前スレ
姉がメールだけ丁寧で戸惑う


403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 13:27:44.03 ID:lZT6gG66i
    ガチャッ

    弟「た、ただい……」

    リビングに入ってそのカオスな光景に愕然とする。
    あたりに漂うカレーのいい香り。
    テーブルの上に散乱するカクテル類の缶。
    缶のそばで山盛りの灰皿。そしてテーブルに突っ伏す姉ちゃん。
    手には携帯を握り締めている。

    弟「ちょ……、だいじょうぶ…?(酒くせえええええ)」

    姉ちゃんの肩を叩いて意識を確認する。

    弟「姉ちゃん……?起きてる?」

    姉「…………グスッ」

    ゆっくりと姉ちゃんが顔を上げる。
    目は真っ赤な上に完全にすわっている。
    いつもの鋭い睨みも怖いが、これはこれで怖い。

    ガシッ!!

    姉ちゃんはすわった表情のまま、俺の肩をつかみ、ゆらりと立ち上がった。



407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 13:37:07.63 ID:lZT6gG66i
    弟「ひぃい!!あ、あの!!(殺される!酒臭い!!殺される!!俺の人生は終わってしまった!!)」

    ギュウウウウウウ!!

    姉ちゃんはそのまましがみつく様に抱きついてきた。

    弟「え!?あ…あの……姉ちゃん!?」

    姉「…………グスッ」ギュウウウウウ

    弟「ちょ、ちょっと、大丈夫?な、何?」

    姉「………私……」

    弟「え?」

    姉「私………こんなん……だから……友達ほとんどいないし…」
      
    姉「…話し相手…メールも…弟としか……から…グス」

    姉「……返事……くれ…ないt…うぅ…うううぅぅグズジュグ」

    姉「うえ゜え゛え゛え゛え゛……」



409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 13:42:40.79 ID:lZT6gG66i
    弟「ご、ごめん!ほんと!!メール気づかなくて!!もう絶対メール無視しないから!」

    姉「え゛っ!ううぐ…うぅ…グジュルグズグズ」

    弟「ごめんね、ごめんね!!泣かないで!!ね?ね??」

    いつもみたいに暴力振るわれるほうがましだった。
    姉ちゃん、酔うとこうなるのか。
    あんな姉ちゃんが、こんなになるのは俺も辛い。
    もう寂しい思いは絶対にさせないと誓った。
    もう、泣かないで。泣かないで姉ちゃん。



412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 13:45:17.65 ID:lZT6gG66i
    姉「う゛ぅぅ~~………………グスッ……ヒクッ…う…」

    ゆっくり背中をさすってあげて、落ち着かせてあげる。

    弟「泣かないでね。ね?大丈夫だから。ごめんね」サスリサスリ

    姉「う……っく……ひっ…………」

    姉「………うっ…うぷ……」プルプルプル

    弟「え!?!?!?」

    ま、まさか

    姉「き、きもt………うぅぐ…ッ」ブルブルブル

    吐かないで。吐かないでお願いだからこの状態で吐かないで姉ちゃん。

    姉「おr--------自主規制------------」

    弟「ひああああああああああああああああああああああああああああああああ」



414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 13:46:10.37 ID:lZT6gG66i
    ----15分後----

    とりあえずぐったりしてる姉ちゃんをいったん座らせて、
    水を飲ませたり、あと…俺が着替えたり……。
    いつもみたいに暴力振るわれるほうがましだった。

    弟「落ち着いた?」

    姉「……眠い」

    弟「ここで寝ちゃだめだから。部屋いこう。ね?」

    姉「………おんぶ」スクッ

    弟「へ!?」



416 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 13:47:37.40 ID:lZT6gG66i
    姉「して……おんぶ」 ヨロヨロ…ガシッ

    ふらふらと俺の背後にまわりそのまましがみついてくる。

    弟「しょうがないなぁも…う…ぐっ!!姉ちゃん!決まってる!首、きまってる!!」パシパシパシ

    姉「おんぶ………弟におんぶ」ギュッ

    姉「………♪♪」ギュウウウ

    弟「かっ……カハッ……あ…目が…かすm」フラフラ

    意識が飛びそうになるのをこらえながら、
    なんとか姉ちゃんを部屋のベッドまでおんぶで運んであげた。2度ほど光り輝く階段がみえたよ♪
    ベッドに降ろしてあげると、すぐ姉ちゃんは寝てしまった。
    普段の眉間にしわをよせた鋭い睨み顔からは想像つかないぐらい、寝顔はかわいい。ゲロ臭いけど。
    もう、もう二度と姉ちゃんのメールは無視しないぞ。あと姉ちゃんに酒は飲ませない。



517 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 22:34:12.58 ID:lZT6gG66i
    ~翌日~

    朝になっても、姉ちゃんは起きて来なかった。
    起こしに行くのもなぁ…どうせあの分だと二日酔いだし。
    昨日の今日でどんな顔して会ったらいいかもわかんないし。

    あ、そうだプリンがあったはず!とりあえず食べよう!!


