保護するという機能も用意されている。「パスワード文字列」を指定するだけで、簡単に暗号化/復号化できるし、NTFSファイル・システムの暗号化機能と違って、ファイル・システムも選ばない。本TIPSでは、ZIPファイルにパスワードを付ける方法について解説する。
なおWindows OSに組み込まれているZIPファイルの暗号化アルゴリズムはあまり強度の高いものではないので(より高度なアルゴリズムを使用した市販バージョンのZIPツールもあるが、あまり普及していないので互換性が低い)、注意していただきたい。暗号化を強制的に解除/試行するようなツールもいくつか出回っているので、安易なパスワードを付けないように注意するほか、安全性を過信しないようにしていただきたい(本当に重要なファイルはメールでは送らないようにするなど)。
ZIPファイルの暗号化
ZIPファイルを暗号化するには、まずは暗号化されていない通常の状態のZIPファイルを作成する必要がある。この手順は省略するが、一般的には、エクスプローラ上でマウスを右クリックし、ポップアップ・メニューから[新規作成]−[圧縮 (zip 形式) フォルダ]を実行する。そして作成されたZIPファイルを開き、圧縮したいファイルやフォルダをその中へドラッグ&ドロップすればよい。
パスワードを付けるには、ZIPファイルをダブルクリックして開き、[ファイル]−[パスワードの追加]メニューを実行する。ZIPファイルを選択して[プロパティ]ダイアログを表示させてもパスワードを付けることはできないので注意する。必ずZIPファイルそのものを開き、そのウィンドウの[ファイル]−[パスワードの追加]メニューを実行すること。
パスワードの追加
ZIPファイルを暗号化するには、パスワードの追加を行う。個々のファイルではなく、ZIPファイル全体に対してのみパスワードを付けることができる。
ZIPファイルをダブルクリックして開き(ZIPファイルの[プロパティ]ではない)、これを実行する。
[パスワードの追加]メニューを実行するとダイアログが表示されるので、暗号化のためのパスワードを2回入力して[OK]を押す。
パスワードの指定
確認のため、パスワードを2回入力する。
パスワードの指定。日本語は使えない(コピー&ペーストすれば使えないことはないが、IMEが使えないので、日本語は簡単には入力できない)。
確認用のパスワードの指定。
これを押すと、パスワードが設定される(暗号化される)。
以上で暗号化作業は終了である。以後、このZIPファイルはパスワードが付けられた状態(暗号化された状態)になり、パスワードを指定しないと中のファイルを取り出すことはできない。しかし暗号化された状態のまま、ZIPファイルをコピーしたり、メールに添付して送信したりすることは可能である。メールで送信する場合は、ZIPファイルそのものをメールで送信し、パスワードは口頭やFAX、電話などで伝えるようにするとよいだろう。
暗号化されたファイルを取り出したり読み出したりするには、パスワードを指定する必要があるが、後から追加したり上書きしたファイルは自動的には暗号化されないので注意する必要がある。各ファイルが暗号化されているかどうかは、[表示]メニューを[詳細]にしてみると表示される。
ファイルを追加した場合の例
後から「新規ドキュメント」というファイルをドラッグ&ドロップで追加したところ。暗号化されていない(パスワードが付いていない)ことが分かる。だがこのファイルだけを選んで暗号化する(パスワードを付ける)ことはできない。必要ならば、1度ZIPファイル全体の暗号化を解除し、再度付けること。
暗号化前に含まれたファイルには、このようにパスワードが付けられている。
後から追加したファイル。
パスワードは「無」となっており、自由にアクセスできる。
この場合は、以下で述べる「暗号化の解除 」の手順に従って1度暗号化を解除し(パスワードを外し)、あらためてパスワードを付け直す必要がある。1つのファイルだけを選んでパスワードを付けたり外したりすることはできないようなので、注意していただきたい。
ZIPファイルの復号化
暗号化されたZIPファイルからファイルを取り出そうとすると、パスワードを入力するダイアログが表示されるので、暗号化の際に入力したパスワードを指定する。
復号化パスワードの指定
暗号化されたZIPファイル中に含まれるファイルを読み出したり、ドラッグ&ドロップで取り出したりする場合にパスワードの入力が必要となる。
解除のためのパスワードを指定して[OK]を押す。
ここで不思議に思われるかもしれないが、暗号化されたZIPファイルをダブルクリックすると、パスワードを指定しなくても、そのZIPファイルの内容が表示される。つまりZIPファイルに含まれるファイル名の一覧が表示されるのである。もしZIPファイル中にフォルダが含まれている場合は、それも開くことができるし、エクスプローラのツリー表示形式を使えば、フォルダの階層構造を表示させることも可能である。つまり、暗号化されていても、ファイル名やフォルダ名は何の制限もなく見ることができる(ファイルの中身自体は見られない)。そのため、ファイル名そのものを秘匿したいような場合には、このZIPファイルの暗号化では不十分なので注意していただきたい。より高機能な(市販の)暗号化ソフトウェアを利用したり、無意味なファイル名を使うようにしたりしなければならない。
暗号化の解除
暗号化を解除し、暗号化されていない状態のZIPファイルにするには、[ファイル]メニューの[暗号化の解除]を実行する。するとZIPファイル全体の暗号化が外され、どのファイルへも自由にアクセスすることができる。
ZIPファイルの暗号化の解除
暗号化を解除すると、どのファイルへも制限なくアクセスできるようになる。暗号化されたファイルとそうでないファイルが混在しても、すべてのファイルの暗号化が解除される。
これを実行すると、パスワードを入力するダイアログが表示されるので、暗号化で設定したパスワードを指定する。
すでに述べたように、暗号化されているかどうかはファイル単位に表示されるが、パスワードを追加するか、それとも解除するかは、ZIPファイル単位でのみ実行できる。場合によっては、暗号化されたファイルとそうでないファイルが混じっていることがあるが(後でファイルを追加した場合)、この暗号化解除の操作を行うと、全ファイルの暗号化が解除される。そして再度暗号化操作を行うと、そこに含まれるすべてのファイルが暗号化される。
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