【青島共同】太平洋戦争中の強制連行をめぐり、西松建設(東京)と広島県の建設現場で働いた中国人元労働者らとの和解成立を受け、原告、日本人弁護士や支援者らが2日、被害者の多い山東省青島市で被害者や遺族ら120人に初めて現地説明会を開催した。被害者からは「裁判の闘いを通じて日本の印象が変わった」として、弁護士の取り組みや西松建設側の対応などを高く評価する声が相次いだ。 説明会では、和解により、年末までに1人当たり約60万円の補償金が支払われる見通しなどを説明、出席者全員が挙手で和解結果を支持した。 元労働者の故呂学文さんの次女、呂志英さん(57)は「子どもの時から父の苦労を聞かされ日本を恨んできたが、今は気持ちが変わった」と語り、説明会では「日中友好を永遠に願う」との詩を朗読した。 元労働者の父がおととし亡くなったという成文学さん(56)も「父が求めていた謝罪も得られ、恨みの気持ちから、もう許そうとの思いになった。ただ父が生きているうちに実現してほしかった」と無念そうに語った。 和解では原告ら360人の中国人元労働者を対象に2億5千万円の救済基金を設立することで合意した。 |