    うまっ!!うまーーー!!
    姉ちゃんもさぁ、料理上手いし、普通にしてれば綺麗なのに、
    つくづくもったいない…。もったいないよなぁ…

    ガチャ スタスタスタ

    あ、姉ちゃんだ!!
    だいぶ不機嫌そうな顔をしていいる。
    こ、怖い。でも昨日は俺が全面的に悪かったんだ。
    へ、変におびえず、明るい感じで接しなくては…。



520 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 22:36:37.44 ID:lZT6gG66i
    弟「あ、姉ちゃん!おはよう!!もう大丈夫?」

    姉「……………」

    ギロッ

    ひぃぃ!!睨んでる!睨んでるよ…!
    やっぱ、昨日の事、素面モードだと凄まれるんだろうか。
    な、なんとか姉ちゃんの機嫌を少しでも!!

    弟「あ、あの……あ、そうそう!プリンおいしい!凄くおいしいよ!!」モリモリ



522 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 22:38:35.01 ID:lZT6gG66i
    ツカツカツカ グイィッ!!

    姉「…何勝手に食べてんの??」

    弟「ひぃいっ!!だ、だって、プリン…プリン!」

    姉「……ちっ」ドンッ

    姉ちゃんは俺を突き飛ばすと、頭を痛そうに抑えてる。
    これが二日酔いってやつか。
    それにしても素面はやっぱ怖いよう。
    昨日は、割かし…なんていうか……かわいかったのに…。

    姉「風呂入る」

    弟「あ、うん!!入りたいと思って、沸いてるから」

    姉「……ちっ………」

    そのまま不機嫌そうに姉ちゃんは風呂へと向かっていった。
    お腹減ったし、カレーあっためて食べよう。次の日のカレーは美味いんだよね!!



524 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 22:42:11.63 ID:lZT6gG66i
    >>416 おまけ

    姉「…………」ムクッ

    姉「………頭痛い…何して寝たっけ……?」

    たしか、弟の帰りを待っていたのは覚えいる。
    中々帰ってこなくて、メールも返事をくれなくて、悲しかった。
    そのあと……どうしただろうか?

    姉「う……私くさっ…お風呂入ろう…うう頭痛い」ズキズキ



528 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 22:44:53.76 ID:lZT6gG66i
    ガチャ スタスタスタ

    リビングに出ると弟がいた。
    昨日、弟いつ帰ってきたっけ。
    いつもは私を見るなり怯えた目をされて、少し悲しいんだけど、
    今日は少し違った感じがする。目がキラキラしてる。かわいい。

    弟「あ、姉ちゃん!おはよう!!もう大丈夫?」

    姉「……………」

    大丈夫??私、昨日何かしたんだろうか。
    体、ゲロくさいし。弟の前で、私…何かとんでもなく恥ずかしい事をしたのかもしれない。
    うう…だめだ。思い出せない。思い出せない分、余計恥ずかしくなってくる。
    弟の、澄んで輝いた世界最上級極上の綺麗な瞳が、かえってまぶしく見える。



530 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 22:49:41.47 ID:lZT6gG66i
    弟「あ、あの……あ、そうそう!プリンおいしい!凄くおいしいよ!!」モリモリ

    あ!!そうだ。プリン作ったんだっけ。
    はー。本当は昨日、ご飯食べた後二人で仲良く食べたかったんだよね…。
    おいしいって言ってくれてるから嬉しいけど。
    でも、やっぱり、やっぱり最初の一口目食べるところも見たかった。
    あーあ。ほんと色々、上手くいかないな…。

    ツカツカツカ グイィッ!!

    姉「…何勝手に食べてんの??」

    弟「ひぃいっ!!だ、だって、プリン…プリン!」



536 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 22:55:19.12 ID:lZT6gG66i
    違うのに…。違う。
    一緒に食べたかったな、でもおいしいって言ってくれて嬉しいな。
    苦いのと甘いの、どっち食べた?弟はどっちが好き?
    なんで言えないんだろう。普通の事が。
    なんでできないんだろう。普通の事が。

    自己嫌悪が頭を覆いつくす。

    姉「……ちっ」ドンッ

    弟に近寄って、自分がゲロ臭いのを思い出した。
    髪だってぼさぼさだ。よく平気でこんな姿で弟の前に。
    急激に本気で恥ずかしさと申し訳なさでいっぱいになる。
    だめだ、まずお風呂に入らなくちゃ。
    ううぅ……頭痛い。昨日、弟に迷惑かけてないかな。

    姉「風呂入る」

    弟「あ、うん!!入りたいと思って、沸いてるから」

    姉「……ちっ………」

    うう。やさしくて気が利くなぁ。
    お風呂あがったら、一緒にご飯食べよう。
    昨日の分とプリンの分をそれで取り替えそう。
    色々お話しよう。あと、昨日私が何したかも聞かなくちゃ。

