2009年8月24日10時20分
この言葉は01年に「ストレングス・ファインダー」、すなわち調査会社のギャラップ社が開発した、私たちの強みを発見するテストが日本で公開されたときに知りました。
一般論として、強みに集中することが有利だと知ってはいましたが、強みに集中している人の方が統計的に有意に生産性が高く、幸福感も高いことをそのテストの結果が示していて、改めて目から鱗(うろこ)が落ちた思いがしました。
ある意味、私はやや極端なくらい、得意技と不得意なことが分かれています。
得意技は、一人で考えたり、情報をコツコツ集めて分析したり、それをわかりやすく文章や概念説明に落とすことです。一方、苦手なのは、多人数の前で社交的に振る舞ったり、人の名前をしっかり覚えて、きめの細かい気配りをしたりすることです。
この言葉を知るまで、不得意なことについて、どうしてできないのだろうと自分を責め、どのように改善すればいいのか悩み抜いていました。
ところが、無理に不得意なことを改善しようとせず、得意技でそれを補えるような工夫をした方が幸せになれるのだ、という考え方を手に入れたため、私の人生の自由度はずいぶん変わりました。
つまり、社交的ではない自分をまず認めて、そんな自分でも周囲に受け入れられるようにするには、社交性ではなく、着想や言葉を評価してもらおうというように考え方を切り替えたのです。
例えば、多人数のパーティーに出かける機会はなるべく減らすようにしました。どうしても行く必要があるときには十分な準備をして、幹事の方に名簿を用意してもらい、それを手放さないようにする、といった工夫をするようにしました。
そして、なるべく多くの時間を読書や自分との対話、書くことに費やし、かつ、それが自分の仕事になるように、一つずつ業務の引き受け方を変えていきました。
そうしますと、朝起きたときに、ああ、今日も一日が始まるのか、と苦痛になるのではなく、ワクワクドキドキと新しい一日を楽しむことができるようになりました。
まずは得意技を生かして苦手な時間を減らすことを意識してみてください。必ず、人生が変わると思います。
(経済評論家・公認会計士)
1968年東京都生まれ。経済評論家・公認会計士。早稲田大学大学院ファイナンス研究科、慶応大商学部卒。当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得し、マッキンゼー、JPモルガンなどを経て経済評論家として独立。05年、「ウォール・ストリート・ジャーナル」から「世界の最も注目すべき女性50人」に選ばれる。著書に「お金は銀行に預けるな」(光文社)など多数。
勝間和代さん主宰、ワーキングマザー及びその予備軍の女性が集うコミュニティ「ムギ畑」はこちら。