    弟と一緒にご飯を食べるところを想像し心躍らせながらお風呂へ向かった。


532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 22:53:13.36 ID:tAByo+QcO

    いつ釣り宣言すんのよ?架空の姉ちゃん

    つか、リアルでこんな人格だと社会生活も駄目だろ



540 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 22:57:54.89 ID:lZT6gG66i

    >>532
    こんな姉がリアルにいるという前提の下で
    スレが進行してると一瞬でも思ったなら
    俺と一緒に病院へ行こうぜwwwwwww姉科な。


546 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 23:06:24.26 ID:WrwPlGEL0
    悪化しちまうぞ



548 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/25(日) 23:12:08.29 ID:KGjHKP71O
    明日姉科いってくる



564 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 00:32:18.24 ID:lZT6gG66i
    今日は一日面白くなかった。

    貰ったラブレターは縦読みの釣りだったし。
    森繁の悲報もフェイントだった。
    アイレムと円谷のHPは回線がパンク状態だ。

    とにかく友人知人の嘘にフルボッコにされてしまった。
    そうか。今日はそういう日だった…。悔しい。腹立たしい。

    だまされっぱなしで一日が終わるのも面白くないな。
    だれか、今更俺の嘘にひっかかってくれるような……

    ひとり…いる。

    が、しかし。
    あの人にエイプリールフールなんていうユーモアが
    通用するだろうか。というかいくらなんでも騙されないんじゃないかな。
    例えば嘘メールを送ってみたとする。


    ツカツカツカ ガチャ

    姉「………面白くない」グイィッ

    弟「ひぃぃ!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」

    てな感じで終わりそうな気がする。



569 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 00:39:28.67 ID:lZT6gG66i
    うーむ。
    逆に考えれば、失敗しても被害は……そんなもんか?
    ふむ……。

    タイトル:報告
    本文:言い忘れてたけど、
        ついに彼女ができました!
        今度から女の子としての意見とか、
        色々聞きたいので相談とかしてください!!


    送信


    ---15分後---


    おかしい。返事が来ない。
    姉ちゃんの部屋も静かだ。
    寝ちゃってる……?だとするとまずい。
    日付が変わるとただの嘘メールになってしまう。

    ブーン ブーン

    きた!!
    ず、ずいぶん遅かったな。



572 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 00:44:33.73 ID:lZT6gG66i
    タイトル:おめでとう
    本文:彼女ができたんですね。
        おめでとう!
        弟は、かっこよくて優しくて気が利いて、
        かわいいところもあって器用で、
        人の気持ちがとてもわかる凄くいい子なので、
        女の子がほうっておかない気持ちもとてもわかります。
        でも、やっぱり少し寂しいです。
        ずっと私の弟だったのに、ついに他の女の子のもとに
        いってしまうと考えると。
        いつかはこんな日が来るとは覚悟していましたが、
        実際その日が来てしまうと、少し動揺しています。
        でも、やっぱり私は、弟が幸せでいてくれることが、
        一番嬉しくて幸せです。
        いつまでもずっとずっと、彼女と仲良くできるように、
        私も毎日願っています。
        彼女を家に呼ぶ日は、前もって教えてくださいね。
        私も手作りのお菓子と、夕飯をご馳走したいと思います。
        あ、でも私はその日は家にいないほうがいいかもしれませんね。
        きっと私は彼女を不愉快な気分にさせてしまうだろうから。
        こんな私を受け入れてくれるのは、弟ぐらいです。
        そう考えてもやっぱり、少し寂しい気持ちがします。
        私にも妹ができるのかなと考えれば、それはそれで、
        やっぱり喜ばしい事なのかもしれませんね。
        とりあえず今度お祝いをしましょう。何でも好きなものを
        ご馳走してあげます。外食がいいかもしれませんね。
        本当におめでとう。ずっとずっと、幸せでいてください。



574 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 00:45:58.88 ID:RTRahXa5O
    いつもの爆音が聞こえない…だ…と…




577 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 00:48:40.10 ID:uD9yez7LO
    危ない!ここで長文は逆に危ない!




579 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 00:50:40.36 ID:lZT6gG66i
    やっぱりやらなきゃ良かった……。
    ど、どうしようこれ。
    嘘、嘘でしたで、これ、済むの……??
    済む…か……????

    ふう…
    すぅーーはぁーーー。
    深呼吸だ。落ち着け。覚悟を決めるんだ。
    今日はエイプリールフール。今日はエイプリールフール。
    エイプリールフールは、嘘をついても怒っちゃ☆だめな日。
    ユーモアにあふれた楽しい一日。

    よし。送信。ままよってやつだ。

    タイトル:今日は何の日?
    本文:うそぴょん☆


585 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 00:55:37.71 ID:lZT6gG66i
    ガチャッ

    うおおおっ!?足音がしなかった!!
    姉ちゃんが、目を真っ赤にした姉ちゃんが目の前に。

    ツカツカツカツカ グイィッ

    弟「ひいっ!やっぱり……ご、ごめんなさい」

    姉「………………」ガシッ ギリギリギリギリギリ

    弟「……あ、あのエイプリー、イダ、イダダダダダダアイアンクローは、だm、イダアアイイアア」

    姉「わらえない」ギリギリ

    姉「わらえない。わらえないわらえない。わらえない。」ギリギリギリギリギリギリ

    弟「割れる!!顔面が!!!割れる!!!痛い!ごめんなさい!ごめんなさい!もうしません!」

    姉「………それも嘘。痛いのも嘘。でしょ?」ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ



588 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 00:59:30.57 ID:imeyVCkVO
    姉がこんなに素晴らしいとは…何でもっと早く教えてくれなかったんだよお前ら




590 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 01:02:51.91 ID:cagF1KQo0
    >>588
    人から教わるものじゃないだろう?




592 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 01:05:04.37 ID:lZT6gG66i
    あああああああああ。これは、これは。
    いつも不機嫌だからわかりにくいけど、これは本気で怒ってる!!!

    弟「ね、イダダダッダダダ姉ちゃんに、やきもちっ!!やきもち焼いて欲しくて!!」

    姉「!!………」ギリギ

    弟「だから!ごめんなさい!俺だって姉ちゃんしかいないから!彼女とか、全然です!!」

    姉「………」ドンッ 

    ドサッ
    思い切り突き飛ばされ床にしりもちをつく。

    弟「うう……顔が……顔が…いたた…」

    グィッ!!

    弟「ひぃっ!!本当にごめんなさい!ご、ごめんなさい!!髪、はげちゃうから!」



594 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 01:05:47.99 ID:lZT6gG66i
    姉「…………馬鹿」ドンッ!

    再び俺を突き飛ばして、姉ちゃんはそのまま部屋を出て行こうとした。
    ドアノブに手をかけた所で、姉ちゃんの動きが止まった。

    姉「…………」ヘタヘタヘタ ペタン

    そのまま姉ちゃんはその場に座り込んでしまった。

    弟「姉ちゃん……???」

    姉「…………」

    弟「あのー。姉ちゃん…」

    姉「少し黙ってて」

    弟「…………………」

    姉「……………グス」

    弟「ねっ姉ちゃん」

    姉「……腰……抜けた…グス」


    そのあと無理やりおんぶして部屋に運ぶ途中で、
    思いっきり首を絞められそのまま落とされました。
    泡を吹いたまま廊下で放置されたのは辛かった。



707 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 18:52:37.84 ID:lZT6gG66i
    今日は姉ちゃんと買い物だ。
    服を買いに行くといったら一緒に行きたいというので、こうして二人で繁華街にきている。
    服代と夕食をおごってくれると(メールで)いうので、素直に甘える事にした。

    外で一緒にいる時の姉ちゃんは、
    流石に暴力は振るってこないが、
    相変わらず不機嫌そうな顔で携帯をいじっている。

    ブーン ブーン

    タイトル:いい天気ですね
    本文:外の空気が気持ちいいです。
    弟と一緒に歩いていると、日々の仕事の疲れも吹き飛びます。
    今日は楽しいデートにしましょう。


    …これだから…
    隣の姉ちゃんを見ても、恥ずかし気のかけらも見せず、ナンパを一睨みで撃退したこともある
    目つきで隣を歩いている。
    俺が横でメール読んでるの知っててこれだから。
    今もこちらの視線に気付いて、「…何?」とその不機嫌な顔を俺に向けている。
    「いや、俺も楽しい一日にしたいなーと。」という答えにも舌打ちを打って、その歩みを進めている姉ちゃん。

    もう姉ちゃんの中では、このやりとりは当然のもので、
    本人の中では、少なくとも表面上はなんの違和感もない行為なんだろうな。

    それでも携帯を持つようになって、俺のねえちゃんに対する印象は、
    かなり変わった。

    それまでは、本心の掴み所はないし、姉ちゃんといえば恐怖と畏敬の象徴ですらあった。


711 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 19:01:39.58 ID:lZT6gG66i
    大学生になっても、姉ちゃんは携帯をもっていなかった。
    花の女子大生にも関わらず、携帯が無くて不便じゃないかと聞いても、「必要ない」と持とうとしなかった。
    元々真面目で勉強家な姉ちゃんは、きっと大学にも勉強だけしにいってるのだろう。

    それでもやはり当日高校生の俺ですら携帯をもつ携帯社会。
    俺と姉ちゃんの間の連絡にしても、俺が携帯を取れる時に限られるため、
    連絡の齟齬で理不尽にしばかれる事も少なくなく、
    むしろ俺が携帯を持つようになってから顕著だった。

    連絡がうまくとれない、連絡取れた時には手遅れ、
    そんな理由で毎度頭蓋骨を圧迫されるようでは、
    俺の脳も成人を迎える前に縮んでしまうので、ある日思い切って姉ちゃんに携帯の購入を薦める事にした。



714 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 19:15:39.97 ID:lZT6gG66i
    弟「ね、姉ちゃん」

    姉「……」

    弟「姉ちゃん?」

    姉「ちっ……何?」

    弟「あのさ…。そろそろ姉ちゃんも携帯もたない?」

    姉「…いらない」

    弟「いや、でもやっぱ不便じゃない?友達とかt姉「いらない」

    うーん取りつく島がない…。



715 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 19:17:33.99 ID:lZT6gG66i
    弟「でも、やっぱ姉ちゃんに連絡したいときできないし…」

    姉「私がしたいときできればいい」

    弟「いや…で、でも…」

    姉「…しつこい」

    ギロッ

    弟「ヒぃ!…あ、あの姉ちゃんも携帯もってくれると、便利なんだよね。メールとかでいつでも色んな話できるし…。やっぱり携帯は便利だと。」

    姉「!……………」

    弟「ほ、ほんと!携帯は便利なんだよ?もつと手放せなくな」

    ツカツカツカ グイッ

    姉「一回しつこいって言わなかった?もう一回言う?」

    弟「あ、ご、ごめんなさい!すいません!ごめんなさい!!!」


    やはり姉ちゃんに何か説得するというのが無理な試みだったのかもしれない。



716 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 19:28:44.13 ID:lZT6gG66i
    ~数日後~

    ガチャ バターン

    弟「あ、姉ちゃんおかえりなさ」

    ブンッ ドカッ

    弟「痛ってええええ!!何か、角があっ!!」

    何か袋に入った箱を思い切り投げつけられ、
    それが俺の頭に強かにぶつかった。



717 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 19:29:29.96 ID:lZT6gG66i
    姉「30分以内に使えるようにして使い方教えて」

    弟「痛ったぁ…使い方って、何を…」ガサガサ

    そこには、箱に入った最新機種の携帯が。

    弟「ね、姉ちゃーん!!」

    姉「………ちっ……」

    弟「良かった!買うつもりでいてくれたんだ。言ってくれれば選ぶの手伝ったのに!すっげー最新機種だ!!」

    姉「……ちっ……あと28分///」

    弟「あ、う、うん!ちょっとまっててね!」


    すぐ開封して説明書を読みながら基本的な捜査方法を読みつつ充電を始めた。



726 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 20:15:30.40 ID:NMzwaXle0
    こんなとこに晒されるなんて姉ちゃんカワイソス(´・ω・)



728 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 20:20:29.24 ID:lZT6gG66i
    >>726


    さらされてるのは俺の脳内と性癖だけです本当にありがとうございます。
    こんな姉ちゃんリアルに実在するなら俺嫉妬で胃が溶けて死ぬよ。


729 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 20:23:10.19 ID:M4osbcg10
    おいSSなの分かってないの多過ぎだろw

    そもそも>>1の妄想じゃなければレスが皆嫉妬で狂っている。


730 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 20:31:11.44 ID:lZT6gG66i
    一通り基本的な操作方法を姉ちゃんに説明する。

    「は?」「なにそれ」「わかり辛い」

    と要所要所でお褒めの言葉を頂くも、何とか
    通話は問題なくできるように教えたつもりだ。

    弟「で、とりあえずお父さんお母さんと俺の携帯は登録しておいたから。
    追加登録の仕方は……」

    姉「……メールは?」

    弟「メール?」

    姉「メールはどうやるのか聞いてないんだけど」

    弟「あ、メールね。うん。」


    アドレス帳からメールの作成、送信までの流れ、
    実際の文字の打ち方等を教える。
    なんかさっき説明してたときより視線が怖い。
    もう説明するの疲れてきて部屋で漫画読みたいのばれてるのだろうか。

    弟「で、送信ボタン押せば届くから。じゃぁ、試しに俺に適当にメール送ってみてよ。
      俺部屋にいるから、もしわかんなくなったら呼んでね。」


732 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 20:40:11.40 ID:lZT6gG66i
    やはり最初は操作に戸惑っているのかもしれない。
    特に文字うちなんかはなれないと中々厳しい。
    姉ちゃんのテストメールはなかなか届かなかった。

    ♪ハゲヤマノ ハゲタカガ ワタシヲスコシカジッタカラ ハッシッシ、ハッシッシ

    お、きたきた。
    随分と時間かかったなと。
    どれどれ…

    タイトル:送れていますか?
    本文:こんばんは。姉です。
        初めてのメールで少し緊張しています。
        やはり難しいですね。
        でも、弟が薦めてくれて感謝しています。
        これから、沢山弟とメールをしたいので、
        早く携帯の操作に慣れなくてはと感じています。



    ……は??
    え???これ、誰??え?
    あ、なんか別の人の??い、いや、送信者、姉ちゃんだ…え??

    え???????

    普段の姉ちゃんの言動からはとても想像がつかないメールの内容に、
    最新機種は身内に送るようにある程度雛形が用意されてるのかと思ってしまう程だった。
    ………解せない。意味が、意味がわからない。これは。
        



735 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 20:45:50.76 ID:lZT6gG66i
    リビングへ向かう。
    姉ちゃんは相変わらず携帯とにらめっこして色々いじっている。

    弟「あ、あのさ……メール、届いた」

    姉「あっそ」

    弟「えーと、あの……あのメール、姉ちゃんが打ったんだよね?」

    姉「……は?」

    弟「い、いや、な、なんか普段と感じ違うなぁって」

    姉「…??……文章だから多少口語と違うのはあたりまえでしょ」

    弟「え、いや、そうじゃなくて、なんか雰囲気というか、内容というか」

    姉「なんか文句あるの?」 

    弟「い、いや、そうじゃない。そうじゃないけど…」

    姉「…ちっ……ケチつけてんの?」 ギロッ

    弟「つ、つけてない。つけてないよ!!うん!!
      これからもよろしく!メールいつでも送ってね!」

    姉「………ちっ………」


736 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 20:53:52.89 ID:lZT6gG66i
    それからというもの、姉ちゃんのメール魔っぷりときたら、
    すさまじいものがあった。
    今は少しは落ち着いたほうだが、当時の昼夜家の中外問わず送られてくるメールの量は半端ではなく、
    それに対応する様を見て友人たちに彼女の存在を疑われる程だった。
    ここからは俺の推測だが、普段はああな姉ちゃんだが、実生活では真面目一本、
    教科書が友達みたいな人だったために、普段の口調でメールを打つ、という事が概念から理解できないのだと思う。
    いやそれにしたって普段の態度との落差が激しすぎる理由にはならないけど…。

    そんなこんなで俺が大学生、姉ちゃんが社会人になった今では、
    俺がかなわないぐらいのメールさばきを見せている。主に対象は俺だが。
    当時からずっと使い続けている携帯のダイヤルは、既に磨り減って文字の印刷がなくなっている。

    ブーン ブーン

    タイトル:試着は済みましたか?
    本文:私が選んでみた服、どうでしょうか。
        さっきの服もとても素敵でしたが、
        今選んだ服もきっと凄く格好いいと思います。
        着終わったらちゃんと私にも見せてくださいね。
        試着室の前で今、期待で胸がいっぱいです。

    ね、姉ちゃん、まだ上着も脱いでないよ…メール早すぎ。

                             ~姉メールビギニング 完~





782 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 23:50:43.84 ID:lZT6gG66i
    飲み物を取りにリビングに行くと、姉ちゃんがタバコを吸っていた。
    テーブルの上にこれ見よがしにDVDが置いてある。

    弟「あ、これ結構話題になったやつだよね?もう観た?」

    姉「……まだ」

    弟「あ、いつ観るの??俺も観たいな。」

    姉「いつ観ようが私の勝手」

    弟「あー…うん…そうだよね。うん。」

    姉「………ちっ……」

    めんどくさそうにDVDをプレーヤーにセットし、
    予告の間に、てきぱきとかつめんどくさそうにお菓子とコップ、ジュースを用意しだす姉ちゃん。

    うーんと、コップ二つあるし、これは俺もみて、いいんだよな…。

    姉ちゃんの横に座り、そのまま本編へと突入する。



788 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 23:54:52.57 ID:lZT6gG66i
    内容は密室に鎖につながれたまま閉じ込められた二人が…という感じの、
    衝撃のラストが売りの映画だ。

    弟「姉ちゃんてこういうちょっとグロいの好きだよね」

    姉「うるさい。黙って観れば」

    弟「………」

    …………

    緊張、絶望、そして謎が張り巡らされたストーリーに徐々に入り込むもつかのま、
    前日遅くまでゲームしたのが祟って、なんとこんなときに少し眠くなってしまった。

    弟「…………」コクリ、コクリ

    姉「………ちっ………」 パカッ カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ


    ブーン ブーン

    弟「うおっ!?」

    姉「……ちっ…」

    姉ちゃんからのメールではっと我に返る。


790 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/26(月) 23:57:05.44 ID:SagXIH710
    たのむ。。。
    一人っ子のオレに・・・希望を・・・・・・



793 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 00:00:17.97 ID:lZT6gG66i
    タイトル:眠いですか?
    本文:眠そうですね。
        眠かったら無理せず寝てください。
        DVDはまた今度でもいいです。

    うう…ばれてる。
    でも、正直眠い。もうストーリーちょっと飛んでるし…。
    うーんどうしよう。
    あ、でもなんか今日はちょっと姉ちゃん機嫌がよさげな気もするし、
    ちょっと、もののためしに、少し甘えてみたりなんかどうだろう。

    タイトル:少し眠いです。
    本文:でも、DVDは姉ちゃんが観たくて借りてきたものだし、
        中断とかは嫌です。
        姉ちゃんの膝枕でこのまま寝かしてもらうというのはどうですか?

    パカッ

    あ、見てる見てる。

    姉「…………」jカタカタカタワナワナワナワナワナワナワナワナワナワナ

    うおおっ!?怒ってる!??だめだ!!失敗だった!!

    弟「あ、うそうそ、冗談へやにもど」ガシィッ!! グイィッ

    弟「アダダダダダダダ!!」ドサッ!!

    いつものお決まりで髪をつかまれたと思ったら、
    そのままひざまで無理やり引っ張られた。



797 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 00:04:56.97 ID:lZT6gG66i
    弟「!?!?え??いいの??」

    姉「……気に入らなければさっさと部屋行けば」

    弟「う、ううん!!このまま!!ごめんね!ごめんね!!」

    姉「……ちっ……もう黙れ」

    弟「……………」

    そのまま、心地よい感触の中ですぐに俺はまどろみの中へと入り込んでいった。



    ………………


    どのくらい経ったのだろう。
    夢うつつの中、頭をやさしく撫でられている感じが淡く心地いい。

    パチッ

    弟「うわっ!?!?」

    姉「えっ!?あっ!!!」



805 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 00:10:57.46 ID:lZT6gG66i
    目を開けたら、眼前に姉ちゃんの顔のどアップが広がっていた。
    その驚きに思わず声をあげてしまう。

    姉「△◆◎ЯЭ!!!!」バチーーーーーーーーーン!!

    弟「!!ビデヴッ!!」

    思い切り姉ちゃんの振り上げた両手の顔面に直撃する。

    弟「あ…あうぅ…なんだよ!なんなんだよぉおお」

    姉「ご……ごめっ」

    流石にちょっとこれはひど過ぎやしないかと涙目になると、
    珍しく姉ちゃんも慌てていたというか、しょっぱなから何か慌てすぎな感もいなめなかった。

    弟「ひ……ひどい!いきなり…顔……うぅ…」

    姉「う……うぅ………じゃ、邪魔!いつまでいんの!帰れ!!!」

    姉ちゃんはひざから俺を引っぺがしそのまま俺の部屋まで引きずって押し込まれてしまった。

    なんだよ。なんなんだよ全く……。

    ブーン ブーン


816 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 00:19:31.11 ID:lZT6gG66i
    タイトル:ごめんなさい…
    本文:いきなり弟が目を覚ましたので、
        つい気が動転してしまいました。
        あんな事するつもりはありませんでした。
        本当に、本当にごめんなさい。
        いつも、自分自身のとる行動に自己嫌悪してしまいます。
        怪我とかはしていないでしょうか?


    ……もう……メールで丁重に謝ったってさ…これはいくらなんでも…。
    せっかくいい気持ちで、膝枕堪能してたのに。ほんとうにつかの間の幸せだったな。
    つかの間……つかの間!!?!?
    ふと時計に目をやると映画を見始めた時間からすでに4時間近く経っていた。
    え!?映画終わった後もずっと俺寝てたのか!!!姉ちゃんのひざの上で!!
    ね、姉ちゃん……

    タイトル:こちらこそごめんなさい
    本文:少しびっくりしました。でも大丈夫です。
        それより、ずっと寝てたのにびっくりです。
        起こしてくれても良かったのに。
        足とか大丈夫ですか?ごめんなさい。仲直りしましょう。
        映画のラストはどうでしたか?
        どういう結末だったんでしょうか?すっごく気になる!

    これで仲直りのメールだ。あとはメールで姉ちゃんと映画トークでもしよう。

    しかし、なぜかいつも来るメールの返事が今回に限って来ない。

    ……ん????リビングからさっきの映画のオープニングの音が。
    姉ちゃん、映画観てたんじゃないのか????





966 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 18:51:43.96 ID:lZT6gG66i
    熱で…寝ている。
    しんどい。共働き家庭で熱出すと、
    この歳では放置プレイだ。

    ぶーん ぶーん

    タイトル:大丈夫ですか?
    本文:今日は早めに帰ります。
    大丈夫ですか?
    弟が心配で仕事が手につかないです。
    弟が一人で苦しい思いしてると思うと切ないです。


    こんな感じのメールが30分おきにくる。
    その都度熱は何度か等報告している。
    普段だと、たまに姉ちゃんのメール頻度にすこし疲れてくる事も正直いってなくはないが、
    こんな風に一人で熱にうなされていると、
    ふしぎと心細いため、姉ちゃんのメールが凄く救いだ。


971 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 18:59:19.95 ID:lZT6gG66i
    ブーン ブーン
    あ、またメールだ。姉ちゃんだ。
    もう30分経ったのか。もう時間感覚が…あまり…ない。
    確認しないと。
    かく…に…ん…………


    …………………


    ガチャ バターン ドタドタドタドタ
    カチャッ

    姉「はあ…はあ…はぁ……」

    弟「うーん……うーーん…」

    姉「………ホッ」





973 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:03:35.12 ID:lZT6gG66i
    …………

    弟「うーん…」パチッ

    姉「あ、…」

    弟「あ、あれ…姉ちゃん…外明るい、、仕事は?」

    姉「いいから…」

    弟「あ、パジャマ……かえ…ありが」

    姉「うん。いいから。」

    弟「姉ちゃ…ごめ…」

    姉「………寝な」クシャッ

    弟「う…姉ちゃ…いて…よかっ…りがと」

    姉「……………ん」ナデナデ




974 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:12:14.20 ID:lZT6gG66i
    目が覚めた。
    ……うん。大分体も楽になった。
    夢の中で姉ちゃんが優しく頭を撫でてくれてた気がする。心地よかったなぁ。

    ん?俺、いつ着替えたっけ??
    氷枕…冷たい。冷えピタも貼りたてだ。
    ……?

    カチャッ

    姉「……あ」

    弟「あ、姉ちゃん!!帰ってたんだ」

    姉「………」


976 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:16:36.10 ID:lZT6gG66i
    ギロッ ツカツカツカツカ

    弟「ひいっ!な、何を」

    ピト

    姉ちゃんのヒヤッとした手が額にあてられる。

    姉「…………フゥ…」

    弟「姉ちゃん…いつから?仕事は?」

    姉「…ちっ。あんたのせいでクビかもね」

    弟「へ??なんで?あ、あの、ごめん…」

    姉「……ちっ」

    スタスタスタスタ カチャッ トタトタトタトタ バターン

    無言で姉ちゃんは家を出てしまった。
    というか、まだスーツだったし。



978 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:25:40.27 ID:lZT6gG66i
    ブーン ブーン

    タイトル:仕事に戻ります。
    本文:とりあえず少し良くなったようなので、
    仕事に一旦戻ります。
    何も言わず飛び出してきてしまったので…。
    本当はずっとみていてあげたかったのですが、ほんの少しばかり今忙しいのです。ごめんなさい。
    今日は絶対に早く帰ります。安静にしてください。
    お鍋にお粥が入っています。動けそうなら少しでも食べてください。
    枕元スポーツドリンクがあります。
    なるべくこまめに飲んでください。
    弟が少しでも良くなってくれたのであんしんしました。


    ね、姉ちゃん…ありがとう。
    なんだかんだいって姉ちゃん大好き。
    今度、お礼にデートでも誘うよ。

    タイトル:ありがとう
    本文:ありがとう。
    姉ちゃんの顔みれて安心しました。
    姉ちゃん大好き。


    ~姉がメールだけ丁寧で戸惑う 完~


980 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:27:42.82 ID:bV+Q5GAN0
    乙乙面白かった



984 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:30:03.10 ID:CSPl0/hb0
    乙!ここまで続けてくれてありがとう


985 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:30:32.21 ID:lZT6gG66i
    おまけ

    隠れ設定

    姉
    好物:食べっこどうぶつ

    近眼。以前は生粋のメガネストだったが、弟が「メガネしてる女の人っていいよね」といったのを耳にして依頼、
    メガネ選びに妥協できなくなり、結果メガネをかける勇気がでずそれ以来常時コンタクト。
    視力が悪いので裸眼時の目つきの悪さは通常の3倍。

    弟だけでなく基本人と上手く接する事ができないので、ぼっち街道驀進中。余計弟に依存する結果に。
    キツめ美人として職場での隠れ人気は高い。


995 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:33:52.44 ID:lZT6gG66i
    弟

    社交的で人なつっこいため友人は多い。
    仲がいい友人には重度のシスコン認定されており、
    その噂が広まっているため女っけはない。
    友達を家に呼んでも姉と遭遇するとトラウマを抱える二度と家に寄り付かなくなるという経験を重ねているため、基本家に人を呼びたがらない。



986 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:31:14.08 ID:3OQ0C6GL0
    貴様、姉科の回し者だな



993 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:32:44.50 ID:EcnJ5rZ0O
    >>1
    おつかれ!貴方がくれた姉ルギーのおかげで暫く眠ってた姉熱が再発しましたwwwww


997 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:34:33.58 ID:/pwvvUfr0
    >>1
    よくここまで書いた…乙。
    つか姉コンタクトなんだなw

998 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:34:40.68 ID:9sHG/GA50
    >>1乙!
    楽しかったよ!



999 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/27(火) 19:34:51.35 ID:lZT6gG66i
    最後に。

    VIPに姉の火を絶やさないで。
    年下妹幼女派には絶対負けるなよ。